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arrowheadに対する考察 

今日の東京株式市場は反落した。ただ単に外部環境も全く無いマーケット、動きようがない。そこで、今回は東証arrowheadに対する考察について11月末に宮地塾で公開したレポートを一部加筆して掲載させていただく。すでに出回っているネタだが、当時の個人的な見解そのままを示している。なお、このレポートリリース直後、東証ではarrowheadのデモンストレーションを公表した。このレポートはNYSEの取引状況を見ながらの感想であり、東証にそのまま当てはまるとは限らない。1月4日以降徐々にこうなっていく、というイメージである。


■arrowheadとは?


東証では2010年1月の大発会から次世代システム(arrowhead)を稼働させる。この導入の経緯はライブドア・ショックやジェイコム誤発注事件を経緯に、システムの堅牢性を確保しつつ、発注レスポンス10ミリ以下の高速性を備え、グローバル的な証券取引所間の取引執行スピード競争に遅れまいとする施策である。この施策がとられた場合、システム売買や裁量トレードにどのような影響を与えるのかというところを重視し、コメントする。


■イントロダクション


体感速度的、さらにシステム売買でも相当の処理高速化が求められる。裁量トレードからすれば、「板情報」といった分析は通用しづらい。さらにシステムトレードに関してもテクニカル的なモデルアプローチにせよ、イベントドリブン的なアプローチにせよ、システム構築にあたりハード・ソフト面でも相当な処理速度能力が求められる。システム売買系においては、システム自体のチューニング能力も問われる。


■コロケーションサービスとレイテンシー


コロケーションサービスとは、取引参加者等の機器(自動発注サーバー等)と売買システムや相場報道システム等との物理的距離を極小化することで、レイテンシー(ネットワーク機器におけるデータ授受の遅延)の低下を実現させるため、取引所のデータセンター又はネットワークのアクセスポイント(AP)に近接する場所に設置し接続することである。如何に相場情報を速く得て、如何に速く注文するか、というアプローチから導入されるサービスである。


■スリッページの許容性


ミリセカンドの世界では数量商い銘柄のように板が厚ければあまり問題が起きないのだが、流動性の低い銘柄にマーケットオーダーで売買注文執行する場合、思わぬスリッページが起きることが想定される。システム売買にせよ、裁量トレードにせよ、エントリにおいてもイグジットにおいても許容できるスリッページを定めておく必要がある。流動性の乏しい銘柄はリクイディティチェックが怠れない。さらに注意が必要なのは、呼値の変更である。1月4日以降呼値の変更があり、例えば2,000-3,000円台の価格帯(5円→1円)、3,000-5,000円の価格帯(10円→5円)で注意を要する。各呼値の板が薄くなることは必然となるため、成行注文では思わぬスリッページが発生する。


■証券会社の選定


発注執行優位性を保つためには海外取引所の高速売買システムに既往済みの外資系証券や国内でも対応済みの証券会社へのアカウントが必須となる。国内大手でも対応しきれないところもあるようだ。このシステム導入により、売買注文システムが脆弱な証券会社にとっては死活問題となるだろう。特に個人投資家層の多くのアカウントを持つネット証券会社にとっては大きなダメージとなる可能性がある。


■取引形態は変わるのか?


結論からすれば大きく変わる。NYSEの売買状況や歩みをみていたのだが、完全にアルゴリズム売買が席巻しており、裁量が入る余地が限られているイメージを持った。中堅・中小証券のディーラーやデイトレーダーなど裁量で板情報などを駆使した従来のトレーディング技術は大きく否定される可能性が高い。とにもかくにもミリセカンドの世界では人間の認識能力に限界が生じていくことは間違いなかろう。違法だが、見せ玉等の行為は合理性をなくしていくだろう。さらにシステム売買系においては、スリッページを極力抑える目的やマーケットバイアスを極力避けるため、ルーティーン(スライスの小口)注文が必須となる。東京市場でもオーダー条件についても分岐系(if-done)の処理だけでは不足で、反復系(for/do-while)の処理の普及もより加速していく、さらには相互に組み合わされたオーダー体系が普及することになろう。また、スライス注文数を確定させるためオーダー状況の監視も怠れない。NYSE Euronextに比べ東証arrowheadは処理速度も体感的にもこれよりは遅くなりそうだが、いずれにせよ高速売買への対応が余儀なくされる。また、発注系クライアント端末の処理速度やブローカレッジから取引所までのレイテンシーの低下余地も問われそうだ。また、マーケットの裁定取引の多様性も考えうる。僅かな歪みも修正圧力が加わりやすくなるだろう。マーケットリクイディティの側面での影響も与えていくものと思われる。また、国内でもNY同様PTS市場の整備拡大により、フラッシュオーダーと取引所との価格裁定が活発になされること、あるいはシステムに拠るVWAPトレーディングが活発になることから今まで以上にVWAPがプライシングに大きく影響していくことなど、そういったことも十分考慮したい。


中長期で構える投資家にとっては怯える必要はない。しかし、個人投資家層においてリスク管理が求められるポジション(ex.信用取引)を取っている立場の方々は十分気をつけておかれた方がよいだろうと思われる。


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