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China View Jul. 2010~減速感とインフレ 

今日の東京市場は株式が続落、債券は続伸、外為はユーロと円がやや乱高下の様相となっている。株式市場は昨日のNY株安や円高を背景に一時9,000円割れが視野に入る場面もあった。債券市場は連日で高値を追う展開、2003年以来の低金利が続いている。外為市場ではドルの買い戻しが入っている。夕刻に一連の当局者の牽制発言があったが、あまり効いていない。

現状のマーケットに関していえば、ヘッジファンドの解約Noticeにより振幅が大きくなってきている。


8月11日に中国7月のマクロ指標が一斉に発表された。指標内容は以下の通りである。


・鉱工業生産 +13.4%(YoY)
・小売売上 +17.9%(YoY)
・CPI +3.3%(YoY)
・PPI +4.8%(YoY)
・固定資産投資 +24.9%(1-7月/YoY)
 うち不動産投資 37.2%
・マネーサプライM2 +17.6%(YoY)
・新規融資 5328億元

このような結果となった。まず、中国の生産動向であるが、かなりの鈍化をみせてきている。


図1 鉱工業生産の推移(出所:国家統計局)

鉱工業生産


特に鉄鋼関連では銑鉄が前年比で-1.9%、粗鋼生産が同+2.2%、鉄鋼製品が同+9.7%となっている。製品原料となる鉄鋼生産のモメンタムの低下というのは、様々な製品需要もピークを打ってきているということが指摘できるだろう。自動車生産も昨年同時期から高い伸びが示されてきたが、四輪車で前年比+17.10%、うち乗用車で+9.7%となってきていることからすでに生産動向はピークを打って生産量がこれ以上伸びないことが示されている。明らかに生産という観点からすれば、すでに中国経済は減速している


次に投資動向であるが、これは高いレベルを維持しながら、徐々に抑制されてきていることが示されている。


図2 中国固定資産投資の推移(出所:国家統計局)

固定資産投資


いわゆる製造業の投資は高原状態にある。第二次産業はここ数カ月は年率20%以上の高い伸びとなっている。これは需要を見越して生産設備をさらに充実させようとする動きである。そして注目すべきは不動産投資の動向である。1-5月の投資は前年比で38.2%の伸びであったが、1-7月でも37.2%の伸びであり、不動産投資が依然高い水準で活発に行われている。これが私事で恐縮であるが、今月に中国を訪問したが、現状でもビルやマンション等の建設工事ラッシュの状態となっており、広州や深センでは高層マンションの建設が郊外に拡大している。従って住宅価格は頭打ちとなってきているが、住宅投資はいまだの高水準なものとなっていることをマクロ面からも裏付けた数字となっている。


物価動向であるが、CPIの伸びは加速してきている。


図3 中国CPIの推移(出所:国家統計局)

CPI


CPIは6月に抑制されたデータが提示されたが、7月の物価はさらに上昇を示し、当局が容認する年率+3%のラインを上回ってきている。特に食料価格が前年比で+6.8%となっており、物価上昇圧力が相当大きく掛かっていることが示唆されている。また住宅価格も前年比でプラスに転じてきており、前月比では低下してきているものの、不動産価格は上昇の一途を辿っていることになる。中国においては物価上昇圧力が高まった結果、労働争議などが起きて賃金上昇圧力に反映してきている。つまり、物価から賃金の上昇圧力が高まってきていることになる


また、マネタリー指標であるが、M2の伸びは一層抑制されている。


図4 中国のマネーサプライM2と新規人民元建て融資の推移(出所:中国人民銀行)

マネタリー指標


M2の伸びが抑制されており、人民元建て融資も抑えられている。このことから中国当局による銀行貸出の窓口規制や預金準備率の引き上げが奏功しているといった形であるが、依然として貸出のレベルは高く、高水準の不動産投資に反映してきている。このことから通常であれば引き締め政策が取られるが、生産動向が明らかに鈍化してきており、これ以上の引き締め策は景気の腰折れを招くことになるため、慎重なスタンスを取らざるを得ないような状況である。


上記の事から、現状の中国経済は生産活動のモメンタムが低下しているものの、不動産投資に関しては相変わらず積極的に行われており、物価上昇が賃金上昇圧力となって反映してきていることから、スタグフレーション的な懸念が浮上してくることになっていくことになるものと思われる。そのような中で不動産投資がさらに過熱していく、もしくはインフレが上振れに推移するようであれば、景気を犠牲にして引き締めに打って出てこないとも限らない。このようなことから、スタグフレーション的な懸念がある中で難しい政策運営に迫られるものとみられる。


個人的に中国を訪問した際、気づいたのは先程も書いた通り都市部のマンション建設は高水準であり、未だ工事も止まっていない。広州や深センに限っていえば都心部はほぼ一巡した感があるが、郊外にタケノコのように建設ラッシュが続いている。そういった点では過熱感も指摘できる。リスクは当局の抑制が効かず供給過多の状態になった時であり、その時には中国の銀行の不良債権問題が浮き彫りにされるものと思われる。


また、香港の賃料は年率10%程度上昇、一部のところ(特に高級マンション)では20%上昇し、価格高騰の状態になっておりバブル化との指摘もある。これは主に本土からの投資移民の流入の増加により、彼らによる不動産投資が活発に行われ過熱気味に推移してきていることが主因としてあげられる。香港に関しては、本土系の投資移民が所得拡大に伴い流入してくることから、供給不足の状態が続いている。従って香港の不動産価格の鍵を握るのは本土系投資移民ということになる。香港への投資移民は中国の所得ピラミッドにおいて頂点に位置し、中国本土に住んでいる人の夢というのは最終的に自由が確約される香港の投資移民になることである。実際、深セン駅から羅湖のイミグレーションに向かう際に、ひっきりなしに投資移民代行業者の看板が目に付く。従って香港の不動産価格はこれらの投資移民の動向次第といってもよいだろう。


但し、香港における不動産市場の最大のリスクはバブル化することである。香港はドルペッグ制であるためFedが低金利政策を続けている以上香港の市中金利も低金利が長期化する。ここにバブルの温床があるといえる。さらにもうひとつのリスクは中国経済がハードランディングすることである。現状、中国経済は減速しているが、ハードランディングとなり、深刻なものとなれば投資移民経由での資金流入も減少しかねない。この点はリスクファクターとして抑えておくべきだろう。


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