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Global Market Weekly Focus~2.21-25 

今週のマーケットにおいては、まず先週末に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の評価、金融政策面では23日の英MPC議事録の公表、経済指標では米国の住宅指標などマクロ指標が注目されている。


■G20財務相・中央銀行総裁会議


先週末に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明では、次のようなものとなった。以下はG20声明文より(全文はCommunique Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors February 18-19, 2011, Parisより)。

The global recovery is strengthening but is still uneven and downside risks remain. While most advanced economies are seeing modest growth and persisting high unemployment, emerging economies are experiencing more robust growth, some with signs of overheating. We reaffirm our willingness to ensure a consistent and coordinated response to the challenges we face, address the root causes of the crisis and restore global economic growth on a sounder basis.

グローバル経済の回復は強いものの、平坦ではなく、ダウンサイドリスクも未だ残る。先進国経済では緩慢な成長であり、高い失業率が継続している一方で、エマージング経済はより堅調な成長となっており、過熱気味の兆候もみられる。我々は直面する課題、すなわち危機を引き起こす根本にとりかかり、健全なベースに乗ったグローバル経済成長を再構築するということについて、一貫性を確保し、協調することで再確認した。

We reaffirm our commitment to coordinated policy action by all G20 members to achieve strong, sustainable and balanced growth. Our main priority actions include implementing medium term fiscal consolidation plans differentiated according to national circumstances in line with our Toronto commitment, pursuing appropriate monetary policy, enhancing exchange rate flexibility to better reflect underlying economic fundamentals and structural reforms, to sustain global demand, increase potential growth, foster job creation and contribute to global rebalancing. We discussed progress made since the Seoul Summit and stressed the need to reduce excessive imbalances and maintain current account imbalances at sustainable levels by strengthening multilateral cooperation. We agreed on a set of indicators that will allow us to focus, through an integrated two-step process, on those persistently large imbalances which require policy actions. To complete the work required for the first step, our aim is to agree, by our next meeting in April, on indicative guidelines against which each of these indicators will be assessed, recognizing the need to take into account national or regional circumstances, including large commodity producers. While not targets, these indicative guidelines will be used to assess the following indicators: (i) public debt and fiscal deficits; and private savings rate and private debt (ii) and the external imbalance composed of the trade balance and net investment income flows and transfers, taking due consideration of exchange rate, fiscal, monetary and other policies.

我々はG20メンバー全てによる、強く、持続可能で、かつバランスのとれた成長が達成されるために政策行動を協調することについてコミットメントを再確認した。我々の優先的なアクションは、グローバルな需要を持続させ、潜在的な成長を高め、雇用創出の育成やグローバルリバランスに寄与させるために、トロントのコミットメントに沿った形で各国の事情に応じて区別した中期的な財政再建計画の達成や、経済のファンダメンタルズや構造的な改革を反映した為替レートの柔軟性の強化を含む。我々はソウル会合以降進展した議論がなされ、過度な不均衡を減らし、多数国が協働して持続的なレベルまでに国際収支の不均衡に対して維持していく必要性を強調した。我々は統合された2段階のプロセスを通じて、政策行動が求められている持続的に巨大なインバランスに焦点が当たる指標の設置で一致した。最初の段階は次回会合の4月までに作業を終えることが求められ、それらの各指標に対するガイドラインの提示が評価され、承認は各国ないし各地域の考慮を必要とする。ターゲットではないが、これらの指標のガイドラインは以下の指標を評価するために使われる。(1)公的債務及び財政赤字、民間貯蓄率、民間負債、(2)為替レートや財政、金融もしくは他の政策を考慮した形での貿易収支やネット投資所得及び対外移転である。




としている。冒頭で、世界経済は順調な回復を見せているが、先進国では失業率が高止まりしていること、新興国では経済が過熱気味に推移していることからダウンサイドリスクが未だ存在していることに言及した。また、経常収支、財政収支、貯蓄率、為替レートなどを参考指針としてインバランスを把握させるガイドラインの作成で合意した。グローバルインバランスについてはG20前にフランス中銀の主催の会合のスピーチでFedバーナンキ議長が以下のように指摘している("Chairman Ben S. Bernanke ,Global Imbalances: Links to Economic and Financial Stability"より)。


Although policymakers in the emerging markets clearly face important challenges, such concerns should be put into perspective. First, these capital flows have been driven by many factors, including expectations of more-rapid growth and thus higher investment returns in the emerging market economies than in the advanced economies. Indeed, recent data suggest that the aggregate flows to emerging markets are not out of line with longer-term trends. Second, as I noted earlier, emerging market economies have a strong interest in a continued economic recovery in the advanced economies, which accommodative monetary policies in the advanced economies are intended to promote. Third, policymakers in the emerging markets have a range of powerful--although admittedly imperfect--tools that they can use to manage their economies and prevent overheating, including exchange rate adjustment, monetary and fiscal policies, and macroprudential measures. Finally, it should be borne in mind that spillovers can go both ways. For example, resurgent demand in the emerging markets has contributed significantly to the sharp recent run-up in global commodity prices. More generally, the maintenance of undervalued currencies by some countries has contributed to a pattern of global spending that is unbalanced and unsustainable. Such imbalances include those not only between emerging markets and advanced economies, but also among the emerging market economies themselves, as those countries that have allowed their exchange rates to be determined primarily by market forces have seen their competitiveness erode relative to countries that have intervened more aggressively in foreign exchange markets.

そのような懸念を視野に入れるべく、エマージングマーケット(EM)の政策担当者は重要な課題に直面している。最初に、(EMへの)資本流入ーは、より速い成長、それゆえ先進国経済よりもEM経済のほうが高い投資リターンが上げられることへの期待を含む、様々な要因により発生する。実際に最近のデータではEMへの流入の総額は過去のトレンドから外れていないことが示唆されている。第2に、私は早くから指摘していたが、EM経済は先進国経済の経済回復に強い関心を持っている、すなわち先進国経済の緩和的な金融政策が(EM経済の)経済成長を促進させている。第3に、EMにおける政策担当者は、確かに不完全ではあるものの、為替レートの調整や金融、財政政策、そしてマクロプルーデンシャル的な手法を含む、経済を管理し、過熱を抑制できる強力なツールを保有している。最後に、両方に向かってしまうスピルオーバー(余波)について心がけるべきである。例えば、EM市場の需要の回復は、最近のコモディティ価格の鋭角的な上昇に強く寄与している。一般的には、いくつかの国で通貨がアンダーバリューとなっていることが継続しているのは、グローバルな不均衡かつ持続不可能な支出パターンに寄与してしまう。そのようなインバランスはEM経済と先進国経済だけでなく、EM経済それ自身をも含んでいる。為替レートを主に市場の力で決定することを容認している国は、外為市場でより積極的な介入を行う国に対して競争力を失ってしまう。




としている。上記のことからも読み取れるように、米国サイドなどはインバランスの解決のために新興国、(直接言及はしていないものの)特に中国の通貨安政策を是正するように求めている。このことから、中国に対する通貨政策のプレッシャーは今後ますます高まっていくものと思われる。しかし、中国サイドはインバランスの是正のために経常収支目標を定めることや外貨準備に対して規制をかけることには異論を唱えており、この点でさらに米国をはじめとした先進国と中国との間との対立は継続していくものとみられる。従って、今回もインバランス是正のための努力目標は作成したものの、それに向けた道筋は決して容易ではないことが示唆された会合ではなかったかと思われる。今後中国ではインフレ圧力にさらされ、通貨安政策からの転換が予測されるものの、面子を重んじる国であるため、対外的な圧力によってではなく、あくまでも自国内の事情において政策決定が行われるものとみられ、その時期は即時ではなく時間的な経過を見ながら、かつ市場が予測し織り込む形ではなく、ある意味で突発的なものとなっていくのだろう。


また、一次産品の高騰についても警戒感を表明し、日銀中曽理事を議長とする調査部会を設置することで合意したが、投機規制への言及がなかったほか、通貨システムに脆弱性があることなども表明された。この点についてはバーナンキ議長は強く否定しているものの、QE2による新興国への資金流入がインフレを高めているという主張もあり、コモディティ価格についてもこうした緩和的な金融政策によって引き起こされているという主張も強い。このことから、先進国の金融緩和への新興国からの批判も今後強まっていく可能性もある。IMFのSDRについても構成通貨についてドル、ユーロ、ポンド、円から拡大する必要性についても一致した。SDRの論議を踏まえ、今後新興国などのIMFへの発言権を睨みながらIMF改革への論議へと発展していくものとみられる。


■英MPC議事録


金融政策では今週英MPC議事録が公表される。英国では先進国で最も早期に利上げが行われるのではないかとみられている。先に発表されたインフレーションレポートでは以下のような認識となった。

In the United Kingdom, CPI inflation rose further above the 2% target while output fell. Output was, however, temporarily affected by the heavy snowfall at the end of 2010 and growth appears likely to resume. The world economy grew further, although vulnerabilities remain. Expansionary monetary policy, combined with further growth in global demand and the past depreciation of sterling, should ensure that the recovery in the United Kingdom is maintained. But the continuing
fiscal consolidation and squeeze on households’ purchasing power are likely to act as a brake. After some near-term weakness, GDP growth is judged to be about as likely to be above as below its historical average rate. Even so, the depth of the recession means that some spare capacity is likely to persist over the forecast period.

英国において、GDPはマイナスに落ち込んでいる一方で、CPIは2%のターゲットを超えている。しかしながら、成長は2010年の終わりに大雪に見舞われた一時的な影響を受けており、成長は再開し始めている。世界経済はさらに成長しているが、抵抗力がないままである。拡張的な金融政策は、グローバルな需要やポンド安と組み合わさりながら、英国経済の回復の維持を確実にしている。しかし、財政再建や家計の購買力の締め付けがブレーキとして機能している。短期的に弱含んだ後、GDPは過去の平均の伸び率に対して上下していくものと思われる。無論、リセッションの深刻さがいくつかの余剰生産能力を継続させると今後も予測される。


CPI inflation is likely to pick up to between 4% and 5% in the near term and to remain well above the 2% target over the next year or so, reflecting in part the recent increase in VAT. The near-term profile is markedly higher than in November, largely reflecting further rises in commodity and import prices since then. Further ahead, inflation is likely to fall back, as those effects diminish and downward pressure from spare capacity persists. But both the timing and extent of that decline in inflation are uncertain. Under the assumptions that Bank Rate moves in line with market interest rates and the stock of purchased assets financed by the issuance of central bank reserves remains at £200 billion, the chances of inflation being either above or below the target in the medium term are judged to be broadly balanced.

CPIは短期間で4-5%に上昇し、来年も2%のターゲットを上回ったままであり、直近のVAT(付加価値税)の引き上げの影響を受ける。短期的なプロファイルは11月よりも著しく高く、コモディティ価格や輸入価格のさらなる上昇の影響をうけている。先々は、余剰生産能力により、インフレは低下もしくは、下方圧力に働くだろう。しかしインフレがどの期間で落ち着くかは不確実である。マーケットの金利に沿ってバンクレートが動き、2000億ポンドの資産買取を保有したままであると仮定して、インフレが中期的にターゲットを上回るか下回るかは五分五分であると判断した。




このような形となっており、現状の英国のインフレ要因を、


・VAT(付加価値税)の上昇
・コモディティ高
・金融危機以降のポンド安



この3つがメインであると述べている。しかし、余剰生産能力により中長期的なインフレは下方バイアスが働いていくだろうとしている。このあたりはFedの経済のスラック(緩み)論と似ている。しかし、当面は4-5%のインフレ率が継続することから、BOEのインフレターゲットを大きく逸脱することには変わりはなく、内部においても引き締め論も次第に強くなってきている。タカ派のセンタンス委員は金利を引き上げてポンドを緩やかに高くさせる必要がある("The UK's Inflation Problem: Selling England by the Pound?"より)と言及している。一方で、キング総裁はインフレーションレポート発表の際の会見で経済・インフレ見通しが非常に不透明であることから、利上げの時期やペースについてはまだ決定されているわけではないとして市場の期待を牽制する発言を行なっているほか、ハト派的な主張では2010年第4四半期のGDPにもあるように英国経済には脆弱性が残るとしている。従って、MPC議事録のポイントとしては、センタンス、ウィール委員の他に利上げを主張するメンバーが増えるかどうか、1月のMPC以上にインフレに対して警戒感を表明しているかどうか、さらには英国経済の落ち込みが一時的なものとして認識されているかどうかといったところだろう。また、今回のインフレーションレポートでは、2013年のCPIを1.7%前後と11月時点よりも上方修正する一方で、2011年のGDPは3%前後へと下方修正されている。


・BOEによる英GDPの長期見通し(出所:BOE)


BOE GDP Forecast.


・BOEによる英CPIの長期見通し(出所:BOE)


BOE CPI Forecast.



■米マクロ指標


先週に発表された米国のマクロ指標では、小売売上が市場予想に届かず、大雪の影響もあるのだろうが、米国の個人消費動向にやや弱気な見方が出ていた一方で、フィラデルフィア連銀製造業指数では製造業の強い景況感が示された。今週の米国マクロ指標は、以下の市場予想となっている(Bloomberg Surveyより)。


2/22 12月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 -0.5%(MoM)/ -2.4%(YoY)
2/22 2月コンファレンスボード消費者信頼感指数 65.0
2/23 1月中古住宅販売件数 5.28M / -1.5%(MoM)
2/24 1月耐久財受注 +3.0%(MoM) / 輸送除く +0.5%(MoM)
2/24 新規失業保険申請件数 405K
2/24 1月新築住宅販売 300K / -8.8%(MoM)
2/25 10-12月GDP改訂値 +3.3%(QoQ)
2/25 2月ミシガン大学消費者信頼感指数改訂値 75.4


このようなものとなっている。特に堅調な米国経済にあってネックとなっており、二番底を模索している住宅市場にフォーカスが当たるものとみられる。12月の中古住宅販売は大きく伸びたが、1月はやや減少すると見込まれており、在庫解消には程遠い状態が示されるものとなるのだろう。また、フォークロージャの動向も注視しておきたい。さらに、ケース・シラー住宅価格指数では前月比及び前年比でマイナスが予想されており、住宅価格が下げどまらないうちは資産効果の裾野は拡大しにくいものとなっており、その動向も気にされるところだろう。


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カテゴリ: 市場視点

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