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Bernanke and Spain~Today's Market Catharsis 

今日の東京株式市場は続落した。NY市場でバーナンキ議長が議会証言で緩和的政策を維持するスタンスを示したことから金融株や一部好決算を手がかりにハイテク株が買われる展開となって帰ってきたものの、議会証言を受け円高方向に進んでいった事で朝方から上値の重い展開、WSJがポスト・ギリシャはスペインとの記事を流したり、あるいはS&Pがギリシャのダウングレードを示唆したことからユーロが急落、クロス円からドル円相場にも波及、フライ・トゥ・クオリティから円債先物が高値更新、140円に接近するような展開の中先物主導で下がっていった。しかし、実需のフローも入ってきておりTOPIX型の内需が割としっかりとなっていた。


昨日のマーケットで注目されたのはバーナンキ議長の議会証言だろう。原稿はすでにFedのサイトに公表されており、すでにこのblogでもいくつかのエントリで考察してみたが、昨日の証言では1月のFOMCの声明を踏襲しており、特段のサプライズはなかった。発言をまとめると(Bloomberg記事参照)、


【現状の米国経済と金融政策全般】

U.S. economy is in a “nascent” recovery that still requires low interest rates to encourage demand by consumers and businesses once federal stimulus expires


米国経済は「初期」の回復であり、政府による景気刺激策終了後も消費や事業の需要を喚起するために低い金利を誘導し続ける必要がある

A sustained recovery will depend on continued growth in private-sector final demand for goods and services
Private final demand does seem to be growing at a moderate pace


持続的な経済回復は物・サービスの民間最終需要が回復し続けることに依存している
民間最終需要は緩やかに回復しているようにみえる

The FOMC continues to anticipate that economic conditions -- including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations -- are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period


FOMC会合では経済状況、すなわち設備稼働率の低さ、インフレ抑制の傾向、安定的なインフレ期待といった経済状況の予測は、FF金利を"for an extended period"(異例の長期間=6ヶ月以上)で低い水準に設定することを容認している。

“tentative” signs of stabilization in labor markets such as fewer job losses, a rise in manufacturing employment, and stronger demand for temporary help


製造業の雇用の増加や一時的な人員需要の強まりにみられるように、少ないけど雇用減に歯止めが掛かることは労働市場の安定化の「仮の」兆候である

Notwithstanding these positive signs, the job market remains quite weak, with the unemployment rate near 10 percent and job openings scarce


それでも、こういったポジティブな兆候が見られるにも関わらず、失業率は10%に近く求人不足なので、労働市場は弱いままである


【出口戦略に関するコメント】


As the expansion matures, the Federal Reserve will at some point need to begin to tighten monetary conditions to prevent the development of inflationary pressures


いつかの時点でインフレ圧力がかかった場合、それを阻止するために金融引き締めをはじめなければならないだろう

Notwithstanding the substantial increase in the size of its balance sheet associated with its purchases of Treasury and agency securities, we are confident that we have the tools we need to firm the stance of monetary policy at the appropriate time

バランスシートの膨張は米国債及びエージェンシー債の買い入れに関連付けられているが、適切な時期に確固たる金融政策に必要とされている手段を有していることに自信を持っている


【中央銀行の独立性について】


(現在の金融規制に賛同しながらも)

It is vital that the conduct of monetary policy continue to be insulated from short-term political pressures so that the FOMC can make policy decisions in the longer-term economic interests of the American people


重要なことは、金融政策の指揮は短期的な政治的圧力から絶縁された、すなわちFOMCこそが米国人の長期的な経済的利益を決定づけることが出来る、ということだ


この発言は従来のFOMCを踏襲したものに過ぎない。これ以上でも以下でもなく、中立的なスタンスを貫いたということだろう。MBS買い入れ終了後も引き続きマーケットを監視し続け、状況によっては対処することもコミットしている。原稿で示された様々なスキームに対する議会からの突っ込みはなかったが、本日も証言が控えており、政策意図が何であるかというところが示される場面があるのかどうか注目していきたい。Fedはディスカウントレートを引き上げたあとのマーケットをモニタリングしているのだが、これによって市場は「早期出口観測」が遠のいたとの解釈となったわけなので、当然のことながらリスクアセットが買われた。高金利通貨や商品、株式等にマネーが流入した。この点ではFedは上手くマーケットをコントロールしているといえるだろう。大規模入札が行われている最中に下手にタカ派的なスタンスには出られない、といったところもある。しかし、本日午前の段階から雰囲気が怪しくなっていった。


ギリシャのダウングレードアーニングもあったのだが、ポスト・ギリシャへの思惑的な記事がWSJに流れたことからユーロが急落、1.35の節目を割り込んでいった。WSJの記事によれば、


The Euro's Next Battleground: Spain
ユーロの次の戦場:スペイン


The euro zone's No. 4 economy, Spain has an unemployment rate of 19%, a deflating housing bubble, big debts and a gaping budget deficit. Its gross domestic product contracted 3.6% in 2009 and is expected to shrink again this year, leaving Spain in its deepest and longest recession in a half-century.


(抄訳)ユーロ圏の第4番目の経済であるスペインは、失業率が19%であり、住宅バブルが弾け、財政赤字と巨大な負債をもたらしている。2009年のGDPは3.9%減であり、今年も成長は減少し続けると予測され、過去半世紀で最も深く長いリセッションに置かれている。


そしてここにユーロ圏の問題が指摘されている。


Spain can't devalue its currency to make its exports more attractive and its sunny beach resorts cheaper because the euro's value is driven by Germany's bigger, competitive industrial economy. Madrid can't slash interest rates or print money to spur borrowing and spending, because those decisions are now made in Frankfurt by the European Central Bank.


スペインは自国の輸出競争力を高めるために通貨の切り下げが出来ず、太陽が降り注ぐビーチは、競争力のある産業を有しているドイツの強力さに駆り立てられた(通貨)ユーロの価値によって安くなっている。マドリードは資金を借入れ支出するために貨幣を発行することや金利を引き下げることは出来ない。なぜならばそれらの決定はECBによってフランクフルトで策定されるからだ。


結局のところ、インフレ圧力が小さいドイツを基準に低金利が続き、それが(割とインフレ率が高い)スペインなどに資金が流れ、不動産バブルを生み出したものの、2008年の金融危機によってそれが崩壊した。ギリシャにしてもそうなのだが、主要産業が不動産と観光であり、あまり国際競争力のある産業のない南欧においてはこのリセッションはきつくなってきている。すなわち国際競争力のある産業を有していない地域ではまず民需が期待出来ず、景気の下支えも公的支援に依存する構図が出来上がるわけだが、それがダイレクトに公的債務を膨張させていくことになる。さらに2月22日のエントリでソロス氏のFTへの寄稿を引用したが、ユーロシステムの本質である財金分離の経済もまた重石となっている。つまり景気を下支えするためにマネタリーベースを増加させることや金利を低く誘導することは全てフランクフルトに奪われている。WSJの記事もまたこの点を大きな問題として指摘している。逆に膨大な金融資産を有している巨大銀行があり、システミックリスクに晒されたにも関わらず、スイスが足元安定しているのは、その独立性であり、財政当局と金融当局の足並みがそろっているからだろう。


個人的に米国や日本が欧州に比べてアドバンテージがあると考えるのはこういったところに起因している。Fedはいざという時に何でもできるし、昨日のバーナンキ議長証言でもそれを確約している。また出口戦略にしても豊富なツールを有している。日本はまだ中国やインドなど新興国需要によって支えられていることもあるが、結局はBOJが独自の裁量で低金利政策を行えるところも強みであり、金融システム不安も抑制されている。



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タグ: Fed  ソブリンリスク  ユーロ 
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