04« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»06

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

メモ:Fed四半期融資担当者調査 

11月8日にFedは四半期融資担当者調査(Senior Loan Officer Opinion Survey on Bank Lending Practices)を公表した。サマリーは以下の通りである(全文はFedサイト参照)。


The October 2010 Senior Loan Officer Opinion Survey on Bank Lending Practices addressed changes in the supply of, and demand for, bank loans to businesses and households over the past three months. The survey included a set of special questions that asked respondents about factors affecting recent commercial and industrial (C&I) loan growth and a special question that asked respondents about long-term changes inlending standards. This summary is based on responses from 57 domestic banks and 22 U.S. branches and agencies of foreign banks.

(抄訳)2010年10月の融資担当者の銀行貸出慣行調査はここ3カ月のビジネス及び家計のローンの供給及び需要について聞いた。この調査は最近の商工ローン(C&I)の伸びに寄与している要因や長期間の貸付基準の変化についての特別な質問の回答も含まれている。このサマリーは57の国内銀行と22の米国に支店を持つ外国銀行からの回答を得た。


The October survey indicated that, on net, banks eased standards and terms over the previous three months on some categories of loans to households and businesses. Both large and other domestic banks reported having eased some standards and terms; large banks were primarily responsible for the easing reported in July.3 However, substantial fractions of banks reported in response to a set of special questions that standards for many categories of loans would not return to their longer-run averages for the foreseeable future.

10月の調査では、銀行は貸付基準と、3カ月前より家計やビジネス向けのいくつかの貸付基準や貸付期間が緩和されたことが示された。大規模銀行や他の国内銀行はいくつかの貸付基準や貸付期間が緩和された。大銀行は6月の報告よりも主にプライムで緩和された。しかし、大部分の銀行は多くのカテゴリーで貸付基準が長期の平均水準には戻っていないと回答した。


Changes in standards and terms on loans to households were somewhat more mixed. Banks again reported an increased willingness to make consumer installment loans, and a small net fraction of respondents reported easing standards for approving credit card applications. However, a few banks, on net, reported having tightened terms and reduced the size of credit lines on existing credit card accounts. Small net fractions of respondents - though not the largest respondents - also reported having tightened standards on prime and on nontraditional mortgage loans as well as standards for approving home equity lines of credit (HELOCs).

家計向けのローンの貸付基準と貸付期間の変化はまちまちだった。銀行は消費者が分割ローンを組む意欲が増加しており、クレジットカードの承認基準を緩めたという回答が少ないながらもあった。しかし、いくつかの銀行では貸付期間を厳格化し、既存のクレジットカードのアカウントについてクレジットラインを減らした。多くの回答ではないものの、いくつかの回答ではプライム及び非伝統的なモーゲージローンについてホームエクイティローンクレジット(HELOCs)の貸付基準と同様に厳格化にした。


Demand declined, on net, for C&I loans, particularly for small firms; demand for C&I loans had been unchanged in the July survey.4 Large banks reported increased demand for commercial real estate (CRE) loans, but demand weakened at other banks. In addition, small net fractions of banks reported decreased demand for all types of residential mortgages and consumer loans, though the weakness was primarily at smaller institutions.

ネットでは、商業用及び工業用ローンの需要は減少しており、特に小さい銀行で際立っている。C&Iローンの需要は6月のものとさほど変わっていない。大規模銀行は商業用不動産ローンの需要が増加したと報告があったが、他の銀行ではその需要は弱い。さらに小規模銀行では全てのタイプの住宅用モーゲージローンの需要が減少しており、小企業におけるプライマリーローンも弱いとの報告があった。


以下が各部門別ローンの需要増減。


商工ローン


C&I


商業用不動産ローン

Commercial Real Estate Loan



住宅用モーゲージローン


Residential Mortgage Load


消費者ローン


Consumer Loan


景気が回復してきて商工ローンや消費者ローンなどはそれなりに需要が高まりつつあるものの、住宅用モーゲージローンについてはその回復のめどが立っていないことが示されている。住宅金融はかなり問題の根が深く立ち直りには時間を要するということだろう。但し、商業用不動産ローンはやや持ち直しの兆しが見られているという点についてはポジティブなところなのかもしれない。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ




スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: 米国  マクロ  銀行規制 
tb: 0   cm: 0

BaFin Shock~マーケットの不確実性がまた増える 

今日の東京市場は株式が下落、債券は反発、外為はユーロが乱高下の展開となっている。株式市場では昨日のNY時間で決められたBaFin(ドイツ金融監督庁)のネイキッドショートセリング規制を受けて米国株式が大幅安となったことを受け売り先行ではじまったものの、日経平均で10,000円の大台が意識されるところでは買い戻しの動きとなった。債券市場ではBaFinの決定を受け米国債が"Fly to Quality"から買い進まれた流れや株安を受け買い進まれた。外為市場ではメルケル独首相の一連の発言(ロイター 「EUは金融市場監督と課税急ぐ必要、ドイツは単独でも空売り規制実施=メルケル首相」参照)を受けてユーロが乱高下、欧州株安から円買いの動きとなっている。


昨日のNY市場は小売の好業績を受けて朝方は買い進まれたものの、ドイツ連邦金融監督庁が以下のステータスを出したことから、市場は一気にリスクポジションの圧縮とFTQの動きに傾いた。


The Federal Financial Supervisory Authority has on Tuesday temporarily banned naked short sales of debt securities issued by eurozone countries for trading on domestic stock exchanges in the regulated market. It has also temporarily banned so-called credit default swaps (CDS) where the reference bond and liability are from a eurozone country, and which does not serve to hedge against default risk (naked CDS).

In addition, BaFin has banned naked short sales in the following financial sector companies:

AAREAL BANK AG
ALLIANZ SE
COMMERZBANK AG
DEUTSCHE BANK AG
DEUTSCHE BORSE AG
DEUTSCHE POSTBANK AG
GENERALI Deutschland HOLDING AG
HANNOVER RUCKVERSICHERUNG AG
MLP AG
MUNCHENER RUCKVERSICHERUNGS-GESELLSCHAFT AG
These bans apply from 19 May 2010, 00:00, until 31 March 2011, 24:00, and will be reviewed.

BaFin justifies these steps given extraordinary volatility in debt securities issued by eurozone countries. Furthermore, credit default swaps on the credit default risk of several countries in the eurozone has increased significantly. Against this background, massive short sales of the affected debt securities and the conclusion of naked credit default risk on eurozone countries had led to excessive price shifts, which could have led to significant disadvantages for financial markets and have threatened the stability of the entire financial system.

Faced with these circumstances, BaFin has also banned naked short sales within the selected financial institutions.

(抄訳) ドイツ連邦金融監督局は水曜日に一時的に国内証券取引場で取引されているユーロ圏諸国で発行された証券について一時的にネイキッドショートセリングを禁止した。さらに、ユーロ圏諸国の債券や債務を原資産としたクレジットデフォルトスワップ(CDS)について、デフォルトリスクのヘッジに役立っていない(ネイキッドCDS)ものに関しても一時的に禁止する。

追加して、BaFinは以下の金融セクターの株式のネイキッドショートセリングも禁止する。

アリアンツ、ドイツ銀行、コメルツ銀行、ドイツ証券取引所、ドイツ・ポストバンク、ミュンヘン再保険、ハノーバー再保険、ゲネラリ・ドイチェランド・ホールディング、MLP、アーレアル・バンク

これらの禁止は2010年5月19日0時から2011年3月31日まで適用され、見直されるだろう。

BaFinは、これらの行動が、ユーロ圏の国々で問題となっている債券の異常なボラティリティに対する臨時的な措置であることを正当化される。さらにユーロ圏諸国のいくつかの国のデフォルトリスクに基づいたCDSは大幅に増加している。影響を受ける債券やユーロ圏のCDSの大規模な空売りは、(当該債券の)過度な価格変動にさらされ、金融市場の重大な欠点を持たらし、安定した金融システムの阻害になっている。このような背景に対抗するため(の措置)である。



これを受けてリスク市場は混乱状態となっている。金融株のネイキッドショートセリングはリーマンショックの前後に米国などでも導入した制度であるためさほど違和感がないが、驚いたのはネイキッドCDSセリング(プロテクションの買い)を禁止したことだろう。これは確かに声明にあるように、債券価格の乱高下を招き、結果的に国債発行を行う際にリスクプレミアムを押し上げ、ファイナンスコストを高めてしまっているのも現実問題として考慮されている。しかし、ネイキッドCDSのプロテクションの買いを禁止したことはいろいろな点で問題になりそうである。この手の問題でよく指摘されるのはCDS市場の流動性の問題であり、19日の欧州市場でもそのような現象が早速起こっているようだ(FT Alphaville "CDS bid-offer spreads you could drive a BMW through"より)。以下はmarkitのGavin Nolan氏の指摘。


Bafin’s announcement of a ban on short-selling of European bonds and naked sovereign CDS has shaken the market out of its docile state. European sovereign CDS have opened significantly tighter as investors unwind hedges and exit short risk positions. Liquidity is poor, bid-offers are wide and flow is mostly one-way. The ban only applies to institutions operating within Bafin’s jurisdiction but there are fears that an EU ban could be coming in the autumn.

BafinによるネイキッドCDS及び社債のショートセリング禁止の通告は市場を動揺させている。欧州のソブリンCDSスプレッドは投資家のヘッジやリスクポジションの巻き戻しによって特にタイト化している。流動性は乏しく、ビッド・オファーのスプレッドは拡大しており、フローは一方向となっている。この禁止措置はBafinの管轄機関で適用されるが、EUが秋にでも禁止するのではないかとの懸念が存在している。


以下はソブリンCDSのビッドオファースプレッドの例。


Greece 450-650bps
Portugal 240-320bps
Ireland 160-220bps


そもそもCDSはローンや債券のデフォルトリスクに対してヘッジを行う(プロテクションの買い)ために設計されたものであるが、直近では様々なネイキッドでプロテクションの買いのポジションを取る動機がある。その中でも禁止して問題になりそうなのは2点指摘出来る。


・アーブ
マクロヘッジ


アーブは対象原資産である債券の価格に対しての裁定取引であり、債券とCDSとの価格の鞘を取る行為である。これに関しては市場の歪みに着目した商行為なので、これを禁止してしまうとCDSそのものの使い勝手が悪くなってしまう可能性がある(但し、日米英のような国債の発行残高が多い国については価格裁定が効かない。日銀レビュー参照)。マクロヘッジは、エクスポージャーリスクに対するヘッジということになるが、次のような感じのイメージである。例えば、ギリシャの国債は保有していないが、同国に関わる(例えば企業や政府保証など)債権なりローンなりその他のアセットなりを保有しており、このヘッジとしてギリシャのソブリンCDSのプロテクションの買いを行っていたとする。もし、BaFinの決定事項を受けこれらのヘッジ行為が認められなかった場合、アセットに対するヘッジ手段はなくなるので、エクスポージャーから外さなければならず投げ売りを呼んでしまう可能性もある。また、当該国にカントリーリスクやマクロ経済上の問題が存在する場合、その資産価格に対するヘッジ手段も失われることになるのかもしれない。そうなった場合、グローバルを駆け回るリスクマネーのフローが一気に巻き戻される可能性もあるので、注意が必要である。


兎にも角にもマーケットを取り巻く環境について、不確実性が一段と増しているということになるのだろう。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



カテゴリ: 市場視点

タグ: ユーロ  銀行規制  マクロ 
tb: 0   cm: 0

デリバティブ規制の真意~ソロスの発言より 

今日の東京株式市場はまちまちとなった。ギリシャ情勢が不安定な中で買いも入らなかったというのが現状のところだろうと思われる。債券市場は続伸した。株安を背景に買いが入り円債先物は6週間ぶりの高値を更新した。外為市場ではギリシャ情勢の不透明さから朝方からユーロ売り優勢となっていたが、夕刻すぎからギリシャ救済の報道が流されると買い戻し優勢となった。


ギリシャの問題に関してはいずれ解決されるべき問題であり、デフォルトを前提として考えているわけではないが、市場では具体的な救済策を催促していたところがあり、ようやく重い腰を上げたという感じで捉えている。CDSスプレッドはウクライナを抜いてしまっており、ファンディングにしてもコストが膨大になってしまうので、このまま無策なうちに終わってしまうというのも現実的ではない。しかし、昨日の"Ring of Fire"ではないが、公的債務と財政赤字を拡大してしまうとこのスパイラルは繰り返されるだろう。肝心なのは2008年の金融危機によってもたらされたこと、すなわち


民間から公的へdebtが移転した


ということを基本線として考えなければいけない。


今日はFTにジョージ・ソロス氏の寄稿があったので、少し考えてみたい。


America must face up to the dangers of derivatives


The US Securities and Exchange Commission’s civil suit against Goldman Sachs will be vigorously contested by the defendant. It is interesting to speculate which side will win; but we will not know the result for months. Irrespective of the eventual outcome, however, the case has far-reaching implications for the financial reform legislation Congress is considering.

(抄訳)SECのゴールドマン・サックスに対する民事訴訟は、被告が積極的に争うことになるだろう。両方のサイドにとってwin-winとなるところが興味深いが、数カ月にわたって結果を知ることはないだろう。しかしながら、最終的な結果に関わらず、このケースは議会で審議される金融規制改革にとって広範囲に影響を及ぼすだろう。


Whether or not Goldman is guilty, the transaction in question clearly had no social benefit. It involved a complex synthetic security derived from existing mortgage-backed securities by cloning them into imaginary units that mimicked the originals. This synthetic collateralised debt obligation did not finance the ownership of any additional homes or allocate capital more efficiently; it merely swelled the volume of mortgage-backed securities that lost value when the housing bubble burst. The primary purpose of the transaction was to generate fees and commissions.

ゴールドマンが有罪であれ無罪であれ、この疑念の取引ははっきりと社会的な利益にはならない。それはオリジナルを模倣した仮想のユニットを増殖させた既存の住宅ローン担保証券をデリバティブ化した複雑な合成担保証券に関わっている。この合成担保証券化された債務契約は、追加住宅の所有権やより効率的に資本を割り当てるためのファイナンスではない。それは住宅バブルが崩壊したときに価値を失ったMBSの量が膨らんだに過ぎない。この取引の主要目的は手数料及びコミッションを生成することだ。


This is a clear demonstration of how derivatives and synthetic securities have been used to create imaginary value out of thin air. More triple A CDOs were created than there were underlying triple A assets. This was done on a large scale in spite of the fact that all of the parties involved were sophisticated investors. The process went on for years and culminated in a crash that caused wealth destruction amounting to trillions of dollars. It cannot be allowed to continue. The use of derivatives and other synthetic instruments must be regulated even if all the parties are sophisticated investors. Ordinary securities must be registered with the SEC before they can be traded. Synthetic securities ought to be similarly registered, although the task could be assigned to a different authority, such as the Commodity Futures Trading Commission.

これは、デリバティブや合成債務証券が、如何にして無いものから架空の価値を生み出すために使われたかを明確に実証したものだった。多くのトリプルAのCDOはトリプルAの資産に基づいて作られた。これは、全てのカウンターパーティは洗練された投資家に関与していたにも関わらず広範囲に行われていた。そのプロセスは数年にもわたって続けられ、数兆ドルにも及ぶ富の破壊によって引き起こされたクラッシュに結実した。この継続を許すことは出来ない。デリバティブや他のシンセティックな道具の使用は、全てのカウンターパーティが洗練された投資家であっても規制されるべきである。通常の証券は取引の前提がSECによる登録を受けたものであるべきだ。合成証券も似たように登録制にして、その業務はCFTCのような異なった機関に割り当てられるべきだろう。


Derivatives can serve many useful purposes, but they also contain hidden dangers. For instance, they can pile up hidden imbalances in supply or demand which may suddenly be revealed when a threshold is breached. This is true of so-called knockout options, used in currency hedging. It was also true of the portfolio insurance programs that caused the New York Stock Exchange’s Black Monday in October 1987. The subsequent introduction of circuit breakers tacitly acknowledged that derivatives can cause discontinuities, but the proper conclusions were not drawn.

デリバティブは多くの有用な目的に役立つが、同時に隠れた危険性も内包している。例えば、それらは需要と供給の隠れたインバランスが積み重なり、均衡点が破壊されたときに突然明らかになる。これらは為替ヘッジに使われる、ノックアウトオプションと呼ばれているものが「真実」なのである。NYSEの1987年10月のブラックマンデーで引き起こされたポートフォリオの保険のプログラムも「真実」なのだ。その後導入されたサーキットブレーカーは、デリバティブが(取引)中断を引き起こすことを暗黙的に知らしめたものの、適切な結論は描かれなかった。


Credit default swaps are particularly suspect. They are supposed to provide insurance against default to bondholders. But because they are freely tradable, they can be used to mount bear raids; in addition to insurance they also provide a licence to kill. Their use ought to be confined to those who have an insurable interest in the bonds of a country or company.

クレジット・デフォルト・スワップは特に疑わしい。CDSは債券保有者にとってデフォルトに対する保険を提供する。しかし、それは取引が自由であるがゆえ、クマの襲撃の山に使われる。保険に加えてCDSは「007の非常なライセンス」も提供する。CDSの使用は国や企業の債券の保険に使う人達に限定すべきである。


It will be the task of regulators to understand derivatives and synthetic securities and refuse to allow their creation if they cannot fully evaluate their systemic risks. That task cannot be left to investors, contrary to the diktats of the market fundamentalist dogma that prevailed until recently.

規制当局はデリバティブや合成証券を理解し、それらのシステミックリスクの完全な評価が出来ないならばそれらの組成を許すべきではない。それらの作業は投資家に委ねるべきでなく、直近まで勝っていた市場原理のドグマの命令に反するべきだろう。


Derivatives traded on exchanges should be registered as a class. Tailor-made derivatives would have to be registered individually, with regulators obliged to understand the risks involved. Registration is laborious and time-consuming, and would discourage the use of over-the-counter derivatives. Tailor-made products could be put together from exchange-traded instruments. This would prevent a recurrence of the abuses which contributed to the 2008 crash.

取引所で取引されるデリバティブはクラスとして登録されるべきだ。テーラーメード・デリバティブは個別に登録されるべきで、規制当局者は理解するべきだろう。登録制は面倒で時間がかかるが、店頭デリバティブの使用を阻止するだろう。テーラーメードな商品は一緒に上場取引の手段からまとめられるべきだろう。これらは2008年のクラッシュを引き起こしたことの再発を防ぐだろう。


Requiring derivatives and synthetic securities to be registered would be simple and effective; yet the legislation currently under consideration contains no such requirement. The Senate Agriculture Committee proposes blocking deposit-taking banks from making markets in swaps. This is an excellent proposal which would go a long way in reducing the interconnectedness of markets and preventing contagion, but it would not regulate derivatives.

登録されたデリバティブや合成証券の必要性は単純かつ効果的である。しかしながら最近の立法府はそのような必要性を考慮していない。上院農林委員会の提案は、預金を取っている銀行がスワップ取引のマーケットメーキングすることを阻止することになる。これは市場の相互作用性の減少と(危機の)拡散防止の長い道における優れた提案であるが、デリバティブを規制したものではない。


The five big banks which serve as marketmakers and account for over 95 per cent of the US’s outstanding over-the-counter transactions are likely to oppose it because it would hit their profits. It is more puzzling that some multinational corporations are also opposed. The only explanation is that tailor-made derivatives can facilitate tax avoidance and manipulation of earnings. These considerations ought not to influence the legislation.

マーケットメーカーであり、米国の店頭取引の95%を超えるアカウントを持つ5つの巨大銀行は利益にダメージを与えるので反対するだろう。いくつかの多国籍企業も反対することも事態を複雑にする。その唯一の説明は、テーラーメード・デリバティブは租税回避や利益の操作を容易にするということだ。これらの考慮は立法に影響を与えることはない。


ソロスは単にデリバティブが嫌いなんだろう、という意味で捉えるべきではない。デリバティブは有用な側面もあるが、システミックリスクを引き起こす道具であるということ、つまり諸刃の剣的な道具として捉えている、と考えるべきだろう。彼の考慮は2008年のクラッシュが起こったことの反省ではなく、デリバティブが持つ構造上の欠陥を指摘している。さらに、この寄稿の背景にはCDSがギリシャに様々な悪影響を及ぼしているという現在の状況を射程に入れているようにも思われる。


しかし、この寄稿に関する判断は難しい。レッセフェール的な発想とプルーデンスはしばしば対立する。但し、デリバティブが引き起こすマーケットの負のインパクトについては十分論議を尽くすべきだろうと思われる。CDSに関してはいろいろ論議があっても良い。但し、米財務省がAIGを救済したときに「国民の税金」が事実上ゴールドマンに流れたことから、当局にとってCDSに対する規制は感情論に流されるきらいがある。しかし、CDSのメリットと副作用はもっと広範囲に考慮されるべきだろう。


追記すると、CDSに関してインシュランスの目的に制限した場合、ネイキッドCDSはともかくとして債券とのアーブも禁止することだとするのであれば、それはCDSの使い勝手を大きく悪くすることになる。ネイキッドの存在はCDSマーケットに流動性を与えることになるという議論も踏まえなければいけないとも思う。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



カテゴリ: 市場視点

タグ: 銀行規制  ソロス  ソブリンリスク  デリバティブ 
tb: 1   cm: 0

米銀決算レビュー~スティープニング効果 

今日の東京株式市場はまちまちとなった。NY市場でGS訴追に関してSEC内部でも意見が割れていたことを受け、他の銀行への影響が限定的との見方から金融株中心に買い戻された結果を受け、高く始まったものの、インド準備銀行(RBI)の利上げを警戒した向きが売ってきた結果日経平均は続落という格好となった。債券市場は反落となった。ここのところの戻りのピッチの速さに対する反動の売りが出された。外為市場ではドル円はジリ高の展開、92.98円レベルまで買い進まれた。


今日はGSまでの銀行の決算が揃ったので、いくつか要点と雑感を。


(1)JPモルガン


EPS 0.74ドル(市場予想0.64ドル)。

セグメント別利益では、


投資銀行(IB) 24.71億ドル←19.01億ドル
リテール金融サービス(RFS) ▲1.31億ドル←▲3.99億ドル
カードサービス(CS) ▲3.03百万ドル←0.03億ドル
商業銀行(CB) 3.90億ドル←2.24億ドル
債券・証券部門(TSS) 279百万ドル← 237百万ドル
アセットマネジメント(AM) 392百万ドル←424百万ドル
コーポレート&プライベート・エクイティ 228百万ドル←1197百万ドル


相変わらず投資銀行部門の利益が全体を牽引しているイメージ。特にFixed-Incomeで儲けが出ている。債券市場のスティープ化が継続して進んでいたので、利鞘の効果がはっきりと出ていたという感じだろう。その他の部門ではリテール部門が赤字のままとなっている。カードサービスは赤転となっている。不良債権償却を進めた結果だろう。


各種延滞のトレンド(ホームエクイティローン・プライムモーゲージ・サブプライムモーゲージ・カードサービス/出所:JPM決算資料より)


JPM



プライムモーゲージの延滞が下がっていない。サブプライムも緩やかながら減少している。カードサービスの遅延は減っている。やはり住宅に関してはまだまだ厳しいといった感じだろう。


(2)バンク・オブ・アメリカ


EPS 0.28ドル(市場予想は0.09ドル)

セグメント別
デポジット 6.83億ドル←5.97億ドル
グローバルカードサービス 9.52億ドル←▲10.06億ドル
ホームローン・保険 ▲20.71億ドル←▲9.93億ドル
グローバルコマーシャルバンキング 7.13億ドル←▲0.28億ドル
グローバルバンキング&マーケッツ 32.18億ドル←14.41億ドル
グローバルウェルス・インベストマネジメント(GWIM) 4.97億ドル←13.06億ドル


・貸倒引当金の積増は98.10億ドルと、前期の101.1億に比べて減少


やはりこの銀行も債券相場の地合により儲かっているような感じだろう。グローバルバンキング・マーケッツ部門の利益は過去最高といった格好となっている。このあたりはあの危機の時に果敢に買収したメリルリンチこそが現在のバンカメのフローを生み出す源泉となっている。他のセグメントではクレジットカード部門の黒転は心強いが、ホームローン部門が赤字拡大なのでまだまだ回復途上の数字ともいえる。


(3)ゴールドマン・サックス


GS


緊張感の走る中での決算だったが、プリンシパル部門のFICC(Fixed Income, Currency, Commodity)の利益がかなり巨額になっている。おそらくJPモルガン同様Fixed Incomeでの利益が大きく、クレジットやモーゲージ、通貨でも前年同期比では高いパフォーマンスを上げているとしている。エクイティのトレーディングも大幅増益となっており、現状の市場環境はGSにとってかなり追い風が吹きまくっているといった感じになるのだろう。一方で投資銀行部門は2009年Q4に比べて減益となっている。M&A減少からエクイティの引受が減っているので仕方がない部分もあるが、やや不安定さを垣間見るような感じも受ける。この点、もしボルカールールの成り行き如何によってプロップトレーディングが禁止された場合の影響ははかりしれない。この点をどう捉えるか、難しいところだろう。なお、ICBC(中国商工銀行)の株価下落による減損で22.2億ドル計上、不動産プリンシパル投資で0.34億ドルの損失を計上している。


ブランクファインCEOは直近のゴールドマンをめぐる環境について、以下のように述べている。


In light of recent events involving the firm, we appreciate the support of our clients and shareholders, and the dedication and commitment of our people

最近のゴールドマンをめぐる出来事を考慮すれば、我々は顧客や株主の支援、そして社員の献身とコミットメントに感謝している。


いずれの銀行においてもトレーディング部門が大きく利益向上に貢献しており、主に債券金利マーケットであるということを考えると、長短金利差という「フリーランチ」を思いっきり食べてしまったという感じも否めない。特にバンカメやJPモルガンはイールドカーブがフラット化した場合、商業・リテール銀行の急回復がない場合、収益が大きく減ってしまう可能性も考慮しなければならないだろう。あるいはボルカールールの成り行きでプロップトレーディングが禁止となった場合の影響も次第に織り込まれていくことになろう。政治動向に左右されるセクターということがいえるのかもしれない。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



カテゴリ: 市場視点

タグ: 株式  債券  金利  銀行規制 
tb: 0   cm: 0

GSショックの余波~「ポールソン&カンパニー」のエクスポージャー・リスク 

今日の東京株式市場は続落した。SECによるゴールドマン・サックスの訴追からNY市場が大幅下落した流れを受け継ぎ、東京市場も11,000円を割れて取引が開始された。その後は上海市場が不動産規制の影響で大きく下げていく中で買い戻す動きも鈍かった。債券市場は米国債券高やアイスランドの火山噴火の影響から経済活動にダメージを与えるのではないかとの向きから買い優勢、一時JGB10年で1.305%を付けるところまであった。外為市場は英自民党が支持率を拡大したことでハング・パーラメントの懸念からポンドが大きく売られる展開となった。クロス円中心にリスク回避的な動きとなり、ドル円も軟調に推移した。


ゴールドマンの問題に関しては、やや見逃しがちだった点として、ポールソン&カンパニーの存在がある(米前財務長官が運用するファンドなどと一部で平然と語られているようだが、P&Cの代表はジョン・ポールソンであって、ヘンリー・ポールソンとは全く関係がない)。そしてこのエクスポージャーに関わるリスクが意識されている可能性が市場の一部にあるようだ。その典型的な例がゴールドの動向だった。以下のチャートはゴールド・スポット(XAU)のチャート。


XAU


ポールソンのエクスポージャーはゴールドにまつわるものが大きいことで知られている。これは少し古いデータだが、Seeking Alphaの"Paulson & Co's Latest Portfolio: 13F Filing"というエントリに2009年Q3時点のポートフォリオの概要が記されている。204億ドルの資産のポートのエクイティ(ロング)の部分上位は以下である。


Paulson&Co. Exposure


このうち、30%が金関連で占められている。その額はおよそ43億ドルといわれる。1位のGold TrustはETF、アングロゴールド、キンロス・ゴールド、ゴールドフィールズはいずれも金鉱株となっている。さらに、P&Cは金のファンドを組成したことでも有名である。market follyの2009年11月30日のエントリ、"John Paulson's Gold Fund: Betting Against the US Dollar"より。


Paulson's wager on gold is by no means new information. After all, Paulson's current hedge funds hold over $4.3 billion of gold related investments. And as we have pointed out in the past, this exposure is purely to hedge their US dollar exposure as one of their other hedge funds has a share class denominated in gold. Paulson's conviction in gold related investments has undoubtedly risen. After all, why else would he be launching a hedge fund dedicated to investing solely in gold related entities? The creation of Paulson's fund traces an eerily similar pattern to one of his prior hedge fund launches where he crafted an idea, launched a hedge fund based on that idea, and then made billions. (We're talking of course about his large bet against subprime). Paulson has made his next large bet and his new gold fund is the vehicle by which you can join him on the ride. His gold fund's objective "is to outperform gold price in a rising gold price environment." They will pursue this by investing in gold equities that are levered to the price of gold, as well as derivatives on the price of gold. Can Paulson be successful on two big bets back to back? We'll have to wait and see.

(要約)ポールソン金投資は新しい情報を意味するものではない。ポールソンの現在のヘッジファンドは43億ドルの金関連投資を行っている。そしてこれまでも指摘してきたが、彼らの他のヘッジファンドが金に結びつけられた株式を保有しているのと同様、このエクスポージャーも純粋にUSドルのヘッジである。ポールソンの金関連投資の確信は疑いもなく強めている。結局のところ、誰が金に結びつけられたものに単独投資を行うヘッジファンドのローンチを決めるなんて思ったのだろうか?ポールソンのファンドの開発は、以前ローンチしたファンドと似たようなアイデアで、数十億ドルものフロー創出している(我々はもちろん、サブプライム関連(の金融商品)に対して反対側のポジションをとったことについて話してもいる)。ポールソンは次の賭けに出ており、新しいゴールドファンドは、あなたが彼に乗って参加出来るビークルである。彼のゴールドファンドの目的は金価格が上昇する環境で金価格をアウトパフォームすることである。彼らは、金価格に連動したデリバティブと、金価格にレバレッジを効かせた金鉱に投資を行う。ポールソンは2つも背負った賭けに成功出来るだろうか?我々は待ちながら眺めていかなければならない。


とある。つまり今回GSが訴追され、関与疑惑がある「サブプライム関連の金融商品のショートポジションをテーマにしたファンド」と同様に「ドルの減価のヘッジに伴なう金投資ファンド」をローンチしており、すでに自己資金を入れて運用を開始しているようだ。しかし、ゴールドマンの訴追により、市場では今後これらのポールソンの組成したファンドの解約懸念が心配されており、エクスポージャーにゴールドもしくはその関連が多いという思惑で実際売られている株式もそれなりに保有しており、実際解約資金の調達に動き出るとすれば、今後の動向が気がかりとなってくる。


ゴールドマンの今回の訴追の影響に関して、マクロの部分では金融安定化法案に絡む部分で影響が出てくるかもしれないが、今すぐに大きなものにはならないと思われる。しかし、しばらくの間はそういったファンドの解約話が出て来やすいこともあるので、センチメントに振らされる感じだろう。しかし、見るべきものはGSでなく、不動産投機抑制策も加わって不動産株を中心に4%も下落している上海市場の方だろう。こちらはマクロ政策的な影響を受けたものだったのではないか?と思われる。香港市場では本土系不動産の売られ方が大きく、China Resources Landが5.50%安、China Overseasが3.74%安となっている。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



カテゴリ: 市場視点

タグ: ファンド  ポールソン  株式  金投資  銀行規制 
tb: 0   cm: 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。