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カンザスシティ連銀金融ストレス指数構成要素のヒートマップ 

このエントリは5月7日付の「金融市場Watch Weblog Tech Labo」エントリからの抜粋です。


金融ストレス指数とは、金融活動の過熱および停滞を捉えるための指標であり、各国中銀がそれぞれ算出を行なっている。この指数は金融活動指標で構成されており、主に金利指標や株価、マーケットボラティリティなどを含むものである。米国では、カンザスシティ連銀が金融ストレス指数を月1回、セントルイス連銀が週1回公表している。また日銀でも金融活動指標の作成を行なっている(石川他(2012))。


今回はEconomic Time Series Data Analyzerを用いて、カンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素からいくつか選定し、各要素のヒートマップチャートを描いて検証していく。その前にカンザスシティ連銀金融ストレス指数について簡単に述べておく。Hakkio,Keeton(2009)のペーパーでは冒頭以下のように述べられている。



The U.S. economy is currently experiencing a period of significant financial stress. This stress has contributed to the downturn in the economy by boosting the cost of credit and making businesses, households, and financial institutions highly cautious. To alleviate the financial stress and counteract its effects on the economy, the Federal Reserve has reduced the federal funds rate target substantially and undertaken unprecedented actions to support the functioning of financial markets. There will come a point, however, when the Federal Reserve needs to remove liquidity from the economy and unwind special lending programs to ensure a return to sustainable growth with low inflation.

(抄訳)米国経済は、現在著しい金融ストレスの時期にある。このストレスは、信用コストの押し上げによって経済が落ち込んでいくのに寄与し、また企業や家計、金融機関に高い警戒を持たせている。金融ストレスを緩和するため、あるいは経済にその効果を打ち消すため、Fedは大幅にFF金利を引き下げ、金融市場の機能をサポートするために前例のないアクションを行った。しかしながら、低いインフレを伴った持続可能な経済成長に戻ることを可能にするために、Fedが経済から流動性を取り除き、特別な貸出プログラムを引き戻すことが必要となった時がポイントとなってくる。

In past recoveries, the decision when to tighten policy was based mainly on the strength of business and consumer spending and the degree of upward pressure on prices and wages. An additional element in the current exit strategy will be determining if financial stress is no longer high enough to endanger economic recovery. As financial conditions begin to improve, the various measures of financial stress that the Federal Reserve monitors may give mixed signals. In this situation, policymakers would greatly benefit from having a single, comprehensive index of financial stress. Such an index could also prove valuable further down the road, when the Federal Reserve might again need to decide whether financial stress was serious enough to warrant special attention.

過去の回復過程において、政策の引き締めの時期を決めるのは、主に企業や家計消費支出が強化され、価格や賃金に上方圧力が掛かることが基本となっている。さらに現在の出口戦略の要素は、もし金融ストレスがもはや経済回復にダメージを与えないのに十分である場合に決定される。金融の状況が改善し始めた時、Fedが監視している金融ストレスの様々な指標は混在したシグナルを送るだろう。この状況において、政策担当者はシグナル、すなわち金融ストレスの包括的なインデックスを持つことにより大きな恩恵を得るだろう。Fedが金融ストレスが特別な注意を保証するのに十分であるかどうかを決めるときに、そのようなインデックスはこれから先貴重なものとなることを証明するだろう。

This article presents a new index of financial stress - the Kansas City Financial Stress Index (KCFSI). The article explains how the components of the KCFSI capture key aspects of financial stress and shows that high values of the KCFSI have tended to coincide with known periods of financial stress. The article also shows that the KCFSI provides valuable information about future economic growth.

この記事では、カンザスシティ金融ストレス指数(KCFSI)について提示する。この記事では、どのようにKCFSIの要素が金融ストレスの重要な側面をキャプチャするかを説明し、KCFSIの高い値が、金融ストレスの時期として知られているものと一致する傾向となっているかを示す。この記事は将来の経済成長について価値ある情報を提供することを示す。


そして各構成要素についての説明が続くが、一般的に金融ストレスは通常の金融市場の機能が寸断されることが考えられている。それは、資産のファンダメンタルズ的な価値について不確実性が増すこと、他の投資家の振る舞いについて不確実性が増すこと、情報の非対称性が増すこと、リスク資産を保有する意欲が減少すること(フライ・トゥ・クオリティ/FTQ)、流動性の不足している資産を保有する意欲が減少すること(フライ・トゥ・リクイディティ/FTL)といった観点があり、それらの現象を表す指標をピックアップし、構成要素としている。



(1)3カ月LIBOR-3カ月T-bill(Tedスプレッド):FTQ、FTL、情報の非対称性の増大
(2)2年スワップスプレッド:FTQ、FTL
(3)オフ・ザ・ラン/オン・ザ・ラン10年債スプレッド(カレントの10年債からそれより前に発行された同年限の債券利回りのスプレッド):FTL
(4)Aaa格社債/10年債スプレッド:FTL
(5)Baa格社債/Aaa格スプレッド:FTQ、情報の非対称性の増大
(6)ハイイールド社債/Baa格スプレッド:FTQ、FTL、情報の非対称性の増大
(7)コンシューマーABS/5年債スプレッド:FTQ、情報の非対称性の増大
(8)株価と債券利回りの負の相関:FTQ
(9)全体の株価のインプライドボラティリティ(VIX):資産のファンダメンタルズ的な価値についての不確実性の増大、他の投資家の振る舞いについての不確実性の増大
(10)銀行株のボラティリティ(IVOL):資産のファンダメンタルズ的な価値についての不確実性の増大、他の投資家の振る舞いについての不確実性の増大
(11)銀行株収益率のクロスセッション分散:情報の非対称性の増大


これらの指標について主成分分析を行い、その結果が以下の表となっている。この結果から指標を求めている。



ここから、カンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素について、Economic Time Series Data Analyzerのヒートマップモジュールを使い、ヒートマップで表すわけだが、このヒートマップ機能について簡単に述べておきたい。このヒートマップ機能では、t期間の各要素について、標準偏差を求め、t期間の要素の平均からどの程度乖離しているか、-3標準偏差から+3標準偏差に分けてそれぞれの区分で色分けを行なっている。つまり、経済や金融活動が過熱していれば赤で表され、一方で停滞していれば青で表示される。


そしてカンザスシティ連銀金融ストレス指数の各要素についてであるが、FREDのデータベースから求められない要素である(3)、(10)、(11)を除外し、さらに(8)についてもヒートマップモジュールで適切な期間で相関係数を求める機能については未提供であるので、除外する。(7)については、コンシューマABSの代替としてモーゲージ金利の代表的な指標であるフレディマック30年固定モーゲージ金利を採用し、ベンチマークとして米30年債金利を用いた。また(6)のハイイールド社債の金利については、BofA Merrill Lynch US High Yield BB Effective Yieldを用い、社債利回りについては、Moody's Seasoned Aaa Corporate Bond Yield、Moody's Seasoned Baa Corporate Bond Yieldを使用した。すべての情報がFREDで提供されているのは30年債の発行が再開された2006年2月9日以降であり、そこから現在(2012年5月7日)の期間を取り、週次ベースでの各指標のヒートマップは以下のようになった。


・統計基本情報



・ヒートマップ




・KC連銀金融ストレス指数





*(USD3MTD156N-DTB3)はTedスプレッド、DSWP2-USD3MTD156Nは2年スワップスプレッド、DAAA-DGS10はAaa格社債スプレッド、DBAA-DAAAはBaa格-Aaa格スプレッド、BAMLH0A1HYBBEY-DBAAはジャンク債-Baaスプレッド、MORTGAGE30US-DGS30はモーゲージ金利-30年債スプレッド、VIXCLSはVIX指数を表す。


これをみると、リーマン・ショック(2008年9月)以降、各指標は異常値をとってきており、+第3標準偏差(スワップスプレッドは-3標準偏差)となっている。その後Fedの流動性対策が功を奏し、Tedスプレッドや社債スプレッド、モーゲージスプレッドは安定してきている。またVIXも安定している。しかし、2011年以降欧州金融危機の影響から所々でヒートマップがまだら模様となっている。特にVIXやBaa格-Aaa格スプレッド、ジャンク債-Baa格スプレッドは過去の平均よりも上方乖離し、金融ストレスがやや掛かった状態となっている。


また、直近1年間の各指標のヒートマップは以下の通りである。





これをみると、昨年の夏場に米国連邦政府債務上限引き上げを巡る政治的な混乱や、米国信用格付け引き下げ懸念、ギリシャ情勢の不安定さから各指標ともに急激に平均から乖離し金融市場の緊張状態が読み取れる。その後趨勢として昨年11月末の各国中銀のドルスワップ取極の強化により市場が安定に向かいつつあることからいくつかの指標はストレスが解消してきている。しかし、今週以降、欧州の緊張状態の度合いが高まれば、金融にストレスが掛かりやすくなり、これらのヒートマップも上方乖離を示すものが多く出てくる可能性もある。引き続きこれらの指標のヒートマップの動向には注意深く監視が必要であると言える。



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タグ: マーケット  Fed  マクロプルーデンス 
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米国金利上昇~3つの要因 

先週は世界的に、特に先進国市場の債券市場で債券が売られる展開となり、中長期金利が大きく上昇する展開(ベア・スティープ)となった。米国債のイールドカーブは、2月29日時点と比較すると以下のようになっている。


UST 20120320


このような形となり、中期ゾーンのイールドが大きく上昇する展開となった。この背景にはいくつかあるが、主には(1)フライトゥクオリティの巻戻し、(2)Fedの時間軸の前倒し懸念、(3)期待インフレ率の上昇といったものがあるように思われる。(1)のフライトゥクオリティの巻戻しとは、昨年の夏場以降欧州のソブリンリスクへの懸念から逃避先として米国債が選好された。いわゆる質への逃避先としての色彩が色濃く反映された格好となっていた。しかし、ECBによる2度の3年物LTROの結果、欧州金融市場の流動性が次第に回復し、イタリアやスペインのソブリン債の利回りが大きく低下することとなった。このことからフライトゥクオリティとしての米国債の需要が足元で大きく減少してきている。


次にFedの時間軸の前倒し懸念について、現在Fedは2014年終盤まで異例なほどの低金利政策となることを予測している。このことから市場では2014年の終わりにかけて政策金利を低い水準に据え置くのではないかとの予測から、中期ゾーンのイールドが低下し、それがさらに長めのゾーンにまで波及してきている。しかし、2月初旬に発表された雇用統計では、失業率が8.3%に改善するなどしており、Fedが1月に示した失業率の予測(2012年第4四半期は8.2-8.5%程度と予測)よりも速いピッチで失業率が改善してきている。3月に発表された2月の雇用統計においても、非農業部門雇用者数は22.7万人増となっており、ここ数カ月でコンスタントに20万人以上雇用が増加している。このようなことから失業率は年内8%を割る可能性もある。そして3月のFOMCにおいても労働市場の基調について、


Labor market conditions have improved further; the unemployment rate has declined notably in recent months but remains elevated.

労働市場の状況はさらに改善し、ここ数カ月で失業率も著しく低下しているが、失業率は依然として高止まりして推移している。



このような表現となり、さらにこれまでは、

anticipates that the unemployment rate will decline only gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate.

失業率は委員会が判断したデュアルマンデートと一致する水準に向けて徐々にしか低下していかないと予想



という表現から、否定的な意味となる"only"が削除され、

anticipates that the unemployment rate will decline gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate

失業率はデュアルマンデートと一致する水準に向けて徐々に低下していくと予測



とし、失業率が低下していくペースについて従来よりも上方修正してきている。これにより4月にFedは経済見通しを公表するが、おそらく2012年第4四半期及び2013年第4四半期の失業率予想を上方修正してくるのではないかという見方が強まっている。そのため、インフレ率が現状の水準であるならば、失業率の低下ペースの速まりはFedの景気認識を大きく上方修正させることとなり、FOMC参加者の金融引き締めに転じる望ましい時期についても前倒しされるのではないか、という市場の予測が強まっている。従って、2014年後半よりも前に金利が引き上げられる見込みであれば、これまでの市場の金利予測も前倒しせざるを得ず、中期ゾーン中心に金利上昇圧力が掛かっているとみることも出来よう


期待インフレ率の上昇も恐らく長期金利上昇の背景にあるものと考えられる。昨年の初旬に「アラブの春」により原油価格が高騰し、さらに東日本大震災による供給障害もインフレ期待を後押しした。その後そういった一時的な要因が剥落し、期待インフレ率も落ち着き、インフレ連動債と普通債の差から求められる米国10年ブレークイーブンインフレ率(BEI)は2%に接近した水準であった。しかし、1月以降、イラン問題などを契機に再び原油価格が上昇し、また欧州経済が大きな落ち込みにはならないという期待、さらに米国経済が予想以上に堅調であるとの見方から3月16日には、10年BEIは2.4%に上昇してきている。このことからインフレ耐性にはあまり強くない資産である債券が売られるのも自然な流れだろうと思われる。以下は10年BEIの推移である。


BEI 20120320


米国債券市場における注目点は4月のFed経済見通しにおける失業率見通し、インフレ見通し、金利見通しである。失業率見通しは上方修正される可能性が高くなっている他、短期的なインフレ見通しも世界的なコモディティ価格の上昇や、労働コストも上昇していることから、上方修正される可能性がある。但し、中期的にはインフレのゴールである2%を下回って推移するものとみられることから、インフレに対する基調は変わらないと思われる。一方失業率見通しは上記のように上方修正の余地が大きい。このことからテイラールールなどを使えば、数人のFOMC参加者による金利パスは前倒しされていくものと考えられる。しかし、現状の景気回復が「偽りの夜明け」であるものとみられることから、中長期ゾーンの金利上昇はFedにとって好ましい事態とは必ずしも言えない。特にベンチマークの金利が上昇することによりモーゲージ金利が上昇し、住宅市場にダメージを与える可能性もある。このため、特にフォワードガイダンスの取り扱いは一層難しくなっていくことが予測される。


このエントリは、メールマガジン金融市場Watch Weblog Plus #31 2011/3/19-3/23から一部抜粋し、一部加筆したものです。


English Version is Here: US Treasury, What happened?


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カテゴリ: 市場視点

タグ: 米国債  金利  Fed  ZIRP  マーケット 
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FREDアドインを使ってみよう~マクロ・マーケット指標の時系列データをExcelに取り込むツール 

先日、セントルイス連銀がFREDアドインをリリースした。FERD(Federal Reserve Economic Data)とは、セントルイス連銀が運営するデータベースサイトであり、Fedをはじめ米国の公的機関と一部民間機関が発表する経済指標やマーケット指標の時系列データについてスプレッドシートをダウンロードできたり、グラフを表示したりできる。この度、Excelアドインをリリースしたが、これを使用することで、FREDデータベースへのアクセスは飛躍的に向上し、すべての作業がExcel上で完結するため、作業の効率も向上する。ここでは使用例について少し触れていきたい。


■導入


・FREDアドインの設定

(1)FREDサイトからアドインをダウンロードし、適宜解凍する。


(2)Excelにアドインを取り込む(ここではWindows版Excel2007の場合)


「Excelのオプション」ボタンをクリック


Fig1.png



「Excelのオプション」ダイアログの「アドイン」メニューを選択し、「設定」ボタンをクリックする


Fig2.png



「アドイン」ダイアログを開いたら、「参照」ボタンを押し、ダウンロードし解凍したアドインファイルを選択、そして有効なアドインに「FRED」が表示されたら、チェックを入れる。


Fig3.png



そうするとFREDメニューが表示され、以下のようなメニューが表示される


Fig4.png


■使い方の例


まず、任意のセルにSeries IDを入力する。ここでは非農業部門雇用者数(季節調整済)を表すIDである"PAYEMS"を例にあげてみることにする。"PAYEMS"と入力したセルをアクティブにして、Get FRED Dataボタンを押す。そうすると非農業部門雇用者数の時系列が表示される。


Fig5.png



また、前月比、前年比、パーセント比較などを行いたい際には、Series IDが入力されたセルの直下にデータ操作コマンド(Data Manipulation)を入力する。先ほどの例では"PAYEMS"直下に"chg"と入力する。すると非農業部門雇用者数の前月比の時系列が表示される。


Fig6.png



なお、このデータ操作(Data Manipulation)コマンドはメニューに表示されており、前月比、前年比、パーセント比較、自然対数といったデータを取得できる。


Fig7.png



グラフは時系列データを入手した上で、Series IDが入力されたセルをアクティブにして"Build Graph"ボタンを押し、"Create Graph(s)"、複数のグラフを作成したい場合には"Create Multiple Graph(s)"ボタンを押す。そしてダイアログが表示され、グラフを作成したいSeries IDを選択し、"Build Graph(s)"ボタンを押すとグラフが作成される。リセッションの時期にシャドウを入れることも出来る。


Fig8.png


Fig9.png


また、ポピュラーなSeries IDについてはタブから選択できる。"Browse Popular U.S. Data"、"Browse Popular Data Release"、"Browse Popular International Data"から選択できる。例えば、失業率やマネタリーベース、米国10年債金利やS&P500といったデータはこのメニューから選択できる。例えば、日本の失業率を表示させるには、"Browse Popular International Data"から"Japan"を選択し、"Unemployment Rate"を選択する。


Fig10.png


Fig11.png


Excelを使ったアドインなので、同時に関数やマクロ、分析ツールを使えば、できることはかなり多いものと思われる。米国のマーケットや経済指標の時系列データの加工などを行う際の生産性向上はかなり期待できよう。



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タグ: マクロ  マーケット  economics 
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雇用統計・インフレ率・FOMCの声明文を受けて金利はどう動くのか?~SF連銀ペーパーより 

サンフランシスコ連銀のエコノミストであるマイケル・バウワー氏は金利の期間構造について、"What Moves the Interest Rate Term Structure?"というペーパーでまとめた。経済指標やFOMCを受けて金利構造がどのように変化していくかを調べており、非常に興味深いものとなっている。以下はその要約である。


債券市場におけるニュースの影響を理解するには、個々の金利を超えてみていくことと、かつ全体の金利の期間構造を考慮することが有益である。例えば、非農業部門雇用者数における、予測出来ない変化は短期および中期タームの金利を大きく動かしてしまうが、長期タームの金利には影響を及ぼさない。インフレのニュースは期間構造のロングエンドに影響を及ぼす。金融政策における操作は金利への影響が異なってくるが、フォワードレートを含めて、すべての期間で変動が激しくなる。

様々な金利の日々の変化は金融のニュースの要となる。しかし、コンスタントに金利の上下動を引き起こすものは何であろうか?基本的な決定要因は、経済成長の見通しやインフレ、金融政策の予測、そしてリスクに対する補償である。金利の変化はマーケット参加者がこれらのファクターにおける新しい情報を受け取って変化する。多くの場合、様々な金利は同じ方向に動いていく。

しかしながら、方向性や大きさよりも大きな金利変化が存在する。異なった時間軸で満期を迎える債券は、画一的に動くわけではない。短期で満期を迎えるものから長期のものまで金利の全体の範囲となる金利の期間構造の変化をみていくことにより多くのことが学べるだろう。時には、短期金利はより大きく変動するものの、期間構造のロングエンドはあまり動かない。また、ショートエンドは固定されており、中期および長期金利しか変動しないということもある。期間スペクトラムを通して、金利における個々の変化は、マクロ経済や将来の金融政策のマーケットの予測におけるニュースのインパクトを評価するときに役立つだろう。


Shifts in the term structure of interest rates
金利の期間構造のシフト



米国財務省証券の金利はフィックスドインカムマーケットのレポートにおいて最も注意が払われる。米国債の満期は30年未満のレンジとなっている。Gurkaynak、SackおよびWright氏は米国債の金利とそれらの証券の価格がベースとなっているフォワードレートの組み合わせはとても役立つデータであるとした。このデータの組み合わせは日々更新され、Fedのサイトで公に参照することができる。


異なる時間軸の金利におけるニュースの効果をよりよく描くために、私はフォワードレートを見ている。フォワードレートは今日において将来の特定の期日にローン組成もしくは証券を発行するために契約される金利である。言い換えると、2年の満期のフォワードレートは、実質の短期金利と将来2年間におけるインフレ率の予測により決定される。その金利は2年間のコミットメントの金利リスクの補償を含んでいる。異なる期間のフォワードレートの変動は、特定の時間軸におけるインフレや金融政策の予測を反映している。


例えば、米労働省BSLが非農業部門雇用者数を1万8千人増加と報告した、2011年7月8日の雇用統計を考えてみよう。雇用者数が10万5千人増加するというフォーキャストのコンセンサスよりも大幅に下振れており、景気回復のペースにとって悪いニュースと解釈された。図1では7月7日と8日の間の米国債10年物金利のベーシスポイント(1%の100分の1)と10年物のフォワードレートの日々の変化を示している。すべての金利は低下しているが、その大きさ(マグニチュード)は異なる。


図1:
F1 20111108



金利の変動におけるよいアイデアを得るために、私はイールドの代わりにフォワードレートで考えてみる。フォワードレートは、将来の特定のある時間において、ある利回りがフォワードレートの平均利回りとなっている。従って、フォワードレートは異なる時間軸についての情報を明らかに提示している。7月8日のBSLのデータに従えば、大きな変動は2年から4年の期間のフォワードレートで発生している。8年から10年の期間構造の時間軸の変化はより小さいものであった。これらの金利の変化は将来の短期金利の予測の変動に影響したことから、6月の雇用統計はマーケットの参加者にとって、Fedの政策金利の予測パスが、2年から4年の時間軸でさらに低下するという予測を引き起こした。


Macro surprises and the response of the term structure
マクロのサプライズと期間構造の反応



図2
F2 20111108



雇用統計は典型的なパターンを示している。金利はプロシクリカルな動向におけるマクロ経済的なサプライズに反応している。これは、金利が予想よりも弱いデータに反応して低下する、そして予想よりも強いデータに反応して上昇するということである。いくつかの実証的研究ではこのパターンを文書化している。2001年のBalduzzi、 Elton、Green氏の論文では、現在の標準的なイベント研究の方法論を用いて、マクロ経済のアナウンスメントにより、特定の米国債金利の反応を研究した。著者は実際の指標と指標が発表される前のサーベイ(つまり市場予想)の予測の中心値との違いに基づいたサプライズの測定を構築し、異なる発表の間を比較して標準化した。彼らはマクロ経済のサプライズにより米国債の金利の反応を測定する統計的な連動を実行した。この並び替えの研究では、通常、マクロ経済の指標のサプライズに対して短期の金利は反応が小さく、長期金利は強く反応するということを発見した。


個々の金利を超えて、私は全体の期間構造に渡る反応を見積もり、すべての金利の変化を捉えた。様々な金利の殆どは、基本的な統計上の要因は殆ど捉えられていない。この考えに基づき、全体的な期間構造に渡って、米国債の金利とフォワードレートにおいて、経済指標の発表の反応を計算するモデルを構築することが可能である。


図2は雇用者数および食料・エネルギーを除いたコア消費者物価(CPI)のサプライズにおけるフォワードレートのカーブの反応を示したものである。破線は95%の信頼性でモデルの予測を示唆している。短期および中期のホライズンにおけるフォワードレートは、非農業部門雇用者数のサプライズにおいて、大きくかつ強い反応を示している。最も強い反応は、およそ0.07パーセントであり、約2年の期間で発生している。特に、6年から期間スペクトラムのロングエンドに向かって、より長いフォワードレートは雇用のニュースに対して強く反応しなかった。他方、コアCPIインフレ率のサプライズへの反応はマグニチュードこそより小さいものの、期間スペクトラムのロングエンドに向かって拡大している。長いフォワードレートの変動は小さいものの、予測よりも強いコアCPIに対して、約0.015%上昇と統計的に大きな反応を示している。


従って、このモデルは、金利において、雇用のニュースとインフレのニュースとの間の重要な違いを示唆した。雇用のニュースは大きは反応を引き起こす一方で、インフレのニュースは期間構造のロングエンドに影響を与えただけだった。この結果は、経済指標に対する長期のフォワードレートへの反応についての他の研究での発見とは異なるものとなった。


Monetary policy actions
金融政策



FF金利の誘導目標の変更といった金融政策の決定は、FOMC声明文、もしくはしばしば委員会の参加者による金融市場に関する新しい情報を含んだスピーチにおいて発表される。重要なのは、FedはFF金利のみを直接操作しているのであって、他の期間の金利は詳細の金融政策の予測の変化に影響されるということだ。金融政策がどのように期間構造に影響を与えるのだろうか?どのような方法で、貸出コストやモーゲージ金利を決定する長期金利に影響し、経済行動に強く影響を与えていくのだろうか?フォワードレートの全体の期間構造をみることは、どのように 経済のファンダメンタルズの認識としての金融政策の変更が、異なる時間軸の金利に影響を与えるかを明らかにした。期間構造における変化は、特に、政策行動が長いフォワードレートに直接的に影響を与え、中期的な時間軸より先に影響していくかということを示している。


マクロ経済のニュースと金融政策のニュースとの間には重要な違いが存在する。我々は経済のサプライズを定量化することは出来るが、政策のサプライズのすべての側面を測ることは出来ない。FOMC声明文の言葉やスピーチは定量化が容易ではない。サプライズな構成を捉えるために、研究者は政策の行動が金融市場にどのような影響を与えたかに焦点を当てた。従って、政策行動の影響を評価するために、私は雇用とインフレのニュースで用いたものと同様なモデル化した手法を採用し、政策のサプライズが発表されるときに、全体の金利の期間構造の変化を調べている。


図3:
F3 20111108



図3は2007年に3回Fedが利下げに動いた時の影響を示したものである。すなわち、9月18日に0.50%、10月31日に0.25%、12月11日にさらに追加で0.25%引き下げている。これらの3つの緩和的な行動は期間構造に大きく異なる影響を与えた。9月においては、利下げ幅がマーケット参加者にサプライズを与えた。短期金利は低下したものの、より長いフォワードレートは実際に上昇しており、おそらくは経済成長の予測を上方修正したことに反応したものとみられる。10月については、短期および中期のフォワードレートは会合の日に上昇した。おそらく市場がFF金利をより大きく変動させるか、もしくはFedの声明文の文言の変更を予測していたものと見られる。従って、金融政策は事前に予測されていたよりも引き締め的であるとみられた。市場はFedによる12月の利下げを予想しており、(利下げの声明文発表後に)期間構造のショートエンドは十分には動かなかった。しかし、中期および長期タームのフォワードレートは著しく低下した。声明文の文言の変更はどうやらマーケット参加者にとって、中期および長期的に渡ってさらなる金融緩和を予測させた。


この期間構造の変更は、典型的な金利に対する金融政策の影響である。これは、政策行動が本質的に多次元的であるという事実を反映している。マーケットはFF金利の決定もしくは他の政策行動と、文言が前回から変更されたFOMC声明文の両方を考慮しているはずである。政策行動の影響と声明文は市場の期待に基づいて異なってくる。最も強い影響は、マーケット参加者が驚いたときに発生する。金融政策の複雑さはインフレ調整した金利やインフレ期待、他の資産価格の動きからも表れている。


図4:
F4 20111108


期間構造において、金融政策のシステマティックな影響はあるのだろうか?政策によって引き起こされた金利の変動を考慮することは、この質問に答えるのに役立つ。図4はFOMC声明文が発表される日と、そのような声明文が発表されない日のフォワードレートの金利変動の比較である。Fedが金融政策の声明文を発表した日は他の日に比べて高い変動を示している。明らかに、金融政策は金利変動のキードライバーとなっている。最も動いたのは2-3年の期間の中期タームの金利である一方、政策行動はより長いフォワードレートにも強い変動を引き起こしている。もちろん、これは長期金利が短期金利と同じ方向を動いているかどうかについて述べているわけではない。しかし、金融政策の影響が長い時間軸に拡大し、数年の時間軸で変動が消えることはないことを示している。


Conclusion
結論


金融市場において、マクロ経済の指標のサプライズや金融政策の影響を理解するために、どのように金利のクロスセクションに影響を与えたかを考えることは重要である。そのような分析は、どこでマーケットにおいて、経済のファンダメンタルズの予測を変化させたかを示している。実質金利の期間構造の似たような分析やインフレ期待、リスクプレミアムは、どのように経済のファンダメンタルズが金利の期間構造を動かしているかについて、潜在的に、よりもっと明らかにしていく。



CPIと雇用統計では金利の期間構造に異なる影響を与えていたというのは意外で、驚きがあった。また、金融政策については、現状の政策アクションと声明文に盛り込まれた先行きの示唆という両方を織り込まなくてはならないため、多面的な影響を与えていく。さらに、現状、金融政策は非伝統的政策にシフトしており、時間軸政策、もしくはフォワードガイダンスの明示化といったように、金利市場の金利予測形成により、金利の期間構造に働きかける政策もある。こうした評価については今後ペーパーなどで触れられていくものと思われる。



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タグ: マーケット  金利  economics 
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ECB理事会~インフレリスクは「均衡がとれている」 

9月8日にECB理事会が開催され、政策金利であるリファイナンスオペ金利を1.5%に据え置いた。また金利コリドーも維持となった。トリシェ総裁記者会見では、以下のようなことが述べられた(全文はECBサイト参照)。


Based on its regular economic and monetary analyses, the Governing Council decided to keep the key ECB interest rates unchanged. Inflation has remained elevated and is likely to stay above 2% over the months ahead before declining next year. At the same time, the underlying pace of monetary expansion continues to be moderate, while monetary liquidity remains ample. As expected, the pace of economic growth in the euro area decelerated in the second quarter, following strong growth in the first quarter. Looking ahead, we expect the euro area economy to grow moderately, subject to particularly high uncertainty and intensified downside risks. At the same time, short-term interest rates are low. While our monetary policy stance remains accommodative, some financing conditions have tightened. It remains essential for monetary policy to focus on its mandate of maintaining price stability over the medium term, thereby ensuring that recent price developments do not give rise to broad-based inflationary pressures. A very thorough analysis of all incoming data and developments over the period ahead is warranted. Inflation expectations in the euro area must remain firmly anchored in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to make its contribution towards supporting economic growth and job creation in the euro area. We will continue to monitor very closely all developments.

通常の経済・金融分析に基づき、理事会はECBの政策金利を据え置くことを決めた。インフレは高止まりしており、今後数カ月間は2%を上回って推移し、来年には低下していく。同時に潜在的なマネタリーの拡大のペースは緩やかなままであり、金融の流動性は十分である、予測した通り、欧州の経済成長のペースは第1四半期に力強い成長があった後、第2四半期に減速した。先行きを見通すと、我々は欧州の経済は緩やかに成長していくと予測しているが、特に高い不確実性の影響を受けやすく、下振れリスクは大きくなっている。同時に短期金利は低い。我々の金融政策は緩和的なままだが、一方でいくつかの金融の状況は厳しくなっている。金融政策にとって中期的な物価安定の維持というマンデートにフォーカスを当てることが本質的なことであり、それゆえ最近の物価の進展は広範にインフレ圧力を押し上げないことを保証する。入手したすべての情報や先行きの進展についての徹底的な分析は正当性を持っている。ユーロ圏におけるインフレ期待は維持すべきインフレ目標を下回るか、もしくは中期的に2%に近づいたところでしっかりと固定されている。そのようなインフレ期待の固定は、ユーロ圏において、経済成長や雇用創出をサポートするための金融政策にとっての前提条件である。我々はすべての進展を非常に緊密に監視していくことにする。



このことから、現状の金融政策のスタンス(トリシェコード)は「非常に緊密に監視する(monitor very closely)」に据え置かれた。このことから10月の利上げはほぼ見送られたということが言えるかと思われる。利上げに踏み切るのであればstrong vigilance(強い警戒)を示すが、今回はややタカ派的なスタンスは継続するものの、少なくとも10月の利上げは見送るという形であろう。従って、4月の利上げ再開から3カ月おきに追加利上げを行うというサイクルが止まったことになる。


また、今回はユーロ圏の成長率見通し及び物価見通しが提示された。成長率見通しについては、


・2011年:1.4-1.8%(6月は1.5-2.3%)
・2012年:0.4-2.2%(6月は0.6-2.8%)



と下方修正した。この理由としては、


In the Governing Council’s assessment, the risks to the economic outlook for the euro area are on the downside, in an environment of particularly high uncertainty. Downside risks mainly relate to the ongoing tensions in some segments of the financial markets in the euro area and at the global level, as well as to the potential for these pressures to spill over into the euro area real economy. They also relate to further increases in energy prices, protectionist pressures and the possibility of a disorderly correction of global imbalances.

理事会の評価において、ユーロ圏の経済見通しはダウンサイドへのリスクがあり、特に高い不確実性の環境にある。ダウンサイドリスクはユーロ圏やグローバルレベルにおける金融市場のいくつかの部門で緊張が続いていることと同時に、ユーロ圏の実体経済へのスピルオーバーの潜在的な圧力と関係している。ダウンサイドリスクはさらなる原油高や保護主義圧力、グローバルインバランスの無秩序な是正の可能性も関係している。



としている。特に金融市場の緊張と、実体経済への波及効果については大きなリスクとして意識されていくものとみられる。そのためにはECBにとって今後も流動性対策を通じてこれらの緊張を緩和していくことが求められる。


また、インフレ見通しについては以下のようになっている。


・2011年:2.5-2.7%(6月から変わらず)
・2012年:1.2-2.2%(6月は1.1-2.3%)



となり、ほぼ変わらない見通しとなった。これについては、

We have now seen inflation rates at relatively high levels since the end of last year, with higher energy and other commodity prices as the main drivers. Looking ahead, inflation rates are likely to stay clearly above 2% over the coming months. Thereafter, on the basis of the path implied by futures markets for oil prices, inflation rates should fall below 2% in 2012. This pattern reflects the expectation of relatively stable wage growth developments in the context of moderate economic growth.

我々は昨年の末以降相対的に高いインフレ率をみており、高いエネルギー価格や他のコモディティ価格がメインドライバーである。先行きを見通すと、インフレ率は今後数カ月において2%を明確に上回るだろう。原油先物市場によって示されたパスに基づくがゆえに、インフレは2012年に2%以下に低下するだろう。このパターンは経済成長が緩やかであるという文脈において賃金の伸びの進展が比較的安定していることを反映した。



としており、今年のHICP消費者物価は2%台後半で推移しているが、原油先物価格がこの先落ち着いていくことや賃金インフレが緩やかであるということから来年には2%を下回るものとみている。また、政策判断において中期的なインフレリスクについても注目されているが、これについては、


The Governing Council views the risks to the medium-term outlook for price developments as being broadly balanced. On the upside, the main risks relate to the possibility of higher than assumed increases in oil and non-oil commodity prices as well as increases in indirect taxes and administered prices, owing to the need for fiscal consolidation in the coming years. The main downside risks relate to the impact of weaker than expected growth in the euro area and globally.

理事会は中期的な物価の進展の見通しのリスクについて広範でバランスがとれているとみている。アップサイドリスクは、原油や原油以外のコモディティ価格が想定以上に上昇する可能性や間接税や投入価格の上昇の可能性と関連している。主なダウンサイドリスクは欧州やグローバルの経済成長が予想よりも弱いことに関連している。



としており、バランスがとれているという認識を示したのは今年2月以来のこととなる。但し、今年の1・2月は「アップサイドに向かう可能性」に言及していることから、アップサイドに傾かないリスク判断を行ったのは昨年の12月以来のこととなる。以下はECBトリシェ総裁発言のうち、中期的なインフレのリスク見通しとトリシェコード、政策金利の推移である(出所:ECB)。


Inflation Risks 20110909.



このようなことから、"monitor very closely"というコードは据え置きになっているものの、インフレリスクについての下方修正を行っていることから、当面は政策を維持していくものと見られる。但し、金融市場の緊張が実体経済へスピルオーバーしていくリスクなどが高まり、実体経済のダウンサイドリスクが大きくなり、かつインフレリスクがバランスがとれているという認識が今後数カ月継続していくのであれば政策変更の機も熟していくことも考えられよう。しかし、利下げへのコンセンサスには時間を要するものとみられることから、当面の金融市場対策は流動性供給がメインとなっていくものと見られる。但し、一部米系投資銀行が予測しているように今週末のG7で協調利下げというカードが切られることもあるので、その点は留意しておく必要もある(個人的には今回のG7で協調利下げというカードが切られる可能性は大きくないとみているが、今後市場が急変するような場合あるいは金融危機に陥るような場合にはそのようなカードが切られるという発想は当然だろうと思われる)。


おまけ。トリシェ総裁ブチ切レの巻。海原雄山風にいえば「こんな質問をしたのは誰だあっ!!」ということなのだろう。


記者が、ドイツマルクに戻りたいとするドイツの人々やエコノミストについて何か答えることはあるか?(What is your answer to German people and economists who want the return of the DM?)と質問し、トリシェ総裁が「答えが欲しいのか?」としてそこからブチ切レの展開。完全なTranscriptはFT Alphaville "A few good central bankers"を参照。


Trichet defends legacy at ECB, hits back at German criticism, Thomson Reuters: Reuters Insider



impeccably, impeccably!
I would like very much to hear the 'congratulations' for an institution that has delivered price stability in Germany for … almost 13 years
13年間にわたってドイツに物価安定をもたらした機関に「祝意」を表明してもらいたいものだ!

We are in the worst crisis since World War II. We do our job. It is not an easy job.
我々は第二次大戦以降最も悪い危機の中にいる。我々が仕事をする。簡単な仕事じゃない。



最後に"Thank you for your Excellent Question"として記者を皮肉ったわけです。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: マーケット  ECB  金融政策  ユーロ 
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