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ECBの国債買い入れは量的緩和に陥るのか? 

今日の東京市場は株式はまちまち、債券は上昇、外為は円安に振れている。株式市場では朝方は買い先行も、モルガン・スタンレーが米司法省から調査を受けているとの報道や上海市場が軟調だったことから値を消していく展開となった。円債市場は株安から買い優勢となった。外為市場では独GDPを受けてユーロが買われている。


ECBの国債買い入れについては量的緩和(Quantitative Easing)に転げ落ちていくのではないか、と市場ではいわれているようだ。個人的には信用緩和(Credit Easing)に近いものというように捉えてきており、ECB内部でもそのような方針であることは先日のステートメントでも述べられている。しかし現状はなしくずしに非不胎化になってしまうのではないかという声が大きくなっている。


FT alphavilleの"The slippery slope to non-sterilisation"(なし崩し的に非不胎化に陥っていく)より。


以下はエントリの内容の要約



まず、ECBの国債買い入れは他の中央銀行が行った量的緩和政策とは異なっており、非不胎化によりマネーサプライに影響を及ぼさないとしている。いわば量的緩和に対して「質的緩和(qualitative easing)」というべきだろう。


しかし、FT Aplhavilleでは以前2008年の金融危機の際、中央銀行の「質的政策」は、なし崩し的に量的緩和となってしまった。FedやBOEは不胎化した資産買い入れを非伝統的金融政策として行うことに踏み出した。Fedのバランスシートは2008年9月以降膨張した。Fedにとって困難だったのは、超過準備がSFP(補完的資金調達プログラム)を実施してしまったため、非不胎化率を上回ってしまった(SFPはFedが経営悪化の金融機関を救済するための資金調達手段として特別買い入れプログラムとして設定された)。そして2008年11月にSFPが終了し、非不胎化である量的緩和政策に足を踏み入れてしまった。しかしながらこの時、まだFedは超過準備預金の不胎化オペが出来る状況であったが、超過準備は平均70億ドルから1兆ドルにまで拡大してしまった。その間巨額の不胎化を実施したにも関わらず、それ以上に超過準備は増えてしまった。そして(最終的に)FedはFF金利をゼロとしてしまったので、金融政策のコントロールを失ってしまった。超過準備預金は銀行にとって他の誰にも資金を貸し出さないことを意味する、すなわちリクイディティ・トラップと呼ぶべき現象に陥ってしまった。そして3月以降債券を買い入れてしまった。


QE of Fed


ECBに立ち戻ると、FT Alphavilleが非不胎化になし崩し的に陥ってしまうと考えるのは、スペイン連銀のオルドネス総裁の以下のような発言からだった。


MADRID -(Dow Jones)- The European Central Bank will decide on how to sterilize its bond purchases in the coming weeks, governing council member Miguel Angel Fernandez Ordonez said Tuesday.

“There are thousands of ways to do it,” he told journalists on the sidelines of a conference.

(DJより)今後数週間以内に国債買い入れの際、ECBがどのように非不胎化するかについて決定する。数千の方法がある、と記者団に述べた。


May 11 (Bloomberg)- European Central Bank Governing Council members Miguel Angel Fernandez Ordonez and Ewald Nowotny said banks’ use of the ECB’s overnight deposit facility provides some sterilization of the central bank’s government bond purchases.

“Huge amounts of money are being put in the deposit facility,” Ordonez, who heads Spain’s central bank, told reporters in Madrid today. “There is an automatic sterilization.”

(Bloombergより)オルドネス総裁とECBノボトニー理事はECBの翌日物預金ファシリティが国債買い入れの不胎化の手段を提供すると述べた。「巨額の資金が預金ファシリティに預け入れられ始められる」とオルドネス総裁は述べ、ノボトニー理事も「自動的に不胎化されるだろう」としている。


こんな感じだが、ECBのオーバーナイト物預金はここ10ヶ月で最大の約2900億ユーロも積まれており、言い換えれば実効オーバーナイト物金利の平均はECBの政策金利である1%を割り込んで推移している。


以上がFT Aplpavilleのエントリの内容であるが、つまり何が言いたいのかといえば、ECBが国債を買い入れるときに、同時に資金吸収(=不胎化)を行わなうとしているが、その際の手段についてはまだ何も決まっていないということであり、やがて超過準備も大きく増えていって量的緩和政策になっていくだろう、というものである。


この指摘は確かに的を得ているものの、昨日ECBが積みの最終日にオーバーナイト物の資金吸収オペ(常設ファシリティ)を実施し、3197億ユーロを吸収した(ロイター「ECB、翌日物オペで3197億ユーロを吸収」)。オーバーナイト預金(各国中銀と民間銀行の預金残高)は3月時点で3兆7955億ユーロほどあるので、この吸収額は巨額なものとなっている。仮にロイターの「〔ECBフォーカス〕ユーロ防衛に原則曲げ信認賭ける禁じ手の国債買い入れ」で指摘されているような数千億ユーロ程度の国債を買い入れても、そのうちの何割かは常設ファシリティの翌日物吸収オペによって吸収出来ていくものと思われる。国債買い入れによって資産が増えていても、負債である通貨はある程度吸収出来る目処は付いている。この点はノボトニー理事の言っている通りかもしれない。B/Sではその分吸収オペが負債に積まれる、という勘定だろう。あとは吸収オペを続けていくしかなかろう。また、吸収しきれない分についてECBでは吸収ファシリティを創設するとしているので、不胎化はある程度なされるのだろう。


また、今後国債の買い入れを加速度的に増大させ、それに対応して資金吸収ファシリティが創設するとして、それでも吸収しきれずに(国債買い入れ金額>不胎化額)なし崩し的に量的緩和となっても、上記エントリのFedの例ではないが、ECBにおいても超過準備だけ増えて貸出は増えそうにもない、すなわちリクイディティ・トラップ的な現象に陥ると仮定すれば、この買い入れによってインフレに直結する、というのはやや拙速な議論とも思われる。流動性危機に陥り、プルーデンス政策として導入された資産買い入れ的な政策を導入したとしても、足元で資金需要がないので、結果的に超過準備だけを増やしてしまう、という現象はBOJにしてもFedにしても然りだろう(Fedに関してはいささか膨大すぎるので景気拡大期のどこかで資金需要が発生し一旦信用創造が起こってしまうとおそらく歯止めがかからないのは言うまでもない)。


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2010/05/13 05:09 * 編集 *

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