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不可解な米国債急落~不穏なマーケット 

今日の東京株式市場は続伸した。昨日のNY市場は利食い売りや金利上昇懸念から反落したものの、急激な円安を好感して輸出関連に買いが入る展開となった。しかしコモディティ安が警戒されたことやユーロ安、ソブリンリスクが意識され上値は重い展開となった。期末を控え様子見気分も強い相場展開となった。債券市場は米国債急落や2年債入札がやや弱めだったことから売り優勢の展開となった。外為市場ではユーロが乱高下、ユーロドルで1.3281ドルまで売られる場面があったものの、その後急反発している。EU首脳会合が本日から開催されるので、思惑先行といった展開となっている。ドル円は92円台中盤まであったものの輸出の売りに押される展開となった。


昨日からどうもマーケットがおかしい。フィッチ・レーティングスがポルトガルの信用格付けを「AA-」にダウングレード、アウトルックを「ネガティブ」としたことを受け、ユーロが売られ、円が売られる展開となった。18時という時間帯は東京がクローズしてロンドンがオープンするタイミングでやや薄いところの時間帯でもある。ここにまとまった円売りが出されたようだ。その後ロンドンではドル独歩高の様相を見せていた。一方で米国債先物市場(T-Note10Y)ではNY早朝からまとまった売り物が出され、米国債が急落していくような展開となった。以下のチャートは10年債先物の推移(出所:CME)


UST10YF


早朝から相当な投げ売りが入り、5年債入札も以下のような結果だった。


規模:420億ドル程度
最高落札利回り:2.605%(市場予想が2.556%)
応札倍率:2.55倍(昨年9月以来の低水準)
外国中銀を含む間接落札比率(Indirect Bidder):39.7%(昨年7月の入札以来最低)


このような感じとなりかなり低調な結果となった。これを受けて投げ売りが嵩む展開となった。現象面からすればこの入札と、米国金利市場でネガティブ・スワップという現象が起こっていた。以下のチャートは10年物のスワップスプレッドの推移である(出所:Bloomberg)。


SwapSpread


こういった流れを受けアセットスワップロング、すなわち米国債をロングしてスワップをペイ(払い)する向きのアンワインドが一斉に入った。通常スワップ金利はLIBOR金利を基準にするため、リスクプレミアムが上乗せされるのでベンチマークとなる債券利回りよりも金利は高く、変動金利から固定金利に交換する動きが入る。しかし、この金利が逆転する(ネガティブ・スワップと呼ばれる現象)となる場合、このアセットスワップロングの巻き戻しが入る。それゆえ米国債のヘッジのために先物市場が崩れ、利回りが上昇した。それに輪をかけての5年債の低調な入札となったので、投げが投げを呼んだ格好となった。そういった結果から以下のようなイールドカーブとなった。


UST Yield Curve


現象面からすればこのような形となったのだが、背景が不透明である。社債の需要増加から借り手が固定金利から変動金利への交換を進める中でネガティブ・スワップになったという説もあればMBS絡みという説もある。いずれにせよ憶測や観測の域をでない。ネガティブ・スワップになったことでヘッジファンド等のアンワインドが起こったということも観測としてあるようだ。5年債の入札不調に関してはソブリンリスクが意識されたということもあろう。ギリシャ問題が次のヤマ場を迎える中でのポルトガルのダウングレードといった話題からグローバル的に債券市場の地合が悪いということもあるし、2月23日のエントリにもあるように米国債の大量供給による消化難が飽和点に達しつつあるということもあるのかもしれない。これも広範に言えばソブリンリスクということになる。


米国の資金循環の経緯からすれば、金融危機以降Fedによる大規模な流動性供給が行われ、MMFに元本保証がついた時に相当な金額がマネーマーケットに滞留していた。昨年の秋にMMFの元本保証が撤廃され、その資金が米国債に流れていった。しかし、現状のMMF残高は相当減ってきている。2009年1月に3兆9216億ドル程あったが、直近では3兆167億ドルまで減少している。この部分が債券市場に流入しているということになるが、そろそろ飽和点に近づいているのかもしれない。米国におけるMMFは銀行預金と同程度の扱い(元本保証は当たり前)なので換金性が高くなければいけないので短めの財務省証券(T-Bill)やCP、コールローンなどで運用されるため、米国債に流れる資金にも限界があるというは確かなのかもしれない。そうすると海外からの資金頼みとなるが、Indirect Bidderが低くなっている傾向をみるとやや頼りない。昨日の5年債入札では中国が買わなかったという噂が市場で流れているが、日本サイドも期末で動けていない可能性もある。


しかし、ソブリンリスクだけで昨日の米国債の急落を説明づけるのはいささか短略的かもしれない。みずほ証券シニアマーケットアナリストの野地慎氏によれば、「一言で言うと、出口期待だ。Fedは量的緩和で国債、MBSを大量に買い込んでいるので、出口の話になると、短期ゾーンだけでなく、長期ゾーンも影響を受けやすい」(ロイター「クロスマーケットアイ:円安とソブリン・リスク綱引き、上値重い日本株」参照)という解説もあった。これは一考に価することかもしれない。昨日の米国債市場は急落したのだが、中期ゾーンの売られ方が激しいものの、超長期ゾーンはそこまで大きくはなかった。本格的にソブリンリスクが意識されるならば、超長期のゾーンからイールドが立って行くのがセオリー(つまり長い債券ほど保有リスクが高くなるということ)であり、昨日NY時間17時30分時点での30-2年債利回りスプレッドは364bpであり、前日から2bp程度低下している。つまりスティープとはいえない動きとなっている。昨日はFFやレポなどターム物金利はあまり変化がなかったが、2年債も大きく売られていることを勘案するとパラレルシフト(短期金利上昇圧力が長期ゾーンまで波及する)という見方の方が適切なような気もする。短期金利に上昇バイアスが掛かるとすればそれはFedの出口戦略にも絡んでくる、つまり政策金利の影響を受けやすいところの2年債の金利も上昇している、ということで説明づけることも出来なくはない。本日のNY市場は歩積の最終日であり、公定歩合を引き上げやすい日となる。もし今晩のNY市場で短中期ゾーンの金利が上昇し、長期ゾーンがそれ程変わらないならば、Fedの行動を織り込んでいっている可能性も考慮する必要があるだろう。


とにかく、米国の金利は上昇しやすくなってきているということは多分そうなのだろう。今晩は7年債入札があるが、これで消化難だった場合の市場動向を見極めたい。


あと、円安の要因が分からない。金利差があってもリパトリエーションの動きがあるため動きづらいことは確かである。ただあまりにも急激すぎる変動でもあるので、この動きが逆に気になるところかもしれない。未だに良い円安なのか、悪い円安なのか、マニュピレートされた円安なのか、判断がつかない...



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