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「利上げ」への旅路 

今日の東京株式市場は反発した。昨日のFOMC声明を受けてNY株式が反発したことや外為市場で円安に振れたことが好感される展開となった。オバマ大統領の一般教書演説は銀行規制について踏み込んだ発言はなく、特段のサプライズは無かったことから後場にさらに一段高となっていった。但し、個別で悪材料の出た銘柄への売りは容赦がなく、どちらかといえばN型優位の相場となったのだろう。L/S系やCTAなどのファンドがかなりバタバタしているようにも感じる。


昨日のNY市場のハイライトはもちろんAppleのiPadだったことは違いがない。ファーストインプレッションはネガティブで2%程度売られていたところが、価格が499ドルに設定されたことがサプライズとなってそこから急反発となった。ビジネス展開はいろいろあろう。電子書籍だけでなく、転送速度さえ安定すれば映像コンテンツもiTunesから配信されたりすることも出来るわけだし、そんな総合コンテンツストアとしてのAppleはまだまだ伸びていく感じがする。


そういった華やかな裏でひっそり出された感のあるFOMCステートメントであるが、非常に注目すべき内容となっているので、個人的な見解をまとめておきたい。なお、邦訳はロイターを参照されたい。


Release Date: January 27, 2010

For immediate release
Information received since the Federal Open Market Committee met in December suggests that economic activity has continued to strengthen and that the deterioration in the labor market is abating. Household spending is expanding at a moderate rate but remains constrained by a weak labor market, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. Business spending on equipment and software appears to be picking up, but investment in structures is still contracting and employers remain reluctant to add to payrolls. Firms have brought inventory stocks into better alignment with sales. While bank lending continues to contract, financial market conditions remain supportive of economic growth. Although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time, the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability.

With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and with longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to be subdued for some time.

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. To provide support to mortgage lending and housing markets and to improve overall conditions in private credit markets, the Federal Reserve is in the process of purchasing $1.25 trillion of agency mortgage-backed securities and about $175 billion of agency debt.In order to promote a smooth transition in markets, the Committee is gradually slowing the pace of these purchases, and it anticipates that these transactions will be executed by the end of the first quarter. The Committee will continue to evaluate its purchases of securities in light of the evolving economic outlook and conditions in financial markets.

In light of improved functioning of financial markets, the Federal Reserve will be closing the Asset-Backed Commercial Paper Money Market Mutual Fund Liquidity Facility, the Commercial Paper Funding Facility, the Primary Dealer Credit Facility, and the Term Securities Lending Facility on February 1, as previously announced. In addition, the temporary liquidity swap arrangements between the Federal Reserve and other central banks will expire on February 1. The Federal Reserve is in the process of winding down its Term Auction Facility: $50 billion in 28-day credit will be offered on February 8 and $25 billion in 28-day credit will be offered at the final auction on March 8. The anticipated expiration dates for the Term Asset-Backed Securities Loan Facility remain set at June 30 for loans backed by new-issue commercial mortgage-backed securities and March 31 for loans backed by all other types of collateral. The Federal Reserve is prepared to modify these plans if necessary to support financial stability and economic growth.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Donald L. Kohn; Sandra Pianalto; Eric S. Rosengren; Daniel K. Tarullo; and Kevin M. Warsh. Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that economic and financial conditions had changed sufficiently that the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted.



■経済見通し


今回のFOMC声明文で注目すべき点はいくつかあり、非常に強いトーンの内容だったのではないかと思われる。まず、“economic activity has continued to strengthen”(経済活動は力強さが続いている)という表現は、12月の声明の”economic activity has continued to pick up”(経済活動は上向きが続いている)から一段と景気回復への強いトーンをアピールするものとなっている。さらに消費支出については、12月は”appear”(緩やかな拡大の兆候)から”expanding moderate rate”(緩やかに拡大している)という形に変更、企業活動については、雇用を増やそうとするのには前向きではない、としながらも設備やソフトウェアの購入は上向きの兆候がみられる(”fixed investment”から”appears to be picking up”)に変更した。金融市場も引き続き経済成長に支えられ続けているとしている。このことは米国経済の回復基調を力強いものとして捉えていることが分かる。


そしてインフレ期待について長期間”dampen”(弱まっている)から”restrain”(抑制されている)に変更された。これについては期待インフレ率(Break Even inflation)の足元の高まり(ゼロ金利下での2%)を反映したものと思われる。労働市場についてはさらに一段の上方修正はなかったが、これは12月の雇用統計においてNon Farm Payrollが8万5000人減少だったことを考えた場合にはやむを得ないような感じもする。


■金融政策


今回のFOMC声明文で注目されたのは”for an extended period”(異例の期間(の低金利))という文言が外されるか、ということだったのだが、とりあえずは据え置かれた。そして12月のFOMC議事録でMBS(モーゲージ担保証券)買い取り延長論が一部のメンバーから出されたが、これに関しては、経済情勢次第としながらも今年3月末で打ち切ると再確認した。MBSについては買い取り枠の92%程度を既に購入しており、今回買い取り枠の増額が無かったので予定通り3月末に終了するとみてよいと思われる。その他にも様々な流動性対策は期限通りに終了することを確認し、各中央銀行との間で取り決められていたドルスワップ協定についても2月1日をもって終了すると明記した。ここから読み取れることはとりあえずMBSの買い取りが終了(信用緩和の終了)するまでは、金融政策は据え置くが、それ以降は利上げへの論議に向かって前進しているという意味合いがあるように思われる。


■カンザスシティ連銀ホーニグ総裁の「反対票」


ホーニグ総裁の「反対票」について。これについては1月25日のエントリを参照して頂きたいのだが、個人的に反対票があるかどうかに注目した。結果を見れば、ホーニグ総裁が、経済・金融状況は変わっており、”for an extended period”を妥当と考えるのには正当な理由が見当たらないという理由から反対に票を入れた形となった。割合強いトーンの声明文で反対票を入れてくるのであるから、ボードメンバーの中に早期利上げ論者が存在していることをはっきりと示したことになる。この意味合いは大きいと思われる。今後3月以降、ボードメンバーの中でホーニグ総裁に同調してくる人物が出てくるのかどうかもポイントになってくるのではなかろうか。場合によっては3月に”for an extended period”という文言を別の言葉に置き換え、早期利上げを市場に織り込ませる動きとなっていくかもしれない。半面でハト派メンバーからは当然タカ派的な声明文になれば反対票を入れることになるので、反対票でも票の内容はバラバラになる可能性もある。


■利上げ時期の予想


最後に利上げへの手順であるが、まず、本格的に利上げの検討に入るのは恐らくMBS買い取り終了以降だと思われる。FF金利先物市場では、7月末に0.25%まで引き上げられ、11月には0.50%までの利上げを完全に織り込む形となっている。市場が織り込んでいるのは、一旦0-0.25%という現行水準から、0.25%に固定させてから連続利上げに移行していくものと思われる。0.25%固定の時期は、おそらく中間選挙前の6-8月までに行われ、連続利上げを行う場合には11月以降ということになろう。


FF金利先物のフォワードカーブ(出所:CME)


FF Forward



利上げが行われないリスクとしては米国の経済の下ブレ、雇用の回復鈍化、住宅市場の落ち込みや金融情勢、コンシューマクレジットのさらなる落ち込みといったところがあげられるが、少なくとも米国の2010年成長率が市場コンセンサス通り3%程度だと予想すれば最終的に1%くらいまでの利上げは可能だろうし、もしdouble-dip(二番底)に陥るようなことがあればもう一度利下げの糊しろが出来るということにもなる。


これを受けてドル買いが進行し、米国債が売られる展開となった。特に政策金利に影響を受ける2年債の急落ぶりが目立つような形となった。今後は足元のマクロ状況をにらみながら次第にマーケットも利上げの時期を織り込んでいくものと思われる。そういった意味において、今回の会合は「利上げ」への旅路の始まりと捉えることが出来るのかもしれない。


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