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通貨と金相場考、その先の「物価不均衡論」 

今日の東京株式市場は5日続伸。明日早朝のインテル決算をにらんでハイテクに買いが入った。とはいえ、様子見姿勢は変わらずの展開であり、内需は見送られる展開となった。NT倍率は拡大基調を見せている。


昨日の日経朝刊の「経済教室」は興味深かった。国際経済政策研究協会会長の重原久美春氏の論説は通貨と物価に関するものであった。内容としては通貨高の国であるカナダやNZの中央銀行が自国通貨高のリスクに言及し、日銀も同様のスタンスを取るべきであるという内容であった。中でも加中銀の7月の金融政策報告書では以下のように自国通貨高を牽制している。


「重要なリスクは、強いカナダドル、またはそのさらに激しい変動が成長に大きなマイナスとなり、物価に下方圧力が掛かることだ」



そして円高が加速した場合の日銀の取りうる金融政策の在り方などについて論じている。通貨高は輸入物価を押し下げて基本的にデフレを促すことはこのブログでも「88円ショック」という記事で取り上げているので、それを参照していただきたい。そして通貨高がデフレを助長するという物差しとして有効なのは各国通貨建ての金価格であり、それを参照すれば一目で分かる。以下は1997年8月25日を100とした各国通貨建ての金価格(スポット)の推移である(XAU=1toz=31.1035g)。


XAU


これから分かることは当たり前のことだが、通貨が高い国の金価格は当然低い位置に置かれている(2007年からの上昇相場については金融不安によるヘッジの買いも含まれていたことは留意)。例えば、巷ではいくらドル建ての金が史上最高値で大騒ぎしていたとしても円建ての金価格は昨年の高値をまだ抜けていない。もっといえばTOCOMの金先物(=1gram)の最高値は1982年9月9日の4,326円(期先)であり、今日の15時34分時点の3,062円からは程遠いところにある(このときのドル円は240円程度)。日本に住んでおれば家計支出は普通円ベースで行われるわけであるから、金は何を謳った金融商品なのだろう?とふと思う。ドルのヘッジならば円資産を持っておればよいわけだし、金にはインフレヘッジ的な側面もあるわけだが、足元デフレ気味なのだからそれもあまり通用しない。


個人的な所見でいえば、金が買われているのは単にドル安が材料にされている可能性が高い。米国でもCPIが前年比でマイナスであり、マネーサプライも上昇する気配がない(=信用創造が行われていない)のだからインフレ期待は薄い。その中での金の史上最高値は、投機的に売られたドル安(=投機的に高金利通貨が買われている)を背景に投機的に買い進まれたものと思われる。すなわち流動性の罠に陥っている米債市場で益出ししたマネーが高金利通貨に向かってドル安を促し、一方でそれこそがファンダメンタルズ的な下支えになるコモディティにもマネーが向かう、そんな構図なのだろう。


米国はドル安こそが皮肉にも物価安定の一助になっている。しかしながらそのとばっちりを受けた通貨高で、かつデフレ気味な経済圏は余計に厄介となる。デフレの国については金融政策的アプローチから、それこそガイトナー米財務長官の「成長の不均衡論」ではないが、物価と通貨との関連から「物価の不均衡論」に対してどのように対処するべきなのかを論議する必要があろう。一度日銀でもこの問題を論議してみるのは有意義だと思う。そういう意味で昨日の重原氏の論点は斬新なものであった。


東京株式市場に話を戻せば、やはり世界的にパフォーマンスが悪いのは、目先には民主党政権の市場の対話不足が一因だが、遠因にはデフレがあるのだろう。だからこそ財務相の発言で株価が重くなるのはそういったところを読んでいるものだと思う。


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