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マーケットで何が起こっているのか?~ドル需給について 

今日の東京市場は株式が反落、債券が反発、外為は各通貨乱高下の様相となっている。株式市場においては昨日のNY市場の急落を受けて安く始まったが、上海市場が持ち直したこともあり買い戻しを誘う展開も、終盤ユーロ安から売られる展開となった。円債市場では株安や欧州不安から現物債の需給が良好、JGB10年利回りは1.3%を割り込む形となった。外為市場では14時過ぎからユーロなど欧州通貨が乱高下、ユーロが1.250ドルの節目に接近する局面まであったものの、その後は乱高下の動きとなっており、流動性に欠けるような展開となっている。


ここのところのマーケットはボラティリティが高く、不確実性が高くなってきている。特に欧州圏の短期金融市場の動揺がみられる。例えば、リーマンショックの時と比べるのはナンセンスなのは承知なのだが、LIBOR-OISスプレッドが高止まりしており、一連のECBの流動性安定化策を発動しても、高止まりを示している。以下のグラフは3カ月のドルLIBOR-OISスプレッド(出所:Bloomberg)


LIBOR-OIS Spread


OIS(オーバーナイトインデックススワップ)はオーバーナイト金利と固定金利を交換する取引であり、ここで示される数字はリスクプレミアムを織り込んではいない。LIBORはそれを加味した金利なので、LIBOR-OISスプレッドはリスクプレミアム指標となる。これが高止まっている、ということは銀行間取引のカウンターパーティリスクが高まっていることを示している。特に、対欧州銀との取引でそういったリスクが高まっているようだ(註・対欧州銀とはいっても局所的なもので、グローバルで金融が麻痺したリーマンショック時には遥かに及ばない)。


これは銀行間取引金利だけでなく、外為市場にも影響を及ぼす。4月25日の「メモ:Fedのドルスワップ協定に関する考察~NY連銀のレポートより」というエントリの引用で少し触れられているが、欧州の銀行がドル資金をファンディングするには主に2つのチャネルが存在する。


・ユーロ市場(銀行間取引市場)
・外為市場



ユーロ市場とは銀行間のドル資金の調達市場(代表的な指標がEURIBOR)のことであるが、ECBが国債買い入れを行い、各中銀とドルスワップラインを締結したものの先程のLIBOR-OISスワップは高止まりしており、ユーロ市場は麻痺しているともいえる。さらに、特にPIIGS債をエクスポージャとして保有している欧州の金融機関については一部で銀行間でクレジットラインが閉ざされてしまっているといった市場の「噂」もあるようだ(噂が飛び交う一例としてドイツ銀行のアッカーマンCEOがFTにギリシャの銀行へのクレジットラインを閉じていることを否定している。FT Alphaville"Ackermann’s curious Greek-speak"参照)。このようなユーロ市場の状況下、欧州の銀行はドル決済資金が常に必要になるので、もう一つのファンディング市場である外為市場でユーロを売ってドル資金を調達しなければならないところに追い込まれてしまっている可能性もある。そのことから欧州時間では、各市場オープンに合わせて欧州の銀行がドル決済資金を調達するためにユーロを売っていく動きが出ているのではないか?というようにも思われる。


本来、先日のドルスワップラインでこういったドルファンディング圧力の緩和が期待されていたが、Fedが公表した5月12日のデータではこの日に92億ドルしか利用されておらず、緩和されているとは言い難い。以下の表はFT alphavilleより。


Dollar Swap May.12


先程のNY連銀のレポートではリーマンショック時に最大5800億ドル使われたが、その前のベアー・スターンズの救済時でも最大670億ドルの枠が設定された。まだ1日分だけなので利用も限定的だが、やや少ないようにも感じる。従ってこれよりも大きい金額のドルファンディングのニーズが存在し外為市場で調達しなければならない事態にまで追い込まれてくると、外為市場でユーロ売り圧力が一段と強くなる可能性がある。投機筋のユーロ売りではなく、金融筋のユーロ売りドル買いなので、ロットも大きくなっていくこともあるのかもしれない。ユーロドルについてはFXブローカーでもスワップがネガティブ(本来ならEUR/USDの買いのポジションでスワップの受けとなるが、それが逆転すること)となっているところもあり(マネーパートナーズのスワップカレンダー参照)、ドルの需給は一段とタイトになってきていることを示している。また、EUR/USDの下落により、欧州の銀行にとってドルファンディングのコストも大きくなっていくことになるので、ドルスワップの拡大でこの場をしのぐか、さらなるドル需給緩和の政策(例えばユーロサイド単独もしくは欧米協調でドル売り・ユーロ買い介入など)もあり得ない話ではないのかもしれない。


外為市場ではこういったことから変動が大きくなっていくことで、流動性が乏しくなっていくことになり、値が飛びやすくなる。さらに、他のアセットクラスにしても先週のNY市場の暴落以降、VaRが急激に高まってきており、金融機関やファンドが保有するアセット圧縮させていく動きにもなっている。従って今後の金融市場を見るに当たっては、ドルファンディング圧力が緩和するかどうかに掛かってきているのではないかと思われる。


【追記】LIBOR金利が異常なほど高騰しておらず、TEDスプレッドが落ち着いているのは、銀行間取引市場全体は至って落ち着いていることを示しているので、今回のケースはあくまでも一部金融機関におけるドルの流動性不足が持たらしたパニックのようにも思える。次第にECBや各国中銀の対応(ドルスワップラインなど)によりこのような金融機関のドルの流動性不足が解消されるものと思われる。但し、伝播には留意したい局面ではある。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: ドル  ユーロ  マーケット  金融政策 
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