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"Greedily Hunters" will be seeking the Next "Greece", so Governors have heavy responsibility for them. 

今日の東京市場は株式が急反落、債券が大幅上昇、外為はもみ合いの展開となった。株式市場ではS&Pがギリシャのソブリン格付けを「ダブルBプラス」、アウトルックを「ネガティブ」、すなわちジャンク等級にしたことから世界的な株安となったことを受けて朝方から裁定解消売りに押される展開となったものの、その後は買い戻しの動きとなり下値を売りたたく動きは限定的となった。円債市場は"fly to quality"から買われ、JGB10年金利は1.3%を割り込んだ。外為市場は昨晩のNY市場でユーロが大きく売られたが、東京時間ではそれ程の動意には至っていない。ドル円も売りで反応したものの、FOMCを前に金利差拡大思惑から下値も限られている。


S&Pがギリシャをジャンク等級に格下げした。また、ポルトガルも2ノッチの格下げとなった。これを受けてソブリンリスクが一気に高まる展開となってきている。ギリシャそのものがトリガーを引くシステミックリスクへの懸念とソブリンリスクの拡散がある。現在のギリシャにとって、特に前者の懸念が強い。短期金利の利回りの急上昇に伴ない、ソブリンの流動性が乏しくなってきている。ギリシャのイールドカーブは以下のような形状である(JST16時時点/出所:Bloombergのデータより)。

Greece YieldCurve


2年債の利回りが18%を超えている。10年債利回り以上に短期金利が跳ね上がっている。ターム物にしても6カ月物が7%を超えるような状況なので、もはや借り換えコストが急拡大しており、先週末にIMFとEUでコミットされた救済策は焼け石に水に終わってしまう。昨日のFTの"IMF looks at offering Greece more cash"という記事には早速支援額の積増を示唆している。


The International Monetary Fund is looking at raising its share of Greece's financial rescue package by E10bn ($13.2bn) amid fears that the planned E45bn bail-out will fail to prevent the country’s debt crisis from spiralling out of control.

(抄訳)IMFは、450億ユーロの救済プランが、コントロールが効かないスパイラルから国家債務危機を防ぎきれないのではないかとの懸念の中で、100億ユーロのギリシャ救済パッケージ枠を引き上げようとしている。


Investors and policy specialists said expectations of the size of the three-year package in Washington had increased to at least E70bn. The EU has so far proposed to provide E30bn and the IMF E15bn. “The fund’s current ceiling for Greece is E25bn and the release of the extra amount is under discussion,” the analyst said. The IMF declined to comment.

投資家や政策の専門家は、ワシントンでの3年パッケージの枠は700億ユーロ(もともと先週の金曜日ではEUは300億ユーロ、IMFは150億ユーロを融資)に拡大されるだろうと期待している。IMFの現状のギリシャに対するシーリングでは250億ドルになり、追加額に関するリリースは水面下で討論されている、とアナリストは指摘している。IMFはコメントを拒否している。


つまり、コストが一気に増大するのは、短期金利の高騰が主因であるが、これはギリシャやEU諸国に対して投資家の信頼感の喪失の裏返しというべきものだろう。いわば、EUにしてもIMFにしても、マーケットから信頼感が失われれば、もはや金利市場をマニュピレートすることは出来ない。"Greedily Hunter"は確かにスペキュレーションによって国家を苦しめているという構図が政策当局者の頭の中にあるが、これらの存在が発行体にとって有益になるのも脅威になるのもガバナンス次第であろう(この点はThe Economistのブログのエントリ"You say speculator, I say investor"で指摘されている)。


投資家がギリシャに信頼感を持っていれば、流動性も潤沢であり、リスク基調を強めている金融市場の環境下でこのような金利にはまずならないだろう。最終的には株式でも債券でも安定した値をキープするためには発行者側の信用が肝心である。特にワシントン以降のギリシャ国債の利回りの急騰は明らかに「ボールを受け取った側」のEUサイドに落ち度があったと思われる。メルケル首相の対ギリシャ支援についての発言がここまで事態を悪化させているのは自明だろう(ロイター記事参照)。


「(支援に向け)一段の緊縮財政措置とともにギリシャのプラスの進展が必要」とし、「適切な条件が満たされればドイツは支援を行う。ドイツはユーロ安定に向け大きな責務を感じている」



として支援の前に緊縮財政に対するコミットをすべきとしている。5月19日にまでに85億ユーロの債務を償還しなければならない。それまでに残された時間はもうなくなってきている。さらに、ギリシャがソブリン版リーマンになる(Bloomberg記事参照)、という主張があるが、これはある意味で正しい。仮にギリシャのデフォルトが現実化していく時点でギリシャ国債をエクスポーズしている銀行に対するカウンターパーティリスクが次第に意識されていく可能性がある。S&Pに続き、残りの2社もジャンク等級に格下げし、ECBの適格担保から外れた場合、ギリシャ国債を大量に保有している銀行は、このようなカウンターパーティリスクからたちまち流動性不足になる危険性も残る。それが欧州金融のシステミックリスクに発展する可能性があり、極めて深刻な状況に陥る可能性もある。従って政策当局者は金融危機の防止のために何としても有効な手段を見出さなければならないのだろう。それこそ最終的には禁じ手であるが、ECBによるギリシャ国債買い入れを実施するところにまで追い込まれる可能性も否定できない。今は各国中銀のマクロ政策によって、流動性が潤沢に確保されているため喫緊に危機に陥るということではないが、ここのところユーロ建てのLIBOR金利がやや上昇してきている。こういったところの金利の状況を今後定点観測的に注視していかなければならないのだろう(ユーロLIBOR3カ月物/出所:Bloomberg)。

EUR LIBOR


そして"Greedily Hunter"は次のギリシャを探しに行くことになるのだろうが、当局者の対応が後手後手に回ると負のスパイラルに陥っていくだろう。負の連鎖はどこかで断ち切らなけれならないだろう。むしろ"Greedily Hunter"は昨年まで利回りの高さからPIIGSの国債を買ってきたわけであり、ファンディングの一助となってきたが、今やその国家への信用が失墜してしまっている以上、彼らを落ち着かせることは難しくなってきている。それが拡散する時期に来ているという意味で、昨日のポルトガルのダウングレードは象徴的な出来事なのかもしれない。



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タグ: ソブリンリスク  ユーロ  金利  ECB 
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