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「レポ105」~どこかで見た光景 

今日の東京株式市場は続伸した。SQは幻となり、上値は重かったものの下値では買い物が入りその後は戻していく展開となった。持ち合い解消売りも一巡し、需給が軽くなったイメージもある。債券市場は続落で、円債先物に関してはやはり買われすぎた反動もあるのだろう。世界的な株高からリスクアペタイトが高まりやすい局面では敬遠されてしまうので致し方が無いところ。限月交代で売りから入ったという観測もある。外為市場は夕刻すぎからFTでS&Pが米国債の格付に対する懸念が掲載された(FT:S&P issues warning over America's top-tier rating)ことからドル売りの展開となっている。


今日はマーケットのことではなく、少しリーマン・ブラザーズ破綻に関して「レポ105」というキーワードが今後クローズアップされていくことになろうから、その理解を書き示しておきたいと思う。リーマン・ブラザーズに関する連邦破産裁判所による調査報告書の中でこの言葉がキーワードとなっている。FT Alphavilleにわかりやすく書かれている。


この「レポ105」というのは簿外債務で使われたスキームである。FT Alphaville "What’s in Repo 105"より引用。


While Repo 105 was created in 2001, it proved very useful for Lehman Brothers in terms of publicly reducing leverage as the financial crisis intensified in 2007 and 2008.
Lehman had lots of assets - CMBS, subprime mortgages, and the like - which were falling in value in a very illiquid market. Merely selling off those assets to decrease leverage would have resulted in significant losses for the beleaguered bank. Repo 105, explained here, provided an alternative.


「レポ105」は2001年に作られ、2007年から2008年までの金融危機の間に最も多用されたレバレッジ比率を落とす(=借入れの規模を小さく見せる)ために活用された。リーマンはCMBSやサブプライムモーゲージなど流動性が殆どないマーケットで価格が下落していた資産を大量に保有していた。単にこれらの資産をレバレッジを落とすために売却してしまったら、「悩める銀行」にとって莫大な損失が発生する。ここで説明する「レポ105」は(それを軽く見せるために)代替的に使用された。それでは「レポ105」とは何だったのか?


Repo 105 transactions were nearly identical to standard repurchase and resale (“repo”) transactions that Lehman (and other investment banks) used to secure short‐term financing


「レポ105」とは、通常の「レポ取引」と同じで、(他の投資銀行も使っているが)短期の資金繰りを確保するためにリーマンが使った取引のことである。レポ取引とは、いわゆる「買戻し条件付き売却取引」のことで、キャッシュを確保するためにある資産を売却するが、ある一定期間が過ぎれば(金利を付与して)買い戻すという条件がついている。これについては中央銀行でもオペレーションのために使う。


通常、レポ取引の担保となるアセットは流動性の高いものを使う。例えば米国債(トレジャリー)やエージェンシー債、適格担保級(シングルA~トリプルA)の債券を使う。リーマンも会計方針で「レポ105」を使う際には"be readily obtainable"である(すなわち換金性の高い)流動性の高い資産でなければならない、としていた。換金性の高さをウリにしていたわけだ。ところが信用危機の悪化で事態が変わった。その担保に変な証券が使われていたというのである。もちろんこういうスキームは「飛ばし」に似たようなものである。


From the footnotes:
Certain documents, however, suggest that Lehman perhaps attempted to use less liquid collateral in Repo 105 transactions…London is going to show some examples of fixed AAA non‐agency mortgages to Mizuho


しかし、特定の文書では、リーマンはおそらく「レポ105」取引に流動性の無い資産を担保として使おうと企てていたことを示唆している。ロンドンではトリプルA格のエージェンシー債ではない利回り証券のような例がみずほ(コーポレート銀行)との取引でいくつかみられた。


とあって、「レポ105」を通じてリーマンは価値のない資産をバランスシートから切り離し、レバレッジ比率を落とすことに成功させたかのようにみえた。大半はA格級を使っていたにも関わらず、2008年には4700万ドルのトリプルC格の資産をバランスシートから切り離していた(FT Alphavilleの図表参照)。


こんな話である。日本人からすればこのスキームに特段驚くべきではないだろう。三洋証券も山一證券も同様のスキームで不良債権を飛ばしていた。金融用語辞典による「飛ばし」とは以下のような説明がなされている。


評価損が発生している有価証券に関し、損失が表面化することを防ぐため、後日の金利付引取りを約束した上で決算期末前に当該証券を転売することを指す。通常は、決算期の異なる企業間で行われる。1980年代までは、証券会社の損失補填の手段として使われてきたが、90年からの証券不祥事で問題となり、証券取引法で禁止された。



つまり、リーマンに置き換えると、


評価損が発生しているCMBSやらサブプライムモーゲージなどといった証券化商品に関し、レバレッジの規模を減らしてバランスシートを実態より小さくするため、当該証券を「レポ105」によって転売することを指す



という解釈なのだろう。古今東西関わらず金融機関が破綻に至る局面ではこういったスキームが使われる傾向があるのだろう。


【注記】あくまでも上記内容はFinantial Times及びFT Alphavilleの内容を受けての個人的な理解のために書かれたものです。理解とすれば決算期にバランスシートを作成する際、レバレッジ比率を落とすためにこのようなスキームが使われたものと認識しています。「飛ばし」であるという認識はあくまでも個人的なものであり、違法性のある取引であったかどうかについては各国司法当局の判断に委ねられるところです。



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