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Fed Rudders Off Exit Strategy! 

今日の東京株式市場は反落した。朝方にFedが19日よりディスカウントレート(公定歩合)を引き上げるとしたことからドル円が急伸、朝方は出口戦略に対する警戒感(NY市場睨み)と円安が対立する構図となったが、香港株式の下落を想定した向きが前場引け前に売りを出し、後場は香港市場の急落に歩調をあわせて売られる展開となった。結局大幅安となって引けたが欧州市場がそれほど下げていないことから夕場の先物市場では買い戻しが先行している。香港が大幅安になるのは当然で、ドルにペッグしている通貨の株式は自動的に金融引き締めを嫌気する。しかし金融緩和をしている、さらに内外金利差から円安に振れているにも関わらず日本株が下落するのはどうも納得できない部分もある。リスクマネーがシュリンクするとしてもこれまでが金融相場期であり、それはすでに終了して業績相場期への中間反落なのだからやむを得ないところもあるのだろうが。


Fed出口戦略の第一歩としてディスカウントレートの引き上げを行った。バーナンキ議長議会証言の原稿からしても先日公表されたFOMC議事録をみても早期にこれを引き上げることは想定できたものと思われ、違和感はないのだろうが、タイミング的にサプライズを呼んだというところはあったのだろう。外為市場でもサプライズとして受け止められた。以下はドル円の5分足である。


USDJPY


2月18日の米東部時間16時30分過ぎにFedから次のようなアナウンスがなされた(原文はFedのサイト参照)。ここで個人的な見解を述べておきたい。


The changes to the discount window facilities include Board approval of requests by the boards of directors of the 12 Federal Reserve Banks to increase the primary credit rate (generally referred to as the discount rate) from 1/2 percent to 3/4 percent. This action is effective on February 19.

(抄訳)12の地区連銀で要請され、承認されたディスカウントウィンドウファシリティの変更は、ディスカウントレートを0.5%から0.75%への引き上げが含まれる。2月19日から実施される。




つまり19日からディスカウントレートを引き上げるとしている。もともとこのディスカウントレートというのは、市中銀行が地区連銀から資金を調達する際の金利だが、通常政策金利であるFF金利とはスプレッドがあり、常にこの金利は高く設定されている。平時であればこのスプレッドは100bp程度あったのだが、パリバショック以降この金利差を縮小し、緊急避難的に連銀から資金を調達しやすくするように段階的に縮小していった。そして2008年12月26日のFOMCでFF金利を0-0.25%、ディスカウントレートを0.50%とすることにしたことから、そのスプレッドは最小で25bpとなって現在まで継続している。


しかし、現状の金融経済情勢はその当時から比較すればかなり改善されており、市場の流動性も回復している。経済も緩やかではあるものの回復する段階に入っており、デフレ的な経済を警戒する必要もなくなったわけなので、当然のことながら通常の金融政策に舵を切っていかなければならない。手遅れになるとインフレや過剰流動性の芽を摘むことは容易ではなくなる。流動性も確保されていることから正常な金融環境に戻りつつあり、取っ掛かりとしてFF金利とディスカウントレートとのスプレッドを元に戻すという手段に出てきたことには特に違和感はない。要は緊急時から平時に戻すという解釈だろうと思われる。


そしてここからのFedが取りうるべき金融政策は、緊急時から平時、さらにはインフレに移行する際、利上げを含めて様々な手法で出口戦略を練っていくことになる。金利政策面では、3つの政策金利であるディスカウントレートの引き上げ、超過準備預金付与金利(IOERレート)の引き上げ、そしてFFレートの引き上げを実施していくことになるわけだが、まずはFF金利とディスカウントレートのスプレッドを拡大することから始めた。これは将来の金利政策の布石を打つ上では極めて重要である。そして過剰流動性の抑制やインフレの芽を摘むために今後論議されるのはFF金利はもちろんなのだが、その前にIOERの引き上げについても検討されるものと思われる。


しかしながら現状すぐにFFレートを操作することは技術的に難しいのも事実である。そのひとつの要因としては、商業用不動産の焦げ付きなどで窮地に立たされたりしている地方の中小銀行の流動性確保や、中小銀行が主に中小企業への貸出を促すことによってそういったセクターの雇用を改善させていく必要がまだある。銀行間取引市場(FF金利市場)で中小銀行が資金調達することは現状でも難しいままであり、Fedは金融調節を行ってそれらの銀行の準備預金の不足を補っていかなければいけない。そのために余裕のある金融機関が預ける超過準備にインセンティブを付け、準備預金の積み増しを促すことによって準備預金全体の流動性を確保していく必要があり、同時に過剰流動性抑制のために資金吸収も行う必要も出てくる


従ってインフレや過剰流動性の芽を摘みながら流動性を確保させるひとつのアプローチとしてIOERレートの引き上げがフォーカスとなっていくものと思われる。IOERに金利が付与されそれが上昇していくのであれば、レラティブ・バリュー(金利裁定)によって市中金利、特にターム物金利を押し上げる効果が期待されるので、金融引き締めと同等の効果が期待できる。さらにまだまだ厳しい中小銀行への流動性も確保していくことも可能になる。FedにとってIOERは非常に都合がいいツールとなるのかもしれない。最終的にIOERレートの引き上げによって短期ゾーンのイールドカーブがスティープになったとき(ディスカウントレートとFFレートのスプレッドが100bp以上となるような局面)にFF金利の引き上げが検討されるのだろうが、そこまではまだ時間がかかるのかもしれない。とりあえずはIOERで金利政策を取っていくのではないかと思われる。


最後にTAF(タームアセットファシリティ)の入札金利を0.25%から0.5%に引き上げるとした。TAFとはターム物証券を担保に入れることで一定の金利で資金を貸し出す制度だが、3月8日の入札が最後になる。ここからは個人的な解釈だが、この最後の入札の時に貸出金利を引き上げるのには、ある種のテストがあるのではないか?と思われる。つまり、この金利を上げて、どの程度市中金利に波及するのか、いわゆるレラティブ・バリューの効果を測定する意図があるのかもしれない。つまりこのテストが意図するところは、資金供給と資金吸収の違いがあるとはいえ、おそらく出口戦略の一環であるTDF(タームデポジットファシリティ/銀行資金をある一定期間預け入れ、その時の金利はインセンティブが付与される)などが導入されたとき、市場金利にどの程度影響を及ぼすのか、といったところを試してみたいといった意味合いがあるものと思われる。


そういったことだろう。しかし、Fedが出口戦略に舵を切ったことからマーケットでも様々な変化が起こっていくものと思われる。ドル高が進行するのか?株や債券はどのようなリアクションをこの週末のNY市場で起こすのだろうか?そのあたりは十分注視しておくべきだろう。さらに中国の出方も注視である。人民元はいつ切り上げられてもおかしくないと思われるので、常に意識しておく必要があるだろう。




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カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  出口戦略  金融政策  金利 
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