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ガイトナーの問題意識~自己資本規制改革と流動性 

今日の東京株式市場は反落した。ウィンドウ・ドレッシングの思惑からしっかりとした足取りとなっていたが、短期的な過熱感から利食い売りが出される展開となった。証券や金融などが安い一方で小売などの内需がしっかりとしており、循環物色が効いている感じである。債券市場では短観を控え商いが薄いなかを円安株高を材料に売られる場面があったものの、株式市場が軟化していくと押し目買いが入った。外為市場では円安が進行し、ドル円で93.60円まであった。その後はドル売りの展開で推移している。


今年度の株式市場は日経平均で36.8%上昇したが、この1年間日経平均は主要株価指数に対して出遅れた。やや出遅れ感が強いマーケットとして意識されたが、今後世界経済の拡大により国内企業業績の大幅改善見込みというシナリオでキャッチアップ出来るだろうか?以下のチャートはDJIA、S&P500、FTSE、日経平均の1年間の比較チャートである(出所:Bloomberg)。


equity index


今のところ株式市場はリスク選好の動きから押し上げられているが、これは過剰流動性の流れを汲み取っている。出口戦略も意識されているが、日本のように緩和的な金融政策を取り続けている国がある限り当面続きそうである。一方で4月以降の相場に関して、ガイトナー財務長官の問題意識が今後波紋を読んでいくかもしれない。現在、ボルカールールが議会で審議されているが、その法案では自己資本比率規制及び流動性の考え方が欠如しているとガイトナーは考えているようだ。昨日のNYT DealBook Blogより少しこの概要をピックアップしたい。以下は編集長のアンドリュー・ソルキン氏の3月30日のコラムから。


The Issue of Liquidity Bubbles Up


“It’s a question of whether you want to insure against a 100-year flood or a 30-year flood.”

(抄訳)「問題は100年の洪水、もしくは30年の洪水を防ぐかどうか、だ」


That’s the way Treasury Secretary Timothy F. Geithner, chatting with me over cookies in his office across from the White House on Friday, described his thinking about the delicate balancing act of financial regulation reform.

ガイトナー財務長官はホワイトハウスの向かいの執務室で私とクッキーを交わし、金融規制改革における微妙な綱渡りについて考えていることを述べた。


The answer to Mr. Geithner’s question will have a huge impact on Wall Street ? specifically, how much money banks are required to keep in their rainy-day accounts. Conspicuously absent from any regulatory legislation floating around Capitol Hill is the precise level of capital that banks should hold for every dollar they lend, called a capital ratio.The bill also does not define what can be counted as capital, or how much of that capital should be readily available, known as liquidity. Those questions are being left to the regulators to sort out later.

ガイトナーの疑問に対する答えはウォールストリートに大きなインパクトを与えるのだろうか?特に銀行が「雨の日」の口座に維持するために必要な金額はいくらなのか?議事堂で出回っている全ての規制法案について、明らかな不備は、銀行が貸し出すのにどのくらいのドルを保有しなければならないか、すなわち自己資本比率の正確なレベルである。その法案では何を資本として計算するかも決めてもいないし、もしくはどのくらいの即時的な資本を調達できるか、すなわちどのくらいの流動性が必要なのかということも決まっていない。これらの疑問は規制当局にとって先送りにされている。


Rest assured, though, that when the fight over financial re-regulation is complete, the next big battle between Wall Street and Washington will be over capital ratios and liquidity.“This is the big issue,” said T. Timothy Ryan Jr., chief executive of the Securities Industry and Financial Markets Association, a trade group. “There is a natural tension between the banks and regulators on this.”Of course, protecting against even infrequent crises probably means forcing banks to keep a lot of cash on hand in case their bets go bad. But that would come at the expense of economic growth as banks would make fewer loans. But try pinning down Mr. Geithner, or anyone else in the Beltway, on how much capital banks should be required to keep, or even how the word “capital” should be defined, and certainties disappear.

しかし、金融規制改革をめぐる論争が終わった時、次のウォールストリートとワシントンの論争は自己資本比率と流動性に絡む問題となっていくだろう。「これは大問題だ」とSIFMA(米国証券業金融市場協会)の最高経営責任者のティモシー・ライアン氏は語る。「これは自然と銀行と規制当局との間で緊張となっていく」。もちろん、たまにおきる危機に対してプロテクトするということは、おそらく銀行の経営状況が悪くなったときに手元資金を確保させることを意味する。しかし、それらの規制は銀行貸出が減少することから、経済成長の阻害になるかもしれない。ガイトナーや他のベルトウェイ(ワシントンD.C.)の人間は、銀行が資本を維持するためにどのくらいの金額を必要とするか、あるいは「資本」という言葉はどのように決められべきなのか、曖昧にせず詳しい説明をしていかなければならない。


難しいのはプロシクリカリティの問題だろう。Fedが未だに金利を中立に出来ず、緩和的な政策に追い込まれているのは、結局資金の貸出が上手く行っていないことがある。以下のグラフは米国の総貸出の推移(前年同期比)。


Total loans and leases


また自己資本規制比率を変更するのであればバーゼル委員会でコミットされていくことになる。これには強力な反対意見が出ることは必至だろう。あるいは流動性を銀行に持たせるとするならば、安全な国債を一定割合アセットに組み入れることになるのだろう。しかし、バーゼル2施行以降、金融システムの維持に対して自己資本を求めた結果として、資金循環が悪化していった日本のようなことにはならないのか?という問題もある。銀行がリスクを取って貸し出さないと力強い経済成長は望みにくいのも確かである。しかし、Fedのバランスシートもしくは膨大な準備預金がバブルの芽をうんでいくことも懸念されていく。経済が順調に回復し、貸出が増加するような状況でなければ政策の失敗を招く可能性があるため、それまでは金融政策に依存するしかないのかもしれない。一方で中国のように過剰な貸出を行っている国の金融機関にはそういった規制を早急に掛ける必要があるのも事実だろう。やはり自己資本比率規制に変更を加え、流動性バッファを銀行に持たせる必要に迫られるのは、明確な貸出の増加が確認されてから、という感じもする。



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