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日経電子版について少し考察 

マーケットとは少し関係がないが、最近「日経電子版」に関していろいろ論議が交わされているので、個人的にも少し考えてみることにする。


■ファーストインプレッションは「高い」


まず、料金体系を見たときに明らかに「高い」というイメージを持った。他の電子版との料金体系比較は、


Financial Times $18.69/1M(Standard Subscriber)
Wall Street Journal(asia) $1.99/1W
ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版 \1,380/1M(1年購読)
日経新聞電子版 月ぎめプラン\4,000/1M
日経Wプラン(宅配+電子版) \5,383/1M
      (セット版地域) \4,568/1M(全日版地域)


こんなイメージである。料金面からすればWSJが最も割安で、FTが安い、日経が高いという印象である。しかし、日経を紙媒体で朝夕刊(朝・夕刊セット地域は4,383円)取っていた場合、夕刊の購読をやめて電子版に乗り換えれば185円払えばフルアクセス出来る。ここが個人的にはポイントかな?と思った。


■夕刊をやめて電子版に乗り換えるメリット~「スクープ記事」の地域間格差を解消


夕刊をやめて電子版に乗り換える場合のメリットは、どこに住んでいても確実に最終版の記事にアクセスできるということだ。首都圏に住んでいない限り最終版記事をその日の朝に入手することは日経テレコン以外には不可能である(証券会社に口座を作れば無料で読めるが)。日経最終版というのは特別で、いわゆる「スクープ」なのだ。日経のスクープ記事はマーケットを大きく動かすことが多いネタが含まれる。好例としては、先日の日銀会合での追加緩和政策のリーク記事だろう。この記事は最終版のみの掲載だった。M&Aに絡んだネタや金融・財政・通貨政策に関するスクープというものは、首都圏以外に住んでいる方にとっては寝耳に水ということも多いのだ。紙媒体であるがゆえ、情報の地域格差があったのだが、ここまでネットが発達しているわけだから、この解消につながると考える読者がいれば、それなりにニーズはあろうし、意義はある。スクープの頻度は多くはないが、185円を追加して払えば見落とすリスクが解消される。


夕刊に掲載される記事というのは、実はかなり鮮度が落ちている。夕刊に載る記事というのはその日の朝刊の最終版に間に合わなかったネタなのだ。だからNY市場の中盤以降に起こった米国の出来事というのはその日の午前中に消化し終わる。夕刊が手元に届く時間帯はそれぞれ異なるのだが、ネットがこれだけ普及すれば朝刊の締め切り直後の米国の出来事を夕方になって知るということはまずありえない。例えばFOMC声明文の和訳は夕刊に掲載されるが、ロイターやBloombergのサイトにアクセスすれば遅くとも6時くらいに掲載されている。他にも米国の議会で決められた結果や何らかの事件・イベントなども夕刊が手元に届く時間より前に知ることが容易にできる。


■情報の鮮度とDepth


とはいえ、海外で起こった情報(今ではドメの情報も、かもしれない)に関して鮮度からすれば、


英語圏の通信社・ベンダー
日本語圏の通信社・ベンダー(ヘッドライン)
FTやWSJなど英語圏の新聞の電子版
日本語圏の通信社・ベンダー(Update記事・解説記事)
日経(紙媒体)


の順なのだ。英語圏の通信社・ベンダーは速報をヘッドラインで端末に流すことが仕事なので、秒以下単位の世界の勝負となる。NY時間の8時30分00秒--に発表される経済指標は確実に速報が命であり、1秒遅れたらアウトの世界なのだ。それ故膨大なマネーが動くマーケットでは、そのようなツールが絶対不可欠だし、それが高価だとしても費用対効果があるからペイする。情報ベンダーは様々なマーケットデータや経済指標をカバーしておりそれゆえ重宝される。


FTやWSJはそういうところからやや離れている。読者層もマーケットの最前線に身を置く人ばかりではないのであり、必ずしも速報が必要でないのだから、そういったベンダーが流しきれないDepth、つまり深層に迫ろうとする。さらに英語圏だから情報の鮮度が落ちていない。そして、情報ベンダーのUpdate2記事に迫るくらいのスピードで解説記事やDepthを入れるくらいになってきている。さらにFTやWSJはスクープや要人インタビューや寄稿(ジョージ・ソロスなどの大物投資家やハーバード大学ファガーソン教授などの著名な学者、さらには大物政策当局者など)がベンダーよりも圧倒的に多いので、時にこちらが情報源としてベンダーのヘッドラインから流れることも多くある。さらにリークもあれば、観測気球をいくらでも打ち上げる。Fedなど金融・財政・通貨政策やM&Aなどのリークネタ(時に書かせ記事)は日経以上に激しい。そして日本のM&AやスクープもFTやWSJから流れてくることもチラホラあるくらいである。最近の例で言えば、ソニーが京セラにLCDディスプレイの工場を売却するというニュースはFTがスクープとして東京市場がまだオープンしている14時過ぎ(ロンドン時間の6時7分)に出した("Sony and Toshiba sell factories to Taiwanese"参照、日付に注目)。日経などの他のメディアは適時開示情報を受けて追随するくらいしか出来なかった。


従って、ネット時代のニュースの配信の仕方を考えると、日経電子版はどこまでいち早くDepthに迫れるか?これが電子版マーケティング戦略で問われるところなのではないかと思われる。


■欧米ではBlogと新聞の融合はすでにスタンダード


これは以前放送されたNHKの「激震 マスメディア ~テレビ・新聞の未来~」というテレビ番組で新聞とネットの融合について欧米の最新の情勢に関して討議されていなかったことなのだが、実はFTやNYTはすでに複数のBlogを展開しており、チームを組んで編成している。マーケット関係で超人気なのが"FT alphaville"や"NYT DealBook"など。圧倒的なエントリ数も人気を呼んでいるのだが、実は新聞社の一方的な情報提供ではなく、投資クラスタの有力ブロガーと提携し、横のつながりを重視している。alphavilleではロンドン時間の朝方に"Further reading"というエントリを載せており、記者が金融関係のジャーナリスト及び金融系ブロガーの注目すべきエントリを紹介している。従って欧米の新聞系メディアは活発にブロガーと交流しあっているのだ。新聞は新聞、BlogはBlogという線引きといった日本の論調はもはや時代遅れのような感じさえする。


■個人的雑感


個人的雑感からすれば、FTもしくはWSJ(日本語版ではない)に有料アカウントを持つというのもそれなりに有効ではないかと思われる。英語の勉強代として10-20ドルくらいの教材だと割り切ればかなりお買い得なのではないかとも思ったりする。書店に売っている英語のテキストよりも、動いているマーケットをネタとした生の英語なのだから英語学習にははるかに効果的だと思う。個人的にはマクロ関係の話題が多いからFTにバイアスがかかるが、米国の政治経済情勢や株式の情報はWSJの方が豊富である。もともとマーケット関係にはあまり強くないNYTも若手のホープ、アンドリュー・ソルキン氏を中心に激しく経済・マーケットネタでこの2紙に追い上げを図っている。


日経の4月3日の朝刊5面にFTのコラムが邦訳で掲載されているが、あの記事は3月31日付けなので、もはやグローバルでは誰もが知っているネタなのだ。ちょっとそのあたりが遅すぎるきらいがある。日本のメディアはもっと速くそういった海外論調を流すべきだろう。FTやWSJのコラムはグローバル経済の論調を1日で形成する力を持っている。それに対して4日ディレイで新聞に掲載するというのはかなり遅すぎるのだ。


いろいろ考えていくと、日経電子版にカネを払うというのはやや後ろ向き、海外のメディアにカネを払うというのはかなり前向きな気がしている


参考記事 JBpress 新聞の電子化、課金で攻めるFTに不況なし


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