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デリバティブ規制の真意~ソロスの発言より 

今日の東京株式市場はまちまちとなった。ギリシャ情勢が不安定な中で買いも入らなかったというのが現状のところだろうと思われる。債券市場は続伸した。株安を背景に買いが入り円債先物は6週間ぶりの高値を更新した。外為市場ではギリシャ情勢の不透明さから朝方からユーロ売り優勢となっていたが、夕刻すぎからギリシャ救済の報道が流されると買い戻し優勢となった。


ギリシャの問題に関してはいずれ解決されるべき問題であり、デフォルトを前提として考えているわけではないが、市場では具体的な救済策を催促していたところがあり、ようやく重い腰を上げたという感じで捉えている。CDSスプレッドはウクライナを抜いてしまっており、ファンディングにしてもコストが膨大になってしまうので、このまま無策なうちに終わってしまうというのも現実的ではない。しかし、昨日の"Ring of Fire"ではないが、公的債務と財政赤字を拡大してしまうとこのスパイラルは繰り返されるだろう。肝心なのは2008年の金融危機によってもたらされたこと、すなわち


民間から公的へdebtが移転した


ということを基本線として考えなければいけない。


今日はFTにジョージ・ソロス氏の寄稿があったので、少し考えてみたい。


America must face up to the dangers of derivatives


The US Securities and Exchange Commission’s civil suit against Goldman Sachs will be vigorously contested by the defendant. It is interesting to speculate which side will win; but we will not know the result for months. Irrespective of the eventual outcome, however, the case has far-reaching implications for the financial reform legislation Congress is considering.

(抄訳)SECのゴールドマン・サックスに対する民事訴訟は、被告が積極的に争うことになるだろう。両方のサイドにとってwin-winとなるところが興味深いが、数カ月にわたって結果を知ることはないだろう。しかしながら、最終的な結果に関わらず、このケースは議会で審議される金融規制改革にとって広範囲に影響を及ぼすだろう。


Whether or not Goldman is guilty, the transaction in question clearly had no social benefit. It involved a complex synthetic security derived from existing mortgage-backed securities by cloning them into imaginary units that mimicked the originals. This synthetic collateralised debt obligation did not finance the ownership of any additional homes or allocate capital more efficiently; it merely swelled the volume of mortgage-backed securities that lost value when the housing bubble burst. The primary purpose of the transaction was to generate fees and commissions.

ゴールドマンが有罪であれ無罪であれ、この疑念の取引ははっきりと社会的な利益にはならない。それはオリジナルを模倣した仮想のユニットを増殖させた既存の住宅ローン担保証券をデリバティブ化した複雑な合成担保証券に関わっている。この合成担保証券化された債務契約は、追加住宅の所有権やより効率的に資本を割り当てるためのファイナンスではない。それは住宅バブルが崩壊したときに価値を失ったMBSの量が膨らんだに過ぎない。この取引の主要目的は手数料及びコミッションを生成することだ。


This is a clear demonstration of how derivatives and synthetic securities have been used to create imaginary value out of thin air. More triple A CDOs were created than there were underlying triple A assets. This was done on a large scale in spite of the fact that all of the parties involved were sophisticated investors. The process went on for years and culminated in a crash that caused wealth destruction amounting to trillions of dollars. It cannot be allowed to continue. The use of derivatives and other synthetic instruments must be regulated even if all the parties are sophisticated investors. Ordinary securities must be registered with the SEC before they can be traded. Synthetic securities ought to be similarly registered, although the task could be assigned to a different authority, such as the Commodity Futures Trading Commission.

これは、デリバティブや合成債務証券が、如何にして無いものから架空の価値を生み出すために使われたかを明確に実証したものだった。多くのトリプルAのCDOはトリプルAの資産に基づいて作られた。これは、全てのカウンターパーティは洗練された投資家に関与していたにも関わらず広範囲に行われていた。そのプロセスは数年にもわたって続けられ、数兆ドルにも及ぶ富の破壊によって引き起こされたクラッシュに結実した。この継続を許すことは出来ない。デリバティブや他のシンセティックな道具の使用は、全てのカウンターパーティが洗練された投資家であっても規制されるべきである。通常の証券は取引の前提がSECによる登録を受けたものであるべきだ。合成証券も似たように登録制にして、その業務はCFTCのような異なった機関に割り当てられるべきだろう。


Derivatives can serve many useful purposes, but they also contain hidden dangers. For instance, they can pile up hidden imbalances in supply or demand which may suddenly be revealed when a threshold is breached. This is true of so-called knockout options, used in currency hedging. It was also true of the portfolio insurance programs that caused the New York Stock Exchange’s Black Monday in October 1987. The subsequent introduction of circuit breakers tacitly acknowledged that derivatives can cause discontinuities, but the proper conclusions were not drawn.

デリバティブは多くの有用な目的に役立つが、同時に隠れた危険性も内包している。例えば、それらは需要と供給の隠れたインバランスが積み重なり、均衡点が破壊されたときに突然明らかになる。これらは為替ヘッジに使われる、ノックアウトオプションと呼ばれているものが「真実」なのである。NYSEの1987年10月のブラックマンデーで引き起こされたポートフォリオの保険のプログラムも「真実」なのだ。その後導入されたサーキットブレーカーは、デリバティブが(取引)中断を引き起こすことを暗黙的に知らしめたものの、適切な結論は描かれなかった。


Credit default swaps are particularly suspect. They are supposed to provide insurance against default to bondholders. But because they are freely tradable, they can be used to mount bear raids; in addition to insurance they also provide a licence to kill. Their use ought to be confined to those who have an insurable interest in the bonds of a country or company.

クレジット・デフォルト・スワップは特に疑わしい。CDSは債券保有者にとってデフォルトに対する保険を提供する。しかし、それは取引が自由であるがゆえ、クマの襲撃の山に使われる。保険に加えてCDSは「007の非常なライセンス」も提供する。CDSの使用は国や企業の債券の保険に使う人達に限定すべきである。


It will be the task of regulators to understand derivatives and synthetic securities and refuse to allow their creation if they cannot fully evaluate their systemic risks. That task cannot be left to investors, contrary to the diktats of the market fundamentalist dogma that prevailed until recently.

規制当局はデリバティブや合成証券を理解し、それらのシステミックリスクの完全な評価が出来ないならばそれらの組成を許すべきではない。それらの作業は投資家に委ねるべきでなく、直近まで勝っていた市場原理のドグマの命令に反するべきだろう。


Derivatives traded on exchanges should be registered as a class. Tailor-made derivatives would have to be registered individually, with regulators obliged to understand the risks involved. Registration is laborious and time-consuming, and would discourage the use of over-the-counter derivatives. Tailor-made products could be put together from exchange-traded instruments. This would prevent a recurrence of the abuses which contributed to the 2008 crash.

取引所で取引されるデリバティブはクラスとして登録されるべきだ。テーラーメード・デリバティブは個別に登録されるべきで、規制当局者は理解するべきだろう。登録制は面倒で時間がかかるが、店頭デリバティブの使用を阻止するだろう。テーラーメードな商品は一緒に上場取引の手段からまとめられるべきだろう。これらは2008年のクラッシュを引き起こしたことの再発を防ぐだろう。


Requiring derivatives and synthetic securities to be registered would be simple and effective; yet the legislation currently under consideration contains no such requirement. The Senate Agriculture Committee proposes blocking deposit-taking banks from making markets in swaps. This is an excellent proposal which would go a long way in reducing the interconnectedness of markets and preventing contagion, but it would not regulate derivatives.

登録されたデリバティブや合成証券の必要性は単純かつ効果的である。しかしながら最近の立法府はそのような必要性を考慮していない。上院農林委員会の提案は、預金を取っている銀行がスワップ取引のマーケットメーキングすることを阻止することになる。これは市場の相互作用性の減少と(危機の)拡散防止の長い道における優れた提案であるが、デリバティブを規制したものではない。


The five big banks which serve as marketmakers and account for over 95 per cent of the US’s outstanding over-the-counter transactions are likely to oppose it because it would hit their profits. It is more puzzling that some multinational corporations are also opposed. The only explanation is that tailor-made derivatives can facilitate tax avoidance and manipulation of earnings. These considerations ought not to influence the legislation.

マーケットメーカーであり、米国の店頭取引の95%を超えるアカウントを持つ5つの巨大銀行は利益にダメージを与えるので反対するだろう。いくつかの多国籍企業も反対することも事態を複雑にする。その唯一の説明は、テーラーメード・デリバティブは租税回避や利益の操作を容易にするということだ。これらの考慮は立法に影響を与えることはない。


ソロスは単にデリバティブが嫌いなんだろう、という意味で捉えるべきではない。デリバティブは有用な側面もあるが、システミックリスクを引き起こす道具であるということ、つまり諸刃の剣的な道具として捉えている、と考えるべきだろう。彼の考慮は2008年のクラッシュが起こったことの反省ではなく、デリバティブが持つ構造上の欠陥を指摘している。さらに、この寄稿の背景にはCDSがギリシャに様々な悪影響を及ぼしているという現在の状況を射程に入れているようにも思われる。


しかし、この寄稿に関する判断は難しい。レッセフェール的な発想とプルーデンスはしばしば対立する。但し、デリバティブが引き起こすマーケットの負のインパクトについては十分論議を尽くすべきだろうと思われる。CDSに関してはいろいろ論議があっても良い。但し、米財務省がAIGを救済したときに「国民の税金」が事実上ゴールドマンに流れたことから、当局にとってCDSに対する規制は感情論に流されるきらいがある。しかし、CDSのメリットと副作用はもっと広範囲に考慮されるべきだろう。


追記すると、CDSに関してインシュランスの目的に制限した場合、ネイキッドCDSはともかくとして債券とのアーブも禁止することだとするのであれば、それはCDSの使い勝手を大きく悪くすることになる。ネイキッドの存在はCDSマーケットに流動性を与えることになるという議論も踏まえなければいけないとも思う。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: 銀行規制  ソロス  ソブリンリスク  デリバティブ 
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