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スペインの銀行の苦境~不良債権問題とクラウディングアウト 

今日の東京市場は株式が大幅続伸、債券は反落、外為は夕刻以降ユーロ売りの展開となっている。株式市場ではリスクアペタイトの高まりからNY株式が急上昇した流れを受け、日経平均も10,000円の大台を回復した。債券市場では株高から売り優勢となったが、20年債入札が無難だったことを受け需給の良好さが確認されたことから押し目買いも入った。外為市場ではロンドン時間に入りユーロが売られ1.23ドルを割り込む場面もみられた。


ここまでの相場に関してはファンダメンタルズをやや無視したショートスクイーズの展開となっているが、脆弱な感じに捉えている。スペインの救済案が出てきては消えたりしており、ノイジーな感じがする。本日の夕刻も以下のようなスナップが流れてドル買いの流れとなっている(以下、FT Alphaville "Spain: ‘If the river is noisy it’s because it has water’")


RTRS-EU COMMISSION DENIES REPORT THAT EU, IMF AND U.S. TREASURY DRAWING UP LIQUIDITY PLAN FOR SPAIN


ロイター: EU委員会はEU、IMF、米財務省がスペインに流動性供給プランを作成しているとの記事を否定した。


このようなヘッドラインからユーロが売られている感じであるが、本日のスペインの経済新聞"El Economista"にこのような記事が載っていた(英訳はFT)。


A liquidity plan, confirmed by sources close to the issuing entity, and also corroborated by senior business leaders, will incorporate financial aid in the form of a credit line amounting to between 200,000 and 250,000 million euros, compared with 110,000 million that went to Greece.

関係筋や上級の経済指導者が裏付けている話として、流動性供給プランは、ギリシャの1100億ユーロであったのに対して、スペインについて2000-2500億ユーロのクレジットラインを財政援助に組み込むとしている。

Apparently, the decision could have been made in a special, secret meeting of the Board of Directors of the IMF, which was convened solely to discuss the Spanish economic situation.

どうやら、決定は特別に、IMFのスペインの経済状況を討議するのみの会議で決められたようだ。


このようなものは噂話に過ぎないが、債券市場で大きく反応している。スペイン10年国債の対独スプレッドは222bpとなっており、ユーロ導入後過去最大になっている。それとともにユーロが売られた。


EURUSD


スペインに関しては銀行財政負担が重いことはすでに知られていることだが、国内の金融機関も現状リファイナンスを行うのにかなり難儀している実態がある。JPモルガンではスペインの金融機関のファンディングに必要な費用をいくつかのシナリオを建てて見積もっている(FT Alphavilleの"Any scenario possible for Spanish bank funding, says JPM"参照)。


The note centers on this number: EUR64bn.

That’s JP Morgan’s estimate for how much Span’s domestic banks need to roll over in market funding this year. It roughly equates to 46 per cent of their total market funding. In 2009 it was 41 per cent, or EUR48bn.

Of that EUR64bn, EUR21bn corresponds to net interbank positions, EUR19bn to commercial paper instruments, and EUR24bn to the expiry of medium- and long-term debt instruments.

メインシナリオとして640億ユーロが必要であるとしている。JPモルガンではスペインの国内の銀行が今年の債務のロールオーバーに必要な額がいくらであるかを予想しているが、そのうちの46%相当はマーケットでのファンディングとなっている。640億ユーロのうち210億ユーロはインターバンクのネットポジション、190億ユーロはコマーシャルペーパー、240億ユーロは中長期債に対応したものとなっている。


ところがJPモルガンでは上記シナリオ通りいかない可能性もあるとしている。すなわち、「スペインプレミアム」ということを検討しなければならず、これは1990年代の邦銀の「ジャパンプレミアム」に似たような追加コストが要求される、ということである。上記の見通しに関しては不確実性が高く、いかなるシナリオも排除してはならないとしている。不確実性としては、


sovereign and banks’ funding capabilities (and costs) are now inextricably linked.

政府と銀行の調達能力(とコスト)は表裏一体の関係にある


The Spanish government’s heavy refinancing requirements in coming months, coupled with additional leverage derived from FROB’s attempts to restructure the troubled savings banks sector, is a clearly unhelpful environment for domestic banks to address funding markets. Unsurprisingly, sovereign yields have been picking up again in recent weeks, with Spain’s premium vs. German bund widening to a maximum 200bps level. Banks require those yields to return to more normalized levels before thinking about issuing additional debt, but there seems to be consensus about Spain’s bond yields staying materially above pre-sovereign crisis levels.

今後数カ月にわたるスペイン政府の大規模リファイナンス案件は、追加してFROBのトラブルに陥った貯蓄銀行のリストラを試行しなければならず、国内銀行にとって調達市場が役に立たない環境となっていることがはっきりしている。驚くべきことではないが、国債の利回りは直近の数週間で再度上昇の勢いを増しており、スペイン国債の対独スプレッドは200bpレベルにまで拡大している。銀行は追加で債券発行を考える前にこれらの利回りがより正常化したレベルにまで戻ることを望んでいるが、それはスペインの国債利回りが実質上ソブリン危機の前のレベルに留まることがコンセンサスとなっているようにみえる。


そして、スペインの不動産価格に対する信頼性が今の段階では不透明となっていることも不確実性の要因である(we struggle to see how market confidence on property prices reaching adequate levels in Spain can be achieved in the foreseeable future)としている。ジャパンプレミアムの場合は後者の不良債権に関わる部分が大きかったが、スペインの銀行の場合はそれに加え、借り入れる際の金利の指標となるスペインのソブリン債の金利上昇バイアスが加わっているので、いわゆるクラウディングアウト効果も加わっていることになる。つまり、バブルの敗戦処理とソブリンリスクの両面からスペインの銀行は苦境に立たされているということになる。


いずれにしてもソブリンリスクと欧州金融システムの問題は表裏一体となっているとみた方がよいと思われる。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: ソブリンリスク  欧州金融不安 
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