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国内マクロ定点観測~日銀短観 

12月15日に日銀短観が公表された。大企業製造業業況判断DIは+5となり、市場予想の+3程度を上回った。また同非製造業は+1となり、市場予想の0を上回った。先行きDIについては大企業製造業で-2、非製造業で-1となった。いずれも2011年3月にはDIがマイナスに転じるものと予想されている。足元DIで低下を示したのは大企業製造業で7四半期ぶりのことである。以下は大企業業況判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 業況判断DI 20101215


大企業製造業の足元DIについては輸送用機器が想定よりも落ち込まなかった(9月調査先行き-6→12月調査足元+21)ことが影響しているものとみられる。このことは国内の自動車需要はエコカー減税によって落ち込んだものの、12月にきて為替レートが安定的になってきたことや海外の需要の高まりを反映したものとなっている。但し、電気機械の足元DIが+2に留まっていることからエコポイントの駆け込み需要に対してあまり景況感に反映されなかったことなどから、今後内需の下振れにより製造業の先行きの景況感が下振れる可能性はみておいたほうが適当だと思われる。製造業の先行きDIについては国内需要の低下からやや下振れが見込まれている。特に石油石炭、非鉄金属、造船重機、自動車のセクターで先行きをかなり厳しくみているようだ。非製造業については、足元先行きともに小売の業況を通信がカバーしており、製造業よりも先行きの下振れを想定していない形になっている。但し、小売の先行きDIは足元DIから-1程度の低下であり、今後エコポイント需要の反動が見込まれる1-3月期の織り込みが十分でない可能性がある。中堅・中小企業についても9月の想定から落ち込まなかった(中堅製造業:9月先行き-10→12月足元+1、中小製造業:9月先行き-22→12月足元-23)となっている。中堅・中小企業についての業況は相変わらず厳しさが残り、先行きも大企業以上にシビアに見ていることが言える。非製造業も同様である。


企業の収益状況であるが、売上高計画については、大企業製造業で上期前年比+14.2%(前回よりも1.3%上方修正)、非製造業で前年比+5.8%(前回よりも1.0%上方修正)となっているものの、下期計画については同製造業が前年比+2.6%(前回よりも0.2%下方修正)、非製造業で前年比+3.1%(前回よりも0.4%下方修正)となっている。従って下期の売上についてはどの産業もそのモメンタムが低下することが見込まれており、一部企業においては下期計画を下方修正している。また経常利益については、大企業製造業で上期は前年比4.3倍、同非製造業で前年比+24.4%となり、それぞれ上振れ着地となったが、下期については同製造業で前年比-11.7%を計画し、前回よりも-14%下方修正している。また同非製造業についても前年比+9.2%と前回よりも-8.7%の下方修正となっている。通期は同製造業で+8.0%(前回より0.5%上方修正)、同非製造業で4.4%(前回よりも0.4%上方修正)となっており、上期の上振れ着地が下駄を履かせたような形となっている。このことから下期の計画については一段と慎重となっており、特に国内の需要の低下や製品価格のマージン低下などの懸念などが背景にあるのだろう。価格製品のマージン低下については販売価格DIと仕入価格DIとの差が拡大しており、原材料価格にコストプッシュの圧力がかかっているが、デフレであり最終製品の価格に転嫁できないことが要因となっている。以下のグラフは大企業製造業の販売価格DIと仕入価格DIの推移(出所:BOJ)。


短観 販売仕入DI 20101215



なお、想定為替レートについては、


2010年度 86.47
上期 89.16
下期 83.87


となっており、下期の計画は現在のレートからほぼ乖離がないところとなっている。このため、今後為替相場が上振れに推移すれば企業の利益も上振れする可能性が高い


設備投資に関しては製造業で下方修正が目立つ。製造業の設備投資計画は大企業で前年比2.9%となっており、前回から1.0%下方修正されている。一方で非製造業については前年比+3.0%となっており前回から1.3%上方修正されている。製造業に関しては更新需要が一巡したのか、あるいは需要の動向が先行き読みにくいためなのかは定かではないが、設備投資を抑制する方向となっているが、非製造業については逆に投資を増やす方向となっている。大企業の設備判断DIは12となり、前回と変わらずとなっている。このことから設備余剰感については悪化するわけではないが改善されるわけでもなく、高止まりの状況が続くことから、設備投資は引き続き抑制気味に推移し、国内の成長率を押し上げるものとはなりにくい。同時に2008年からのストック調整はまだ終っていないということも指摘できる。以下のグラフは大企業設備判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 設備判断DI 20101215



雇用人員判断DIについては全ての産業で僅かながら改善が見られる。大企業で前回より1ポイント低下の+6となっている。以下のグラフは雇用人員判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 雇用人員判断DI 20101215


このことから人員を減少させていく圧力は緩和されているのだが、改善するというにはあまりにも緩慢であるといえよう。そして今後に関しては生産が落ちていることを考慮すればやや雇用調整の動きも出てくることから、失業率は高止まりの推移となっていくのだろう。


資金繰りに関しては改善の状況が続いたあとで横ばい(資金繰りDIは大企業で+15)となっているが、このあたりはこの間特段金融の状況が悪化したり改善したりしているわけではないのでこのような感じなのであろう。以下のグラフは大企業資金繰りDIの推移(出所:BOJ)。


短観 資金繰りDI 20101215


中小企業に関しては消費者金融会社や日本振興銀行の破綻などの影響が見られる可能性があったが、-9と前回から1ポイントの改善を示しており、その影響は今のところ限定的であるといえる。また、資金繰りDIや大企業のCP発行状況などを見る限りでは、欧州の金融市場が社債などのクレジットに波及するといったことは今のところみられておらず、日本の資金調達環境は安定しているというべきであろう。


日銀の政策に関しては国内経済の見方について、先行きDIや企業の売上高・経常利益計画などをみるにおいてややダウンサイドリスク的な基調判断を行う可能性がある。しかし、包括緩和の規模拡大にまで結びつくかは微妙な情勢であると思われる。日銀において緩和政策が要求された局面というのは国内の景況感もあろうが、株安円高という中で政治的なプレッシャーがかかりやすい時である。現状において株式は日経平均が10,000円を超え、ドル円は82-84円あたりのレンジで安定して推移していることから、そういった圧力は掛かりにくくはなっている。しかし、与野党に日銀法改正の論議が燻っていることから圧力緩和というところまでには至っておらず、マーケット環境が急変すれば緩和拡大の声も強まっていくものとなろう。


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カテゴリ: 市場視点

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