06« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»08

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

QE2.0?~バーナンキ議長証言に注目 

今日の東京市場は株式が続落、債券は超長期債が軟調、外為はユーロがしっかりとなっている。株式市場は昨日のNY市場が切り返し急、アップルの好調な決算といった外部環境面がフォローとなり、朝方は買われたものの、円高進行により下げに転じて小幅続落となった。債券市場は明日の20年債入札を控えてポジション調整の動きから超長期債が売られた。外為市場はユーロが買われた。16時前にポンドが一瞬急落したが、誤発注ではないかとの見方が有力である。以下のチャートはポンドドルの5分足。


GBPUSD


昨日のNY市場では株式と商品のシャープな戻りが特徴的だった。これについては本日のバーナンキ議長の半期金融政策報告での議会証言で追加緩和策が提示されるのではないかとの観測が浮上したことだった。ワシントン・ポスト(WaPo)では、以下のように伝えている(昨日の話の続きです)。


Federal Reserve weighs steps to offset slowdown in economic recovery


第一の戦略:時間軸政策の強化

One pro-growth strategy would be to strengthen language in Fed policy statements that the central bank's interest rate target is likely to remain "exceptionally low" for an "extended period." The policymakers could change that wording to effectively commit to keeping rates near zero for even longer than investors now expect, perhaps adding specifics about which economic conditions would lead them to raise rates. Such a move would be opposed by many members of the Fed policymaking committee who are wary of the "extended period" language, arguing that it limits their flexibility.


FOMC声明文において、金利を"exceptionally low"(異常に低く)、"for an extended period"(長期間)低金利に誘導しているという文言を強めの言葉にする、ということである。政策担当者は投資家が期待している以上に長い間ゼロ近辺で金利を維持することを効果的にコミットするために文言を変更してくる可能性があり、おそらく経済の状況が利上げにつながるのかどうかといった具体的な追加である。そのような動きは、"for an e3xtended period"という文言が柔軟性を制限していると警戒しているFedの政策メンバー(訳者注:具体的にカンザスシティー連銀ホーニグ総裁)の多くから反対されるだろう。


時間軸政策の強化については、昨日のエントリ「潮流の変化~米国債とFedの認識」でまとめているのでそちらを参考にしていただきたい。


第二の戦略:IOERのカット

Another possibility would be to cut the interest rate paid to banks for extra money they keep on reserve at the Fed from 0.25 percent to zero. That would give banks slightly more incentive to lend money to customers rather than park it at the Fed, although it also could cause technical problems in the functioning of certain credit markets.


もうひとつの可能性は超過準備付利金利(IOER)を現行の0.25%からゼロにすることである。Fedに準備預金を貯めこむよりもよりカスタマーに資金を貸すインセンティブを与えることになるが、特定の信用市場機能における技術的な問題を引き起こすかもしれない。


IOERについて少し整理しておくと、Fedも3つの金利体系を持っている。


FF(Federal Fund) Rate:FF金利。政策金利の主軸であり、オーバーナイト金利の誘導目標。3つの金利体系の中で下限金利的な役割。
IOER:超過準備付利。超過準備預金に付利される金利。2008年の金融危機の際、政策金利の大幅低下に際してテクニカル的な意味合いから付利を決めた。
Discount Window(公定歩合):ロンバード型補完貸付金利。資金調達が難しくなった際、連銀の窓口を使って資金を調達することになるが、その時に適用される金利。ペナルティ的な意味合いから高い金利に設定される。上限金利的な意味合いも持つ。


現状、FF金利は0-0.25%の範囲で誘導しているので、これ以上金利を下げられない。一方、IOERは現状25bpの金利が付与されるため、運用面から安いFF金利で調達し、準備預金に貯め込みながら利鞘を抜くことも可能で、現状この超過準備は膨大な額となっている。以下のグラフは超過準備預金の残高の推移(出所:StLouisFed)。


Excess Reserve


これをゼロに誘導することで、貯め込んでいる超過準備預金を市中に流して貸出を増やす(すなわち実質的には資金供給)ということも考えられ、IOERの引き下げによってターム物など市中金利を押し下げる効果も期待できる。但し、問題は超過準備は相当膨大であり、この資金が市中に流れ信用創造が発生した場合、逆にインフレのリスクが警戒される可能性もある(ついこの間までこの金利を上げることで引き締め効果を狙っていたのだから)。この手段が用いられるのは米国金融市場において「流動性の罠」的な現象が認められるときでないとなかなか理解が得られないのではないかとも思われる。


第三の戦略:資産買取

A third modest possibility would be to buy enough new mortgage securities to replace those on the Fed balance sheet that are paid off as people take advantage of low interest rates to refinance.


第三のささやかながらの可能性として、Fedのバランスシート上、古いモーゲージ証券に取り替えて新しいモーゲージ証券を買うといったことであり、人々に低金利での借り換えを促進させる。


これは少し訳文がおかしいので分かりやすく説明すれば、償還したモーゲージ証券で得た余裕資金を使って新たなモーゲージ証券を購入することであり、Fedのバランスシート(アセット)は一定に保つという戦略である。追加してMBSを購入するというわけではないので、バランスシートをさらに膨らませるわけではないので、割とヘルシーな戦略といえるが、逆にいえば使える資金もそれ程大きくはないので、どこまで金利を低下させることが出来るかは疑問である。狙いからすれば、モーゲージ金利のさらなる低下を促すことによって住宅ローンの資金需要を高め、二番底懸念が強い米国住宅市場のテコ入れとなろう。以下のグラフは30年固定モーゲージ平均金利とモーゲージスプレッドの推移(出所:Freddie Mac、Fed)。


Mortgage Rate



この点においてFedによるモーゲージ証券の買い取りによりモーゲージ金利を低下させることは可能であるが、いずれにしても米国における住宅市場の不振は歪んだ需給バランスであり、供給過多状態を解消させていかなければ市場の本格的な回復は望みにくいものと思われる。


個人的には、バーナンキ議長はQE2.0戦略を議会で証言するかどうかについてはやや懐疑的な見方をしているが、もしダウンサイドに振れた場合どうするの?と突っ込まれた場合にはこのようなことを述べる可能性がないわけではない。こういう戦略を述べれば債券相場にはフェイバーだし、NY株式市場にもそれなりに好感されるのかもしれないが、ドル金利の先安観につながることにもなり、円高へのリスクは大きくなるのだろう。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  金融政策 
tb: 0   cm: 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。