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BaFin Shock~マーケットの不確実性がまた増える 

今日の東京市場は株式が下落、債券は反発、外為はユーロが乱高下の展開となっている。株式市場では昨日のNY時間で決められたBaFin(ドイツ金融監督庁)のネイキッドショートセリング規制を受けて米国株式が大幅安となったことを受け売り先行ではじまったものの、日経平均で10,000円の大台が意識されるところでは買い戻しの動きとなった。債券市場ではBaFinの決定を受け米国債が"Fly to Quality"から買い進まれた流れや株安を受け買い進まれた。外為市場ではメルケル独首相の一連の発言(ロイター 「EUは金融市場監督と課税急ぐ必要、ドイツは単独でも空売り規制実施=メルケル首相」参照)を受けてユーロが乱高下、欧州株安から円買いの動きとなっている。


昨日のNY市場は小売の好業績を受けて朝方は買い進まれたものの、ドイツ連邦金融監督庁が以下のステータスを出したことから、市場は一気にリスクポジションの圧縮とFTQの動きに傾いた。


The Federal Financial Supervisory Authority has on Tuesday temporarily banned naked short sales of debt securities issued by eurozone countries for trading on domestic stock exchanges in the regulated market. It has also temporarily banned so-called credit default swaps (CDS) where the reference bond and liability are from a eurozone country, and which does not serve to hedge against default risk (naked CDS).

In addition, BaFin has banned naked short sales in the following financial sector companies:

AAREAL BANK AG
ALLIANZ SE
COMMERZBANK AG
DEUTSCHE BANK AG
DEUTSCHE BORSE AG
DEUTSCHE POSTBANK AG
GENERALI Deutschland HOLDING AG
HANNOVER RUCKVERSICHERUNG AG
MLP AG
MUNCHENER RUCKVERSICHERUNGS-GESELLSCHAFT AG
These bans apply from 19 May 2010, 00:00, until 31 March 2011, 24:00, and will be reviewed.

BaFin justifies these steps given extraordinary volatility in debt securities issued by eurozone countries. Furthermore, credit default swaps on the credit default risk of several countries in the eurozone has increased significantly. Against this background, massive short sales of the affected debt securities and the conclusion of naked credit default risk on eurozone countries had led to excessive price shifts, which could have led to significant disadvantages for financial markets and have threatened the stability of the entire financial system.

Faced with these circumstances, BaFin has also banned naked short sales within the selected financial institutions.

(抄訳) ドイツ連邦金融監督局は水曜日に一時的に国内証券取引場で取引されているユーロ圏諸国で発行された証券について一時的にネイキッドショートセリングを禁止した。さらに、ユーロ圏諸国の債券や債務を原資産としたクレジットデフォルトスワップ(CDS)について、デフォルトリスクのヘッジに役立っていない(ネイキッドCDS)ものに関しても一時的に禁止する。

追加して、BaFinは以下の金融セクターの株式のネイキッドショートセリングも禁止する。

アリアンツ、ドイツ銀行、コメルツ銀行、ドイツ証券取引所、ドイツ・ポストバンク、ミュンヘン再保険、ハノーバー再保険、ゲネラリ・ドイチェランド・ホールディング、MLP、アーレアル・バンク

これらの禁止は2010年5月19日0時から2011年3月31日まで適用され、見直されるだろう。

BaFinは、これらの行動が、ユーロ圏の国々で問題となっている債券の異常なボラティリティに対する臨時的な措置であることを正当化される。さらにユーロ圏諸国のいくつかの国のデフォルトリスクに基づいたCDSは大幅に増加している。影響を受ける債券やユーロ圏のCDSの大規模な空売りは、(当該債券の)過度な価格変動にさらされ、金融市場の重大な欠点を持たらし、安定した金融システムの阻害になっている。このような背景に対抗するため(の措置)である。



これを受けてリスク市場は混乱状態となっている。金融株のネイキッドショートセリングはリーマンショックの前後に米国などでも導入した制度であるためさほど違和感がないが、驚いたのはネイキッドCDSセリング(プロテクションの買い)を禁止したことだろう。これは確かに声明にあるように、債券価格の乱高下を招き、結果的に国債発行を行う際にリスクプレミアムを押し上げ、ファイナンスコストを高めてしまっているのも現実問題として考慮されている。しかし、ネイキッドCDSのプロテクションの買いを禁止したことはいろいろな点で問題になりそうである。この手の問題でよく指摘されるのはCDS市場の流動性の問題であり、19日の欧州市場でもそのような現象が早速起こっているようだ(FT Alphaville "CDS bid-offer spreads you could drive a BMW through"より)。以下はmarkitのGavin Nolan氏の指摘。


Bafin’s announcement of a ban on short-selling of European bonds and naked sovereign CDS has shaken the market out of its docile state. European sovereign CDS have opened significantly tighter as investors unwind hedges and exit short risk positions. Liquidity is poor, bid-offers are wide and flow is mostly one-way. The ban only applies to institutions operating within Bafin’s jurisdiction but there are fears that an EU ban could be coming in the autumn.

BafinによるネイキッドCDS及び社債のショートセリング禁止の通告は市場を動揺させている。欧州のソブリンCDSスプレッドは投資家のヘッジやリスクポジションの巻き戻しによって特にタイト化している。流動性は乏しく、ビッド・オファーのスプレッドは拡大しており、フローは一方向となっている。この禁止措置はBafinの管轄機関で適用されるが、EUが秋にでも禁止するのではないかとの懸念が存在している。


以下はソブリンCDSのビッドオファースプレッドの例。


Greece 450-650bps
Portugal 240-320bps
Ireland 160-220bps


そもそもCDSはローンや債券のデフォルトリスクに対してヘッジを行う(プロテクションの買い)ために設計されたものであるが、直近では様々なネイキッドでプロテクションの買いのポジションを取る動機がある。その中でも禁止して問題になりそうなのは2点指摘出来る。


・アーブ
マクロヘッジ


アーブは対象原資産である債券の価格に対しての裁定取引であり、債券とCDSとの価格の鞘を取る行為である。これに関しては市場の歪みに着目した商行為なので、これを禁止してしまうとCDSそのものの使い勝手が悪くなってしまう可能性がある(但し、日米英のような国債の発行残高が多い国については価格裁定が効かない。日銀レビュー参照)。マクロヘッジは、エクスポージャーリスクに対するヘッジということになるが、次のような感じのイメージである。例えば、ギリシャの国債は保有していないが、同国に関わる(例えば企業や政府保証など)債権なりローンなりその他のアセットなりを保有しており、このヘッジとしてギリシャのソブリンCDSのプロテクションの買いを行っていたとする。もし、BaFinの決定事項を受けこれらのヘッジ行為が認められなかった場合、アセットに対するヘッジ手段はなくなるので、エクスポージャーから外さなければならず投げ売りを呼んでしまう可能性もある。また、当該国にカントリーリスクやマクロ経済上の問題が存在する場合、その資産価格に対するヘッジ手段も失われることになるのかもしれない。そうなった場合、グローバルを駆け回るリスクマネーのフローが一気に巻き戻される可能性もあるので、注意が必要である。


兎にも角にもマーケットを取り巻く環境について、不確実性が一段と増しているということになるのだろう。



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