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「楽観的」なFOMCと日銀会合で示した新オペの「副作用」 

今日の東京株式市場は反発した。昨日のNY市場がFOMCを受けてしっかり帰ってきた流れを受けて朝方からしっかりとして始まった。日銀会合では反対票が野田及び須田審議委員から入れられたことを受け一時円高に振れる局面があったが、上海市場や香港市場がFOMCを好感して急上昇したことがサポートとなった。円債市場は日銀の新型オペのタームが6ヶ月に延長されなかったことを受けて失望感を誘う展開、反対票の存在も重石になった。先物市場は12銭安、長期債もやや売り物が出された。


主体性が無いといえばそれまでだが、グローバルマーケットの関心事が中国と米国に向けられている以上仕方がないような気もする。バロンズが「主役はFRBからPBOCへ」という記事を流しているくらい影響力が強い経済圏に関心が集まる時間帯に開くマーケットであり流動性も高いとあれば東京マーケットはそういう方向に引っ張られるということなのだろう。但し、上海も香港もドルペッグであるが故にFedの政策の影響をダイレクトに受ける。その意味において逆にいえばFOMCの方が日銀会合よりもはるかに影響力が高いということを認識しておくべきだろう。


日米金融政策会合が終わったので、レビューをしておきたい。まず、FOMCから。2分フライングしてEST14時13分の結果発表だった。声明文はFedのサイト(原文)、邦訳はロイター記事参照。


FOMCのポイントは4点ある。(1)"for an extend period"(異例な長期間)の低金利という文言が維持されたこと、(2)労働市場を「安定的」という見方に変更したこと、(3)住宅市場は底ばい、かつ非居住用不動産投資は減少していると強調したこと、(4)反対票を入れたのがカンザスシティ連銀ホーニグ総裁のみであったこと、である。個人的には「中立スタンス」にみえた。


まず、時間軸政策のキーワードである"for an extended period"の維持は特段違和感がなかった。この文言を"some time"に入れ替えた場合には利上げまでの時間軸を相当早め、入れ替わった瞬間からマーケットは2-3回以内の会合で利上げを織り込みに図る。つまり3月に入れ替えてしまったら最短で6月に利上げである。しかし、6月の利上げまでにはあまりにも時間がない。ディスカウント・レート(公定歩合)もあと最低50bp引き上げないといけない。さらにはリバースレポ/超過準備付与金利(IOER)/ターム・デポジット・ファシリティ(TDF)などのツールを使って資金吸収を行い、調達コスト(ファンディングコスト)をタイトにしていく手段はなんのために議論され用意されたのか?ということにもなる。FF金利の引き上げは出口戦略の最後という位置付けであり、外堀から埋めていく形になるのだと思われる。それには時間が必要であるという解釈となる。


FOMCステートメントのサプライズは(2)の労働市場に関して「安定的(stabilizing)」という見方を示したことだ。1月は、"the deterioration in the labor market is abating"(労働市場の悪化に歯止めが掛かっていない)という見方だったはずで、そこから急に見方を一変させた。これまでの雇用指標で何をみれば「安定的」にさせるほどの指標があったのか?という疑問を正直抱く。NFPは未だにマイナス、失業率も10%を割り込んだものの、"extended period"な高失業率が続くことをガイトナー財務長官及びローマーCEA委員長が声明発表直前に認めている。さらにいえば"Business spending on equipment and software has risen significantly"(企業の設備やソフトウェア関連の支出は大幅に増加した)というだけの裏付けとなる経済指標はあるのか?というところも疑問に感じる。それゆえにFedは楽観的な米経済のアウトルックを提示した、ということになる。おそらくFed内部では3月以降の雇用の回復を確信しているのだろう。そして雇用の安定は政策目標なので、これについて"stabilizing"という認識を示したことからいつでも出口戦略のスタンバイOKという見方も出来なくはない


一方でDovishだったのは(3)の不動産市況に関する認識について。これについては経済指標通りの見方を示し、強調した。1月の声明文では住宅市場に関する文言がなかったが、今回は”investment in nonresidential structures is declining, housing starts have been flat at a depressed level”(非居住用不動産投資は減少しており、住宅着工は底ばいのままになっている)という文言を敢えて追加したようにもみえる。これに関しては(1)の”for an extend period”を容認するに相応しい理由付けであるといえるかもしれない。足元の住宅着工件数や許可件数は反発を示すものはみられず、住宅市場支援である税還付策が4月末に終了するわけで、この部門が引き続き軟調であり続けるという懸念を打ち出している。非居住用不動産とは商業用不動産のことで、その価格下落から資金ショートが多発し、毎週数行の銀行が破綻に追い込まれている要因になっている事実があることも考慮に入れて置くということなのだろう。


(4)のカンザスシティ連銀ホーニグ総裁が反対票を入れたのは前回と同じだが、これに追随する委員が出てこなかったのは、ある意味で「ノーサプライズ」感を強めることとなった。セントルイス連銀ブラード総裁が反対票を入れなかったのは、早急な利上げを時期早尚と見たのか、あるいはマーケットに対してボードメンバーの不協和音を送ってしまうことへの懸念があったのか分からないが、今回は見送ったという感じだろう。


FOMCに関して、インフレやバブルを「貨幣的現象」と位置づけ、Fedのバランスシート及びマネタリーベースの膨張を懸念する「タカ派」と、未だにアウトプット・ギャップが拡大し、需要不足からインフレ圧力が抑制される見込みであるという「ハト派」との間の駆け引きが強まっていくものと思われる。アウトプット・ギャップを唱えるハト派は絶対にFree Reserve(純自由準備)といった指標などは見たくないのだろう。以下のグラフはFree Reserveの推移(出所:StLouisFed)


Free Reserve


タカ派が危惧しているのはこういった枯れきった藁に一旦火が点けば、インフレやバブルを中銀でマニュピレートすることは出来ないだろうという見方である。その中で妥協点を探るということになるわけで、市中にある大量のドルを吸収する一方で、下限金利であるFF金利を”for an extend period”という期間で維持することをコミットしたという会合という位置付けなのかもしれない。


先日のPreviewで示した具体的な出口戦略に関する記述の有無に関してであるが、言及が全くなかった。第4パラグラフはMBS及びエージェンシー債の買い入れを3月末で終了し、景気回復と物価安定を促進するために必要に応じて政策手段を用いるという"The Committee will continue to evaluate its purchases of securities in light of the evolving economic outlook and conditions in financial markets”という文言は再確認された。それのみのパラグラフだった。



次に日銀会合であるが、これに関してコミットしたことは、「固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションの運用について、期間3ヶ月、オファー頻度は週2回、資金供給額は8000億円、資金供給規模は、現在の10兆円程度から、20兆円程度に増加する」ことになった。そして3月15日のエントリで「反対票を投じる審議委員が存在する可能性は考慮に入れておかなければならない」ということを指摘したとおりだった。日銀の会合の結果が公表されるのがやや遅れたのは票のとりまとめに苦心したといった感じなのだろう。反対票が2票入ったのは意外で、マーケットに追加緩和期待を剥落させるものとなった。反対票に絡んでいるかどうかは分からないが、白川総裁も記者会見で、新オペ増額の副作用について「短期金融市場の機能をさらに低下させてしまう危険性がある」と指摘、「短期金融市場の機能が低下すると、いざという場合のショックに対する耐久力が弱くなる」との考えを示した。また金融機関の経営へ与える影響に関しては「利ざやがさらに低下すると、金融機関の収益力にマイナスの効果もある」と述べたようだ。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  FOMC  BOJ 
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この記事に対するコメント

初めまして。自分は現在鬱病闘病中でネットビジネスで生活しているシンと申します。

今でも十分生活出来るのですが、毎日刺激が無く、株やFXに昔から興味があり、ネットサーフィンをしていたらこちらのブログに巡り合いました。

私には日にデイトレで数千万から数億円動かす師匠が居るのですが、頼ってばかりではいけないと思い、自分で勉強して始める事にしました。

とても勉強になります。これから勉強に伺わせて頂きます。

私もブログをやっています。もし宜しければ相互リンクして頂けないでしょうか?

「自分探しのブログ 禁パチ禁スロ鬱病日記」

という題名でやっております。アクセス数は平均2000~3000ぐらいです。

ブログの路線も投資ブログに少しずつ変えたいと思います。

ご検討頂ければ幸いです。

突然のコメント失礼致しました。
応援クリックして帰らせて頂きます。

失礼致します。

シン #- | URL
2010/03/17 20:42 * 編集 *

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