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金利週間(2)~FOMC議事録における「認識」とBOJの「メッセージ」 

今日の東京株式市場は小反発となった。ハイテク株など全般相場を牽引したリード役が利食い売りに沈むなどするが、メガバンクなど出遅れているTOPIX型に買いが入る展開となった。TOPIX先物は一時1,000ポイントの大台を付ける場面があった。債券市場は続落した。朝方は米国債券高から買い戻しを誘ったものの日銀会合を受けて売る向きも一部あったようだ。


円債先物の日中足

JGBF


外為市場では10時以降にクロス円主導で円安に傾く場面もあったが、94円台では上値が重い展開となっている。ユーロは弱含みの展開だったが、欧州時間に入りショートカバーが先行している。


今週は金利週間なので、本日はFOMC議事録における勘違いを指摘しておくのと、日銀会合を受けての見解を示しておきたい。まず、FOMCであるが、ベンダーや市場関係者の見方は「インフレ率が低下しており、この状況が今後数カ月続く可能性があるため、過去最低水準にある政策金利を必要に迫られることはない」(Bloomberg記事参照)という捉え方が大勢である。確かにこの見方はFOMC議事録の後半部分の要約であり、そういう理解がなされるのは仕方が無いだろう。しかし、重要なのは"for an extended period"という文言の取り扱い、すなわちFF金利を0-0.25%に抑えるための時間軸政策の取り扱い("Committee Policy Action")ではなく、冒頭の出口戦略に関するスキームに関する部分である("Developments in Financial Markets and the Federal Reserve's Balance Sheet"という節)。FOMC声明文全文はFedのサイト参照。冒頭の節の部分で重要なのが、以下の箇所。


In addition, the Manager reported on recent progress in the development of reserve draining tools, including the initiation of a program for expanding the set of counterparties in conducting reverse repurchase agreements, and the staff gave a presentation on potential approaches for tightening the link between short-term market interest rates and the interest rate paid on reserve balances held at the Federal Reserve Banks.

(抄訳)追記すれば、マネージャ(ブライアン・サック氏)は、準備預金の現先契約を行う上で、カウンターパーティの設定拡大のためのプログラムの拡大を含む、直近の資金吸収スキームの開発の過程を説明した。そして、ターム物の市場金利と連銀が保有している(超過)準備に金利を付与することとの間の結びつきについて、金融引き締めの潜在的なアプローチに関するプレゼンテーションを提示した。


The staff also briefed the Committee on potential approaches for managing the Treasury securities held by the Federal Reserve. To date, the Desk had been reinvesting all maturing Treasury securities by exchanging those holdings for newly issued Treasury securities, but an alternative strategy would be to allow some or all of those Treasury securities to mature without reinvestment. Redeeming all of its maturing Treasury holdings would significantly reduce the size of the Federal Reserve's balance sheet over coming years and hence could be helpful in limiting the need to use other reserve draining tools such as reverse repurchase agreements and term deposits.

スタッフはFedが保有している財務省証券の管理に関する潜在的なアプローチを提示した。オペレーションデスクでは償還を迎えた財務省証券については新発債を保有することで再投資を行っているが、代替的な戦略として一部または全てのそれらの財務省証券を再投資しないことも容認するということである。財務省証券償還戦略は、Fedのバランスシートの規模を縮小する時に、リバースレポやTDFなどといった資金吸収手法の使用を制限させることが出来る、とのこと。


まず超過準備に金利を付与する(IOER)ことで市場金利を操作することが出来るとしている。この戦略はオーバーナイト金利(FF金利)から上げて行くのではなく、ターム金利から上昇させて行くといった感じなのだろう。そしてその後にFF金利の操作をしていきながら中立的な金融政策に戻していくというイメージだろう。さらにリバースレポ(現先売りオペ)やTDFなどの資金吸収手段は金利に余計なバイアスを掛ける可能性もあるため、これらのツールを使用することはあまり積極的ではなく、財務省証券の償還によりバランスシートを減らして行くといった感じとなる。この点は慎重な出口戦略というイメージにも取れる。しかし、Fedのバランスシートを償却のみで圧縮するのは気の遠い話のような感じもするが。以下の図はFedのバランスシートとマネタリーベースの推移(出所:Fed)。


Fed_Balancesheet


あと、"for an extended period"という文言に関しては"Committee Policy Action"という節で、


such forward guidance would not limit the Committee's ability to commence monetary policy tightening promptly

(このような見通しの提示は)、迅速に金融引締めを開始するFOMCの能力を制限しない


としており、この時間軸政策をとるために必要な3条件である、


・low levels of resource utilization(低レベルの資源活用)
・subdued inflation trends(インフレ抑制の傾向)
・stable inflation expectations(安定したインフレ期待)


このうちの一つでも条件を満たせなくなった場合はこの時間軸政策を変更させ、市場に一気に利上げを織り込ませるということでもある。この点は特段インパクトはない。


次に日銀。3月の会合からステートメントで変更された箇所は以下の通り(全文は日銀のサイトを参照/pdf)。


・「わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。」→わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、海外経済の改善や各種対策の効果などから、持ち直しを続けている。」

・「すなわち、内外の在庫調整の進捗や海外経済の改善、とりわけ新興国経済の強まりなどを背景に、輸出や生産は増加を続けている。」→「すなわち、新興国経済の高成長などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。」

・企業の景況感は引き続き改善している。←短観を受けて追記

・「この間、金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが続いている。」→「この間、金融環境をみると、厳しさを残しつつも、緩和方向の動きが強まっている。」

・「先行きの中心的な見通しとしては、2010 年度半ば頃までは、わが国経済の持ち直しのペースは緩やかなものに止まる可能性が高い。」→「先行きの中心的な見通しとしては、当面、我が国経済の持ち直しのペースは緩やかなものとなる可能性が高い。」

・「2010 年度より実施される公立高校授業料の実質無償化等により、制度変更後1年間は、消費者物価指数の前年比が大きく変動することとなる。物価の基調的な動きを判断する上では、こうした制度変更に伴う1年限りの前年比変動要因を、取り除いてみることが適当である。」←注記に追加


短観を受けて基調判断を上方修正してきた。特に企業金融は「緩和方向の動きが強まっている」わけなのだから、この点は日銀短観の資金繰り判断DIが全産業で昨年の3月の-15から-5に10ポイントも改善しているし、この資金繰り対策のために企業支援特別オペ(→固定金利・共通担保オペ(新オペ)に統合)を行っており、経緯からすれば、この政策は世界的な流動性危機における資金繰り対策に対するオペが発端で、いつの間にかデフレ対策に刷り変わっている。従って、一部で流されている30日の緩和強化観測に対して、その本来的な利用目的からすればすでにビジビリティを失っているようにも思われる。白川総裁会見でも、企業金融について「先月と比べると一段と改善が進み、緩和方向の動きが強まっている」と評価し前回の会合で追加緩和に踏み切ったことを踏まえ、「日銀の政策の効果もあって、ターム物金利が弱含んでいるほか、企業の資金調達コストも低下傾向が続いている。社債、コマーシャル・ペーパー市場では良好な発行環境が続いており、低格付け社債の発行環境にも改善の動きがみられている」と指摘しており、今後追加緩和を行うにはそれなりの説明が求められるだろう。さらにいえば景況感についても「景気持ち直しの持続傾向が、より明らかになってきたことを踏まえて、先月から一歩判断を進めた」と語っており、二番底に対する懸念も薄れていると発言している。つまり、先日も書いたように、基調判断を上方修正した以上、緩和強化への説明が出来なくなっている。


もし、追加緩和が行われるとすれば、30日発表の展望リポートにおいて、高校授業料無料化における効果を排除した物価見通しが前回のものよりも弱いものとなり、その蓋然性が強まった場合だろう。無論、これに政治的な要素が加わるので、いくらでも外野から観測気球を書かせ、シナリオが作られていくのだろう。まさか、高校授業料無料化における効果でCPIが押し下げられるので、それをサポートすべく追加緩和を行うべし、というロジックもしくはムードが形成され、圧力を掛けないだろうな?と心配にはなるが(FT money-supplyの"Ignore extra deflation, says the Bank of Japan"というエントリに同様の指摘)。


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