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GW中の金融市場(4/30-5/4)~ソブリンリスクと新興国の動向 

GW中の金融市場はかなりボラタイルな展開となっていた。4月30日のNY市場では、ゴールドマン・サックスへの刑事事件立件に動いているとのことから金融セクター中心に下落した。しかし5月3日のNY市場では米ISM製造業景気指数で堅調な景況感が示されたことから急反発したものの、5月4日にはソブリンリスクを背景に大幅下落するような展開となっている。今回の乱高下のベース、特に4日の世界的な株安の背景となっているものは(1)ソブリンリスク、(2)新興国経済の行方ということになる。


(1)ソブリンリスク


ソブリンリスクに関しては5月2日にギリシャがEUとIMFによる3年間で総額1100億ユーロの支援条件を受け入れることとなった。さらに300億ユーロ規模の財政再建策で合意した。ECBもギリシャ国債に関しては格付関係なく適格担保として認めている。しかし、市場ではこれを好感する時間帯は極めて短かった。CDSに関しては一旦ワイドニングが収まったものの、それ程タイトニングすることも無い。以下のグラフはソブリンCDSの推移(出所:Reuters)。


Sovereign CDS


現状のソブリンリスクの焦点はシステミックリスクに発展する可能性が浮上してきているということだろう。財政危機というニュアンスで捉えるのではなく、ギリシャなどの財政の悪化が著しい国債のエクスポージャーを持つ銀行に対する信用面での懸念が浮上してきており、ギリシャだけでなく、複数の欧州の金融機関は流動性不足に陥っている可能性がある。それを懸念してマクロヘッジ的なソブリンCDSプロテクションの買いが入っているだけでなく、欧州のいくつかの金融機関にもプロテクションの買いが入っている。ギリシャの銀行のCDSスプレッドの推移は以下の通り(出所:CMA DataVision/FT)


Greece banks CDS


さらに飛び火が懸念されるポルトガルのCDSスプレッドの推移(出所:CMA Datavision/FT)。


Portuguese banks CDS


こういう段階に入ったからこそ例え格付機関がソブリン債をジャンク等級に引き下げても適格担保としてECBが引き受けることになったのだが、それでもカウンターパーティリスクでCDSのプロテクションの買いが入っているとすると、これを沈静化させるには、最終的にECBがいわゆる「悪魔のカード」というべき国債買い切りを実行することだろう。この場合のECBの国債買い切りというのは、ECBが各金融機関のエクスポージャーから当該ソブリン債を買い入れ、銀行に流動性付与するというスキームになる。決して実現可能性は高くないシナリオだと思われるが、流動性不足が深刻になった場合、このようなカードを切るという選択肢は十分考えうる。確かに中銀負債に銀行券(ユーロ)が増加するので単純にインフレを招く危険性もあるが、流動性危機時にはリクイディティ・トラップに陥っており、もしそうと仮定すればこういった資金はインターバンク内、もしくは(付利)準備預金に滞留する可能性もある。但し、ギリシャでこの手を使ってしまうと今後ポルトガルなどに波及した場合、歯止めが効かなくなることも想定されるのでなかなかカードを切ってこないものと思われる。さらにこのような事態に発展すればそれはECB(ブンデスバンク)の歴史からして致命的なエラーとなるリスクも抱えているのでなかなか積極的には動けないだろう。


なお、ギリシャのデフォルトを喧伝している人がいるが、金融市場安定化のためにはあまり得策ではないような気がする。


(2)新興国に関する懸念


さらに4日のNY市場を俯瞰すると、商品市況が総崩れ、資源株が軒並み急落となっている。このことについてソブリンリスクだけで話を片付けてしまうのは不足だろう。やはり新興国の動向を考慮に入れていかなければならない。これは4月17日のエントリで触れたとおりで、新興国で金融引き締め(中国は預金準備率・不動産融資・取引規制)が実施され、それによって景気減速懸念が浮上してくるというのは、利上げサイクル初期(中間反落)のマーケットの特徴ともいえる。特に上海市場では(これも金融引き締めの一環だが)ICBCと中国銀行が大規模増資に踏み切るのだから、株式需給悪化懸念から下落してきた。それゆえ本日の前場まで上海指数は下げてきたが、この2行の資本調達計画として株式と転換社債からライツイシュー(株主割当増資)にするのではないかとの一部の報道(ロイター「中国工商銀行と中国銀行、資金調達計画を変更=現地紙」参照)もあってなのか、買い戻されている。


但し、RBAの利上げ打ち止めが新興国経済の減速懸念を反映してという形に捉えられている向きがあるようだが、それはいささか拙速な判断だろう。当局は声明で、


The Board expects that, as a result of today’s decision, rates for most borrowers will be around average levels.

本日の決定の結果、多くの借り手の金利は平均レベル近辺になっていくことを期待している。


といっているが、この場合の"average levels"とは、利下げサイクルが始まる前の金利である2008年5月の7.25%から直近の金利(4.5%)までの平均の金利は4.557%なのでそのあたりが中立的な金利水準であればそこで一旦打ち止めということになるが、市場ではさらなる金利水準を見越していたところだったので梯子が外されてしまったという感じなのだろう。RBAの利上げ打ち止めをもって新興国経済が減速するリスクとしてみるのはやや難有りという感じがする。もしインフレがアップサイドに振れていくようであればさらなる引き締めも考慮に入れなければならないだろう。


さらにいえば今週末の雇用統計の数字如何によってはFedの出口戦略への思惑も立ってくる。カナダも含めて世界的に金融緩和期から中立期へフェーズが変わっていることを認識しておかなければならないという感じがする。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: ソブリンリスク  ユーロ  新興国  マーケット  RBA   
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