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米国金利上昇~3つの要因 

先週は世界的に、特に先進国市場の債券市場で債券が売られる展開となり、中長期金利が大きく上昇する展開(ベア・スティープ)となった。米国債のイールドカーブは、2月29日時点と比較すると以下のようになっている。


UST 20120320


このような形となり、中期ゾーンのイールドが大きく上昇する展開となった。この背景にはいくつかあるが、主には(1)フライトゥクオリティの巻戻し、(2)Fedの時間軸の前倒し懸念、(3)期待インフレ率の上昇といったものがあるように思われる。(1)のフライトゥクオリティの巻戻しとは、昨年の夏場以降欧州のソブリンリスクへの懸念から逃避先として米国債が選好された。いわゆる質への逃避先としての色彩が色濃く反映された格好となっていた。しかし、ECBによる2度の3年物LTROの結果、欧州金融市場の流動性が次第に回復し、イタリアやスペインのソブリン債の利回りが大きく低下することとなった。このことからフライトゥクオリティとしての米国債の需要が足元で大きく減少してきている。


次にFedの時間軸の前倒し懸念について、現在Fedは2014年終盤まで異例なほどの低金利政策となることを予測している。このことから市場では2014年の終わりにかけて政策金利を低い水準に据え置くのではないかとの予測から、中期ゾーンのイールドが低下し、それがさらに長めのゾーンにまで波及してきている。しかし、2月初旬に発表された雇用統計では、失業率が8.3%に改善するなどしており、Fedが1月に示した失業率の予測(2012年第4四半期は8.2-8.5%程度と予測)よりも速いピッチで失業率が改善してきている。3月に発表された2月の雇用統計においても、非農業部門雇用者数は22.7万人増となっており、ここ数カ月でコンスタントに20万人以上雇用が増加している。このようなことから失業率は年内8%を割る可能性もある。そして3月のFOMCにおいても労働市場の基調について、


Labor market conditions have improved further; the unemployment rate has declined notably in recent months but remains elevated.

労働市場の状況はさらに改善し、ここ数カ月で失業率も著しく低下しているが、失業率は依然として高止まりして推移している。



このような表現となり、さらにこれまでは、

anticipates that the unemployment rate will decline only gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate.

失業率は委員会が判断したデュアルマンデートと一致する水準に向けて徐々にしか低下していかないと予想



という表現から、否定的な意味となる"only"が削除され、

anticipates that the unemployment rate will decline gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate

失業率はデュアルマンデートと一致する水準に向けて徐々に低下していくと予測



とし、失業率が低下していくペースについて従来よりも上方修正してきている。これにより4月にFedは経済見通しを公表するが、おそらく2012年第4四半期及び2013年第4四半期の失業率予想を上方修正してくるのではないかという見方が強まっている。そのため、インフレ率が現状の水準であるならば、失業率の低下ペースの速まりはFedの景気認識を大きく上方修正させることとなり、FOMC参加者の金融引き締めに転じる望ましい時期についても前倒しされるのではないか、という市場の予測が強まっている。従って、2014年後半よりも前に金利が引き上げられる見込みであれば、これまでの市場の金利予測も前倒しせざるを得ず、中期ゾーン中心に金利上昇圧力が掛かっているとみることも出来よう


期待インフレ率の上昇も恐らく長期金利上昇の背景にあるものと考えられる。昨年の初旬に「アラブの春」により原油価格が高騰し、さらに東日本大震災による供給障害もインフレ期待を後押しした。その後そういった一時的な要因が剥落し、期待インフレ率も落ち着き、インフレ連動債と普通債の差から求められる米国10年ブレークイーブンインフレ率(BEI)は2%に接近した水準であった。しかし、1月以降、イラン問題などを契機に再び原油価格が上昇し、また欧州経済が大きな落ち込みにはならないという期待、さらに米国経済が予想以上に堅調であるとの見方から3月16日には、10年BEIは2.4%に上昇してきている。このことからインフレ耐性にはあまり強くない資産である債券が売られるのも自然な流れだろうと思われる。以下は10年BEIの推移である。


BEI 20120320


米国債券市場における注目点は4月のFed経済見通しにおける失業率見通し、インフレ見通し、金利見通しである。失業率見通しは上方修正される可能性が高くなっている他、短期的なインフレ見通しも世界的なコモディティ価格の上昇や、労働コストも上昇していることから、上方修正される可能性がある。但し、中期的にはインフレのゴールである2%を下回って推移するものとみられることから、インフレに対する基調は変わらないと思われる。一方失業率見通しは上記のように上方修正の余地が大きい。このことからテイラールールなどを使えば、数人のFOMC参加者による金利パスは前倒しされていくものと考えられる。しかし、現状の景気回復が「偽りの夜明け」であるものとみられることから、中長期ゾーンの金利上昇はFedにとって好ましい事態とは必ずしも言えない。特にベンチマークの金利が上昇することによりモーゲージ金利が上昇し、住宅市場にダメージを与える可能性もある。このため、特にフォワードガイダンスの取り扱いは一層難しくなっていくことが予測される。


このエントリは、メールマガジン金融市場Watch Weblog Plus #31 2011/3/19-3/23から一部抜粋し、一部加筆したものです。


English Version is Here: US Treasury, What happened?


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タグ: 米国債  金利  Fed  ZIRP  マーケット 
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米国潜在成長率の下方屈折~米国金利低下の一因? 

7月29日に米国GDP統計の年次修正が行われ、2008年はゼロ成長から-0.3%、2009年は-2.6%から-3.5%に下方修正された。このことから米国の潜在成長率の下方屈折についても意識され始めている。先週、アトランタ連銀のロックハート総裁が"in a fog of uncertainty"と述べて、それについて同連銀のmacroblogでGDP下方修正の影響もあるのではないか、としている。このことについて少しまとめてみたい。以下のグラフは1990年を100として、それ以降の米国の実質GDPの推移である。なお2011年の値はフィラデルフィア連銀がまとめたフォーキャストの中心値(1.7%成長)である。(出所:BEA)。


US potential growth rate 20110824.



PATH(3%)とは、1990年を100として毎年3%の成長を示したパスであり、PATH(2%)とは同年を100として毎年2%の成長を示したパスである。米経済は1990年代以降この3%のパスに沿って推移しており、ITバブル期にやや上方乖離を広げた後にリセッションとなり、3%のパス近辺に近づいた。その後、住宅バブルが発生していたときには3%パスをやや上回って推移し、サブプライムローン問題及びリーマンショック以降のリセッションからは3%のパスからの下方乖離が拡大し、現在に至っている。そして、2008-2010年のGDPの年次改訂を受けてさらに3%パスからの下方乖離が拡大している。以下のグラフは上記のグラフの2005年以降を拡大したものである。


US GDPPATH_2 20110822.



米GDP年次改訂前に発表された成長率(Previously Published:グラフでは点線)において、3%のパスと2%のパスとの中間近辺で推移していたが、下方修正の影響により、成長率(Revised:グラフでは実線)は3%のパスから離され、2%のパスへの距離をより縮めている。仮に今後5年間、毎年平均で5.4%(10年では3.8%)という高い成長となれば3%パスに復していくことも可能である。しかし、仮に今後10年間で毎年平均1.3(訂正)1.1%程度の成長に留まるのであれば、逆に2%のパスに接近することになる。そして仮に現状懸念されているようなリセッションが具現化することになれば、ますますこの3%パスから遠ざかることになってしまう。結果として、それは潜在成長率の押し下げという可能性を強くしてしまうことになる


そして、米国の債券市場において、10年債利回りが2%を一時下回るという事態となっている。これは、もちろん目先、期待インフレ率の低下やFedの時間軸政策、さらには追加緩和策への期待なども金利低下要因として作用しているが、長期的なタームではこれまでの3%のパスに復していく、というよりもむしろ潜在成長率の押し下げを織り込んでいる可能性もある。


English Version is here "The Downward Refraction of US Potential Growth Rate".


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タグ: マクロ  米国  マーケット  米国債  金利 
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S&Pが米国ソブリン格付け見通しを「ネガティブ」に変更~米国の資金循環構造と米国債の信認 

4月18日にS&Pが米国のソブリン信用格付け見通しを"安定的"から"negative"に引き下げた。以下はS&Pのステートメントである(出所:S&P)。


-- We have affirmed our 'AAA/A-1+' sovereign credit ratings on the United States of America.
我々は米国のソブリン信用格付けについて'AAA/A-1+'を確認した。

-- The economy of the U.S. is flexible and highly diversified, the country's effective monetary policies have supported output growth while containing inflationary pressures, and a consistent global preference for the U.S. dollar over all other currencies gives the country unique external liquidity.

米国経済は柔軟かつ高度に多様化しているが、国の効果的な金融政策はインフレ圧力を抑えつつ成長を支えている。そしてグローバルにおいて一貫して他のすべての通貨の中でのドルの位置づけは外部にユニークな流動性を与えている。


-- Because the U.S. has, relative to its 'AAA' peers, what we consider to be very large budget deficits and rising government indebtedness and the path to addressing these is not clear to us, we have revised our outlook on the long-term rating to negative from stable.

AAA格と比べて、米国は、我々が考えるところでは巨大な財政赤字及び政府債務を有しており、これらの対処について明確でないため、我々は長期的な格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下方修正した。


-- We believe there is a material risk that U.S. policymakers might not reach an agreement on how to address medium- and long-term budgetary challenges by 2013; if an agreement is not reached and meaningful implementation is not begun by then, this would in our view render the U.S. fiscal profile meaningfully weaker than that of peer 'AAA' sovereigns.

我々は、米国の政治家が2013年までの中期及び長期的な予算の課題にどのように対処するのかについて、合意に達していないように思われる。もし、合意に達せず、意味のある実行が開始されないならば、米国の財政プロファイルにおける我々の見解はAAA格のソブリンと比較して相対的に弱いものとなるであろう。




現在オバマ政権は2013年に向けて財政支出や債務の圧縮にコミットしているが、議会でコンセンサスが取れるのかどうか、及び具体的な対処方法については未知数であり、これについてS&Pは格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に修正した要因であるとしている。以下は米国の連邦公的債務残高(出所:StLouisFed)。


Federal Government Debt 20110419.



これを受けての市場の反応は、米国債は一旦嫌気売りが出されたものの、株式市場などリスク性のあるアセットが大きく売られたことから買い戻され、ドルはギリシャの債務再編の思惑からユーロに嫌気売りが出されたことで相対的に買われた、という感じだろう。また、米国債の信認という問題は潜在的なリスク要因で、ダウングレードを受ければ国際金融市場への影響は計り知れないが、現状は見通しをネガティブに引き下げたという段階であり、米国債の安定消化の構造を揺るがすものではないと思われる


対内的に国債が安定消化出来る要件とは、


・貯蓄率の上昇
・民間資金需要及び貸出が低い



ということである。以下は米国の貯蓄率と商業銀行の貸出・リース残高の推移(出所:StLouisFed)。


Personal Saving rate 20110419.


Total loans and leases_20110419.


米国は経常赤字国であり、債務国なので、国内資金の95%に賄われている日本のJGBほど国債の消化については磐石とはいえないものの、貯蓄率が高水準にあり(銀行の債務増加)、なおかつ民間の資金需要が低く、貸出が増加していかないのであれば、資産に占める国債の割合は自然と増加していくことになり、これが米国債の安定消化要因となっている。以下のグラフは米国商業銀行の総投資額と財務省出資証券保有の推移(出所:StLouisFed)。


GovSec all com banks.



従って、金融危機以降、米国においてもJapanizationというべき資金循環構造を構築してきており、その結果、銀行のポートに占める米国債が増加してきており、米国債の安定消化が図られてきた。しかし、Fedでは上記のような資金循環ではデフレを引き起こす可能性があるため、QEを行って主に銀行から市場を通じて米国債を買い入れ、ポートフォリオリバランス効果を狙ってきている。その結果として、Fedは中国を抜いて米国債の最大保有者に至っている。昨年11月以降、米国の銀行の米国債保有残高は増加していないが、一方でFedのバランスシートにおける米国債はこの間拡大している。以下はFedによる米国長期債買い入れの推移(出所:Fed)。


Long Term Treasury Purchases.



このような資金循環から、米国債は安定的に消化されている。しかし、トリプルA格からダウングレードという話になればまた別であり、米国債を保有している海外勢の姿勢に変化が生じてくる可能性は高く、米国の金利上昇要因となるし、資金循環以上に信認の問題に直結する可能性がある。



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タグ: 米国  マーケット  米国債  金利  債券  Fed 
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Global Market Weekly Focus~12.27-31 

今週のポイントとしてはまずは先述のとおり中国の利上げの消化ということになろうが、月末ということもあり内外でマクロ指標が多く発表される。また、マーケットフローはクリスマス休暇明けということもあり、欧米で市場参加者が戻ってくることから週後半は流動性を高めていくことになるだろう。


■中国の利上げと今後の焦点


12月25日に中国人民銀行(PBoC)が貸出及び預金金利を25bp引き上げた。週初はNY市場こそオープンであるが、欧州は休暇(Boxing Day)であり、マーケットの流動性はまだ十分ではない。そのような状況からグローバルマーケットは中国の利上げを織り込んでいくことになる。この利上げについては短期金融市場においては織り込まれており、12月24日に7日間レポ金利は5.4231%にまで上昇していた。以下のグラフは7日間レポ金利の推移(出所:CFETS)。


China 7d repo 20101227



そしてShibor(上海銀行間取引金利)は1-3カ月あたりの金利が上昇しており、カーブが歪なものとなっている。以下のグラフはShiborのイールドカーブ(出所:Shibor)。


Shibor 20101227



このカーブの形状については、2月に春節があり、このための資金需要が強くため流動性が逼迫している。しかし、6カ月など長いタームについてはあまり金利が上昇していなことから、必ずしも今後連続利上げを織り込んでいるということはいえない(本来春節の時期に短期市場で資金不足が起こるのであれば、中銀はオペで資金を供給すべきであるが、PBoCの場合はそういったオペを打っていないようだ)。そしてマーケットではPBoCの次の一手に関心が集まるが、現状中国当局が取るべきインフレ対策は以下の通りである。


・預金準備率操作
・金利操作
・RMB改革



この中で預金準備率操作において、2010年は18.5%にまで引き上げられたが、インフレ及び貸出、さらにはマネーサプライの抑制に効果が出ているとは認め難い。2010年の中国においてCPI、貸出、マネーサプライ目標はいずれも超過してしまっている。金利操作については10・12月に25bpずつ引き上げているが、利上げの実効性はあまり高くない。中国ではドルペッグを行っている以上RMBの売り介入によって市中に資金が放出されるので、マネーサプライをコントロールすることは出来ない。このことから利上げの効果は資金吸収的な効果は見込めず、借入コストの上昇に留まる。貸出コスト以上にインフレ期待が高まれば貸出を抑制するのも難しくなる。従って、市中に滞留している資金を吸収しマネーサプライを抑制させたいのであれば、RMBの売り介入をやめた上で利上げを行い、市中のマネーを吸収する必要がある。輸入物価を抑制させたいのであればRMBを高め誘導していくしかなかろう。従って、2011年の中国の金融市場においてはRMB改革がなされるか否かが焦点であろう。政策の舵取り、すなわちRMB改革が遅れると、インフレを抑制できず、国内経済についてコントロール不能に陥ってしまう懸念が生じていくだろう。


*国際金融のトリレンマとRMB改革については12月27日発行の「本石町日記」さんのメルマガを参考にされるとよい。また、RMB改革についてはChina Viewシリーズで取り上げているのでそちらも合わせて参考にされたい。


■内外マクロ指標


内外マクロ指標について、国内では11月鉱工業生産指数、米国では10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数に関心が集まる。


・鉱工業生産(日本)


国内においては28日に発表される11月の鉱工業生産が注目される。生産予測調査では11月は+1.4%となっており、市場予想は前月比1.0%増加程度が見込まれている。しかし、鉱工業生産指数に大きなウエイトをもつ輸送用機器、中でも国内の11月自動車生産は前年比ベースで各社マイナスとなっているが、前月比では三菱自を除く各社がプラスになっており、全体で4.4%程度増加している。以下の表は自動車各社の9・10・11月の国内生産。


Car Production 20101227



従って11月の生産動向は10月に比べて増加していることから、輸送機器が牽引する形で生産が持ち直す可能性がある。しかし、出荷のモメンタムが低下して在庫が増加するという「意図せざる在庫増」のフェーズに留まると見込まれることから、日本経済が景気循環通り「減速」していることを示す内容となるだろう


・S&P/ケース・シラー住宅価格指数


米国では10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数の公表が28日に行われる。市場予想では前月比で-0.7%が予想されている。10月の住宅市場はフォークロージャ(差し押さえ)物件が大量に中古市場に放出されたものとみられており、価格低下バイアスが大きかった。そのため住宅価格は指数ベースでも下落していくものと思われる。但し、11月にはフォークロージャの動きが一旦止まっているのでその分住宅価格にはポジティブに作用するものとみられる。


その他の注目されるイベントとしては米国2・5・7年債の入札(総額990億ドル)となる。現状2年債が0.65%程度、10年債が3.4%程度となっているが、この水準で押し目買いが入るかどうかに注目が集まることになろう。11月から米国を中心に先進国では債券が売られる展開となり、金利が大きく上昇したが、需給的観点からすれば、QE2に対する相場形成による反動や、年末に向けてのポジション調整などが指摘されており、そのような動きが一巡するかどうか、という意味において今週の米国中期債の入札には注目が集まることになろう。市場参加者が戻り、流動性が高まる中での国債入札なので、相場の流れを変化させる可能性もある。


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タグ: マーケット  中国  人民元  金利  PBOC  マクロ  米国債 
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売られる米国債~需給とデフレとインフレの狭間で 

米国債がここのところ軟調に推移しており、16日の債券市場では中長期ゾーン中心に急落の展開となってきている。以下は16日の米国債イールドカーブ(出所:Bloomberg)


UST



12日からNYFedでは米国債の購入(追加投資)を開始しており、多数の投資家の売りに対して中銀の買いという構図がはっきりしているようだ。そして長期のイールドカーブを連続してみると、以下のようになる。


UST



FOMCでQE2が決定される以前から30年債を売って中期ゾーンを買い入れる動きが見られていたが、先週あたりから中期ゾーンを中心に売りが出されている。11月4日に5年債の金利は1.03%まで低下していたが、16日の段階では1.52%にまで上昇し、10年債についても3%の大台がみえてきている。一方30年債も売られてはいるものの、FOMC以前から下落しているので急落というよりも継続的に下落しているというイメージだろう。30年債が売られたのは、インフレ期待とFOMCで決まった長期債の買い取り年限のうち、10年以降のゾーンが合計で6%程度だったことも要因として考えられる。しかし、6000億ドルのうち、46%を買い入れると決まった5-10年のゾーンをはじめとして大きく売られているのがここのところの相場の特徴だろう。その要因としては、


・QE2期待相場で買われた反動
・銀行などが決算期にあたるため一旦ポジションを落とす動き



このような感じではないかと思われる。現状米国の銀行の米国債保有高は運用難から急増している。以下のグラフは米銀の米国債保有高の推移(出所:StLouisFed)。


USGSEC


この増加ピッチはおそらくQE2が決められた直後くらいまで続いていたものの、12月にかけて決算期ということもあり、金融機関中心にそのポジションを一旦落とす動きが出ているのではないかと思われる。特にトレーディング目的の債券においては、一旦そのポジションを落としてより高い安全投資先として例えばリザーブ((超過)準備預金)などに資金を回す動きが出ているのではないかと思われる。リザーブで運用すればB/S上も安全性が高まり、さらには25bpの付利があるので、金融機関にとって短期的な運用先からすれば都合が良い。そういったことからここ数カ月間で大量の米国債を抱えた金融機関は少しでもB/Sを「きれいにする」ために債券を売ってリザーブもしくはキャッシュで運用する動きが出ているものと思われる。従って11月から12月にかけてのリザーブ増減には気を払っておきたい(Fed公表は隔週、"Aggregate Reserves of Depository Institutions and the Monetary Base - H.3"を参照)。そして、NYFedが買い取りのオペを連日にわたって行ってもそれ以上の売りが出てきてしまえば相場は軟調になるわけで、現状においては売りバイアスが強い米国債市場ということになろう。


では、ファンダメンタルズを考える際にここ一両日の物価指標はかなり重要になるのではないかと思われる。本日は10月の卸売物価(PPI)、明日は10月の消費者物価(CPI)が発表される。予想ではコアPPIが前年比+2.1%、コアCPIが前年比+1.3%となるものと予想されている。ここで注目しなければいけないのは、PPIとCPIの差であろう。以下はPPIとCPIのスプレッド(対前年比、出所:StLouisFed)。


PPI-CPI Spread


このスプレッドが意味するところとは、コスト上昇圧力である。このスプレッドについては、大雑把に言えば、


・プラスの時には川上の価格が上昇しており、川下に価格が転嫁できない(コスト高、低デマンド)
・マイナスの時には川上の価格の上昇が緩やかで、川下の価格は需要の高まりにより上昇する(低コスト、高デマンド)


といったことがいえるだろう。現状ではプラスの基調となっており、本日及び明日の物価指標でこのスプレッドが拡大するかどうかがポイントとなろう。スプレッドが拡大した場合、短期的なインフレ期待の強まりがドル安や商品市況に及んで川上のコストを引き上げるものの、デマンドが押し上げられていないことから最終価格にまでは転嫁できないことから企業などにとって負担となる(「本日のドラめもん」参照)。企業業績に悪影響が出れば景気自体を押し下げることになるので、最終的に需要の低下から川上のコストも低下してデフレ基調に陥りやすく、中期的な視点で金利を低下させやすい(2008年の商品高騰→金融危機の動きが記憶に新しい)。一方でその逆になればデマンドの上昇によるインフレということになるのでよりデフレ懸念を後退させるものとなるのだろう。短期的な視点ではCPIとPPI、どちらがMagnitudeが強いものであったか、ということ相場の地合というものに左右されるのだろうが。



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