03« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»05

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

潮流の変化~米国債とFedの認識 

今日の東京市場は株式が続落、債券も続落、外為はユーロ買いとなった。株式市場では連休中のNY市場において金曜日が急落、月曜日が小反発となってCME225先物が安くなってきた流れから売り先行ではじまったものの、次第に下げ渋る動きとなったが、積極的な買いの姿勢は限定的となった。債券市場は金利低下ピッチの速さから買いが手控えられ、先物は利益確定売りに安値引けとなった。外為市場ではユーロが買い進まれ、一時1.30台に乗せる場面もあったが節目では売り物も出されている。


ここのところのマーケットは非常に潮流変化が激しいものとなっている。個人的な見方からすれば先日のFOMC議事録が一つ大きな出来事だったのではないかと捉えている。注視していかなければならないのは、以下の指摘だった。


A few participants cited some risk of deflation.
参加者の数名はデフレのリスクについて言及した



つまり、米国経済にデフレのリスクが存在しているということをFedのボードメンバーが公式に認めてしまったということになる。デフレをどのように定義するかは分かれるのかもしれないが、物価が継続して下落する状態のことであり、少なくとも前年同期比でCPIがマイナスになればそのように判断する場合もある。米国については現状前年同期では物価上昇が低位ながらも続いているのでディスインフレと思われるが、CPIをみると、コア指数ベースでは昨年の9月から今年の6月までの物価上昇率はわずか0.61%であり、今後素材価格や輸入物価などが減少していけば今後数カ月先にマイナスに陥る可能性は捨てきれない。以下のグラフは米国のCPIの推移(前年同期比/出所:StLouisFed)


US CORE CPI


このようなFedの見通しを受け、ストレートに反応したのが米国債だったと思われる。特に議事録が公開された14日以降の買われ方(=金利低下)が急である。以下のチャートは10年債利回りの推移(出所:Yahoo! Finance)。


TXN


一時10年債で3%を割り込んだときはソブリンリスクや欧州金融不安からFly to Qualityの様相が強かった。しかし、今回は物価の見通しについてFedから公式にデフレのリスクに言及がなされたということから、将来の物価下落について債券市場が織り込みに図っている動きなのではないかと思われる。例えば実質金利という概念(名目金利から物価上昇率を差し引いた金利)を用いれば、現在日本は2.46%であり、米国は2.477%である。この水準はヒストリカルでみれば低いが、今後日米ともに低成長となっていくことを仮定すれば許容できないものではない。今後仮に米国の物価上昇率がマイナスとなれば当然のことながら実質金利からみて名目金利に低下余地が出来る。そのため今後米国においても低金利が容認される可能性が生じてくることになり、現状のマーケットはそれを織り込みに図ろうとしているのではないかと思われる。


一方でデフレもしくはその危険性があるうちは低金利政策を取らざるを得ない。これは金融政策における共通理解だろうと思われる。今のところ、ZIRP(ゼロ金利政策)以外にFedが取りうる低金利政策は以下の2つが挙げられる。


・米国債・MBSの買い入れ
・時間軸政策の強化


米国債を買い入れる場合においても時間軸政策を強化する場合においても狙いは低金利に誘導することである。ただ、上記のような非伝統的金融緩和とZIRPとの違いは、手前の政策金利を低く誘導するのではなく、長めの金利を低く誘導して結果的に資金需要を喚起させようとするのが目的である。国債買い入れに関しては市場で直接金利を低下させるが、市場でプリンティングマネーとの思惑が立ってしまうことへの警戒感から不胎化という面倒な作業をしなければならないだろうし、不胎化に失敗すれば再度マネタリーベースを増加させてしまう可能性もある。一方で時間軸政策の強化というのは、利上げのためのハードルを高く設定させて、市場で金利の長期間低位安定を織り込ませ、短期ゾーンから長期ゾーンへの金利低下波及プロセスを期待するものである。現在、Fedでは"for an extended period"という文言を使い、異例な低金利政策を取っていることを市場に織り込ませているが、そのための条件とは、


・low rates of resource utilization 「低レベルの資源活用」
・subdued inflation trends 「抑制されているインフレ期待」
・stable inflation expectations 「インフレの安定」


であり、これらを満たしている間は長期間金利を低位に据え置くことが出来る。さらに市場に金利上昇期待を後退させ、長期の金利まで低く誘導させたいのであればこの条件を強化することだろう。FT Money Supplyの"Easing and Fed communications"というエントリで次のようなことが述べられている。


One interesting possibility under ‘communications’ is attaching some kind of external condition to the language of “exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period”.


「コミュニケーション」における興味深い可能性は、「異例な長期間FF金利を低く誘導する」という言葉にいくつかの外的な条件を付けることである。


Instead of an “extended period”, the Fed could, for example, pledge to keep rates exceptionally low until some external goal was met, whether that were a number such as the price level or a form of words about the state of the economy.


"extended period"という言葉の代わりに、Fedは、例えばいくつかの外的な目標に到達するまで、とか、物価などといった数値もしくは米国経済に関する(ある特定の)言葉の状態になっているかどうかで異例な低金利に誘導することができるようにする。


ということであり、時間軸政策の強化という方策もありうるのではないかとの指摘がなされている。時間軸政策はマーケットの誤解を与え、市場追認型の金融政策に陥るリスクもあり、金利マーケットのボラティリティを高めてしまうリスクもあるが、追加で緩和政策をとる場合にはこういったことも考えられているのかもしれない。


いずれにしても21日及び22日のバーナンキ議長の議会での半期金融政策報告の内容は見逃せないものとなるのかもしれない。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ


関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  金融政策  金利  米国債  マクロ  ZIRP 
tb: 0   cm: 0

« QE2.0?~バーナンキ議長証言に注目  |  Guest Post(寄稿)依頼 »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/247-acd4168c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。