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インフレとデフレが並存する経済~G20を受けて 

今日の東京市場は株式が続落、債券は反落、外為は小動きとなっている。株式市場ではメガバンクの増資が決議されたことからTOPIX型にパッシブの売りが出されるなどしていた。薄商いの中で買いが入らない展開となった。債券市場は反落した。足元の金利低下のピッチの速さから売りが出される展開となった。外為市場では週明けということもあって全般模様眺めの相場展開となっていた。


週末にG20が開催され、共同声明が発表された。G20では財政問題に踏み込むべきなのか、それとも景気対策を優先すべきなのかというところでドイツなど欧州各国と米国などとの間でかなり大きな溝が出来ていた。声明では世界経済について以下のような認識を示した(G20サイト参照)。

But serious challenges remain. While growth is returning, the recovery is uneven andfragile, unemployment in many countries remains at unacceptable levels, and the social impact of the crisis is still widely felt. Strengthening the recovery is key. To sustain recovery, we need to follow through on delivering existing stimulus plans, while working to create the conditions for robust private demand. At the same time, recent events highlight the importance of sustainable public finances and the need for our countries to put in place credible, properly phased and growth-friendly plans to deliver fiscal sustainability, differentiated for and tailored to national circumstances.

しかし、深刻な課題は残っている。経済は回復しているが、その回復は一様ではない。多くの国の失業率は受け入れがたい水準のままになっており、危機の社会的インパクトは未だに広範に認識させられている。回復の強さが鍵である。回復を維持するために、堅牢な民間需要のコンディションが整うまでの間、我々はこれまでの刺激策をやり抜いていかなければならない。同時に直近の出来事は、安定的な公的ファイナンスの維持や我々の国々が信頼置けるものになっていくのかというところに強い焦点が当たっており、金融市場の安定性をもたらすために正しい手順や成長にとってフレンドリーなプランが必要であり、それは国々の事情によって分化ないしは条件に合わせていくことが求められる。


としており、財政状況を改善させていくのは各国の事情次第としているが、以下のような数値目標がコミットされた。


Reflecting this balance, advanced economies have committed to fiscal plans that will at least halve deficits by 2013 and stabilize or reduce government debt-to-GDP ratios by 2016.

このような状況を反映して、先進国経済は2013年までに財政赤字を半減し、2016年までに公的債務の対GDP比率を安定ないしは削減させる


というようなことが採択された。これはドイツなど緊縮財政を求める国の要求が通った形だが、これに対してプリンストン大学のクルーグマン教授がNYTで"The Third Depression"(3度目の大恐慌)という物々しい題名で批判している。


And this third depression will be primarily a failure of policy. Around the world ― most recently at last weekend’s deeply discouraging G-20 meeting ― governments are obsessing about inflation when the real threat is deflation, preaching the need for belt-tightening when the real problem is inadequate spending.

3度目の大恐慌は主に政治の失敗の結果だろう。世界中で、最近では深く落胆させたG20会合で、政府は本当の脅威はデフレである時に、インフレに心配しており、本当の問題が不適切な支出であるというときに引き締めの必要性を説いているのだ。


After all, unemployment ― especially long-term unemployment ― remains at levels that would have been considered catastrophic not long ago, and shows no sign of coming down rapidly. And both the United States and Europe are well on their way toward Japan-style deflationary traps.

結局失業、特に長期失業はつい最近までひどく悪く考えられるレベルのままであり、急速に低下する兆候など何も無い。米国も欧州も日本的なデフレの罠に自ら足を踏み入れようとしている。


さらにクルーグマン教授は緊縮財政は短期的に債券投資家を喜ばせるだけで、それらの国々をデフレにさせて、失業率を増大させるという危険性を説いている。これは昨日に取り上げたジョージ・ソロス氏と似たような論調かもしれない。但し、このような論調に関して、個人的な見方としては少し単純すぎるかもしれない、という感じを抱く。クルーグマン教授の意見では、現状の問題がデフレ的な現象(物価下落)とインフレ的現象(金利上昇・クラウディングアウト)が同時平行的に進行する経済だったとしたらどうすればよいのか?という処方箋は示されていない。


スペインの場合であれば本来なら重債務国なのでインフレに陥る(クラウディングアウトを引き起こす)のがセオリーだが、同国の物価は民間債務に起因した慢性デフレ、すなわち民間負債の大きさに起因する需要不足という問題も指摘されている(ロイター「焦点:物価下落でスペインに忍び寄る慢性デフレの影」参照)。分かりやすくイメージすると、住宅バブルが民間債務の肥大化を招き、リセッションによって債務返済による消費の低迷、さらには需要不足による物価下落バイアスがかかっている。さらに住宅市場では供給過剰の状態となり、資産価格の下落を招いている。一方で政府は金融危機の際、銀行システムを維持するために財政支出を行うが、その見返りとして公的債務も肥大化してしまった。公的債務に対する懸念、すなわちデフォルトリスクからソブリン債が投げ売られ、金利が上昇する。そして金利の上昇から民間セクターのファイナンスもままならない。このような構図だろう。


上記のような経済において日本のように金利に低下バイアスがかかれば景気刺激策も有効かもしれない。しかし、金利を低下させるプロセスはECBによる国債買い入れ(信用緩和)もしくは財政再建の2つくらいしか思い当たらない。一方で緊縮財政を取ればデフレのリスクも大きくなっていく。従ってこの問題は二項対立として扱うべきではなく、優先順位を決めて問題にとりかかるしか無いのではないか、と思われる。その場合は金融市場の緊張こそが判断材料の一つになるのではなかろうか。端的にいえば国内の銀行のリファイナンスであろう。


(インフレとデフレが並存する経済というのは経済学説的にはまだ説明がついておらず、あくまでも個人的な思考実験という段階で、少しまとまりのない文章になってしまいました)


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タグ: ソブリンリスク  欧州金融不安  マクロ 
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