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10月雇用統計ポイント~失業率低下は好印象 

11月4日に米労働省BSLは10月の雇用統計を発表した。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +8.0万人
民間部門雇用者数 +10.4万人
失業率(U-3) 9.0%
週間平均労働時間 34.3h
平均時間あたり賃金 23.19ドル
U-6失業率 16.2%



以下は各指標の推移である(出所:米労働省)


(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数(単位:K)と失業率)


Unemployment rate 20111104.



(2)Private Payroll(民間雇用者数(単位:K))


Private Payroll 20111104.



(3)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間)


Wage 20111104.




(4)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以降の失業者数=長期失業者(単位:K))


27 week over 20111104.


(5)Civilian Labor Force(労働人口(単位:K))


civilian labor force 20111104.



(6)Participation Rate(労働参加率(単位:%))


Partcipation Rate 20111104.



以下ポイント


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・ヘッドラインの非農業部門雇用者数8.0万人増加はやや予想を下回ったが、想定の範囲内という形として受け止められている。速報段階で非農業部門雇用者数増減がゼロであった8月は10.4万人に上方修正された。9月も速報段階では13.7万人増加であったが、15.8万人に上方修正されている。8月及び9月の上方修正の要因は人材派遣(Temporary help services)の増加の上乗せであった。8月及び9月に対して10月が減速しているのは、建設業で雇用が大きく減ったことが民間雇用者数増減を圧迫した形となっている。しかし、引き続き雇用増のモメンタムは継続している。


・製造業では、鉱業・採掘が5千人増加、建設が2万人減少、製造工業が5千人増加となっている。建設のうち、非居住用専門建設業(Nonresidential specialty trade contractors)で2.25万人の減少となっており、大量の雇用減となっていることから、建設セクターの不振が浮き彫りとなっている。製造工業では、耐久財が1.1万人増加、うち輸送用機器が9.5千人増加していることから、自動車関連の雇用は底堅く推移している。今後欧州経済の失速により世界経済にダウンサイドリスクが強まっており、需要の見通しも不確実性が高まっているが、東日本大震災の影響によるサプライチェーン障害が解消し、自動車ディーラーは在庫を積み増している段階であり、生産も底堅く推移していくことから、当面雇用も底堅さがみられるのではないかと思われる。建設を除いた製造業のベースでも先行きに不確実性が高いものの、受注に回復の兆しがあり、在庫も低水準であることから、大きく雇用が増加するということはないにせよ、ショックが無いという前提に立てば安定して推移していくのではないかと思われる。


・サービス業では卸売が8.1千人増加、小売が1.78万人増加、運輸・倉庫が9.4千人増加、情報が5千人減少、金融が4千人増加、専門職・ビジネスサービスが3.2万人増加、教育・ヘルスケアサービスが2.8万人増加、観光・接客業が2.2万人増加となっている。小売業については、10月というのはホリデーショッピングシーズンにあわせて季節的な採用が見られるのかどうか注目される時期であり、今年もそれなりに増加している。従って、雇用主サイドにおいて今年の商戦についてもまずまず良いといった見通しが立っているもの思われる。専門職のうち、人材派遣は1.5万人の増加となっており、引き続き増勢がとなっている。事業環境が不透明ではあるが、足元の需要が底堅いため、正社員ではなく人材派遣によって人材を確保する動きが出ている。またヘルスケア・ソーシャルアシスタントも1.63万人増加しているため、雇用の受け皿としての位置づけとして受け止められている。


・政府部門は2.4万人の減少となっており、非農業部門雇用者数の増加の重石となっている。連邦政府は2千人減、地方政府は2千人減に対して州政府が2.0万人の減少となっている。地方政府についても雇用減の傾向が続いており、財政難から景気悪化時における雇用の受け皿にはなりにくいことが示唆されている。以下は地方政府の雇用者増減(出所:米労働省BSL)。


Local government 20111104.



・非農業部門の時間あたり平均賃金は0.05ドル増加の795.42ドル、平均週間労働時間は34.3時間となったことから、週間ベースの平均賃金は795.42ドルとなった。前月からわずかに上昇しているに過ぎないことから、賃金インフレの傾向は見られない。但し、専門職及びビジネスサービス(Professional and business services)の平均賃金の上昇基調は継続しており、スキルを持った人材への引き合いは引き続き強いことが示唆されている。以下は専門職及びビジネスサービスの週間あたり賃金の推移(出所:StLouis Fed)。

Average Weekly Earnings of All Employees Professional and Business Services



■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


・失業率は9.0%(9.012%)となり、前月から低下した。


Household survey 20111104.



失業率低下の要因は労働人口(失業率を求める際の分母となる)が増加していたが、失業者(失業率を求める際の分子)が減少していたからということである。つまり、労働参加率は横ばいながらも労働人口が18.1万人増加し、失業者が9万5千人減少していたということから、ポジティブな形で失業率は低下した。また就業率(Employment-population ratio)は58.4%に上昇してきている。労働参加率が6月に63.9%になったあとに反発していることから、労働参加意欲の回復は続いていることが示されており、ポジティブな傾向が続いている。


・長期失業者(27週以上失業している失業者)は前月から36,6万人減少して587.6万人となった。長期失業者が500万人台に減少してきたのは今年4月以来のことになる。失業者に占める長期失業者の割合は42.4%となっており、9月から低下してきている。長期失業者が急減していくことは難しいが、今後も徐々に低下していくことが期待されよう。



■10月雇用統計の評価


10月の雇用統計についてはまちまちな内容であった。ポジティブな点とネガティブな点を整理すると、


ポジティブファクター:労働人口が増加し失業者が減少したことで失業率が低下した、賃金がやや増加した、失業者全体に占める長期失業者の割合が低下した、ホリデーショッピングシーズンを迎えて小売業で雇用が増加した

ネガティブファクター:建設業で雇用が大幅に減少した、政府部門で雇用の減少が継続した


このようなところである。家計調査でポジティブな要素が多く見られ、事業者調査でややネガティブな要素がみられたという感じだろう。今後、製造業の雇用の見通しについては、楽観的な見方と悲観的な見方がある。楽観的な見方からすれば、10月のISM製造業景気指数において、在庫減少と新規受注の増加がみられており、先行指標となる在庫/新規受注レシオが低下してきていることから、今後製造業の業況も回復していくだろうという見方がある。現状、製造業の在庫は少ない水準であり、今後いずれかの時期に在庫積み増しのフェーズに移っていくことから、生産が拡大し、雇用も堅調に増加してく可能性がある。特に自動車セクターは、東日本大震災後のサプライチェーン障害の解消により、在庫を積み増している情勢である。このことから生産も底堅く雇用も緩やかに増加していくことが期待される。一方で欧州経済のリセッション懸念はグローバル経済全体のリスクファクターであり、米国の製造業にも何らかの影響を受けるのではないかとの見方である。外的ショックが発生すれば世界的な需要の減少につながる可能性もあり、大幅な雇用削減の可能性もある


また、建設や政府部門の雇用は今後大きく伸びることは期待しにくく、引き続き雇用の重石として意識されていく。住宅市場や商業用不動産市場の低迷といった構造的な要因を抱える建設や財政難により雇用を削減せざるをえない州・地方政府といったセクターは今後も全体の雇用の足枷となっていくものと予想される。一方でベビーブーマー世代の高齢化に伴い、ヘルスケアといった部門の需要は底堅く、景気にも左右されにくいため、雇用の受け皿としての役割を果たしていくものと思われる。また、経済見通しが不透明な中、人材派遣によって人材を確保する動きもある。こうしたことから、欧州のリセッション懸念やショックによる需要減少は確かに大きなリスクファクターであり、Fedも警戒していくものと思われるが、そういった影響があまり大きくならなければ、引き続き緩慢ながら雇用は回復していくのではないかと思われる。



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カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  米国  雇用統計 
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