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各国中銀間のスワップライン協定金利引き下げ~デレバレッジ圧力の緩和が狙いか 

11月30日にBOC、BOE、BOJ、Fed、ECB、SNBは国際金融システムに対する流動性支援提供能力を拡充するための強調対応策を公表した。以下はBOJのステートメントである。


国際短期金融市場の緊張への中央銀行の協調対応策


カナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備制度およびスイス国民銀行は、本日、国際金融システムに対する流動性支援提供能力を拡充するための協調対応策を公表した。本日公表する協調対応策は、金融市場における緊張を和らげることによって、こうした緊張が家計や企業に対する信用供給に及ぼす影響を軽減し、ひいては経済活動を支えることを目的としている。

上記中央銀行は、既存の時限的な米ドル・スワップ取極に適用される金利を50ベーシス・ポイント引き下げ、新しい金利を米ドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ・レートに50ベーシス・ポイント上乗せしたものとすることに合意した。新しい金利は、2011年12月5日以降実施されるすべてのオペレーションに適用される。米ドル・スワップ取極の期限は、2013年2月1日まで延長される。なお、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行およびスイス国民銀行は、3か月物資金供給の入札オファーを、継続して実施する。


上記中央銀行は、不測の事態への対応措置として、市場の状況によって必要とされる場合に各国・地域において上記中央銀行いずれの通貨でも流動性供給を行えるよう、各中央銀行間でそれぞれ時限的なスワップ取極を締結することにも合意した。現時点では米ドル以外の外国通貨での流動性供給が必要な状況ではないが、仮にそうした必要が生じた場合に速やかに対応し得るよう、取極を整えておくことが適当と判断される。これらのスワップ取極は、2013年2月1日まで継続することとする。



背景にあるのは、欧州の金融の状況のタイトさである。欧州の金融機関は信用バブル期に外貨建ての資産保有を拡大させた。そのうちドル建て証券(モーゲージ担保証券なども含まれる)は1990年代後半では400億ユーロに満たなかったが、信用バブルが崩壊する前の2008年第2四半期には2033億ユーロにまで拡大している。以下は欧州MFI(金融機関)のドル建て証券(株式除く・欧州域外カウンターパート)の保有残高の推移(出所:ECB)。

MFIS HOLDINGS SECS.


その後金融危機によりデレバレッジが進展していく段階でこれらのエクスポージャを削減する動きとなっている。欧州の金融機関については、米国にリテールを持つわけではないので、ライアビリティ側のドル資金の調達は短期金融市場が中心的な役割を果たしてきた。しかし、金融危機以降、カウンターパーティリスクが高まる中で、欧州の金融機関が市場からドル資金を調達することが困難となり、ドル需給がタイトな状況が続いてきた。このことからFedやECBなど各国中銀は協調してドルスワップラインの締結を行い、ドルの供給をECB経由で行なっていくこととなった。金融危機によって引き起こされた信用不安は2009年中に一旦緩和されていくこととなったが、2010年にソブリンリスクが発生し、ギリシャなど周縁国のソブリン債の価格が下落していく中で欧州の金融機関のエクスポージャーリスクが意識されることとなった。これにより、再度欧州の金融機関はドルを銀行間市場から調達することが容易ではなくなり、中銀間のドルスワップラインの再締結を行うこととなった。しかし、この時点ではまだ、中銀のドル供給オペの金利が高く、またドル資金が安価で調達出来たことから利用そのものは大きくならなかった。しかし、2011年央になってソブリンリスク懸念が深刻さを増していく中で、例えば、足元でドルベーシススワップ金利の上昇などを受けてドル調達が一層難しくなっている。以下はEURベーシススワップ1年物の金利の推移である(出所:Bloomberg)。


EUR BASIS Swap 20111130.


このことからも欧州銀のドル調達は欧州プレミアムが課されていることから厳しい状況が続いているといえる。2011年央までドル安に推移していたことから、低コストでドルを調達することが容易だったが、現状ではそれも難しくなっているのが実情である。そして、欧州金融機関のデレバレッジの進展については様々なところに波及していくことが危惧されている。例えば、中東欧向け、さらには新興国向けのエクスポージャである。他にもMBSなどの証券化商品の価格低下なども意識されている。以下はBISの国際与信統計における、欧州銀行の対東欧向け対外与信(単位:百万ドル、出所:BIS)である。


Europe.png


先日ハンガリーが利上げを行ったが、これはこうしたデレバレッジの動きの加速による資本流出に対して通貨フォリントが急落していったことへの対処といえる。また、ブラジルレアルやインドルピーも大幅に下落しており、一部にはこうした新興国向けの与信の縮小や、貸出が引き揚げられているという懸念もある。このように欧州銀行がドル建て(もしくは他通貨建て)のエクスポージャを抱えており、負債サイドの調達が難しくなれば、こうしたアセットは切り売りしなければならなくなる。そのような動きが激しくなれば信用収縮に発展することになるため、今回の中銀間の決定はいわばそうしたデレバレッジ圧力に対するバックストップ的な役割の強化が必要であるとの判断であろうと思われる。しかし、デレバレッジの圧力に関しては、2012年に欧州の金融機関は資本増強を迫られることになるため、バランスシートの削減圧力も意識され、まだまだ予断はならない状態が続くと思われる。



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タグ: 金融政策  ドル  ユーロ  ECB  Fed  BOJ  BOE  欧州金融不安 
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各種メモ~金融当局者の発言・ペーパー・ブログエントリより 

今週、いくつか読んだものの中からピックアップ。


Calculated Risk: Event Driven Declines in Consumer Sentiment


CR氏は今回の消費者信頼感指数の落ち込みを「連邦債務上限」を巡る論議に起因したもの、とみている。そしてイベントによるものであるため、すぐにもとのレベルに戻るだろうとしている(ブラックマンデー、湾岸戦争、911、イラク戦争、ハリケーン・カトリーナ発生の時の消費者信頼感指数の落ち込みと比較している)。但し、他の要因(弱い労働市場、欧州金融危機)によりセンチメントが低下した場合はすぐには戻らないだろう、とヘッジを掛けている。なお、先日フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されたが、やはり世界的な金融市場が緊張している8月上旬の企業マインドもフリーフォール状態であった。9月発表時、これらの指標はリバウンドを示すことになるのであろうか。


Dennis P. Lockhart-Five Questions and Answers about Today’s Economy


まず、マーケットについて。「株式市場はボラタイルな動きをしているが、米国のバンキングシステムの流動性は欠如していないし、クレジットチャネルも損なわれていない。最も心配なのは消費への影響だろう。」この点は同意。現状米国のマネーマーケットが混乱をきたしているわけでなく、流動性も豊富であり、クレジットスプレッドといったリスクプレミアムも依然として低いが、欧州銀に対するカウンターパーティリスクは上昇している。実体経済について「1・2カ月前よりはリセッションの確率が高まった」成長率2%を切ってくるとその確率が高くなる、としている。雇用については「現在の伸びでは失業率を押し下げるには不十分、雇用情勢が複雑化しているのは労働参加率の低下という問題がある。」労働参加率をどうやったら上昇させることが出来るか、長期失業者の問題とともに難しい課題。政策については「資産規模やら構成の変更が出来る」と。なお、質疑応答で資産購入にはハードルが高いということを述べていた。なお、アトランタ連銀のmacroblogでは、ロックハート総裁の言う"fog of uncertainty "について、リセッション時の米GDPの下方修正の影響が出ているのではないかとしている。今後潜在成長率の見直しについても論議が行われていくのだろうか。


Risk Off - Paper by Andrew Haldane


Risk on/offに関する考察。バランスシート、心理的要因、そしてマクロプルーデンスに話が展開するが、心理的要因という着目は面白かった。まずバランスシートについては、レバレッジ削減圧力がリスクテイクに対して逆風となったままである、と。そして心理的要因ということについては、金融クラッシュと自動車のクラッシュは根本的にそれである。大恐慌の後のように金融災害の記憶は生々しく、金融災害の可能性について過大評価を引き起こしてしまう。今日、金融災害における異常な近視眼的な物の見方が景気回復を遅らせてしまっている可能性がある。そのようなヒューリスティックの一つが「人気のある物語」であり、現実感を形成してしまう。リスクオン/オフは、まさにそのような「人気のある物語」である、としている。


Connecting the Dots: Texas Employment Growth; a Dissenting Vote; and the Ugly Truth - Richard Fisher


ドラめもんさんが来週のエントリで深く突っ込んでいただけることに期待であるが、


バーナンキプットは甘えですよ(キリッ


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タグ: マクロ  米国  マーケット  BOE  Fed 
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Global Market Weekly Focus~2.21-25 

今週のマーケットにおいては、まず先週末に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の評価、金融政策面では23日の英MPC議事録の公表、経済指標では米国の住宅指標などマクロ指標が注目されている。


■G20財務相・中央銀行総裁会議


先週末に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明では、次のようなものとなった。以下はG20声明文より(全文はCommunique Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors February 18-19, 2011, Parisより)。

The global recovery is strengthening but is still uneven and downside risks remain. While most advanced economies are seeing modest growth and persisting high unemployment, emerging economies are experiencing more robust growth, some with signs of overheating. We reaffirm our willingness to ensure a consistent and coordinated response to the challenges we face, address the root causes of the crisis and restore global economic growth on a sounder basis.

グローバル経済の回復は強いものの、平坦ではなく、ダウンサイドリスクも未だ残る。先進国経済では緩慢な成長であり、高い失業率が継続している一方で、エマージング経済はより堅調な成長となっており、過熱気味の兆候もみられる。我々は直面する課題、すなわち危機を引き起こす根本にとりかかり、健全なベースに乗ったグローバル経済成長を再構築するということについて、一貫性を確保し、協調することで再確認した。

We reaffirm our commitment to coordinated policy action by all G20 members to achieve strong, sustainable and balanced growth. Our main priority actions include implementing medium term fiscal consolidation plans differentiated according to national circumstances in line with our Toronto commitment, pursuing appropriate monetary policy, enhancing exchange rate flexibility to better reflect underlying economic fundamentals and structural reforms, to sustain global demand, increase potential growth, foster job creation and contribute to global rebalancing. We discussed progress made since the Seoul Summit and stressed the need to reduce excessive imbalances and maintain current account imbalances at sustainable levels by strengthening multilateral cooperation. We agreed on a set of indicators that will allow us to focus, through an integrated two-step process, on those persistently large imbalances which require policy actions. To complete the work required for the first step, our aim is to agree, by our next meeting in April, on indicative guidelines against which each of these indicators will be assessed, recognizing the need to take into account national or regional circumstances, including large commodity producers. While not targets, these indicative guidelines will be used to assess the following indicators: (i) public debt and fiscal deficits; and private savings rate and private debt (ii) and the external imbalance composed of the trade balance and net investment income flows and transfers, taking due consideration of exchange rate, fiscal, monetary and other policies.

我々はG20メンバー全てによる、強く、持続可能で、かつバランスのとれた成長が達成されるために政策行動を協調することについてコミットメントを再確認した。我々の優先的なアクションは、グローバルな需要を持続させ、潜在的な成長を高め、雇用創出の育成やグローバルリバランスに寄与させるために、トロントのコミットメントに沿った形で各国の事情に応じて区別した中期的な財政再建計画の達成や、経済のファンダメンタルズや構造的な改革を反映した為替レートの柔軟性の強化を含む。我々はソウル会合以降進展した議論がなされ、過度な不均衡を減らし、多数国が協働して持続的なレベルまでに国際収支の不均衡に対して維持していく必要性を強調した。我々は統合された2段階のプロセスを通じて、政策行動が求められている持続的に巨大なインバランスに焦点が当たる指標の設置で一致した。最初の段階は次回会合の4月までに作業を終えることが求められ、それらの各指標に対するガイドラインの提示が評価され、承認は各国ないし各地域の考慮を必要とする。ターゲットではないが、これらの指標のガイドラインは以下の指標を評価するために使われる。(1)公的債務及び財政赤字、民間貯蓄率、民間負債、(2)為替レートや財政、金融もしくは他の政策を考慮した形での貿易収支やネット投資所得及び対外移転である。




としている。冒頭で、世界経済は順調な回復を見せているが、先進国では失業率が高止まりしていること、新興国では経済が過熱気味に推移していることからダウンサイドリスクが未だ存在していることに言及した。また、経常収支、財政収支、貯蓄率、為替レートなどを参考指針としてインバランスを把握させるガイドラインの作成で合意した。グローバルインバランスについてはG20前にフランス中銀の主催の会合のスピーチでFedバーナンキ議長が以下のように指摘している("Chairman Ben S. Bernanke ,Global Imbalances: Links to Economic and Financial Stability"より)。


Although policymakers in the emerging markets clearly face important challenges, such concerns should be put into perspective. First, these capital flows have been driven by many factors, including expectations of more-rapid growth and thus higher investment returns in the emerging market economies than in the advanced economies. Indeed, recent data suggest that the aggregate flows to emerging markets are not out of line with longer-term trends. Second, as I noted earlier, emerging market economies have a strong interest in a continued economic recovery in the advanced economies, which accommodative monetary policies in the advanced economies are intended to promote. Third, policymakers in the emerging markets have a range of powerful--although admittedly imperfect--tools that they can use to manage their economies and prevent overheating, including exchange rate adjustment, monetary and fiscal policies, and macroprudential measures. Finally, it should be borne in mind that spillovers can go both ways. For example, resurgent demand in the emerging markets has contributed significantly to the sharp recent run-up in global commodity prices. More generally, the maintenance of undervalued currencies by some countries has contributed to a pattern of global spending that is unbalanced and unsustainable. Such imbalances include those not only between emerging markets and advanced economies, but also among the emerging market economies themselves, as those countries that have allowed their exchange rates to be determined primarily by market forces have seen their competitiveness erode relative to countries that have intervened more aggressively in foreign exchange markets.

そのような懸念を視野に入れるべく、エマージングマーケット(EM)の政策担当者は重要な課題に直面している。最初に、(EMへの)資本流入ーは、より速い成長、それゆえ先進国経済よりもEM経済のほうが高い投資リターンが上げられることへの期待を含む、様々な要因により発生する。実際に最近のデータではEMへの流入の総額は過去のトレンドから外れていないことが示唆されている。第2に、私は早くから指摘していたが、EM経済は先進国経済の経済回復に強い関心を持っている、すなわち先進国経済の緩和的な金融政策が(EM経済の)経済成長を促進させている。第3に、EMにおける政策担当者は、確かに不完全ではあるものの、為替レートの調整や金融、財政政策、そしてマクロプルーデンシャル的な手法を含む、経済を管理し、過熱を抑制できる強力なツールを保有している。最後に、両方に向かってしまうスピルオーバー(余波)について心がけるべきである。例えば、EM市場の需要の回復は、最近のコモディティ価格の鋭角的な上昇に強く寄与している。一般的には、いくつかの国で通貨がアンダーバリューとなっていることが継続しているのは、グローバルな不均衡かつ持続不可能な支出パターンに寄与してしまう。そのようなインバランスはEM経済と先進国経済だけでなく、EM経済それ自身をも含んでいる。為替レートを主に市場の力で決定することを容認している国は、外為市場でより積極的な介入を行う国に対して競争力を失ってしまう。




としている。上記のことからも読み取れるように、米国サイドなどはインバランスの解決のために新興国、(直接言及はしていないものの)特に中国の通貨安政策を是正するように求めている。このことから、中国に対する通貨政策のプレッシャーは今後ますます高まっていくものと思われる。しかし、中国サイドはインバランスの是正のために経常収支目標を定めることや外貨準備に対して規制をかけることには異論を唱えており、この点でさらに米国をはじめとした先進国と中国との間との対立は継続していくものとみられる。従って、今回もインバランス是正のための努力目標は作成したものの、それに向けた道筋は決して容易ではないことが示唆された会合ではなかったかと思われる。今後中国ではインフレ圧力にさらされ、通貨安政策からの転換が予測されるものの、面子を重んじる国であるため、対外的な圧力によってではなく、あくまでも自国内の事情において政策決定が行われるものとみられ、その時期は即時ではなく時間的な経過を見ながら、かつ市場が予測し織り込む形ではなく、ある意味で突発的なものとなっていくのだろう。


また、一次産品の高騰についても警戒感を表明し、日銀中曽理事を議長とする調査部会を設置することで合意したが、投機規制への言及がなかったほか、通貨システムに脆弱性があることなども表明された。この点についてはバーナンキ議長は強く否定しているものの、QE2による新興国への資金流入がインフレを高めているという主張もあり、コモディティ価格についてもこうした緩和的な金融政策によって引き起こされているという主張も強い。このことから、先進国の金融緩和への新興国からの批判も今後強まっていく可能性もある。IMFのSDRについても構成通貨についてドル、ユーロ、ポンド、円から拡大する必要性についても一致した。SDRの論議を踏まえ、今後新興国などのIMFへの発言権を睨みながらIMF改革への論議へと発展していくものとみられる。


■英MPC議事録


金融政策では今週英MPC議事録が公表される。英国では先進国で最も早期に利上げが行われるのではないかとみられている。先に発表されたインフレーションレポートでは以下のような認識となった。

In the United Kingdom, CPI inflation rose further above the 2% target while output fell. Output was, however, temporarily affected by the heavy snowfall at the end of 2010 and growth appears likely to resume. The world economy grew further, although vulnerabilities remain. Expansionary monetary policy, combined with further growth in global demand and the past depreciation of sterling, should ensure that the recovery in the United Kingdom is maintained. But the continuing
fiscal consolidation and squeeze on households’ purchasing power are likely to act as a brake. After some near-term weakness, GDP growth is judged to be about as likely to be above as below its historical average rate. Even so, the depth of the recession means that some spare capacity is likely to persist over the forecast period.

英国において、GDPはマイナスに落ち込んでいる一方で、CPIは2%のターゲットを超えている。しかしながら、成長は2010年の終わりに大雪に見舞われた一時的な影響を受けており、成長は再開し始めている。世界経済はさらに成長しているが、抵抗力がないままである。拡張的な金融政策は、グローバルな需要やポンド安と組み合わさりながら、英国経済の回復の維持を確実にしている。しかし、財政再建や家計の購買力の締め付けがブレーキとして機能している。短期的に弱含んだ後、GDPは過去の平均の伸び率に対して上下していくものと思われる。無論、リセッションの深刻さがいくつかの余剰生産能力を継続させると今後も予測される。


CPI inflation is likely to pick up to between 4% and 5% in the near term and to remain well above the 2% target over the next year or so, reflecting in part the recent increase in VAT. The near-term profile is markedly higher than in November, largely reflecting further rises in commodity and import prices since then. Further ahead, inflation is likely to fall back, as those effects diminish and downward pressure from spare capacity persists. But both the timing and extent of that decline in inflation are uncertain. Under the assumptions that Bank Rate moves in line with market interest rates and the stock of purchased assets financed by the issuance of central bank reserves remains at £200 billion, the chances of inflation being either above or below the target in the medium term are judged to be broadly balanced.

CPIは短期間で4-5%に上昇し、来年も2%のターゲットを上回ったままであり、直近のVAT(付加価値税)の引き上げの影響を受ける。短期的なプロファイルは11月よりも著しく高く、コモディティ価格や輸入価格のさらなる上昇の影響をうけている。先々は、余剰生産能力により、インフレは低下もしくは、下方圧力に働くだろう。しかしインフレがどの期間で落ち着くかは不確実である。マーケットの金利に沿ってバンクレートが動き、2000億ポンドの資産買取を保有したままであると仮定して、インフレが中期的にターゲットを上回るか下回るかは五分五分であると判断した。




このような形となっており、現状の英国のインフレ要因を、


・VAT(付加価値税)の上昇
・コモディティ高
・金融危機以降のポンド安



この3つがメインであると述べている。しかし、余剰生産能力により中長期的なインフレは下方バイアスが働いていくだろうとしている。このあたりはFedの経済のスラック(緩み)論と似ている。しかし、当面は4-5%のインフレ率が継続することから、BOEのインフレターゲットを大きく逸脱することには変わりはなく、内部においても引き締め論も次第に強くなってきている。タカ派のセンタンス委員は金利を引き上げてポンドを緩やかに高くさせる必要がある("The UK's Inflation Problem: Selling England by the Pound?"より)と言及している。一方で、キング総裁はインフレーションレポート発表の際の会見で経済・インフレ見通しが非常に不透明であることから、利上げの時期やペースについてはまだ決定されているわけではないとして市場の期待を牽制する発言を行なっているほか、ハト派的な主張では2010年第4四半期のGDPにもあるように英国経済には脆弱性が残るとしている。従って、MPC議事録のポイントとしては、センタンス、ウィール委員の他に利上げを主張するメンバーが増えるかどうか、1月のMPC以上にインフレに対して警戒感を表明しているかどうか、さらには英国経済の落ち込みが一時的なものとして認識されているかどうかといったところだろう。また、今回のインフレーションレポートでは、2013年のCPIを1.7%前後と11月時点よりも上方修正する一方で、2011年のGDPは3%前後へと下方修正されている。


・BOEによる英GDPの長期見通し(出所:BOE)


BOE GDP Forecast.


・BOEによる英CPIの長期見通し(出所:BOE)


BOE CPI Forecast.



■米マクロ指標


先週に発表された米国のマクロ指標では、小売売上が市場予想に届かず、大雪の影響もあるのだろうが、米国の個人消費動向にやや弱気な見方が出ていた一方で、フィラデルフィア連銀製造業指数では製造業の強い景況感が示された。今週の米国マクロ指標は、以下の市場予想となっている(Bloomberg Surveyより)。


2/22 12月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 -0.5%(MoM)/ -2.4%(YoY)
2/22 2月コンファレンスボード消費者信頼感指数 65.0
2/23 1月中古住宅販売件数 5.28M / -1.5%(MoM)
2/24 1月耐久財受注 +3.0%(MoM) / 輸送除く +0.5%(MoM)
2/24 新規失業保険申請件数 405K
2/24 1月新築住宅販売 300K / -8.8%(MoM)
2/25 10-12月GDP改訂値 +3.3%(QoQ)
2/25 2月ミシガン大学消費者信頼感指数改訂値 75.4


このようなものとなっている。特に堅調な米国経済にあってネックとなっており、二番底を模索している住宅市場にフォーカスが当たるものとみられる。12月の中古住宅販売は大きく伸びたが、1月はやや減少すると見込まれており、在庫解消には程遠い状態が示されるものとなるのだろう。また、フォークロージャの動向も注視しておきたい。さらに、ケース・シラー住宅価格指数では前月比及び前年比でマイナスが予想されており、住宅価格が下げどまらないうちは資産効果の裾野は拡大しにくいものとなっており、その動向も気にされるところだろう。


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タグ: マーケット  金融政策  BOE  金利  中国  マクロ  米国 
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Global Market Weekly Focus 2.7-10 

今週のマーケットにおける注目点は、先進主要国で利上げ開始が最も早くなるのではないかという見方がある英イングランド銀行MPCの動向、Fedバーナンキ議長の下院での議会証言、中東情勢などである。


■MPC


英イングランド銀行の金融政策会合(MPC)は2月9日から行われ、10日に政策金利が発表される。英国経済はスタグフレーションの傾向、すなわち物価高と経済減速が鮮明になってきている中での難しい金融政策の舵取りとなる。10-12月期の英GDPは前期比-0.7%となっており、経済が減速している。以下のグラフは英国GDPの推移(出所:Office for National Statics)。


UK GDP 20110207


このGDPに関しては12月の悪天候の影響を大きく受けているとされる。国立統計局では内訳を公表しており、それによるとサービス生産が前期比-0.5%となっており、消費・ホテル・レストランが前期比-0.5%、運輸・倉庫・通信も-0.5%、企業向けサービス及び金融が-0.7%、政府・その他のサービスが-0.2%、建設が-3.3%となっている半面で財生産が+0.9%となっている。サービス業全般が低調だったことが英国経済の減速感を示しているものと思われる。一方、物価に関しては昨年12月のCPI(総合)が前年比3.7%の伸びとなっており、1月から導入されるVAT(付加価値税)の引き上げを前にした便乗値上げなどによって押し上げられている。以下のグラフは英国CPIの推移(出所:Office for National Statics)


UK CPI 20110207.



BOEはインフレターゲティング政策であり、前年比2%が目標となっている。それよりも±1%を超える物価上昇率となった場合にはBOEの総裁が財務相に書簡を送らなければならないものと定められている。なお、現状はインフレ率が3%を超えた状態が継続しており、金融危機後の2009年12月から13回に渡って財務相宛に書簡を送っている。さらに2011年1月からVATは2.5%引き上げられ20%となった。このことから今後インフレ率はさらに高まるものとみられている。そのような中でのMPC開催となる。前回1月のMPCではセンタンス委員及びウェール委員がバンクレートの25bp引き上げを主張している。ウェール委員に関しては1月のMPCから利上げを主張することになった。前回のMPC議事録では、現状のリスクファクターについて以下のようなやり取りがみられた。以下は1月MPC議事録より。


25 The first key risk was that the growth of private demand might be relatively weak, and that the margin of spare capacity would cause inflation to fall below the target in the medium term. Overall, there had been little change in this risk since the Committee’s previous meeting. The recovery in the United Kingdom and overseas had continued broadly as expected. Abstracting from the likely effects of the snow in December and the VAT rise in January, the data had remained consistent with UK growth at around its historical average in the second half of 2010 and early 2011. And, if anything, it was possible that near-term growth in the United States would be a little stronger than the Committee had previously assumed. But there remained significant downside threats to UK growth. Those stemmed primarily from: the risk of a sustained rise in the household saving rate, possibly in response to the UK fiscal consolidation; the possible impact on the United Kingdom and the international banking system of an intensification of sovereign debt concerns within the euro area; and the continuing funding challenge for UK banks.

最初のリスクのキーとなる部分は、民間の需要が比較的弱いことであり、余剰能力におけるマージンはインフレを中期的にターゲットを下回るものとさせるだろう。総じて、前回の会合とそれ程これらのリスクは変わってはいない。英国および海外の経済回復は広範に渡って予測されたとおり続いている。12月の大雪や1月のVATの引き上げの影響を除いて、経済データは2010年の後半から2011年の初期にわたって英国の経済成長はヒストリカルな平均に一致し続けるものとなる。米国の経済成長は委員会が想定していたよりもやや強い。しかし、英国の成長には強いダウンサイドリスクが残っている。家計の貯蓄率の上昇、英国の財政健全化、ユーロ圏のソブリン債務の懸念の強まりにおける英国および欧州の銀行システムの影響、英国の銀行にとって資金調達の難しさが継続していることなどである。



26 The second key risk was that inflation might remain above the 2% target for long enough to cause expectations of future inflation to move up and that this would in turn lead to higher increases in future wages and prices, so making it more costly for the Committee to bring inflation back to the target further ahead. Commodity prices had risen further, and it was probable that the near-term path of inflation would be materially higher than the Committee had thought at the time of the November Inflation Report. The extent to which these developments affected inflation expectations would be hard to gauge, given the imperfect and partial nature of the available indicators. Survey measures of household inflation expectations for both the short and medium term had risen. But measures derived from financial market prices, and measures of businesses’ inflation expectations, which were likely to be more immediately relevant to the setting of wages and prices, had remained more stable. And wage growth had remained moderate, especially when compared to productivity growth.

第2のリスクは、さらなるインフレ期待を増大させ、将来の賃金や物価の一段の上昇を引き起こすのに十分な、インフレがターゲットの2%を長期間超えたままであることであり、委員会にとって将来インフレターゲットの水準に戻すのに、より高いコストがかかってしまうということである。コモディティ価格がさらに上昇すれば、委員会が11月のインフレ報告で考えたときよりも高い短期間のインフレパスとなってしまいそうである。これらの進展の度合いが、インフレ期待に影響を与えてしまう。家計における調査ではインフレ期待が短中長期で上昇している。これらの指標は金融市場の価格からもたらされているが、より直接的に賃金や価格に関連付けられる企業のインフレ期待は安定したままである。賃金の伸びは、特に生産の伸びに対してモデレートなままである。



27 Even without a generalised increase in inflation expectations, there was a risk that inflation would remain above the target in the medium term for three reasons. First, the recent increases in commodity prices might continue. Some members thought it was likely that robust growth in emerging economies would continue to put upward pressure on commodity prices, but for other members the best forecast was embodied in futures prices, which were lower. Second, more general
inflationary pressures in emerging economies could lead to higher UK import prices. In the event of either of those risks crystallising, lower domestically generated inflation would be needed to hit the inflation target. Third, there was a risk that the prices of the domestically produced goods and services that competed with imports would rise further in the aftermath of sterling’s depreciation as the economy recovered.

一般的なインフレ期待の増大を除いても、中期的にインフレが上振れるリスクは3つ存在する。第1に、最近のコモディティ価格の上昇は継続するであろうということである。数名のメンバーはエマージング経済の堅調な伸びがコモディティ価格に上方プレッシャーを掛け続けているとしているが、他のメンバーは最良な見通しは先物価格に織り込まれており、その可能性は低いだろうとしている。第2に、より包括的なエマージング経済におけるインフレ圧力は英国の輸入物価の上昇を引き起こすとしている。いずれかの出来事でこれらのリスクは具体化されており、低い国内のインフレはインフレターゲットに戻されるだろう。3つめとして、経済の回復に伴い、ポンド安のさらなる結果、国内で産出されるモノやサービスが輸入品との価格競争に晒されてしまうことだ。




MPCの見解としても、国内需要が低いままであり、中期的なインフレはターゲットのレベルに戻るものとしているが、短期的なインフレ圧力はコモディティ価格の上昇やVATの引き上げ、輸入物価の押し上げによって高まっていることも事実であり、1月の指標はインフレターゲットに対してさらに乖離が生じてしまっているものと思われる。このため、今回もMPCのメンバー内部では利上げを主張する意見と現状維持を求める意見とが対立すると思われる。スタグフレーション懸念が台頭していることから、難しい政策判断となろう。ちなみにMPCの場合は、ステートメントは公表されるものの、政策の方向性を見極める上で重要な投票の結果についてはMPC議事録まで待たなければならないだろう。また、インフレ報告において中長期の物価見通しがどのように変わっているかについても関心が集まるものとみられる。


■バーナンキ議長議会証言


9日に下院予算委員会でバーナンキ議長の議会証言が予定されている。これは2月3日にナショナル・プレス・クラブで現状の経済の見通しおよび金融政策について講演・記者会見を行ったが、それを踏襲するものとなることが見込まれる。3日の講演では、次のような趣旨の発言がなされた。経済の成長は力強く、2011年は2010年よりも成長は加速するものの、労働市場が改善するのには十分でなく、強い雇用創出を一定期間にわたり継続しない限りにおいては強い成長とはいえず、失業率が正常に戻るには数年掛かるとしている。インフレについては経済に大きなスラックが存在しており、賃金や価格のインフレは下方トレンドとなっている。金融政策においては、QEの結果、金融環境を緩和させ、資産価格が上昇し、クレジット環境も良化しており、ポートフォリオリバランス効果について評価を行なっている。従って、4日に発表された雇用統計の内容を踏まえて上記の見方に変更が出てくるのかどうか注目される。一方、会見では新興国で広まっている食料などのインフレについては、新興国における過大な需要圧力の根拠を米国の金融政策に求めることは不公平だとしており、QE政策が新興国のインフレを助長しているといった批判に対して異議を唱えている。また、原油高については一種の増税であるとの見方を示し、国民の所得がガソリン高に一部消えてしまうようであれば、経済に悪影響を及ぼすことになるとの見方を示している。


今回の議会証言で最も注目されそうなのが、Fed批判の急先鋒として知られる共和党のロン・ポール議員とのやり取りだろう。ロン・ポール氏はFedを監視する下院金融委員会の国内金融政策小委員会委員長に就任しており、おそらく今回の下院の議会証言ではバーナンキ議長に対してQE政策の批判を行うものとみられる。このことから議長がロン・ポール氏の主張に対してどの程度説得力のある反論がなされるか、といった部分でも注目が集まろう。


■エジプト情勢


エジプト情勢については今のところ金融市場に大きな影響を与えるものとはなっていないものの、中東という地政学的なリスクを抱えた地域での動向であり、原油などの価格上昇のきっかけとなっているので、今後の動きにも注目が集まるものとみられる。6日にはムスリム同胞団などエジプトの野党勢力がスレイマン副大統領と会談し、野党側が即時にムバラク大統領の辞任を求めたことに対してこれを否定したことから、今後も政治的な火種がくすぶっていくことになる。また、チュニジアから広がった反政府運動の拡散はアラビア半島に拡大しており、今後イエメンやヨルダン、サウジアラビアなどで大規模なデモ等が起き混乱状態となれば金融市場にもそれなりに影響を及ぼすものとみられる。地政学リスクから原油価格の高騰が加速するリスクが存在しており、今後の情勢にもマーケットのフォーカスが当たるものと思われる。


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カテゴリ: 市場視点

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Global Market Weekly Focus 2010.10.04-08 

今週のマーケットのフォーカスは、各国金融政策の動向と米雇用統計の行方である。今週は各国で中央銀行金融政策決定会合が行われ、それぞれの金融政策の動向に関心が集まる。また、雇用統計に関しても米国の現状の経済状況及びFRBの金融政策に関わる部分でマーケットの関心を大きく集めるものと思われる。


■日銀の緩和政策の行方


まず、日銀であるが、各所報道などからすれば4・5日の決定会合において追加の金融緩和策が示されるものとみられている。日銀が取りうるべき金融政策についは、以下のような政策ツールがある。以下の表は日銀が取りうる政策ツールの選択肢である。


BOJ Policy Tools


この中で現行では新型オペの拡充が最も濃厚ではないかとみられている。新型オペについては8月30日の金融政策決定会合においてこれまでの期間3カ月の資金供給の残高20兆円を確保した上で、追加的に10兆円程度の期間6カ月の資金供給を開始することとした。このうち、6カ月物のオペでの資金供給量を増額させる可能性もある。さらに6カ月より先のターム物のオペの可能性もある。その他の政策のうち、実現可能性の高いものからすれば、(1)当座預金残高の拡大、(2)短期国債の買い入れ増額、(3)時間軸政策の強化であろう。9月中盤からの為替介入に伴う介入資金の放置(俗に「非不胎化」)によって当座預金残高は拡大しているので、実質上日銀は量的緩和政策に踏み込んでいる。今後介入が継続し、量的緩和効果を強める必要性があると判断された場合、(4)当座預金残高目標の拡大が行われる可能性は十分にある(筋道論的にはこの方向に進んでいる)。一方で(5)長期国債の買い入れ(輪番)増額は銀行券ルールに抵触する可能性があり、マネタイゼーションへの懸念が強く、現段階で議論が尽くされていないこと(アナウンスメント効果は絶大だろうが)、また、(6)利下げは市場機能の低下や金融機関の収益を圧迫する問題があるため、消極的なものになるものと思われる。


しかしながら、日銀短観における景況感は先行き悪化を示唆しているものの、足元で悪化しているわけではなく、追加の緩和策が必要な経済状態であるとは一概に言い切れないことから、さらなる緩和策に踏み切った場合にはそれなりの説明が必要になる。さらに、現行の極めて低い金利水準からすれば、ここから一段金利にアプローチを掛ける政策はもはや限界、もしくはその状態に極めて近づいている点は留意しておく必要があろう。


■各国金融政策


日銀の他にも各国で金融政策の決定会合が行われる。以下の図は各国の政策金利。


Interest Rate


まず5日のオーストラリア準備銀行(RBA)の政策会合においては、利上げの是非が討論される公算が高くなった。前月までRBAの政策スタンスは過去10年間の平均金利に達したことから利上げを見送り、中立となっていた。しかし、9月20日のRBAスティーブンス総裁の講演では景気下振れの可能性が現実とならなければ、今後は相当力強い上振れを制御することが任務の一つになる可能性が高いと指摘(Bloomberg「豪中銀総裁:利上げが必要となる公算-景気の「力強い上振れ」で 」参照)し、この任務の一端を金融政策が担うであろうことは明らかだと述べたことから、市場では利上げを示唆するものとして受け止められている。現状では世界経済の不確実性が存在している半面でコモディティ価格の上昇などによりインフレ圧力も高まってきているが、中国経済が減速から再加速していることから前者の懸念がやや後退しており、利上げに踏み切る可能性や、今回利上げが行われなかったとしても声明文に将来の利上げを示唆する文言の表記が行われる可能性が十分ある。


7日に発表されるイングランド銀行(BOE)の金融政策会合(MPC)も注意が必要である。英国経済は減速感を示すものとなっているものの、物価上昇率は高く、政策判断は次第に難しくなってきている。MPCメンバーであるポーゼン委員は講演で「回復を促すという点で金融政策は引き続き積極的であるべきだ。さらなる議論が必要だが、わたしは追加緩和に取り掛かるべきだと考える」と述べている(Bloomberg「英中銀ポーゼン氏:資産購入の再開を-低成長に甘んじるな」参照)。現状2000億ポンドの量的緩和を行っているが、その拡大に向けて討議される可能性は十分にある。しかし、付加価値税(VAT)の引き上げも考慮する必要があるが物価上昇率はインフレターゲットの上限を超えており、インフレ懸念という観点で利上げを主張する委員も存在しており、緩和に踏み切れるには、なお意見調整が必要である。今回のMPCでは現状維持とみられるものの、次の政策の一手を見極める時期に来ていることは確かであろう。


同じく7日にはECB理事会が行われ、トリシェ総裁の会見が行われるが、ここでは足元の政策の方向性を確認する必要がある。ECBではオペの縮小などを通じて資金を吸収しており、EURIBORなどのターム物金利が上昇してきていることから、現状出口戦略に舵を切っているようにもみえる。しかし、PIIGSの銀行は信用力の問題から市中での資金調達は未だ厳しい状態にありECB頼みの状態が継続していることも確かであり、政策の方向性が緩和的なままであるか否かについて総裁の発言から確認をしていくことが求められるのではないかと思われる。


■雇用統計


今週の米国マクロ指標では注目の9月の雇用統計が発表される。市場予想では、


非農業部門雇用者数 0人
民間部門雇用者数 77千人
失業率 9.7%
時間あたり賃金(前月比) +0.2%
週間平均労働時間 34.2時間


となっている。非農業部門雇用者数については、国勢調査による臨時職員の削減が続いており、政府部門で減少が見込まれていることの影響から変わらず近辺がコンセンサスとなっている。従って9月も特殊要因を除いた民間部門雇用者数の動向が焦点となる。市場では8月より増加して7.7万人増加を予想しているが、9月のISM製造業景気指数における雇用指数が8月から悪化していることから、製造業部門で下振れの可能性もある。サービス業についても景況感の悪化から採用を減速させている可能性もあるため、下振れの注意が必要であろう。


失業率は若干上昇すると市場では見込まれている。この段階での失業率の上昇は景気回復初期における労働力人口(Civilian labor force)の増加によるものであり、ネガティブなものではない。言い換えれば、仮に9月に失業率が低下し、その要因が労働力人口の低下に起因していた場合、ネガティブな印象を持つことになるだろう。


その他の注目ポイントからすれば、賃金の増減及び長期失業者の減少傾向が続いているかどうか、といったところとなろう。特に7・8月の個人消費支出の増加については、賃金の増加が一因となっている可能性がある。従って9月も賃金の増加基調が継続しているかどうかを見定めておく必要があろうと思われる。


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