04« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»06

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

日本マクロ定点観測~7-9月GDP1次速報 

11月14日に内閣府は7-9月のGDP1次速報値を発表した。


国内総生産(実質・前年同期比) +6.0%
同名目GDP(前期比年率) +5.6%
GDPデフレータ(前期比) -0.1%



以下はGDPの寄与度と前期比の伸び率の推移である(出所:内閣府)


GDP Contribute 20111114.



GDPデフレータと国内需要デフレータの推移


GDP deflator 20111114.



7-9月期実質GDPは年率換算で6.0%の伸びとなり、前期比でも4四半期ぶりにプラスの伸びとなったことから、テクニカルリセッションの状態を脱した。市場予想に対してはほぼインラインとなっている。名目GDPは5前期比年率で5.6%の伸びとなった。GDPデフレータは-0.1%、国内需要デフレータも-0.1%となり、足元で商品価格の高騰の影響などによりデフレ基調は緩和されている。


7-9月のGDP速報値を大きく押し上げたのは民間最終消費支出であり、GDPを1.0ポイント押し上げている。4-6月に前期比+0.2%に浮上し、7-9月に前期比1.4%に加速してきている。これは震災後に広まった自粛ムードが緩和され、消費者態度指数にみられるように消費マインドも回復してきたこと、さらには夏場の猛暑の効果も押し上げにつながったものと見られる。また7月に地上デジタル放送への切り替えが行われたことから駆け込み的にテレビなどの耐久財の需要も押し上げにつながったものと思われる。民間住宅は前期比5.0%の伸びとなり、GDPに対して0.1ポイントの寄与となった。震災からの立ち直りに伴い被災地域での住宅建設需要が高まったことが背景にあるものと思われる。民間企業設備は前期比1.1%の伸びとなり、GDPを0.1ポイント押し上げた。設備投資に関しては震災復興需要などもあり、高い伸びとなっている。しかし、7-9月の法人企業統計を受けて2次速報でリバイスされる可能性が大きいため注意が必要である。民間在庫品増加はGDPを0.2ポイント押し上げた。サプライチェーン障害が解消していく中で在庫復元の動きがみられたことが背景にある。公的需要のうち、公的固定資本形成は前期比-2.8%となり、GDPを0.1ポイント押し下げた。4-6月期は震災により被害を受けたインフラ等の復旧や仮設住宅建設などが押し上げの要因となっていたが、そうした動きが一巡した格好となっている。輸出は前期比6.2%の伸びとなり、GDPを0.9ポイント押し上げた。これはサプライチェーン障害が解消に向かう中で生産が回復し輸出が増加したことが要因となっている。輸入は前期比3.4%の伸びとなり、GDPを0.5ポイント押し下げた。原油などのコモディティ価格が上昇していく中で原材料の輸入コストが押し上げられ、さらには原子力発電所停止から火力発電用の燃料の輸入が増加したことが要因となっている。


GDPデフレータは前期比-0.1%となった。形態別国内家計最終消費支出における原系列の四半期デフレータをみると、耐久財は前年同期比-14.2%(4-6月は-17.2%)、半耐久財は同-0.9%(7-9月は-1.3%)、非耐久財は同+2.6%となっていることから、恐らくは原油価格高騰が影響しガソリン価格などが上昇したことにより非耐久財が押し上げられたということだろう。また耐久財のマイナス幅が縮小しており、デフレ基調は依然として続いているもののデフレがさらに深刻化するイメージではない。


今後の焦点としては、


・消費者マインドが頭打ちしていること、一時的な駆け込み需要が剥落していること
・タイ洪水の影響
・世界経済減速の影響



このようなところがポイントとなろう。消費者マインドについては、10月の消費者態度指数が38.6と前月から変わらずとなっており、暮らし向きや収入の増え方で前月から悪化しており、この点で頭打ち感が強い。以下は消費者態度指数の推移(出所:内閣府)。


消費者態度指数 20111114.



また、7-9月の堅調な個人消費の要因となった地上デジタルテレビ切り替えに伴うテレビなどの買い替え需要が剥落し、猛暑効果も当然のことながら剥落する。このことから10-12月の個人消費動向は7-9月のような強い回復を望むのはやや厳しいように思われる。タイの洪水の影響は電子部品等でサプライチェーン障害を引き起こしており、今後輸出などで足を引っ張る恐れがある。現時点で被害の全容は把握できておらず、今後の推移には注意が必要である。世界経済の減速については、新興国と欧州で顕著となっており、とりわけ欧州の動向がリスクとなる。欧州委員会が予測している2012年のユーロ圏(27カ国)GDP成長率は0.5%の伸びと予測しており、リセッションのリスクが高まっている。欧州での需要の低下が顕著となれば輸出や設備投資にブレーキが掛かりやすくなる。世界的な金融市場の混乱が直接日本の実体経済にスピルオーバーするリスクはそれ程大きくはないとみられるが、海外需要の低下により下振れるリスクは大きい。震災復興関連では第3次補正予算の執行ペースに関わってくる。先週に衆院を通過し参院での審議に入るが、如何に早期に成立させるかがポイントとなってこよう。成立が遅れればそれだけ復興需要の喚起も遅れることになる。


--------------------------------------------------------------
11月27日にセミナーを行います。詳しくはこちらを御覧ください。


メルマガ「金融市場Watch Weblog Plus」のお知らせ

毎週月曜日に、各種マーケットについて、先週のフォロー及び今週の見通しと焦点について私なりの考え方をまとめてメルマガにてお伝えいたします。詳細はこちらを御覧ください。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: 日本  マクロ  震災後の日本経済・マーケットを考える 
tb: 0   cm: 0

日本マクロ定点観測~7月鉱工業生産 

8月31日に経済産業省は7月の鉱工業生産指数速報値を公表した。以下は各指標である(括弧内は前月比)。


・生産指数 93.2(+0.6%)
・出荷指数 94.5(+0.2%)
・在庫指数 100.6(-0.2%)
・在庫率指数 116.3(+3.9%)




・鉱工業生産指数と在庫指数の推移(出所:METI)


IP 20110831.



5月・6月に大きく増加した後、7月の生産はやや伸び悩む展開となった。7月は輸送機械工業や情報通信機械工業、一般機械工業が牽引する形で生産が伸びた。経済産業省では、基調判断を「生産は東日本大震災の影響から回復しつつある」に据え置いた。出荷についても同じく伸び悩みとなっている。このことは恐らく2つの理由が存在しているように思われる。一つは在庫復元の動きが一巡しつつあること、もうひとつは電力供給によるものである。在庫復元については、3月の震災以後急ピッチに進められてきたが、6月までにある程度は完了したようにも思われる。さらに7月から電力使用制限令が発動されており、それまでに生産が前倒しして行われた影響もあろう。また生産予測指数によれば、8月の生産は堅調であるものの、9月は減少することが見込まれており、携帯電話の新機種増加による反動減の影響もあるようだが、おそらくはグローバル景気が減速し、需要が低下してきていることを反映しているのではないかとみられる。また、出荷が伸び悩んでいることも足元の需要が低下してきている可能性を示唆している。従って今後輸出のモメンタムも低下していくのではないかと思われる。震災以降、在庫復元の動きによって生産が回復し、輸出や個人消費の伸びにより加速が期待されていたが、足元の状況からすればその期待にも陰りがみえており、7-8月をピークにして生産も調整していく可能性がある


以下は在庫循環図である(出所:METI)。


Inventory cycle 20110831.



3月の震災以降、負の供給ショックが発生し、在庫を積み増す動きとなったものの、直近のデータではその動きが一巡していることが示唆されている。今後出荷のモメンタムが低下していくことが見込まれることから、左方向へのシフトが起こるものとみられる。


English Version is Here: Japan's Production Activity Was Somewhat Sluggish in July



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



カテゴリ: 市場視点

タグ: 日本  マクロ  震災後の日本経済・マーケットを考える 
tb: 0   cm: 0

日本マクロ定点観測~4-6月GDP1次QE 

8月15日に内閣府は4-6月のGDP速報値を発表した。


国内総生産(実質:前期比年率) -1.3%
同名目GDP(前期比年率) -5.7%
GDPデフレータ(前期比) -1.1%



となった。以下はGDPの内訳の伸び率(前期比)の推移である(以下出所:内閣府)。


GDP Detail 20110815.


各寄与率の推移


GDP Contribute 20110815.



GDPデフレータと国内需要デフレータの推移


GDP deflator 20110815.



4-6月実質GDP速報値は前期比年率で-1.3%となり、市場予想の-2.4%程度から上振れる結果となった。また名目GDPは前期比年率で-5.7%となり、1-3月の-5.7%から横ばいとなった。肌実感からすれば1-3月からあまり変化がなかったようにみえる。デフレータは前期比-1.1%、国内需要デフレータは-0.4%となり、デフレ基調は強まる格好となっている。3期連続でマイナス成長であることからリセッションが継続しているということになる。


4-6月GDPが市場コンセンサスに対して上振れたのは、民間在庫品の増加や公的支出によるインフラ等の復旧需要が喚起されたことによるものとみられる。民間在庫品については1-3月のGDPを0.3ポイント押し下げに寄与したが、4-6月は一転して0.3ポイントのプラス寄与となったことから、サプライチェーンの復旧及び在庫復元の動きが当初見込まれていたよりも前倒しされたことが裏付けられている。また公的固定資本形成は前期比3.0%の伸びとなっており、仮設住宅の建設など被災地域の復旧・復興需要が喚起されたものとみられる。また民間企業設備も前期比0.2%の伸びとなっており、民間企業による震災復興投資や原発事故を受けて火力発電施設などへの投資が拡大した可能性がある(もっとも設備投資は4-6月の法人企業統計を受けて大きくリバイスされやすいため注意が必要である)。さらに家計最終消費支出で-0.4%、GDPへの寄与は0.0ポイントに留まったことも上振れ要因となったものと思われる。個人消費に関しては、この間自粛ムードや雇用不安などがあり消費は低迷したが、次第に自粛ムードも緩和され、省エネ商戦(スーパークールビズや省エネ家電)の盛り上がり、7月に地上デジタル放送への切り替えも行われたことからテレビへの駆け込み需要も喚起された。さらに6月から厳しい暑さが続いたことから夏物商戦も効いたものと思われる。輸出は前期比-4.9%、寄与率は-0.8ポイントとなりGDPを押し下げる要因となった。一方で輸入は前期比0.1%の伸びとなり、GDPを0.0ポイントの押し下げとなった。輸出入については、サプライチェーン障害の影響により輸出が4-5月に大幅に減少した一方で、エネルギーなどの原材料の輸入が伸びたことを受けて輸入も若干増加、ネット輸出入でマイナスの寄与となった。


デフレータについては、マイナス幅を拡大させた。前年同期比における四半期デフレーター(原系列)をみると、家計消費支出のうち、耐久財が-17.8%(このマイナス幅は1981年以降過去最大)、半耐久財が-1.2%であるのに対して非耐久財が+1.8%となっている。また財貨の輸入は+7.1%となっている。このことから、CPIにもみられるように、薄型パネルテレビなどの価格低下により耐久財の価格が押し下げられている一方で、非耐久財は原材料の高騰などの影響を受けやすいということがいえる。総じてデフレ基調が続いていることが裏付けられている


今後のポイントからすれば、


(1)生産回復による需要者別の動向(支出側)~在庫復元から輸出・個人消費に焦点
(2)復興需要の動き



このようなところにフォーカスが当たるのではないかと思われる。まず、(1)についてであるが、生産面では夏場の電力需給に不安がある中で、生産予測指数では7・8月ともに2%台の伸びを見込んでいる。このことから需要者別(支出側)の動向においては、サプライチェーン障害の回復により在庫復元の動きが継続するが、在庫投資はそれ程のびしろがなく、次第に一巡感が出てくるものと思われる。そのため、7-9月以降は輸出と個人消費がどの程度回復するかがポイントとなろう。輸出については6月の貿易収支が707億円とプラスとなっており、足元でも1000-2000億円程度のプラスの推移が見込まれるものと思われる。そのことから7-9月は輸出が成長のドライバとなる可能性はあるが、世界経済の減速次第では輸出に大きく依存できないリスクが存在する。


個人消費であるが、足元の消費マインドは持ち直してきている。消費動向調査によれば一般世帯の消費者態度指数は4月に33.1まで落ち込んだ後、7月は37.0にまで回復している。収入の増え方や雇用環境、耐久財の買い時判断はボトムアウトしてきている。地デジ移行による薄型テレビの買い替え需要は一巡しているが、


1)雇用環境のタイトさが緩和されてきていること
2)自粛ムードも緩和されてきていること:反動増要因
3)電力不足が意識される中で省エネ需要(省エネ家電やスーパークールビズ)が喚起されていること:反動増要因
4)猛暑による夏物商戦への効果:反動増要因


などの要因から足元の個人消費は回復に向かっているものとみられる。このことから、少なくとも7-9月期は個人消費も成長のドライバとして期待される。一方でリスクとしては世界経済への減速懸念から雇用環境が再度悪化することである。雇用は景気に対して遅行するため、恐らく10-12月以降に雇用情勢の再度の悪化から消費が伸び悩むリスクが存在する。また、2)~4)の要因は3-5月期に消費を落とし過ぎた反動増に過ぎず、夏場の消費の盛り上がりが息切れし、秋口以降消費が停滞する懸念もある。


(2)の復興需要については、原子力発電所の稼働率が今後も大きくは上昇しないことから、電力供給が逼迫する中で引き続き火力発電施設の増強が見込まれることや、東北地方を中心に生産設備の復旧及び更新需要が見込まれることなどにより民間設備も7-9及び10-12月期において成長を牽引していく可能性がある。但し、海外経済など外部環境の不透明さが短中期的なリスクとして意識され、中長期では円高・電力供給への懸念から海外に生産拠点を移転させる動きが加速すれば潜在的な生産設備投資の停滞を招く可能性もある。公的需要については、仮設住宅やインフラなど、復旧の動きから本格的な復興需要へとフェーズが移っていくものとみられる。失われた25兆円の復興需要は今後数四半期にわたり成長を下支えするものと見られる。



English Version Is Here. "Japan Economy Probably Bottomed Out In The Second Quarter Of 2011"



--------------------------------------------------------------
メルマガ「金融市場Watch Weblog Plus」のお知らせ

毎週月曜日に、各種マーケットについて、先週のフォロー及び今週の見通しと焦点について私なりの考え方をまとめてメルマガにてお伝えいたします。詳細はこちらを御覧ください。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ





カテゴリ: 市場視点

タグ: 日本  マクロ  震災後の日本経済・マーケットを考える 
tb: 0   cm: 0

日本マクロ定点観測~鉱工業生産 

経済産業省は31日に4月の鉱工業生産を発表した。


・生産指数 83.5(+1.0%)
・出荷指数 82.7(-2.7%)
・在庫指数 98.2(+0.5%)
・在庫率指数 124.4(+14.5%)



・鉱工業生産指数と在庫指数の推移(出所:METI)


IP 20110531.



生産指数は東日本大震災の影響を受けて大きく落ち込んだ3月に比べ、小幅な回復となり、市場予測を下振れる結果となった。経済産業省では「生産は、東日本大震災の影響により依然水準が低く停滞しているものの、先行きについては回復が見込まれる」という総括を行っている。生産の上昇に寄与した業種は一般機械工業、その他工業、電気機械工業等となっている。品目からみれば、蒸気タービン部品、半導体製造装置、分析機器の順に上昇に寄与している。このことから、原発事故を受け、電力供給能力を急ピッチで回復させるために火力発電用設備の需要が生産を押し上げたとみることができる。半導体・フラットパネル製造装置についても東北を中心とした国内の生産拠点における設備復旧需要や海外需要などで押し上げられたものとみられる。一方で、生産においてマイナスに寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、輸送機械工業であり、この点では先日発表された自動車各社の生産動向の4月実績とはそれ程乖離していないものとなっている。従って、国内の主要産業である電子部品・デバイスや民生用電子機械、自動車の生産はサプライチェーン障害の影響により4月も弱かったことが裏付けられている。以下のグラフは主要業種の生産指数(出所:METI)。


IP Detail 20110531.



但し、自動車部品の生産指数のうち、機関部品は3月の66.8から4月の68.7へ、駆動伝導・操縦装置部品は3月の67.6から74.0へ、懸架制動装置部品は58.7から61.9にそれぞれ上昇している。電子部品・デバイスも同様で、固定コンデンサ、トランス、水晶振動子・複合部品、超小形電動機、通信・電子装置用スイッチといった品目で上昇がみられている(但しコネクタや回路基板の生産はまだ低下していることに留意)。


自動車部品の生産指数(出所:METI)


Auto Parts IP 20110531.



電子・デバイス部品の生産指数(出所:METI)


ECPatrs IP 20110531.



この点から足元である程度サプライチェーンの復旧が前倒しに行われていることが示唆されている。従って5月以降は在庫復元の動きが活発化していくものと思われる。さらに5-6月は夏場の電力供給懸念も浮上していることもあり、出来る限り高い生産体制に持ち込むことが必要になることから、生産の回復ペースも上振れる可能性がある。製造工業生産予測調査では、5月は+8.0%、6月は+7.7%となっており、生産予測は6月に震災前のレベルに戻ることが示唆されている。しかし、サプライチェーン構造が複雑な自動車や電子デバイスなど完成品メーカーの生産能力は、サプライチェーンの復旧が完全ではないことから、震災前のレベルに戻るにはまだ時間を要するものと思われ、生産予測についてはやや過大感も否めない。また、7月以降は電力使用規制が掛かることや、新興国、特に中国経済の減速の影響が顕在化する可能性があることから、夏場以降は生産活動が一服する可能性も考えられる。一方で、国内個人消費も回復基調となってはいるものの、消費マインドの回復にはいたっておらず、国内需要も生産の下振れ要因として意識される。従って、5-6月の生産のアウトラインは、在庫復元がメインとなり、そして輸出、国内需要という順となっていくことが考えられる


以下は在庫循環図である(出所:METI)。


inventory cycle 20110531.



在庫循環図では震災後、強い負の供給ショックが確認され、「意図する在庫調整」のフェーズに入っている。4月も輸送機械工業などの出荷が落ち込んだことから、全体でも出荷が落ち込んでいる。今後は在庫復元の動きが急ピッチに起こる可能性があることから、在庫面から循環図は右方向にシフトするものと思われる。一方で出荷については国内及び海外需要の影響を受けることから、当面は下方向にシフト可能性がある。


English Version Is Here: "Production Activity Recovered More Slowly In April"


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ






カテゴリ: 市場視点

タグ: 日本  マクロ  震災後の日本経済・マーケットを考える 
tb: 0   cm: 0

日本マクロ定点観測~1-3月GDP1次QE 

5月19日に内閣府は1-3月のGDP速報値を発表した。


国内総生産(実質:前期比年率) -3.7%
同名目GDP(前期比年率) -5.2%
GDPデフレータ(前期比) -0.4%



となった。以下はGDPと寄与率の推移である。(GDPは実質・前期比SA、出所:内閣府)。


GDP Contribute 20110519.



GDPデフレータの推移(出所:内閣府)


GDP Deflator 20110519.



1-3月のGDPは前期比年率-3.7%となり、市場予想の-2.0%程度を下振れる結果となった。また名目GDPは年率換算で前期比-5.2%となった。おそらく肌実感からすれば名目の落ち込みに近い状況であったと思われる。デフレータは前期比で-0.4%、国内需要デフレータは+0.2%となった。これにより二期連続でマイナス成長となったことからテクニカル上はリセッションということができる。


GDPが民間予測よりも下振れしたのは民間在庫品が大きく減少したことによる。民間在庫品の減少については、もともと在庫調整気味に推移していたのに加えて東日本大震災で在庫品が取り崩されたか、毀損してしまったことに寄るものであろうと考えられる。家計消費最終支出は前期から-0.6%の低下となっており、-0.3ポイントの寄与となっている。もともと1-2月の個人消費は家計支出などをみても、エコポイントの半減などの政策の反動により前期比でマイナスの状態が続いており、震災でさらに消費マインドが落ち込んでしまったことが下押し要因となった。従って個人消費については1-3月トータルでみても弱かったものと思われる。民間企業設備は前期比-0.9%であり、GDPを0.1ポイント押し下げた。設備投資についてはもともと非製造業を中心に弱含みの状態が続いており、その結果がGDPに反映された格好となっている(もっとも設備投資は1-3月の法人企業統計を受けて大きくリバイスされやすいため注意が必要である)。公的需要は政府最終消費支出が前期比+1.0%、公的固定資本形成が-1.3%となっており、公的需要については+0.6ポイントの寄与となっている。輸出は+0.7%の伸びとなっているが、輸入が+2.0%の伸びとなったことから、ネット輸出入では-0.2ポイントの寄与となった。これは3月に生産障害から輸出が急減したことに加え、世界的なエネルギーなどの商品価格の高騰や、原子力発電所の事故により火力依存を強めることで一部燃料等の調達増加が輸入を押し上げているものと考えられる


今後のポイントについては、4-6月期はサプライチェーン障害が重石になることから輸出が抑制され、さらにグローバルレベルでの資源価格の高止まりや原子力発電停止の余波により火力発電依存となっていくことなどを踏まえ、輸入は高いレベルで推移することが見込まれることから、輸出が成長のドライバーとはなりにくい状況が続く。サプライチェーン障害の回復については当初想定よりも早く推移していることから、生産能力の回復は早くても7-9月になる可能性があるが、電力需給には不確定要因が強く、生産が震災前のレベルに回復するのは10-12月にまでずれ込む可能性がある。一方で、民間消費については景気ウオッチャー調査の先行DIが前月から11.8ポイント改善していることなどから、3-4月が消費マインドのボトムであった可能性が強く、自粛ムードの緩和なども手伝って今後は徐々に回復するものとみられるが、電力需給や、原発事故の収束の不透明さと風評被害の影響、さらには雇用情勢の悪化など下振れ要因も多い。このため、輸出及び消費については今後1-2四半期はマイナスとなるものと想定される


家計支出の推移(出所:総務省統計局)


Consumer spending 20110519.



景気ウォッチャー調査・先行DIの推移(出所:内閣府)


watcher 20110519.



一方で、ストック復元の動きについては想定以上に早まる可能性がある。16日に発表された機械受注では、3月は実績で電力・船舶除く民需で+2.9%、さらに4-6月見通しでは前期比+10.0%となっている。このことから、民間設備投資については4-6月にもプラスに浮上していく可能性も出てきており、復興需要については民間先行型となる公算が高まってきている。但し、電力供給やサプライチェーン障害は財生産能力を押さえ込むことになるので注意が必要だろう。一方で補正予算先送りなどにみられるように財政支出については早期には期待することができず、公的固定資本形成が復興需要のエンジンとなるのはもう少し先であろうと思われる。また、被災地域は瓦礫の撤去すらままならない状況であり、完全なストック復元がなし得るのには、極めて時間が掛かることには留意が必要である。


English Version is here: Falling into The Technical Recession(Japan's GDP on Q1 of 2011)


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ




カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  日本  震災後の日本経済・マーケットを考える 
tb: 0   cm: 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。