09« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»11

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

ベージュブック~米国景気モメンタムは低下へ 

今日の東京市場は株式が反落、債券は反発、外為では円高が進行している。株式市場では昨日のNY株式市場が下落したことや円高、さらには巨額増資による需給悪化懸念が嫌気された。債券市場では米国債高や国内株安を反映して買い優勢となったが来週の10年債入札を控えてやや上値の重い展開となった。外為市場ではドル金利の先高観の後退からドル売りの流れとなり、円高が進行して一時87.10円レベルを割り込むところまであった。


7月28日にFedは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。ベージュブックはFOMC2週間前に出され、会合時に現状の米国経済及び政策を議論する際の叩き台として注目される。以下はサマリーの基調判断の部分の抄訳である(出所:Fed)。

Economic activity has continued to increase, on balance, since the previous survey, although the Cleveland and Kansas City Districts reported that the level of economic activity generally held steady. Among those Districts reporting improvements in economic activity, a number of them noted that the increases were modest, and two Districts, Atlanta and Chicago, said that the pace of economic activity had slowed recently.

経済活動は前回の調査から拡大し続けているが、クリーブランドやカンザスシティー地区では経済活動のレベルは一般的に横ばいとなってきている。それらの地区では経済活動は改善していると報告しているが、いくつかの地区ではその増大は緩慢なものとなってきており、アトランタとシカゴの2地区では経済活動のペースは直近で減速してきている。



Manufacturing activity continued to expand in most Districts, although several Districts reported that activity had slowed or leveled off during the reporting period. Districts also noted improved conditions in the services sector. The five Districts reporting on transportation noted increased activity. Tourism activity also increased across the Districts, although the Atlanta District noted concerns about decreased leisure travel to the Gulf Coast. Retail sales reports generally indicated a continued rise in spending, and several Districts noted that necessities continued to be strong sellers, while big-ticket items moved more slowly. However, most Districts that reported on auto sales noted declines in recent weeks. Activity in residential real estate markets was sluggish in most Districts after the expiration of the April 30 deadline for the homebuyer tax credit. Commercial real estate markets, especially construction, remained weak. Banking conditions varied across the Districts, with some Districts noting soft or decreased overall loan demand; credit standards remained tight in most reporting Districts. Recent rains had mixed effects on crop conditions, while activity in the natural resources sector increased. Overall labor market conditions improved modestly across the Districts, with several reports of temporary hiring. Consumer prices of goods and services held steady in most reporting Districts. Input prices also held largely steady, with only a few reports of cost increases. Wage pressures continued to be contained on the whole.

製造工業の活動は多くの地区で拡大しているが、いくつかの地区でその活動は減速してきているか、横ばいとなっている。いくつかの地区でサービス業の状況は改善したと報告した。5地区では物流の活動が伸びたと報告した。観光は地区全体で伸びているが、アトランタ地区はメキシコ湾岸へのレジャーの減少が懸念されると指摘した。小売業販売の報告は支出が増え続けていると指摘し、高級品はより鈍化している一方で、いくつかの地区では生活必需品の販売の強化が続いている。しかしながら多くの地区で自動車販売はここ数週で減少してきている。住居用不動産市場における活動は4月30日の住宅購入者税還付の終了後低迷している。商業用不動産市場では、特に建設において弱まったままである。銀行の状況は多くの地区を通じて変化してきており、いくつかの地区ではローン需要が軟調もしくは減少していると指摘した。信用基準はほとんどの地区でタイトなままである。直近の降雨は作物の状況に強弱入り交じった影響をもたらした。一方で天然資源のセクターの活動は拡大した。労働市場全体の状況は全体の地区で緩やかに改善しているが、いくつかは一時的な雇用の報告があった。物・サービスの消費者物価はほとんどの地区で横ばいとなっている。投入価格も同様に大きく横ばいとなっており、コストが上昇しているとの報告はわずかだった。賃金圧力は全体的に抑制され続けている。



このような内容となっているが、全体的には経済活動は拡大し続けているものの、クリーブランドとカンザスシティーでは横ばいになっておりアトランタとシカゴでは減速ているという基調判断となり、米国経済のモメンタムが減速していることを裏付ける内容となった。


製造業の活動に関しても一部で減速感がみられてきていると指摘している。一方でサービス業は改善してきているとのことであり、世界経済の減速に影響を受けやすい製造業が先行してモメンタムが落ちて、やや遅れて内需が堅調であるという判断となっている。しかしながら、高額商品や自動車の販売が減少していることから消費者の購買意欲は低下してきているものと思われる。不動産市況に関しては住宅市場及び商業用不動産市場、いずれも軟調であると報告している。住宅市場に関しては4月末で打ち切られた住宅購入者税還付策の反動が出てきているとの見方であり、商業用不動産に関しては未だ弱いところから抜け出す気配はない。さらに銀行の状況であるが、与信は厳しいままであるが、一部でローンの需要が減少してきているとしている。このことから民間の資金需要は弱まってきているという判断がなされている。


労働環境について、改善してはいるものの、緩慢であるとの指摘がなされている。さらに複数の地区では臨時雇用を増加しているとの指摘がある。臨時雇用を増やすということは、確かに雇用統計においてNon Farm Payrollの数字は押し上げられる可能性があるものの、雇用者が景気は回復しているものの先々の経済動向に確信を持てていないことの表れであり、決して力強い雇用の回復を裏付けているとはいえないことを認識しておくべきだろう。賃金に関しては上昇圧力はほとんどなく、5地区でわずか、もしくは変わらないとしており、3地区では小さく、もしくは抑制されたままとの判断を行っている。このことから米国における賃金上昇圧力は極めて弱いものとなっており、賃金というファクターからインフレは起こりえないという判断がなされるものと思われる。以下は時間あたりの賃金の推移(前年同期比/出所:米労働省)


hourly earning


物価であるが、物・サービスの価格については多くの地区で横ばいとなっている。さらにいくつかの地区報告では原材料価格も横ばいとなっており、投入価格が上昇したという報告はほとんどなかったとしている。このことから物価面でもインフレが極めて抑制されているとの判断がなされていると思われる。賃金と物価をみれば、米国経済はディスインフレ的な状況に陥っていることが指摘できる


従ってFOMCにおいては経済状況における基調判断及びインフレに対する認識は下方修正されるとみられる。但しディスインフレ的な経済状況を確認するに留め、デフレリスクが多くのメンバーで共有されるかについてはこの報告をみる限りでは判断がつきにくい。今後さらなる物価の弱い見通しが提示されたときにそのようなリスクを共有することになるのだろう。また、デフレリスクについての認識が限定的であり、一部に減速感はあるものの総じて経済活動が強まっているという判断がなされているこの報告においては、バーナンキ議長の議会証言で語られた追加緩和策について議論こそなされても、メンバーのコンセンサスが得られ政策実行へ移すにはやや不十分であるように思う。追加緩和策については、インフレ及び景況感についてさらなる落ち込みを示す表現を用いた報告を待ってということになるのではないかと思われる。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  Fed  金融政策  FOMC 
tb: 0   cm: 0

« 国内マクロ定点観測~6月鉱工業生産  |  17の強気材料 »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/255-ced90096
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。