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Expire Day~欧州金融市場の緊張 

今日の東京市場は株式が続落、債券が続伸、外為市場はユーロの買い戻しとなった。株式市場では昨日のNY市場が急落したことを受け、寄り付きから売り優勢の展開となるも、世界株安の発端となった上海市場が落ち着いて取引がなされたことを受け下げ渋りの展開となった。債券市場は米国債が買い進まれたことから連日で7年ぶりの低金利水準を更新しており、JGB10Y利回りは一時1.075%を付ける場面があった。外為市場ではユーロが買い戻される展開となっている。


昨日の株安・債券高の要因はいくつかあるが、整理しておくと、以下のとおりである。


(1)上海市場の急落


上海市場に関しては中国農業銀行(ABC)のIPOを控え、同社の財務状況に対する懸念や資金吸収が膨大で需給悪化懸念が相場の重しとなっており、テクニカルで2,500ポイントを割り込んだことから売りを招いてしまった。


(2)ECBの1年物資金供給オペの満期に関する懸念


7月1日にECBによる1年物オペが満期を迎えることから、欧州の金融機関がECBから受けている融資を借り換える際の金利が上昇する可能性があることから欧州の金融株が大きく売られた。


(3)コンファレンスボード消費者信頼感指数の急低下


6月の消費者信頼感指数は52.9となり、前月の62.7から急低下し、市場予想の62.8も大幅に下回った。また期待指数が前回の85.3から71.2に低下しており、CBでは「最近の雇用低迷を受けて景気や雇用の見通しの不透明感が強まっていることが信頼感の急激な低下につながっていることは否定出来ない」としたことを嫌気。


あと、これもコンファレンスボードつながりだが、中国の4月景気先行指数を計算ミスで下方修正したといったことも材料視されたようだが、過去の統計のミスを材料に売られる、というのはあまりにもこじつけ過ぎるきらいがあるので、取るに足らないネタだとは思う。特に債券高に関わる部分を考えてみれば(2)の要素が強いのだろうと思われる。


ECBは資金供給策としてLTRO(Longer-term Refinancing Operations:長期リファイナンスオペ)を金融危機以降行っているが、1年物のオペの満期を7月1日に迎え、この期間のオペが再実施されなかった場合、欧州の銀行の借り換えの際の調達金利が上昇してしまい、流動性が逼迫するのではないかとの懸念からリスク許容度が低下し、"Fly to Quality"から債券にマネーが向かっているという解釈が自然なのではないかと思われる。このことはユーロLIBORの直近の上昇にも表れてきている(以下のチャートはユーロLIBOR3カ月物金利の推移、出所:Bloomberg)。


EUR LIBOR 3M


フランス中銀のノワイエ総裁は以下のような発言をしている(Reuters"ECB to ensure funding, loan expiry may hurt some-Noyer"より)


Some banks may suffer after returning 442 billion euros in emergency loans to the European Central Bank this week but the ECB will ensure the payback goes smoothly, Governing Council member Christian Noyer said on Tuesday.

「いくつかの銀行はECBによる4420億ユーロの緊急のローンの返済で圧迫される可能性があるが、ECBは円滑に資金吸収できるようにする」、とフランス中銀ノワイエ総裁が語った。


The ECB's first-ever one-year loans -- part of the emergency support it put in place at the height of the financial crisis -- expire on Thursday and are not set to be renewed, although the ECB has padded the date with extra borrowing opportunities.

ECBの初の1年物ローンは、金融危機における緊急支援措置の一部であるが、木曜日に満期を迎え、継続は行わない。そのかわりECBでは他の資金供給手段を用意している。


としている。これに対してスペインの銀行が1年物オペの打ち切りを行うべきではないと主張しているとオーストリア中銀のノボトニー総裁がFTで語っており、打ち切りに対して反対する向きもあるようだ。代替として3カ月物のオペなどで対処するとしているが、いずれにしても打ち切りの影響がどのようなものなのか、金融市場でも完全には織り込めていない。ウニクレディトのCazzulani氏は次のような見解を行っている(FT Alphabilleの"The EUR442bn question ― a guideline"より)。過剰流動性を維持するのに必要なロールオーバー(銀行の借り換え)のレベルは1400億ユーロであり、


If the amount of liquidity rolled over is only 140/150bn, the Eurosystem would revert to“neutral liquidity stance”.

ロールオーバーに必要な流動性の量が1400-1500億ユーロだけであるならば、ユーロシステムは「中立的な流動性のスタンス」に戻ることになるだろう。


但し、4000億ユーロがロールオーバーされた場合、以下の問題が生じるとしている。


This would be a very worrying signal, especially because, as we have pointed out,only banks with real liquidity needs are likely to participate in the auction.

特にこれはとても困ったシグナルとなる。なぜならば、これは指摘したことでもあるが、本当の流動性を必要とする銀行のみが入札に参加しなければならないからだ。


としており、マーケットで資金調達できない金融機関にとっては入札に参加せざるをえず、


This means that banks participating in the auction will reveal themselves as players with very difficult market access.

これは銀行が入札に参加するということは、自らマーケットで資金調達できないということを明らかにしてしまうということを意味する。


すなわち、どの程度の応募額が集まるか(=借り換えニーズ)によって銀行がどの程度資金繰り難になっているかを図るバロメータになるとしている。バークレイズ・キャピタルでも2500億-3000億ユーロをロールオーバーすると予想した上で、この金額が少ないほどよいということになる(Bloomberg「ECB1年物資金が期限、銀行の借り換え動向が試金石-バークレイズ」参照)。いずれにせよマーケットはこの1年物オペの打ち切りの影響がどの程度なものになるのか、現状の金融市場それを見極める局面となっており、非常に神経質なものとなっている。明日までは予断が許さず、金融市場は緊張状態におかれるのだろう。そもそも流動性不安が燻り、Fedが出口戦略を封印してくる中、敢えてオペを打ち切って出口戦略にこだわるECBの真意はよく分からないが、この方向性の違いは、1987年のデジャブを抱いてしまう。杞憂に終わればよいが。


追記:ECBの3カ月物供給オペの落札額は1319億ユーロとなった。かなり少ない額といえる。


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タグ: ECB  ユーロ  金融政策  欧州金融不安 
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