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直近のユーロ圏の金利上昇~ECBが拘る出口戦略 

今日の東京市場は株式は続伸、債券は続落、外為は各通貨方向感に乏しい動きとなっている。株式市場では雇用統計でマクロイベントが一巡したことからショートカバーが入るものの、米独立記念日を控えてフローが少ない展開となった。債券市場は株高や明日の10年債入札を控えてヘッジ売りが出される展開となった。外為市場はユーロがやや売られる展開となっているものの、フローも少なく、また材料難から各通貨方向感に欠ける展開となっている。


7月に入ってもユーロ圏に対する不安は根強い。その不安、もしくは信頼性の欠如はECBに向けられている可能性がある。1日にLTRO(長期リファイナンスオペ)の12カ月物の期限を迎え、再度この期間のオペを行わないとしたことから欧州の金融機関はその前日に3カ月物のオペでリファイナンスを行なおうとしていた。この3カ月物のオペの応札額が市場では注目され、予想以上に少なかったことから市場は安堵した。しかし、ユーロ圏の短期金融市場の金利が高止まりしている。特に7月に入って以降、金利の上昇ピッチはやや加速している。以下のグラフはユーロLIBOR3カ月物の推移(出所:Bloomberg)


EURO LIBOR


銀行間金利が上昇圧力がかかっているということはそれだけ銀行が市場で資金調達を行なおうとする意欲が強いということでもあるが、同時にユーロ圏のマネーマーケットで流動性が少なくなっているということも指摘できる。1日にLTROの12カ月物オペの期限を迎え、銀行から4420億ユーロが吸収されている一方で3カ月物オペでロールオーバーされた額が1319億ユーロで、さらに6日物オペの落札額(1000億ユーロ単位)を差し引いた分が市中から吸収されたということになる。従って、その分だけ流動性がなくなっているという言い方もできる。従って足元で金利の上昇ピッチがやや加速しているということになる。FT Alphavilleの"Losing ECB liquidity = two small rate hikes, says Citi"というエントリでシティの見解が書かれている。それによると、


Excess liquidity in the euro area, which was around EUR315bn in the week before the expiry of the 12M LTRO, already dropped to EUR174bn on July 1. And if our expectations of the use of next week’s MRO are correct, we will see a further decline in excess liquidity to around EUR115bn next week. And once the bank stress test event is over, a further reduction is likely. Hence, as we have argued in recent reports, upside pressure on market rates is likely to increase further. In that respect and the so-far modest gains in money market rates are likely to accelerate (see Figure 4). We therefore continue to regard EONIA forwards rates of around 0.45% by mid-August and 0.55% by mid-October as being too low. In our view, EONIA rates will be around 0.8% in October, unless the ECB enacts further measures. To be clear, in “normal” time an increase in EONIA from 0.33% just a week ago to 0.8% in October would be equivalent to two small (25bp)ECB policy rate hikes.

ユーロ圏の超過流動性は、12カ月物のLTROの期限の前にはおよそ3150ユーロあったが、すでに7月1日時点で1740億ユーロに減少した。さらに翌週のMRO(Main Refinancing Operation)が変更されれば、およそ1150億ユーロに減少する。そしてストレステストが一旦終了すればさらに(流動性が)低減される可能性が高い。従って、直近で我々が主張しているように、市場金利の上昇圧力はさらに増していくことになるだろう。その点で、これまでわずかだったマネーマーケットの金利は(上昇ペースを)加速させることになるだろう。それゆえ、EONIA(銀行間オーバーナイト平均金利)フォワードは8月中旬に0.45%近辺、9月中旬に0.5%に到達すると考える。我々の見方ではEONIAレートは10月におよそ0.8%にまで達し、その場合に限りECBは追加の対策を講じる。明らかなことは、「平常時」であればEONIAにおいて1週間前の0.33%から10月の0.8%までの上昇というのは、ECBによる2回の小規模(25bp)な利上げに等しい、ということになる。


ということになり、シティではこの12カ月物オペの打ち切りとMRO(主要リファイナンスオペ)の変更によって銀行間金利にアップサイドの圧力がかかることで、実質的に利上げと同等の効果をもたらすとしている。そうなれば当然景気回復の阻害要因となる。そこでシティではECBが低金利に誘導するいくつかの手段を提示している。


(1)追加の非伝統的緩和政策:12カ月物金利やカバードボンドの継続、デフレの実質的なリスクが存在するときに限り利下げ
(2)SMP(証券市場プログラム)の不胎化の中止と量的緩和(QE)の適切な開始
(3)追加的な長期タームの流動性の提供:例えば6カ月物のLTRO


上記のような手段があるが、もっとも可能性があるのが(3)としている。ECBとしてはリーマンショック後の金融危機による金融市場の緊張が緩んできていることから適切な出口戦略として12カ月物のLTROを打ち切り資金吸収を行っているが、その結果として流動性が不足し、銀行間金利の上昇ピッチが加速してしまっている。これは「早期に平時の状況に戻りたい」と考えるECBとしては望むべきところだろうと思われるが、一方で実体経済にとってどのような影響をもたらすのか注意深くみていかなければならないだろう。流動性が不足してしまっているだけでも、それなりに金融機関の資金繰りに影響が出ている可能性もある。さらにいえば今後、ストレステストが無事通過した場合においても、銀行間金利の動向はやはり気を払っておかなければならないのだろう。そして現状の金融市場の環境で、流動性をタイトにさせていくことが適切なのかどうか?ということは考えていかなければいけないところだと思われる。


一方でFedについては次の政策アクションは恐らく緩和方向とみられており、この点で「出口戦略にこだわる」ECBとの対立が起きてしまうと1987年のトラウマを想起させる。杞憂に終わればよいが、これについては時間経過を見つつ別途エントリで書いていきたい。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: 金融政策  金利  ECB  欧州金融不安 
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