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ソブリンよりも企業?~FT Alphavilleより 

今日の東京株式市場は続伸した。朝方はアルコアの決算が予想外の赤字、時間外で急落した流れを受け朝方から小幅安で始まった。Fリテに関しては好決算だったものの、ゴールドマンが投資判断を「買い」→「中立」に引き下げたことを受け大幅安だったことが指数の重しとなった。しかし、銀行株こそJALの法的整理に絡む損失懸念から売られたものの、他のコア銘柄にVWAP的な買いが断続的に入り、後場になるとジリ高歩調、10,900円台まで上昇した。トヨタが4,000円台に突入するなど主力株が強い展開だった。


TOPIX (東証株価指数) 954.1312.841.36%
TOPIX CORE 30 IDX (東証) 548.3511.542.15%
TOPIX LARGE 70 IDX (東証) 904.3910.551.18%
TOPIX 500 INDEX (東証) 756.3110.341.39%
TOPIX SMALL INDEX (東証) 934.310.41.13%
TOPIX MID 400 INDX (東証) 958.785.980.63%



このような形でコアが突出してパフォーマンスがよかったといった展開だった。どういう主体が買いを入れたのかは分からないが国内年金という感じではないので(債券リバランスの動き、但し超長期ゾーンはあまり選好されず)、国内系の「バスに乗り遅れるな」的な買いが入っていたと少し嫌な感じがする。とはいえ、世界的に株式がラリーに入っているのは、過剰流動性マネーだけで説明づけることは出来ない。もう少しアイデアを練った方がよいのではないかと思われる。そういった意味で昨日のFT Alphavilleのエントリは参考になったので、紹介しておく。


CDS report: Sovereigns wider than corporates?(ソブリンCDSは企業CDSよりもワイド化?)


After a brief pause on Friday normal service was resumed as the credit and equity markets continued to rally. The Markit iTraxx Europe index was about 2bp tighter at 65.5bp, while the Markit iTraxx HiVol tightened by a similar amount to trade at 92.5bp. The Markit iTraxx Crossover index was 12bp tighter at 384bp. All three indices gave back some of their gains in the afternoon after a weak US opening.

The bullish reaction to Friday’s disappointing US jobs report may seem perverse. But the report cemented expectations that US monetary policy will remain accommodative for the foreseeable future. It is this policy stance that has made risky assets so attractive, so it is unsurprising that the markets have consolidated their gains.


(抄訳)
Markit iTraxx欧州インデックスは約2bpタイト化して65.5bpとなる一方、HiVolも引き締まり92.5bpで取引された。Markit iTraxxクロスオーバーインデックスは12bpタイト化して384bpとなった。3つのインデックスは弱い米雇用統計を受けて米国市場がオープンする午後は調整となった。


失望的な内容だった米雇用統計を受けても強気な反応になったのは天邪鬼かもしれない。しかし、この雇用統計は、米国の金融政策について、しばらく緩和的に維持するという期待を確固たるものにした。こういった政策スタンスがリスク資産を選好させており、それらのマーケットが強気に傾くのには驚くに値しない。



この中でMarkit iTraxx欧州インデックスとは欧州の代表的な投資適格級企業のCDSをインデックス化したもの、HiVolとはハイボラティリティ30銘柄、Markit iTraxxクロスオーバーインデックスとは欧州の流動性の高い非投資適格45銘柄で構成したインデックスである。これらの指数の推移は先程のFT Alphavilleを参照して欲しいが、金融危機が収束して以降ずっとタイト化しているのである。株式と企業のCDSスプレッドは相関関係にあり、株価が騰がればスプレッドはタイト化する傾向にある。


半面で、ソブリンCDSは厳しい。


However, the sovereign CDS market failed to join in the broader rally. The FT reported that Portugal is under threat of a downgrade from Moody’s, the rating agency citing the country’s burgeoning budget deficit. A one-notch downgrade would bring Moody’s into line with S&P’s AA- rating. The report had some impact in a thinly-traded market, with Portugal’s spreads widening by about 8bp. Other peripheral sovereigns, namely Spain, Italy and Greece, widened in sympathy.



(抄訳)
しかしながら、ソブリンCDS市場はラリーに乗り遅れた。ポルトガルは財政赤字が急拡大していることを受け、ムーディーズによる格下げの脅威があるとFTが伝えている。ムーディーズは同国を1ノッチ格下げして、S&PのAA-格付けに一致させるだろう。この報告はポルトガルのスプレッドを8bpワイドニングさせ、弱々しい市場にインパクトを与えた。スペインやイタリア、ギリシャのような周辺国は共鳴するようにワイド化している。


もちろん、企業CDS市場がタイトニング(価格上昇)しているのは、Fedの金融緩和政策によって投資家のリスク選好を強めているところが大きい。しかし、それだけでいわゆる「金融相場」とか「カネ余り相場」と片付けていいのかどうかは疑問が残る。というのは、過剰流動性であることは確かなのだが、上記エントリにあるように投資家はソブリン債に投資するリスクを感じているということだ。これまでの金融相場期であれば、多少の財政赤字があろうとも高金利であることに着目して買われていく場合がよくみられたが、今回はそうではない。すなわち、高金利であることは財政リスクがある、という形で認識されていることなのだ。


つまり、今年の相場はソブリンリスクが意識されるということは何度か述べているが、バランスシートが安定しているエクイティは下手なソブリンよりもデフォルトリスクが少ないということが意識されているような感じである。つまり、ドイツ連邦債などの高格付けかつ財政健全性が高いソブリン債は相変わらず選好されるが、PIIGS債のようなものは火傷を追う可能性があるわけで、こういったものは売りの対象になる。またこれらを売って株式なり社債のエクイティにマネーが向かうことも十分考えられる。このところコア系銘柄などがしっかりしているのは、実はJGBよりもデフォルトリスクが小さいのでは?ということも勘繰ってみたりもする。つまり、過剰債務の日本ソブリンが破綻するリスクよりも、財務が健全な武田薬品が倒産するリスクはより少ないという認識が海外投資家中心にあるのかもしれない(海外投資家はそもそもJGB嫌いだけどね)。昔なら国家も企業も一蓮托生的なものがあったのだが、グローバル化によって、すなわち籍を移転させるだけなので、企業のほうが安全性が高まっているという認識が成り立つ可能性がある。バランスシートを見たときにソブリンよりも企業の方が安全という認識が成り立つのは、ここのところの金融危機により、財政政策や金融救済などから民間債務が公的債務に移転したということも大きく影響しているのだろう。スペインが厳しいのは、失業率は20%近くにあるにも関わらず、ユーロ圏の財政政策に関するルールなどに縛られ大盤振る舞いの財政政策が打てず、さらに不動産や観光などしかない産業構造も現状の景気の中でアゲンストに作用しているものと思われる。


リスク選好が強まるマーケットではあるが、Downgradeによる価格下落リスクのあるソブリン債は選好されず、株式や社債などのエクイティに流れるのはある意味で今年の金融市場の特徴的な動きなのかもしれない。全てのリスクアセットがリスク選好の対象となっていない点がポイントとなっていくのだろう。


但し、このところの株式市場は世界的にやや過熱感もあり、ボラティリティも低下している。また、S&P500オプションのプット・コールレシオが一層低下していることなど、少しこの点は気を付けておいた方が良いのかもしれない。


【Follow Up】
1月13日にモルガン・スタンレーAMのアルカイヤCIOが以下のように話している(Bloomberg参照)

日本株投資が「たなぼた(棚からぼた餅)」の可能性もあると指摘。理由として、日本の上場企業の43%が完全無借金企業であることを挙げた。米国の無借金企業は18%、欧州は17%に過ぎず、財務体質の強さが金利上昇時に効くとしている。

また日本企業は経費削減を進め、減価償却費が減少傾向にあることも業績下支え要因になるという。

(中略)  

日本株と対照的に、アンダーパフォームが予想される資産は世界債券、米国株、欧州株、商品、クレジットとしている。




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