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カンザスシティ連銀金融ストレス指数構成要素のヒートマップ 

このエントリは5月7日付の「金融市場Watch Weblog Tech Labo」エントリからの抜粋です。


金融ストレス指数とは、金融活動の過熱および停滞を捉えるための指標であり、各国中銀がそれぞれ算出を行なっている。この指数は金融活動指標で構成されており、主に金利指標や株価、マーケットボラティリティなどを含むものである。米国では、カンザスシティ連銀が金融ストレス指数を月1回、セントルイス連銀が週1回公表している。また日銀でも金融活動指標の作成を行なっている(石川他(2012))。


今回はEconomic Time Series Data Analyzerを用いて、カンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素からいくつか選定し、各要素のヒートマップチャートを描いて検証していく。その前にカンザスシティ連銀金融ストレス指数について簡単に述べておく。Hakkio,Keeton(2009)のペーパーでは冒頭以下のように述べられている。



The U.S. economy is currently experiencing a period of significant financial stress. This stress has contributed to the downturn in the economy by boosting the cost of credit and making businesses, households, and financial institutions highly cautious. To alleviate the financial stress and counteract its effects on the economy, the Federal Reserve has reduced the federal funds rate target substantially and undertaken unprecedented actions to support the functioning of financial markets. There will come a point, however, when the Federal Reserve needs to remove liquidity from the economy and unwind special lending programs to ensure a return to sustainable growth with low inflation.

(抄訳)米国経済は、現在著しい金融ストレスの時期にある。このストレスは、信用コストの押し上げによって経済が落ち込んでいくのに寄与し、また企業や家計、金融機関に高い警戒を持たせている。金融ストレスを緩和するため、あるいは経済にその効果を打ち消すため、Fedは大幅にFF金利を引き下げ、金融市場の機能をサポートするために前例のないアクションを行った。しかしながら、低いインフレを伴った持続可能な経済成長に戻ることを可能にするために、Fedが経済から流動性を取り除き、特別な貸出プログラムを引き戻すことが必要となった時がポイントとなってくる。

In past recoveries, the decision when to tighten policy was based mainly on the strength of business and consumer spending and the degree of upward pressure on prices and wages. An additional element in the current exit strategy will be determining if financial stress is no longer high enough to endanger economic recovery. As financial conditions begin to improve, the various measures of financial stress that the Federal Reserve monitors may give mixed signals. In this situation, policymakers would greatly benefit from having a single, comprehensive index of financial stress. Such an index could also prove valuable further down the road, when the Federal Reserve might again need to decide whether financial stress was serious enough to warrant special attention.

過去の回復過程において、政策の引き締めの時期を決めるのは、主に企業や家計消費支出が強化され、価格や賃金に上方圧力が掛かることが基本となっている。さらに現在の出口戦略の要素は、もし金融ストレスがもはや経済回復にダメージを与えないのに十分である場合に決定される。金融の状況が改善し始めた時、Fedが監視している金融ストレスの様々な指標は混在したシグナルを送るだろう。この状況において、政策担当者はシグナル、すなわち金融ストレスの包括的なインデックスを持つことにより大きな恩恵を得るだろう。Fedが金融ストレスが特別な注意を保証するのに十分であるかどうかを決めるときに、そのようなインデックスはこれから先貴重なものとなることを証明するだろう。

This article presents a new index of financial stress - the Kansas City Financial Stress Index (KCFSI). The article explains how the components of the KCFSI capture key aspects of financial stress and shows that high values of the KCFSI have tended to coincide with known periods of financial stress. The article also shows that the KCFSI provides valuable information about future economic growth.

この記事では、カンザスシティ金融ストレス指数(KCFSI)について提示する。この記事では、どのようにKCFSIの要素が金融ストレスの重要な側面をキャプチャするかを説明し、KCFSIの高い値が、金融ストレスの時期として知られているものと一致する傾向となっているかを示す。この記事は将来の経済成長について価値ある情報を提供することを示す。


そして各構成要素についての説明が続くが、一般的に金融ストレスは通常の金融市場の機能が寸断されることが考えられている。それは、資産のファンダメンタルズ的な価値について不確実性が増すこと、他の投資家の振る舞いについて不確実性が増すこと、情報の非対称性が増すこと、リスク資産を保有する意欲が減少すること(フライ・トゥ・クオリティ/FTQ)、流動性の不足している資産を保有する意欲が減少すること(フライ・トゥ・リクイディティ/FTL)といった観点があり、それらの現象を表す指標をピックアップし、構成要素としている。



(1)3カ月LIBOR-3カ月T-bill(Tedスプレッド):FTQ、FTL、情報の非対称性の増大
(2)2年スワップスプレッド:FTQ、FTL
(3)オフ・ザ・ラン/オン・ザ・ラン10年債スプレッド(カレントの10年債からそれより前に発行された同年限の債券利回りのスプレッド):FTL
(4)Aaa格社債/10年債スプレッド:FTL
(5)Baa格社債/Aaa格スプレッド:FTQ、情報の非対称性の増大
(6)ハイイールド社債/Baa格スプレッド:FTQ、FTL、情報の非対称性の増大
(7)コンシューマーABS/5年債スプレッド:FTQ、情報の非対称性の増大
(8)株価と債券利回りの負の相関:FTQ
(9)全体の株価のインプライドボラティリティ(VIX):資産のファンダメンタルズ的な価値についての不確実性の増大、他の投資家の振る舞いについての不確実性の増大
(10)銀行株のボラティリティ(IVOL):資産のファンダメンタルズ的な価値についての不確実性の増大、他の投資家の振る舞いについての不確実性の増大
(11)銀行株収益率のクロスセッション分散:情報の非対称性の増大


これらの指標について主成分分析を行い、その結果が以下の表となっている。この結果から指標を求めている。



ここから、カンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素について、Economic Time Series Data Analyzerのヒートマップモジュールを使い、ヒートマップで表すわけだが、このヒートマップ機能について簡単に述べておきたい。このヒートマップ機能では、t期間の各要素について、標準偏差を求め、t期間の要素の平均からどの程度乖離しているか、-3標準偏差から+3標準偏差に分けてそれぞれの区分で色分けを行なっている。つまり、経済や金融活動が過熱していれば赤で表され、一方で停滞していれば青で表示される。


そしてカンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素についてであるが、FREDのデータベースから求められない要素である(3)、(10)、(11)を除外し、さらに(8)についてもヒートマップモジュールで適切な期間で相関係数を求める機能については未提供であるので、除外する。(7)については、コンシューマABSの代替としてモーゲージ金利の代表的な指標であるフレディマック30年固定モーゲージ金利を採用し、ベンチマークとして米30年債金利を用いた。また(6)のハイイールド社債の金利については、BofA Merrill Lynch US High Yield BB Effective Yieldを用い、社債利回りについては、Moody's Seasoned Aaa Corporate Bond Yield、Moody's Seasoned Baa Corporate Bond Yieldを使用した。すべての情報がFREDで提供されているのは30年債の発行が再開された2006年2月9日以降であり、そこから現在(2012年5月7日)の期間を取り、週次ベースでの各指標のヒートマップは以下のようになった。


・統計基本情報



・ヒートマップ




・KC連銀金融ストレス指数





*(USD3MTD156N-DTB3)はTedスプレッド、DSWP2-USD3MTD156Nは2年スワップスプレッド、DAAA-DGS10はAaa格社債スプレッド、DBAA-DAAAはBaa格-Aaa格スプレッド、BAMLH0A1HYBBEY-DBAAはジャンク債-Baaスプレッド、MORTGAGE30US-DGS30はモーゲージ金利-30年債スプレッド、VIXCLSはVIX指数を表す。


これをみると、リーマン・ショック(2008年9月)以降、各指標は異常値をとってきており、+第3標準偏差(スワップスプレッドは-3標準偏差)となっている。その後Fedの流動性対策が功を奏し、Tedスプレッドや社債スプレッド、モーゲージスプレッドは安定してきている。またVIXも安定している。しかし、2011年以降欧州金融危機の影響から所々でヒートマップがまだら模様となっている。特にVIXやBaa格-Aaa格スプレッド、ジャンク債-Baa格スプレッドは過去の平均よりも上方乖離し、金融ストレスがやや掛かった状態となっている。


また、直近1年間の各指標のヒートマップは以下の通りである。





これをみると、昨年の夏場に米国連邦政府債務上限引き上げを巡る政治的な混乱や、米国信用格付け引き下げ懸念、ギリシャ情勢の不安定さから各指標ともに急激に平均から乖離し金融市場の緊張状態が読み取れる。その後趨勢として昨年11月末の各国中銀のドルスワップ取極の強化により市場が安定に向かいつつあることからいくつかの指標はストレスが解消してきている。しかし、今週以降、欧州の緊張状態の度合いが高まれば、金融にストレスが掛かりやすくなり、これらのヒートマップも上方乖離を示すものが多く出てくる可能性もある。引き続きこれらの指標のヒートマップの動向には注意深く監視が必要であると言える。



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タグ: マーケット  Fed  マクロプルーデンス 
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欧州銀行のデレバレッジの動きが鮮明化~BIS国際与信統計(2012年3月分)より 

BISは昨年9月末の国際与信統計を公表した。この統計は主要国の銀行がクロスボーダー及び現地子会社等を通じて他国にどれだけの与信を行なっているかをまとめた統計である。昨年末に、「2012年の経済・マーケットを考える(2)~デレバレッジ 」というエントリでまとめたが、欧州金融不安の拡大により、欧州銀行のデレバレッジの動きが加速し、金融システムが脆弱な新興国経済にも影響を与えるのではないかという懸念があった。


欧州の金融機関がドル建ての資金を調達する場合、米国内にリテールを持つわけではないので、専ら市場調達に依存してきた。しかし、2007年以降の金融危機では、市場でのドルファンディングが困難となり、ドル建て資産の圧縮を余儀なくされた。その後各国中銀のドルスワップライン取極などの流動性対策が功を奏し、一旦はデレバレッジの動きは落ち着きを払っている。しかし、2010年からのソブリンリスクの進展、そして2011年に入るとそれに伴う欧州金融機関の流動性リスクが大きく意識されることとなり、欧州金融機関は再度ドル資金の調達難に陥った。特に2011年第3四半期は、欧州周縁国のソブリン債への懸念から、欧州の幅広い金融機関がドルなど外貨を調達できず、外貨建資産の圧縮を余儀なくされていたことが今回発表されたBIS統計で浮き彫りとなった


3月の統計において、クロスボーダー与信では、特に東欧向けの与信が減っていることが明らかになった。また、これまで与信の拡大が続いてきた中国は頭打ちとなり、インド及びブラジルでは与信が縮小してきている。以下はBRICs及び東欧向けのクロスボーダー与信の推移(出所:BIS Consolidated Banking Statistics、単位百万ドル)。

・BRICs

Cross-border Claims BRICs

・東欧

Cross-border Claims EastEurope


また、2011年9月末の国別の対外与信では、スペインの銀行がブラジル向けの対外与信を急激に縮小していたことが明らかになっている。昨年の6月末時点では、スペインの銀行はブラジルに対して2102.95億ドルの与信を行なっていたが、9月時点では1797.76億ドルにまで縮小している。これは、昨年夏以降のソブリンリスクの高まりで、スペイン国債のエクスポージャが大きいスペインの金融機関の外貨調達が難しくなりブラジル向けのエクスポージャを減少させたものとみられる。


国内の金融・実体経済面への影響については、中国、インド、東欧は国内与信(外国銀行の支店・現地法人による外貨建て及び地場通貨建ての国内与信)よりもクロスボーダー与信が大きいことから、こうした海外銀行の与信の縮小のインパクトは相対的に大きくなる。また、経常黒字国よりも経常赤字国のほうが、そうした影響をより受けやすくなる。新興国や東欧の経済については、昨年秋以降大きな減速がみられていることから、こうしたデレバレッジの影響を受けていると考えられる。新興国や東欧通貨は昨年の夏以降大きく売られ、かつ国内の金融・信用市場にも大きな影響が出てきている。例えば、クロスボーダー与信が大きく減少したハンガリーではM3が減少しており、信用の収縮が意識された。以下はハンガリーのM3の推移(出所:MAGYAR NEMZETI BANK、年率換算、1カ月ベースのインデックス)。


Hungary M3 20120316


実体経済面でも、こうしたデレバレッジの動きに加え、ユーロ圏を中心として世界的に景気減速が進行したことなどから、ハンガリーやチェコなど東欧諸国、インドやブラジルなど新興国でも2011年7-9以降景気減速が顕著となっている。また、新興国はインフレ傾向を強めていたことから中央銀行が金融引き締め姿勢を強めたことも影響している。以下はインド、ブラジル、東欧諸国のGDP伸び率の推移(出所:各国統計、YoY)。


EM GDP 20120316


2011年第4四半期についても、恐らく10-11月に掛けてデレバレッジの動きが加速していただろうと思われる。しかし、2011年11月に主要中銀がドルスワップライン取極の適用緩和や期間延長を行い、ドル資金の供給体制を強化した。またECBは12月と2月に3年物LTROを実施し、欧州の金融機関に大規模な流動性提供を行なった。このことから年初以降金融市場が安定し、ドルファンディングの環境は緩和されている。このことから2012年の第1四半期に掛けてはデレバレッジの動きが緩和に向かっていると思われる。(追記・加筆)また、欧州銀行が持っていたエクスポージャについてはアジアや米国の銀行が代替で融資したとBISではコメントしており、このあたりも緩衝材として機能している(ロイター「欧州銀行の資産圧縮、アジア・米系銀が代替で融資=BIS」参照)。しかし、欧州ソブリンリスクの動向が依然として不透明さが残り、金融市場の緊張が再び高まっていく可能性があること、依然として欧州金融機関のエクスポージャ自体は膨大であること、欧州金融機関の資本増強の動きなどを踏まえ、依然としてデレバレッジへの警戒感を払拭するには至らないものと考えられる。


【参考】欧州銀行の各国向け対外与信(出所:BIS)


・中東・アフリカ

ME and Africa_A 20120316
ME and Africa 20120316


・アジア・太平洋


Asia and Pacific 20120316


・先進国除く欧州


East Europe 20120316



・ラテンアメリカ


LAmerica 20120316


【用語について】

A国の銀行がB国に現地法人を持っていてその現地法人が現地企業や政府等に対して(外貨・現地通貨建て)与信を行なっている場合、それはA国の対外与信として扱う。対外与信は国際与信(国境を超えた(クロスボーダー)与信と外国銀行の支店・現地法人による外貨建ての国内与信)と外国銀行の支店・現地法人による地場通貨建て与信を合わせた与信のことである。


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タグ: ソブリンリスク  欧州金融不安  マクロプルーデンス  新興国 
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Fedストレステスト結果概要~シティなどは「不合格」  

3月13日にFedは米国主要銀行に対するストレステストの結果を公表した。16日に発表予定であったが、一部リークなどにより公表が前倒しされた。ストレステストに関する内容全文はこちら(Comprehensive Capital Analysis and Review 2012: Methodology and Results for Stress Scenario Projections)を参照。


■目的


The Federal Reserve expects large, complex bank holding companies to hold sufficient capital in order to maintain access to funding, to continue to serve as credit intermediaries, to meet their obligations to creditors and counterparties, and to continue operations, even under adverse economic conditions. The Comprehensive Capital Analysis and Review (CCAR) is a supervisory assessment by the Federal Reserve of the capital planning processes and capital adequacy of these large, complex bank holding companies (BHCs). The CCAR is the Federal Reserve’s central mechanism for developing supervisory assessments of capital adequacy at these firms.

Fedでは、大きくてかつ複雑な持ち株会社は、経済状況が悪化しても、資金調達や信用仲介の提供を維持し、債権者とカウンターパーティに対する義務を満たし、かつオペレーション業務を続けるための、十分な資本を有していると予測している。包括的な資本分析とレビュー(The Comprehensive Capital Analysis and Review(CCAR))は、巨大かつ複雑な銀行持ち株会社(BHCs)の資本計画プロセスと、自己資本についてFedから監督的な評価を受けている。CCARはこれらの企業の自己資本の充実に対する監督的な評価を進展させるためのメカニズムである。


Nineteen BHCs were required to participate in this year’s CCAR (CCAR 2012). In early January, these BHCs submitted comprehensive capital plans to the Federal Reserve, describing their strategies for managing their capital over a nine‐quarter planning horizon. The purpose of requiring BHCs to develop and maintain these capital plans is to ensure that the institutions have robust, forward‐looking capital planning processes that account for their unique risks and that the institutions have sufficient capital to continue operations throughout times of economic and financial market stress. As part of its assessment of the plans, the Federal Reserve projected losses, revenues, expenses, and capital ratios for each of the 19 BHCs under a severely adverse macroeconomic scenario specified by the Federal Reserve. This paper describes this scenario, provides an overview of the analytical framework and empirical methods used by the Federal Reserve to generate these stress scenario projections, and presents the results.

19のBHCは、今年のCCARに参加することが求められている。1月初旬に、これらのBHCはFedに対して包括的な資本計画を提出し、今後9四半期に渡って資本を管理することについての戦略を述べた。BHCに対して資本計画の進展や維持を要求する目的は、金融機関が堅牢であること、固有のリスクを説明したフォワードルッキングな資本計画プロセスや、経済や金融市場のストレスを通じて金融機関がオペレーションを行うのに十分な資本を確保していることである。計画への評価の一環として、Fedによって指定された厳しく悪化したマクロ経済的なシナリオの下で、19のBHCの損失、収入、支出、そして自己資本比率の予測を行った。




■シナリオ

以下のような厳しく悪化したマクロ経済的なシナリオで実施された。


・2012年末に実質GDPが鋭角的に落ち込むこと

Stress test scenario US GDP


・2013年半ばに失業率が13%のピークに達すること

Stress test Scenario Unemployment rate


・2012年の後半を通じて米国株式が50%下落すること

Stress Test scenario Stock



・住宅価格が2013年末に20%以上下落すること


Stress test scenario Home Price

・欧州やアジアといった海外の実質GDPも収縮すること


stress sinario foreign GDP


このようなシナリオの下、Fedは19のBHCに対して、自己資本・貸倒、損失がどうなるかを算出した。


・自己資本

BHCs Capital Ratios


・貸倒

BHCs LOAN LOSS


・損失

Net Loss


この結果、このようなシナリオの下、シティ、アライ・フィナンシャル、サントラストの3行が必要要件とされる普通株Tier1比率5%を割り込んだ。またメットライフも最低基準となる8%を割り込んだ。以下は各銀行の上記シナリオの下での普通株Tire1比率。


BHCs Tier1



また、上記シナリオにおける損失の要因としては、第1順位モーゲージが62億ドル、トレーディング及びカウンターパーティ損失が1160億ドル、クレジットカードが920億ドル、商工ローンが670億ドル、証券の損失が310億ドルなどと推計された。以下は上記シナリオ時における損失の要因である。


Projected Losses in the supervisory stress scenario


そしてローンの貸倒率ではキャピタル・ワンやシティ、アメックスが大きいと推計された。以下は各行の貸倒率。


Total Loan Loss



このことから、所謂ストレステストを「パス」したJPモルガンについては配当と自社株が認可されたと伝わっている。ウェルズ・ファーゴやUSバンコープについても増配が認可された(ロイター「米銀ストレステスト、シティとメットライフが予想外の不合格 」参照)。


2009年に実施されたストレステストは、2009年の米国GDPが3.3%のマイナス成長、失業率が8.9%、住宅価格指数が20%超下落となったというシナリオであり、2011年実施の時は2011年の実質GDPは1.5%減、失業率は11%、住宅価格は6.2%下落、株価は27.8%のシナリオだった。2009年の場合、各金融機関は想定されたマクロ経済シナリオの下で「有形普通株自己資本比率」の4%を維持していなければならず、そしてそれを満たせなかった金融機関は増資となったが、今回のマクロ経済シナリオにおいて5%を満たせなかったシティグループなど各行は資本計画修正案をFedに提出するものとみられている。従って、当該3行については、そのようなシナリオに陥った場合、事業を継続していく(すなわちTire1の5%維持)ための資本計画を立案せよ、ということだろうと思われる。


2009年の時と比較すると、2009年のストレステストの場合、当時の失業率の想定である8.9%は甘いのではないか(既に9%を超えピークは10%となっていた)との指摘が多かったが、今回のマクロ経済の想定シナリオは失業率が13%であり、株価は半値、住宅価格もここから20%超下落と、かなり厳格なシナリオの下での安全性に対するテストということであり、米国の大規模な金融機関の資本については健全性をアピールした格好となっている。一方で米銀はリセッション以降、米国債の保有を拡大していることから、インフレの場合(例えば長期金利が急騰した時)のストレステストも必要かと思われる。


参考:厭債害債 「米銀のストレス・テスト(2)」


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