06« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»08

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

欧米の政策スタンスの相違~ユーロ高の背景要因 

今日の東京市場は株式が反落、債券が反発、外為は円高が進行した。株式市場では、昨日のNY市場が朝高後失速した流れを受けて売り優勢の展開で始まり、一時下げ幅が100円を超える場面まであった。債券市場は米国債高や株安からしっかりの展開も、30年債入札を控えて上値の重い展開となり、超長期債が売られてイールドカーブはスティープニングとなった。外為市場では株安からクロス円に売りが出され、円が買われる展開となっており87円割れを試す展開となっている。


一昨日の「直近のユーロ圏の金利上昇~ECBが拘る出口戦略」というエントリでは、ユーロ金利の上昇背景について考察を行った。そして、このところユーロが対ドルに対して上昇しているのは、無論ショートカバー的な側面が強いが、そのショートカバーを誘う背景要因を考察しなければならないのではないかと思われる。例えば、膨大なロットを張って投機を行うヘッジファンドといった短期筋について、このところのユーロ金利の上昇はユーロショートの負担となってきているようだ。以下は3カ月物ユーロ-ドルLIBORスプレッドとEUR/USDの推移(出所:BBA)。


LIBOR 3M EUR - USD Spread


ユーロ金利が高くなっているのは、先日も書いたとおり、ECBがLTRO(長期リファイナンスオペ)の1年物を打ち切り、さらには証券市場プログラム(SMP)における国債買い入れに伴う不胎化オペの実施の結果、相当程度流動性を吸収しており、ユーロのファンディング圧力は日増しに高まっていることにある。このことから欧米の金利差が次第に拡大しているため、金利差からユーロが買われているという構図となる。当面はストレステストが懸念材料であるが、無事通過ということになればさらにユーロ金利の上昇圧力が掛かることからユーロにとってさらにフェイバーとなる。


一方でドル金利の方はどうなっているかといえば、このところの3カ月物ドルLIBORは高止まっている。高止まっているのは欧州の金融機関が相変わらずドルファンディングのニーズが強いためだろうと思われる。金利がいわゆるディスカウントウインドウを利用するが如くペナルティ水準に設定されているため、ドルスワップラインはあまり利用されていないものの、リファイナンスなどのニーズから欧州の金融機関のドルへの需要も根強いということになるのかもしれない。しかし、ドル金利については少なくともユーロに比べて遥かに先高観に乏しい。それはFedの金融政策が明らかに緩和方向に進むとの市場の読みがある。少し古いが、先月の27日のテレグラフに、"RBS tells clients to prepare for 'monster' money-printing by the Federal Reserve"という記事が掲載されていた。


Entitled "Deflation: Making Sure It Doesn’t Happen Here", it is a warfare manual for defeating economic slumps by use of extreme monetary stimulus once interest rates have dropped to zero, and implicitly once governments have spent themselves to near bankruptcy.

デフレという命題、これは起こらないようにしなければならない。デフレ経済のための戦争マニュアルは、再度極端な金融刺激策の使用であり、金利をゼロに落とし、もう一度暗黙のうちに政府は破綻に近づくまで自らのために支出を行うということだ。


The speech is best known for its irreverent one-liner: "The US government has a technology, called a printing press, that allows it to produce as many US dollars as it wishes at essentially no cost."

このスピーチは失敬な冗談としてよく知られている。「米国政府は輪転機と呼ばれる技術を持っており、基本的にコストなしで膨大なドル札を刷ることを可能にする」


Bernanke began putting the script into action after the credit system seized up in 2008, purchasing $1.75 trillion of Treasuries, mortgage securities, and agency bonds to shore up the US credit system.

バーナンキ議長は2008年に信用システムが動かなくなって以降計画を整え、米国の信用システムを支えるために1750億ドルの米国債やモーゲージ証券、エージェンシー債を買い入れた。


Andrew Roberts, credit chief at RBS, is advising clients to read the Bernanke text very closely because the Fed is soon going to have to the pull the lever on "monster" quantitative easing (QE)".

RBSのクレジットチーフであるアンドリュー・ロバーツ氏は顧客に、Fedはまもなく「モンスター」量的緩和(QE)のレバーを引くだろうから、バーナンキ議長の発言に注視せよと、アドバイスした。


"We cannot stress enough how strongly we believe that a cliff-edge may be around the corner, for the global banking system (particularly in Europe) and for the global economy. Think the unthinkable," he said in a note to investors.

「我々は、(特にヨーロッパで)グローバルの金融システムにとって、断崖絶壁の尾根がコーナーに迫ってきていることを確信しており、どのくらいの強さで圧力に耐えうるのかわからない。想像できないことを考えよ」と投資家向けレポートで述べている。


そしてFedは1940年代の債券利回りを2%あたりにする戦略(1940年代の国債管理政策は国債価格維持政策とよばれ、国債を買い支えることでイールドカーブを低位安定化させようとした)に訴えようとするのではないか、とロバーツ氏は述べている。テレグラフのこの記事はかなり誇張が入っているため、実際にFedがこのような政策を取るかどうかはわからないが、昨日のモーニングサテライトでダラス連銀フィッシャー総裁が米国債やMBSを再度買い入れる可能性について言及している(テレ東「モーサテ」のサイト参照)。さらにゴールドマンも"QE2"という呼び方で緩和策に向かうのではないかとしている(FT Alphaville "Goldman calls for QE2")。このようにFedとECBとでは政策スタンスに差異が生じてきている。それゆえ、ドル資金がタイトであるにもかかわらず、それ以上にECBが超過流動性の吸収を通じてユーロ資金をタイトにさせており、ドルとユーロとの金利差が拡大し、FedとECBのスタンスの違いが明確になったことで、ユーロの方に金利先高観を生じさせてしまっているのが現状のマーケットを取り巻く環境だろうと思われる。


とはいえ、ユーロ圏の経済及び金融システムは明らかに米国よりも脆弱であり、このような出口戦略はかなりリスキーなものになってくるものとみられる。また、このような金融政策の違いこそが1987年のブラックマンデーを引き起こしたという説もある。当時は米国が低金利政策をブンデスバンクに要請したものの、それを反故にして利上げを行ってしまったことで、米独の金融政策の不一致が金融市場を不安に陥れいれた、というトラウマがある。今回もやや似たような構図になりつつあり、当時を知る投資家から懸念の声を耳にする。そのトラウマや懸念が杞憂に終われば問題ないのだが、やはりdejavuを持っているとの指摘が聞かれる。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ


スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  ECB  金融政策  金利  外為  ユーロ  ドル 
tb: 0   cm: 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。