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中央銀行のバランスシート膨張について 

今日の東京株式市場は反落した。人民元切り上げの行方やギリシャ短期債入札の結果を控え手がけづらい中、売り物優勢の展開となっていった。低位材料株が物色されるなどしており極めて質の悪い相場付きといえるのかもしれない。債券市場は反発した。30年債入札は低調だったものの米国金利が落ち着きをみせていることから買い戻しを急いだ格好だった。外為市場は夕刻民主党の有志議員が円相場を1ドル=120円前後を目安に適切な水準に保つよう努力するとの提言をまとめたということから93円台中盤までドル円相場は押し上げられた。


今日は少し雑感で愚痴っぽくなるのかもしれないが、参院財政金融委員会での日銀白川総裁とのやりとりで思ったことを述べたい。与党議員からデフレ脱却のため日銀が多様な資産を買い入れるべきではとの質問が飛んだ(参議院動画サイトロイター記事参照)のだが、白川総裁は、「現在の状況だと不動産や関連証券、株の買い取りは慎重に考えるべき」と応えるに留めた。日本国債がデフォルトする場合に備え資産の多様化を図るべきとの問いに対して、山口広秀副総裁が「日銀の財務健全性は重要であり、現状で資産の多様化優先は考えていない」と否定的な見方を示したという。


個人的に中央銀行が株式や不動産などのアセットを買い入れるときというのは、流動性危機もしくは金融システム危機が起き、クラッシュが起きる懸念がある時、つまり非常事態以外には行うべきではないというスタンスなので、デフレなので資産効果を上げて脱却しようとするためにそういったものを買い上げるべきではないと考える(本来ならば銀行の株式持ち合いという制度はなくした方が望ましいし、通常の好不況時と恐慌時の政策対応は分けて考える必要がある)。具体的に、株価が11,000円台というのは超長期的に見ればレンジの範囲内だろうし、特段この株価で銀行のバランスシートがおかしくなり、流動性危機が起きてソルベンシー能力が著しく低下するといった状況なのか?ということだろう。よくこういった主張をする人達が使うのは「FedやBOEのようにすべき」として資産を大量に買い上げ、マネタリーベースを拡大させよ、という論法だ。


Fedが「デフレ対策」としてMBSや米国債を買ったというのはおそらく事実誤認だろう。Fedが一連の流動化策をとったのはあくまでも市場安定による銀行システムの維持が目的であり、それ以上の狙いはそんなに大きくはない、というのが市場の大方の見方だと思われる。MBSを買い入れたのは、その市場の流動性が無いが故に米国債とのスプレッドがワイド化して価格が大きく下がってしまい多額の評価損を抱えること、つまり危機時に金融機関のバランスシートがさらに毀損して第2第3のリーマンを生み出さないようにするための苦肉の策だった。米国債にしても昨年の3月に買い入れたのは、指標となる米国債の金利を押さえ込んで社債なりモーゲージの金利を低め誘導、スプレッド低下を促して民間の資金繰りを含めた金融システムの包括的な維持を図ろうとしたわけである(以下のグラフは米10年債-トリプルB格社債スプレッド、出所:Fed)。


CB-Spread



大量のアセットを抱え込んで金利を押さえ込んだ結果、Fedにとって何が悩みになっているのか?といえば、如何にしてこの膨らんだバランスシートを元に戻せばよいのか?ということだろう。バランスシートが膨らみ、マネタリーベースが拡大している中で、(米国は日本のようにデフレとは言えないので)信用創造が一旦起きればたちまちバブルが起きてしまう懸念がある。バブルが起きるまでの時間軸こそが早期利上げ派と慎重派の対立点なので、このバランスシートの肥大化を何時までも放置しようと考えるセントラルバンカーはおそらく少数派だろう。「ハト派」と自認するミネアポリス連銀コチャラコタ総裁の発言にもそういった悩みが浮き彫りに出ている。以下はミネアポリス連銀コチャラコタ総裁の"Economic Recovery and Balance Sheet Normalization"というスピーチの原稿(PDF)。


So, the passive approach is a slow approach that will leave the Federal Reserve holding significant amounts of MBSs for many years to come. If the Federal Reserve wants to normalize its balance sheet in the next five, 10, or even 20 years, it needs to supplement the passive approach with an active one. In plain English, it will have to sell mortgage-backed securities.

消極的なアプローチというのもはFedが持っている膨大な量のMBSをかなりの時間をかけて手放して行くというスローなアプローチとなるだろう。もしFedが5年、10年、あるいは20年掛けてバランスシートの正常化を行いたいと思うのであれば、消極的なアプローチに積極的なアプローチを補完する必要がある。平たく言えばMBSを売却するべきだということだ。


To pick one of many possible plans, suppose we were to commit to the public to sell 15 billion to 25 billion dollars worth per month of MBSs. This path of sales, combined with prepayments, would get the Federal Reserve out of MBSs within five years after the start of selling. The plan would also return the Federal Reserve’s balance sheet to a normal size, so that excess reserves would be normalized at their 2007 levels well before the end of the five-year period. Just as important, I feel confident that this pace of sales would be sufficiently slow that it would have little or no impact on MBS prices and long-term interest rates.

積極的な方法(MBSの売却)、すなわち我々が想定しているところでは、今後売却を開始してから5年間、前払方式を使って15-25億ドルのMBSを毎月公開市場で売ることになる。この計画はFedのバランスシートを正常化させることは、5年以内に2007年のレベルにまで超過準備を正常化させるということでもある。しかし、大事なことはこれらを売る際、MBSや長期金利に必要最低限しか与えず、もしくはノーインパクトな形で非常にゆっくりとやっていかなければならない。


肥大化させたバランスシートを如何に抜いていくかというのはとても難しい。日銀も量的緩和解除時に長短国債を減らしたが(共通担保に移行)、それでも2000年代前半に買い取った株式などはあまり減っておらず、塩漬けになったままである。それも2009年2月の株安の際、さらに枠を拡大させたので思うようには減らない。MBSも同様に難しく、エージェンシー債合わせて1兆4000億ドルを抱えているので、これを市場に吐き出すのは容易いことではなく、市場を潰してしまう危険性の方が大きい。現先売りオペで回していきながら償還していき、時間をかけながら資産を減らしていくしかない。


当然景気が回復して物価も上昇していくならば、出口戦略としてこれらの資産を減らしていかなければならない。MBSはまだ償還で減らしていくことができるが、ましてや株式や不動産など満期の無い金融資産を市場インパクトを与えるほど大量に保有すると後々厄介なことになるのだろう。仮に資産を買い上げた結果デフレから脱出出来たとしても、もう市場ではバブルの真っ最中であり、出口戦略をとらなければいけないと気づいたときにはもうバブルが崩壊する秒読み段階、そんなパターンを繰り返すというのだろうか?このように安易な市場介入を唱える人たちは共産党の大門議員(参院動画サイトより)ではないが、一層のこと日銀にNYMEXでも東工取でも構わないので原油などコモディティを買い上げることを提案すればよいのではなかろうか?日本の場合、エネルギー価格はCPIに反映されるのですぐにでも物価はプラスに浮上しデフレからインフレに持っていくことが出来るだろう。



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