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利上げサイクルに入った新興国~インド準備銀行の声明文とグローバル経済の「上ブレ」リスク 

今日の東京株式市場は反落した。週末にインド準備銀行が利上げを行い、欧米市場で新興国への警戒感が漂う中軟調な取引となった。日曜日に米国でヘルスケア改革法案が賛成219、反対212の僅差で可決したが、月曜日のNY市場は朝方こそ売られるものの次第に切り返し、ハイテクの大型株などが牽引する形で堅調推移となった。ギリシャ問題も燻るものの、株式市場には反応は限定的だった。そして週が開けた東京市場ではTOPIX型に買いが入るものの高値警戒感から利食い売りに上値が重い展開、一部原発関連など材料物色の相場となった。値幅も限定的で薄商いとなった。債券相場は株価が下落したことを受け、押し目買いムードから先物が買われる展開となった。国債償還日と言うこともあり好需給を囃し立てる向きもあったようだ。外為市場は円高から切り返すものの、フローは薄く動意が乏しい展開となった。ユーロやポンドなどはさえず、EU首脳会議が意識されているようだ。


週末の懸念材料として意識されたのは、3つの懸念であった。(1)ヘルスケア改革法案可決→米財政負担の拡大及び金融規制改革法案の行方に対する懸念、(2)ギリシャ問題・EUメンバーの不協和音、(3)新興国の金融引き締め→インド準備銀行が利上げを実施、である。(2)のギリシャ問題に関してはギリシャ支援でまとまるのだろうが、EUの枠組みで救済するのか?それともIMFの介入を伴うものなのか?といったところがポイントだろう。IMFとEUという構図はフランスの大統領選挙を睨んだ政治的な動きでもある。EUを代表するサルコジ大統領とIMFの専務理事で次期大統領選挙に左派から出馬が予定されているストロスカーン氏との争いでもある。週末のフランスの地方議会選挙でサルコジ大統領率いる中道右派は負けた。もしギリシャ問題にIMFが介入してきた場合、フランスの政治情勢が一気に変わる可能性がある。フランスに関しては欧州問題の終着地(ドイツのように財政が健全とは言い難い大国)となるのかもしれず、このあたりの動向が今後ユーロ相場の波乱を生む可能性がある。穿った見方をすれば、ギリシャ問題は非常に政治色が強いと言うこともいえる。


(3)の新興国の動向であるが、19日にインド準備銀行が政策金利のリバースレポ金利を過去最低だった3.25%から25bp引き上げ3.5%とし、レポ金利も4.75%から25bp引き上げ5%とした。マーケットからすれば不意打ちだった感じだが、声明文ではインフレが相当警戒されたものとなっている。ステートメントを読んでみたい。


There have been significant macroeconomic developments since the Third Quarter Review of Monetary Policy in January 2010. On the growth front, the advance estimates by the CSO for 2009-10 and for Q3 of 2009-10 suggest that the recovery is consolidating. Data on industrial production currently available up to January 2010 show that the uptrend is being maintained. The manufacturing sector, in particular, has recorded robust growth. The sharp acceleration in the growth of the capital goods sector points to the revival of investment activity. After contracting for 13 straight months, exports have expanded since November 2009. That the recovery is gaining momentum is also evident from the sustained increase in bank credit and the resources raised by the commercial sector from non-bank sources. Even as this is happening against the backdrop of improving global conditions, recent real GDP and industrial production clearly suggest that the positive trend is predominantly due to domestic factors.

(抄訳)2010年1月のQ3金融政策レビュー以降、マクロ経済の発展は顕著となっている。成長面では2009-10年のCSOと2009-10年第3四半期の見積において回復は強固なものとなっている。直近の2010年1月までに入手出来る鉱工業生産のデータは上昇基調が維持されていることを示している。製造業のセクターにおいては特に堅調な成長を記録している。資本財セクターの伸びにおける鋭い加速は投資活動の復活を強調している。13ヶ月連続して縮小した後、2009年11月から輸出が拡大している。回復のモメンタムが増していることは、銀行信用の持続的な伸び及びノンバンクの商業セクターによる資源調達の伸びにより明らかになっている。グローバルの状況の改善を背景としているものの、直近の実質GDPや鉱工業生産は明らかに主に国内要因に結びづけられたポジティブな傾向である。


The developments on the inflation front, however, are a source of growing concern. Notwithstanding some moderation in recent weeks, food prices remain at elevated levels. In fact, consumer price inflation, as measured by various consumer price indices, has accentuated further. The acceleration in the prices of non-food manufactured goods and fuel items in recent months has been of particular concern.

しかしながら、インフレの高進は成長の結果である。直近数週間ではやや落ち着いているものの、食料価格は高い水準で推移している。事実、複数の消費者物価指標などといった消費者価格インフレはさらに強調されるはずである。食料除く工業製品や石油製品の価格の加速は特に懸念される。


In the Third Quarter Review of Monetary Policy in January 2010, the Reserve Bank had raised the CRR by 75 basis points in two stages. This reflected the growing confidence in the economy and the risk of supply side inflation spilling over into a wider inflationary process. However, the policy rates were left unchanged as it was felt that the recovery was still to fully take hold and that pre-mature tightening might undermine the recovery process. Subsequent developments show that the recovery is increasingly taking hold. On the other hand, inflationary pressures have accentuated and have been spilling over to the wider inflationary process. The recent industrial production data suggest revival of private demand, which could potentially add to inflationary pressures.

2010年1月の第3四半期レビューにおいて準備銀行は2段階でCRR(預金準備率)を75bp引き上げた。これは経済成長の信頼感と幅広い物価上昇に波及していくサプライサイドのインフレリスクを反映したものである。しかしながら、経済回復が十分ではなく、性急な引き締めにより経済回復プロセスを損なうと感じられたため、政策金利は変更されなかった。その後の発展は、回復がますます定着していることを示している。一方でインフレ圧力は強調されており、より拡大した物価上昇プロセスに波及していくはずである。直近の鉱工業生産のデータは、民間部門の需要の回復を示唆しており、潜在的にインフレ圧力を増していくことになる。


Anchoring inflation expectations and containing overall inflation have become imperative. Headline WPI inflation on a year-on-year basis at 9.9 per cent in February 2010 has exceeded our baseline projection of 8.5 for end-March 2010 set out in the Third Quarter Review. Year-on-year WPI non-food manufacturing products (weight: 52.2 per cent) inflation, which was negative (-0.4 per cent) in November 2009, turned marginally positive (0.7 per cent) in December 2009 and rose sharply thereafter to 2.8 per cent in January 2010 and further to 4.3 per cent in February 2010. Year-on-year fuel price inflation also surged from (-)0.8 per cent in November 2009 to 5.9 per cent in December 2009, to 6.9 per cent in January 2010 and further to 10.2 per cent in February 2010. With rising demand side pressures, there is risk that WPI inflation may cross double digits in March 2010.

インフレ期待と包括的なインフレの結びつきは必要不可欠となってきている。前年同期のWPI(卸売物価)は2010年2月には前年比9.9%となっており、第3四半期レビューにおける2010年3月末のベースラインの計画である8.5%を超過している。食料除く卸売物価(前年比)については、2009年11月の-0.4%はネガティブで、2009年12月の+0.7%はわずかながらポジティブ、その後2010年1月の+2.8%は急激な伸びとなり、2010年2月はさらに4.3%となっている。前年同期比の燃料価格インフレ率も2009年11月の-0.8%から2009年12月に+5.9%、2010年1月に+6.9%、さらに2010年2月に10.2%に大幅増加している。デマンドサイドの圧力の増加が加わると、卸売物価は2010年3月に2桁に乗せてしまう可能性がある。


To sum up, since the Third Quarter Review in January 2010, while the recovery in growth has proceeded broadly along expected lines, the inflationary pressures have intensified beyond our baseline projection. Even as food prices are showing signs of moderation, they remain elevated. More importantly, the rate of increase in the prices of non-food manufactured goods has accelerated quite sharply. Furthermore, increasing capacity utilisation and rising commodity and energy prices are exerting pressure on overall inflation. Taken together, these factors heighten the risks of supply-side pressures translating into a generalised inflationary process.

まとめると、2010年1月の第3四半期レビューから経済成長の回復は広範囲にわたって期待した線となっているものの、インフレ圧力は我々の計画線を超えて激化している。食料価格に減速の兆候があるものの、上昇し続ける。さらに重要なことは食料除く工業製品の価格の増大率はかなり大幅に加速している。さらに設備稼働率の増大やコモディティやエネルギー価格の上昇は広範囲にわたってインフレ圧力を掛けている。これらは一般的な物価上昇過程として結びつけられたサプライサイドのリスクを高めている要因となっている。


インドの場合は、コモディティ価格などサプライサイドのインフレリスクに加えて民間需要が強く、生産が拡大していることからデマンドサイドでもインフレのバイアスが掛かりやすくなっているという感じなのだろう。インドの卸売物価(WPI)は以下のような推移となっている(出所:Reuters)


WPI


食料や燃料だけならばコストプッシュとしておくこともできるが、それらを除いた工業品の価格が押し上げられていることや設備稼働率の増大などが加わるとデマンドサイドの要因となる。賃金に関する言及はないが、おそらく上昇しているものと思われ、このあたりの動向を見極めながら緩和的な金利から中立的な水準に戻していくといった感じだろう。世界的な利上げサイクルが、資源国から新興国に拡大しており、中国・ブラジルの動向(ロシアはまだ利下げサイクルか?)が気にされるところだろうと思われる。そして今は非伝統的な緩和政策を取っている先進国にも出口戦略への誘惑にかられやすくなっている。緩和政策が続くと思われている英国でも今月のMPC議事録をみるとインフレに警戒感を示しており、アンカー役と目されているBOJも2月の会合の議事録で、「下振れリスクだけでなく、新興国のバブルと商品市況の上振れリスクにも配意する必要がある」と指摘した委員も存在している。この日の白川総裁の会見でも「景気の総括判断は変わっていないが、個別の需要項目をみると全体に幾分上振れ気味に推移している」と述べている。世界経済においてダウンサイドリスクよりもアップサイドリスクが意識されているような感じである。


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