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ソロスが欧州について警告する~財金分離の脆さ 

今日の東京株式市場は大幅反発した。先週末のディスカウントレート引き上げを受けてのNY市場であったが、CPIが予想よりも弱い数字で早期引き締め観測後退という形から小反発した。NY市場の午前中の取引をみているとちょうどタイガー・ウッズの会見が終わってマーケットが動意付いたというのだから、向こうもテレビ画面に食いついているという感じだったのだろう。東京市場もフィギュアスケートなりカーリングなりに夢中になっている時間帯は相場どころでもないのだろうから、国民的関心事ということになればそちらに気を払わざるをえないということなのだろうか。



今日はあまり書くこともないので、FTのジョージ・ソロス氏の寄稿でも読んでみたい。原文はFTのサイト参照。


The euro will face bigger tests than Greece
By George Soros



(抄訳)

ユーロの父の一人」であるオトマー・イッスィング氏(ECB元理事)は単一通貨を創設した。ユーロは同一の金融政策をとっているものの、政治的には一つではない。参加国は中央銀行を創設したが、市民に税金を納めさせる権限については合法化を拒否している。この原則はマーストリヒト条約で設立され、ドイツの憲法裁判所によって厳密な解釈がなされた。ユーロは現在実行可能なシステムかどうか試されている、ユニークで珍しい制度である。


しかし、この構造には明らかに欠陥がある。強固な通貨は中央銀行と財政当局の両方が必要である。財政当局は日常的に市民から税金を必要としないが、危機的な時には(市民からの税金を)必要とする。金融システムが崩壊の危機に立たされているとき、中央銀行は流動性を供給できるが、財務当局は弁済能力(ソルベンシー)の問題しか解決出来ない。これは、(よく知られた事実であるが)ユーロ創設に関与した全てに明らかにしていく必要がある。イッスィング氏は「政治的共同体を排除したマネタリー共同体のスタートは、馬の前に荷馬車をつないでいた」ことを認めている(すなわち、物事の順序を誤っていることを認めたということだ)。


EU連合は 馬の前に荷馬車をつないでしまった。政策的に達成可能な目標とタイムテーブルは制限されており、必要とされている手順は十分ではなかった。しかし、さまざまな理由からこのプロセスは徐々に停止していく。EUはすでに現在の形で大部分凍結されている。


2008年のクラッシュにおいて、EUメンバーが独立してバンキングシステムを救済する必要に迫られた際、その構造にひびが入った。ギリシャの危機はクライマックスの局面である。もしEUメンバー諸国が次の手順に踏み出すことが出来なければ、ユーロは崩壊するだろう。


ユーロの設立当初は、マーストリヒト条約で定められた規制に耐えうることをEUメンバーに求めた。しかし、以前のギリシャ政府はこれらの規制に極めて悪質に違反していた。「議事堂を掃除するために」委任され選ばれたパパンドレウ政権は、同国の2009年に(対GDP比)12.7%に達する財政赤字を暴露し、欧州当局と市場にショックを与えた。


欧州当局は財政赤字を徐々に4%にまで減らしていく計画を承認したが、マーケットは安心していない。ギリシャ国債のリスクプレミアムは3%前後で推移しており、ユーロ圏の一員であるという利益をギリシャは奪われてしまっている。現実の危機として、もしこれが続くようだとギリシャは苦境から自ら抜け出せなくなってしまうということになる。さらに予算削減は税収を減らし、対GDP比の公的債務を悪化させ、経済活動を停滞させてしまう。リスクプレミアムは外部の支援がない限りもとには戻らない。


状況はクレジットデフォルトスワップ(CDS)市場で悪化しており、(再建に)失敗することに賭けている向きに有利なバイアスが掛かっている。CDSプロテクションのロングというリスクはギリシャをを自動的に困難な状況に追い込ませている。CDSへの投機はリスクプレミアムを増大させている。


EU財務省会合で最初に「ユーロ圏全体の金融環境を自ら守る」ことで合意するという必要性を認識した。しかし、現在の制度では、技術的なものを持ち合わせていない、すなわちリスボン条約の123条(ECBや加盟国の中央銀行が、加盟国の財政赤字の補填のために信用供与したり国債を直接購入する事を禁止している)の法的根拠が存在しているということだ。最も効果的な解決策は、ギリシャのリファイナンスのために信用保証がついた75%のユーロ債の発行であり、アテネは残りをファイナンスするのが最良の改善策だろう。これによってIMFの介入と同じくらいギリシャのファイナンスコストを下げるだろう。


しかし、これはドイツは「贅沢なパートナーの深い懐に」資金を支給することに断固反対しており、現時点で政治的に不可能である。そえゆえその場しのぎの取り決めを見つける必要がある。


パパンドレウ政権はで過去の弊害を修正することで、著しい公的なサポートを享受することを決めた。与党の保守派の多くの抗議と抵抗があるが、厳格に予算の弊害を修正していさえすれば緊縮財政を受け入れる準備は出来ている。


ギリシャはその場しのぎの支援で十分であるが、スペイン、イタリア、ポルトガル、アイルランドの問題は残されている。同時にこれらをユーロ圏でギリシャと同様の手法で解決させていくにはあまりにも大きすぎる。ギリシャの生存はユーロの将来に問題を投げかけ続ける。たとえ現状の危機を解決しても、次はどこだろう?ということになる。より踏み込んだモニタリングを行い、条件付き援助制度が必要とされている。この疑問は何がなんでも政治が生み出すものとなるだろう。



(読了後の感想)


金融政策はECBがコントロールできても、政府というのは全く別物である、すなわちこの問題は財金分離が如何に難しいかを示したものだったということをソロスは語っている。結局同じ通貨圏で統一されたように見えても中身はバラバラだし、どこかが悪くなっても救済するスキームが成立していない、というのが南欧の悲劇ということになるのだろう。結局この悲劇の結末がどうなるのか分からないが、今のスキームでは持続可能性に乏しいことはいえるのかもしれない。特にリスボン条約123条の部分がきつい重しとなっている。追記していえば、マクロ・財政政策と金融政策がコミット出来ないものであるならば、同一経済圏といったものは事実上無理なのかもしれない。少なくとも金利マーケットの世界からすれば、通貨及び政策金利が同一であるにも関らず、その国の財政状況によってイールドカーブが異なるわけだから、その歪みこそが問題の象徴なのかもしれない。



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タグ: ユーロ  ソブリンリスク  ソロス  ファンド  ECB 
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