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ECB理事会~6月利上げは示唆されず 

5月5日にECB理事会が行われ、政策金利を1.25%へ据え置くことが決められた。その後のトリシェ総裁会見は、冒頭以下のような内容となった(ECB "Introductory statement to the press conference"より)。


Based on its regular economic and monetary analyses, the Governing Council decided to keep the key ECB interest rates unchanged following the 25-basis point increase on 7 April 2011. The information that has become available since then confirms our assessment that an adjustment of the very accommodative monetary policy stance was warranted. We continue to see upward pressure on overall inflation, mainly owing to energy and commodity prices. While the monetary analysis indicates that the underlying pace of monetary expansion is still moderate, monetary liquidity remains ample and may facilitate the accommodation of price pressures. Furthermore, recent economic data confirm the positive underlying momentum of economic activity in the euro area, with uncertainty continuing to be elevated. All in all, it is essential that recent price developments do not give rise to broad-based inflationary pressures. Inflation expectations in the euro area must remain firmly anchored in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to make an ongoing contribution towards supporting economic growth and job creation in the euro area. With interest rates across the entire maturity spectrum remaining low and the monetary policy stance still accommodative, we will continue to monitor very closely all developments with respect to upside risks to price stability. Maintaining price stability over the medium term is our guiding principle, which we apply when assessing new information, forming our judgements and deciding on any further adjustment of the accommodative stance of monetary policy.

通常の経済・金融分析を基本として、理事会はECBの政策金利を4月に25bp引き上げた後で変更しないことを決めた。利用出来るようになった情報では、我々の評価について、極めて緩和的な金融政策の調節であることを保証するものである。我々は全体的なインフレにおいてアップサイドな圧力をみており、特にコモデティ価格に起因する。金融の分析では金融の拡大の基本的なペースは未だにモデレートであり、流動性は十分で物価上昇圧力は容易となっている。さらに、最近の経済指標ではユーロ圏における基本的な経済活動のモメンタムはポジティブであることを確認しているが、不確実性も上昇し続けている。全てにわたって、重要なことは、最近の価格の進展は広範囲なインフレ圧力を引き上げないということである。ユーロ圏のインフレ期待はは我々の目標としているインフレ率、すなわち2%以下に沿ってしっかりとアンカーされているが、中期的には2%に接近する。そのようなアンカリングは経済成長や雇用創出のサポートに継続的に寄与するための金融政策にとって前提条件である。全体的な金利の期間スペクトラムは低いままであり、金融政策のスタンスは緩和的であるが、我々は物価安定のアップサイドリスクといった点においてすべての進展に極めて緊密に監視していくつもりである。中期的な物価安定の維持は我々の基本理念であり、新しい情報を評価する際に適用され、我々の判断を形成し、金融政策の緩和的なスタンスのさらなる調節を決めていく。



このような会見冒頭の声明で、キーコード(トリシェコード)に焦点があたったが、今回は、


monitor very closely(極めて緊密に監視していく)



というフレーズが使われたことを受けて、それ程強いトーンでインフレを警戒しているものではなく、6月の利上げが見送られる公算が強くなったことから、ユーロに失望売りが出される展開となった。以下はEURUSDの5分足のチャートである。


eurusd 20110506


但し、この"monitor very closely"というキーコードはそれ程ハト派的な表現ではなく、2カ月以上先に利上げを行うことを意図しているものと解釈されており、今後このコードから"(strong) vigilance"に移行すれば翌月の利上げが濃厚となる。ダンスケ銀行では、以下のような表を作成しているが(FT Alphaville "'Monitor very closely'"より)、今回の表現からすれば、7-8月の利上げという可能性となるのだろう。


Danske_ECB.jpg



なお、現段階でのユーロ圏経済については、2011年第1四半期及び第2四半期序盤も、基本的な経済活動のモメンタムはポジティブさが継続しており、輸出は世界経済の拡大の継続によってサポートされ、ビジネスにおける高いレベルの信頼感は緩和的な金融政策及び金融システムの機能改善によるものであるとしている。しかし、様々なセクターでバランスシート調整圧力がかかっていることから、経済活動は幾分冷めたものとなっている、とのことである。経済見通しにおけるリスクについては不確実性が高まっており、アップサイドとしては予測している以上にグローバルな貿易の拡大ペースが速くなっていくこと、強い企業の信頼感が予測している以上に経済活動を活発にさせること、としている。一方で、ダウンサイドリスクについては、金融市場のいくつかのセグメントで緊張が継続していること、北アフリカ及び中東(MENA)の政治的な緊張の継続によるエネルギー価格のさらなる上昇、グローバルインバランスの無秩序な調整の可能性、日本の大震災や原発事故における経済的なインパクトを挙げている。


インフレについては4月のHICP(ユーロ圏消費者物価)が2.8%となっており、コモディティ価格の上昇を反映しているとしている。現状のところでは価格設定や賃金などの二次的な効果(second-round effects)には波及していないとしており、インフレ期待は近づいてはいるものの、ECBが目標としている2%を下回ったところで沿って固定されているとしている。中期的な価格の進展はアップサイドであり、エネルギー価格の上振れについては、MENAにおける政治的な緊張だけでなく、エマージング市場における強い経済成長やグローバルレベルにおける十分な流動性によるものであるとしている。さらには域内における財政改革に伴う間接税の引き上げや価格調整についても上振れ要因として意識されている。


このようなことから、経済・景気見通しについてはダウンサイド・アップサイドの両サイドの間でバランスが取れているが、一方で物価見通しについてはアップサイドに傾斜したままとなっている。物価については、現時点では否定しているものの、これまでのECB高官の発言などから、今後波及効果としての「二次的影響」が起こることがリスク要因としており、賃金上昇の圧力はそれほど大きくはないにせよ、価格転嫁などの動向にはかなり神経を使っているようにも思われる。そして今後の政策については、仮に景気見通しが今後幾分ダウンサイドに振れていく中において、引き続き物価の上昇が続く展開が見込まれた場合、物価を押さえ込むことを優先的に行うのか、あるいは景気配慮型の政策運営となるのかがの焦点となっていくものと思われる。



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カテゴリ: 市場視点

タグ: 金融政策  ECB  ユーロ 
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