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「出口」への旅路の果て~FOMCステートメント 

今日の東京市場は株式がまちまち、債券市場は続伸、外為子女ゆではドル売りの流れになっている。株式市場ではFOMCの結果を受け当面米国の出口戦略の先送りが示唆されたことから反発し、日経平均で10,000円の大台を一時突破するも引け間際にかけて急速に伸び悩んだ。債券市場は3日続伸し、JGB10Y利回りは一時1.14%を示現した。米国債が買い優勢だった流れを受け、2年債入札が「無難」との見方も買いを誘った。外為市場ではFOMCを受けてドル金利の先高観が一気に後退、ドル売りになっている。ユーロは1.23ドル台で推移している。一方でドル円は89円台で推移しており、上値の重い展開がつづいている。


6月23日の3時15分にFOMCの結果が公表され、政策金利であるFF金利の誘導目標を0-0.25%に据え置いた。ステートメントでは景気判断を下方修正するとともに、低インフレが継続しているということを強調した内容となっている。FOMCステートメントの邦訳は6月24日エントリ「FOMC声明文抄訳」参照。


(1)景気判断の下方修正


前回のFOMCにおいて、米国経済について、"economic activity has continued to strengthen"(経済活動は強化し続けている)という基調判断にしているが、今回はそのトーンを落とし、"economic recovery is proceeding"(景気回復は進展している)とした。"strengthen"という言葉を削除したことからそのモメンタムが落ちてきているということを認めている。さらに、設備投資は力強いものの、非居住用不動産(商業用不動産など)投資は弱いままであり、雇用を増やすことには消極的であるとしている。住宅市場の判断についても、前回では"Housing starts have edged up but remain at a depressed level"(住宅着工は漸進しているが、落ち込んだままである)としていたものを、今回は"edged up"というフレーズまで外してきている。これは、住宅購入時の税還付策が打ち切られた後の住宅市場が二番底へ陥る懸念を表明したものである。6月23日に発表された新築住宅販売においても年率換算30.0万戸となっており、1963年の統計開始以来過去最低の販売水準にまで落ち込んでいることを反映している。


従って、"pace of economic recovery is likely to be moderate for a time"(経済回復のペースはしばらくの間緩やかなものになっていくだろう)としている。


(2)欧州問題への懸念


さらにこの声明文において注目すべきなのは、この一節だろう。


Financial conditions have become less supportive of economic growth on balance, largely reflecting developments abroad.

金融の状況が経済成長を支援するのは弱まってきており、主に海外の発展の影響を大きく反映している。


このことは、欧州債務危機に端を発した金融市場の混乱について懸念を表明したものと受け止められる。この期間にECBは国債の買い入れや流動性対策を講じ、Fedも各国中銀と連携してドルスワップラインの再締結を行っており、ドルファンディングの圧力緩和に努めている。このことから現状の金融市場の環境において楽観的な見方を示していないことを意味し、警戒感をもって見ていることを反映した一文であるともいえる。


(3)インフレ見通しも下方修正


インフレ見通しも下方修正しており、次の一文が盛り込まれている。


Prices of energy and other commodities have declined somewhat in recent months, and underlying inflation has trended lower.

エネルギーやコモディティ価格はここ直近でやや下落しており、潜在的なインフレは低いトレンドとなっている。


このことは従来の商品価格のアップサイドがインフレ圧力を高めるものとして警戒感を持っていたこれまでの姿勢を否定したものである。金融市場の不確実性により、リスクアペタイトの後退から国際商品市場が軟化していることを示している。このことからインフレ圧力は抑制されているという基調判断をさらに強めているものと考えられる。


(4)金利の引き上げは長期間行われない見通し


上記のことからFedは"The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period."(FF金利を0-0.25%に維持し、低水準の資源活用、抑制されたインフレトレンド、安定したインフレ期待を含む経済状況の予測はFF金利を「長期間」にわたって非常に低い水準に維持することを保証する)という従来の金融政策のスタンスを貫いた。時間軸政策については、6月のステートメントにおいて"for an extended period"を維持していることで、実質年内の利上げの可能性を否定したというように捉えられる。この"for an extended period"という期間は(あまりこれに拘束されてはいけないとしているが)少なくとも3-4回のFOMCである、というシカゴ連銀エバンス総裁の発言からすれば年内あと4回のFOMCにおいて金利の引き上げは見送られる公算が高まったことになる。市場でもそれを十分織り込んでおり、FOMCを受けてのFF金利先物市場において25bpの利上げを100%織り込んでいるのは2011年7月となっている(前日は2011年5-6月)。


FF金利先物の動向(出所:CME)


FF Forword


(5)リスクアセットにフェイバーという意見も


これは私の見解ではなく、他の方の見解であるが、リスクアセットにフェイバーとする説もある。ポイントだけまとめると、


景気回復に関してネガティブな見方を示したことは、政策金利を長期間低金利に据え置くだけでなく、今年になって取り始めた出口戦略を後退させる。欧州問題が落ち着きを取り戻すまで当面の間、Fedは米国金利をやや低めに抑えるような政策を取らざるをえない。そしてそれはドルにとっては弱含みの展開を意味することになる。


ということであり、ステートメントをみたファーストインプレッションでドル安方向に動いている。以下のチャートはドルインデックスの15分足。


Dollar Index


特に現段階では、特に欧州を中心としてドル需給のタイトな環境が金融市場を緊張状態に置いていることはこのブログでも何度か指摘しているが、このステートメントによって利上げ時期の先送りを市場に織り込ませることによって、言い換えれば米国の出口戦略の進捗の遅れを織り込ませることによって、ドル高是正に作用することになるならば、結果的に市場の緊張感を解すことになる可能性が指摘できる。例えばユーロ高であり、その他ドル安と連動して動きやすいアセットにもフェイバーに作用する可能性がある。ユーロドルとS&P500のRは年初来の統計で0.8062と高い相関を示しているということもあるので、ユーロが反転して買われるようであるならばその他株式や商品などのリスクアセットも買われるかもしれない、という説である。


個人的には、このステートメントは債券市場においてフェイバーだと考えており、米国のディスインフレ的な経済状況を反映して短期債からイールドが低下しているが、これはやがて長期ゾーンのイールドも潰れていくようなイメージで捉えている。実際ファーストインプレッションではどちらの見解も正しかった。債券高・ドル安に動いていた。


但し、欧州の問題は前進しているわけでは全くないので、常にボールはEU当局とECB側にある。欧州側の政策サイドに失点があればそれはユーロサイドが招いたユーロ売りになるのは言うまでもない。


あとは次にFedが取りうる政策の方向性としては引き締めではなく(つまり「出口」への旅は一旦終わった)、追加緩和となる公算が高いので、金融市場の緊張状態が高まれば思い切った手も打てるかもしれない。ひょっとしたらバーナンキ議長はBOJの新オペ(LIBORのようなターム物金利に作用する緩和策)みたいなものを考えているのでは?というのはあくまでも個人的な想像の域を出ないが。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  FOMC  マクロ  金融政策  ドル  外為  金利 
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