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China View May 2010~Sprout of Stagflation 

今日の東京市場は株式が続急伸、債券が続落、外為市場ではユーロが買い進まれた。株式市場では昨日の米国株式市場が急反発したことを受け買い先行で始まった。世界経済に対する過度な減速懸念が和らいだことが世界株高の背景にある。債券市場は世界的な株高を背景に続落した。また限月交代に絡んだ先物での売り物が出されやすいような展開でもあった。外為市場ではユーロがしっかりの展開、世界的な株高から売り方の買い戻しが入る展開となっている。


本日は中国の経済指標が一斉に発表された。主なものは以下のとおりである。



5月PPI(YoY) +7.1%
5月CPI(YoY) +3.1%
5月小売売上(YoY) +18.7%
5月鉱工業生産 +16.5%
1-5月都市部固定資産投資(YoY) +25.9%
5月M2(YoY) +21.0%
5月新規融資 6394億元
5月輸出(YoY) +48.5%


このような結果だった。輸出の大幅な伸びが世界的な株高要因となっているが、欧州問題により外需が減速するのではないかという懸念を払拭するにはそれなりにポジティブな数字だったのではないかと思われる。


しかしながら、鉱工業生産指数は減速の兆候を示している。以下のグラフは鉱工業生産指数の推移(出所:国家統計局)


Industry Product


鉱工業生産の伸び率も鈍化しているし、あるいは内需関連の銑鉄、粗鋼生産、鉄鋼製品なども伸び悩んできている。さらにグロスの数字では自動車生産が減速を示している。5月の自動車生産台数は145.8万台となっており、単月では春節のある2月を除くと今年最低の生産量となっている。乗用車も同様で71.9万台の生産に留まっており、3月の89.7万台をピークに生産台数が減少している。このあたりは生産ピッチが急上昇していた昨年の11-12月からの反動がつづいているのと同時に、在庫もそれなりに多くなっていることも想定出来る。中国の5月のPMIでも完成品在庫が49.8となっており、50が判断の分かれ目ではあるのでそれ程過剰在庫というイメージではないのかもしれないが、それなりに積み上がっていることが伺える。


しかし、一方で物価は上昇している。5月のCPIは前年比+3.0%となっている。以下のグラフはCPIの推移(出所:国家統計局)


CPI


CPIは前年比3.1%の伸びなので預金金利を上回った状態が依然として継続している。CPIの品目別では食料が+6.1%となっており、日常品の伸びが顕著になっている。さらに先日の日経新聞にも載っていたが、中国では労働賃金の上昇圧力が足元で掛かってきているとのことでもあり、賃金インフレが進行している可能性がある。


固定資産投資全体は伸び率が鈍化しているものの、依然として不動産投資は過熱しているままである。以下のグラフは都市部固定資産投資の推移(出所:国家統計局)


Investment


1-5月の数字でも不動産投資が大きく伸びていることがわかる。全般的にはストック投資ブームのモメンタムは低下しているものの、依然として不動産投資熱は冷めていない。不動産投資に関しては様々な規制を設けて対処しようとしているが、あまりブレーキが掛かっていないのが現状のところだろう。この背景には未だ高いマネーサプライの伸び率がある。以下のグラフはM2と人民元建て融資額の推移(出所:PBOC)。


monetary


新規融資額は6394億元となっており、それなりに預金準備率を引き上げ窓口規制を行っても高い水準がキープしていることから、そういったマネーが不動産投資に向いてしまっている現状がある。M2も大分伸び率自体は低下しているものの、それでも前年比21%というのは驚異的な水準であるといえる。


従って、上記経済指標をみるにあたって、現状の中国経済の3つの懸念が指摘出来ると思われる。


(1)生産など景気モメンタム低下
(2)インフレ気味
(3)不動産投資熱が継続中



このようなところだが、今後の動向によって(1)と(2)の傾向がより鮮明となっていけばスタグフレーションへの懸念が生じていくことになる。スタグフレーションとなっていく段階では人民元切り上げも利上げも諸刃の剣になりうる。どちらにしても景気を減速させてしまうリスクが付きまとう。


人民元の切り下げというFTの記事("Let the renminbi depreciate rather than appreciate")には懐疑的な見方をしている。FTではユーロ安によって人民元が高くなっており、安定したレートを維持するために切り上げよりも切り下げを行うのではないかとしている。個人的にはユーロ安から人民元が高くなっているのは仕方がないが、それがゆえに対ドルで切り下げが行うというのは難しいように思われる。人民元政策についての問題点とは、ドルとペッグしている以上、ドル買い人民元売り介入を行っており、その不胎化がワークしていないので高いM2に帰結しているわけである。従ってドルペッグをやめ、管理フロート制に戻して柔軟な変動幅を持たせるというのが妥当なところと思われる。今後輸入物価が高騰するようであれば切り上げも検討されるのではないかと思われる。


利上げについてはもっと慎重に行われるような感じでみているが、それでもインフレ圧力が今後急上昇していくならば景気に対する配慮を無視していく可能性があると思われる。さらに、不動産投資の過熱に対しては預金準備率の引き上げ、銀行の窓口規制を行って貸出規制を行いながら、不動産投資規制なども強化して市場のソフトランディングを促すという地道な作業しかないのではないかと思われる。


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