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BOJ Review~日銀のジレンマ 

今日の東京株式市場は続伸し、連日で年初来高値を更新した。雇用統計を受けて円安に進行したというところまではよかったのだが、Fリテの3月既存店売上が2桁のマイマス、さらにはSIMロックフリーからソフトバンクも急落、指数構成ウエイトの大きい2銘柄が急落して指数を82円ほど押し下げた。逆に言えばこういった話がなければ120円高の展開だった。以下の表は指数マイナス寄与度上位銘柄。


Nikkei


債券市場は下落した。株高や米国債券安が効いた格好で、明日の10年債入札を控えてのヘッジ売りも出される展開となった。1.4%を打てば買い出動する投資家がいる半面であまり高いところを買いたくないようなムードもあろう。外為市場はフローがなく輸出の売りでドル円の上値が圧迫される形となった。


日銀の会合が明日から行われる。今回の日銀会合は短観を受けて基調判断をどうしてくるのかが焦点となっている。まず、先日のエントリでも書いたように、日本の経済指標を見る限りにおいて、


・生産活動は順調な回復をみせており、在庫も慎重ながら積み増しの動きが見られ、二番底への警戒は薄くなっている。
・個人消費も政策効果の下支えにより底堅く推移している
・ストック調整圧力が緩和されてきている→設備投資の落ち込みを心配するレベルではない


このようなイメージで捉えている。一方でデフレ基調は変わらない。2月の全国コアCPIは前年比-1.2%となっており、物価下落圧力が続いている。4月に高校授業料無料化が行われるので、テクニカル的な要因で物価を押し下げることはやむを得ない。日銀もデフレ脱却を金融面からサポートすべく新型オペをこれまでの10兆円から20兆円の規模に増額(残高6兆円の企業特別支援オペを共通担保オペに統合しているので実質的には4兆円の増額)している。


そして今週の6・7日に行われる日銀金融政策決定会合において、短観を受けて現状判断を上方修正していくかが焦点となり、30日の会合(物価・経済情勢の展望(展望リポート)公表)で追加緩和策に踏み切ることが出来るかどうかがポイントとなっていくだろう。追加緩和策に踏み切った場合、新型オペの期間延長(現行3ヶ月から6ヶ月程度)、時間軸政策の強化あたりが浮上していくことになるが、前回会合で反対委員が2名出たことから3月時点の観測よりは慎重なスタンスになっていく可能性がある。さらに円安・コモディティ高により国内物価の上ブレ要因も意識していかなければならない局面に入りつつあるような感じも受ける。特にモルガン・スタンレーではUSD/JPY = 100、Crude Oil = 100ドルだとCPIを水面上に押し上げる試算を出している(The Global Monetary Analyst:2010年3月5日付参照)。このような状況下、景気及び物価のアップサイド要因が各種市場に織り込まれている中で、追加の緩和策に踏み切った場合の副作用として金利のボラティリティが大きくなるリスクが指摘されていくことになるだろう。


有力BOJウォッチャーの「日銀サーベイ」では、以下のような指摘がある(Bloomberg記事参照/13-金融政策の展望、参院選を前にした政府の圧力と日銀の対応をどうみるか、についての回答)


・循環的な景気回復が始まった後も、追加的なマクロ政策を行うことが果たして妥当なのか疑問だ。もちろんデフレ対策の必要性は認めるが、マクロ安定化政策の固定化・長期化は効率的な資源配分を歪め、中長期の経済成長を損なう(BNPパリバ・河野氏)

・参院選までの動きも含めて、景気判断を特に弱める状況にない中にもかかわらず、3月の追加緩和が実施されたと推測される。為替の動きも当面、追加緩和の必要性を減じる方向に動きており、参院選前の追加緩和の可能性は基本的にない(バークレイズ・森田長太郎氏)



個人的には、もちろん経済及び物価の下ブレリスクに対して予防線を貼っておくことも日銀の重要な責務であるのは当然のことである。しかし、アップサイドが意識されている時に緩和を強化するだけの大義名分は何処にあるのか?という感じもする。仮に今回の会合で基調判断を上方修正した場合、30日に行われるとの報道がある緩和強化に対する説明に苦慮していくことは明白だろう。


3月のリーク報道から始まった日銀に対する市場や政府サイドからの催促やプレッシャーが強まっていくことは、中央銀行の金融政策を大きく歪めてしまうリスクが伴なう。仮に参院選前に輪番増額論が浮上したとして、それを引き受けるようなことがあるとするならば、マネタイゼーション及び中央銀行の独立性を毀損するリスクを抱えることになる。市場がそれに対して警告を発すようであれば由々しき問題となっていくだろう。どうしても政府サイドで輪番増額が必要であるのならば中期財政フレームで市場を納得させるしかない。またデフレ克服は需要サイドの問題でもあり、金融政策に依存することには限界がある。さらに、個人的に日本がデフレから脱すことが年内にあるとするならば、外的ショックに拠るところが大きいのではないかと思われるが、その際、緩和的な政策を強化し続けることによってそれらのショックに対して機敏な対応が取れなくなる恐れも生じてくる。時間軸政策の強化や輪番増額はある意味でそういったリスクを増大させる可能性が指摘出来る。


「粘り強さ」が2000年代に求められた日銀の芸風であり支持されてきたが、2010年代は「粘り強さ」とともに「機敏さ」も求められていくのではないかとも思われる。



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