08« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»10

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

Go to the "QE 2.0"~バーナンキ議長講演 

8月27日にカンザスシティ連銀主催のジャクソンホールで開催されているFedのコンファレンスにおいて、バーナンキFed議長の講演が行われた。ここではその内容を少し取り上げ考察する。全文はFedのサイト "The Economic Outlook and Monetary Policy"より。


■アウトルック

・雇用

Incoming data on the labor market have remained disappointing. Private-sector employment has grown only sluggishly, the small decline in the unemployment rate is attributable more to reduced labor force participation than to job creation, and initial claims for unemployment insurance remain high.
直近の労働市場のデータは残念なものとなった。民間セクターの雇用は緩慢な伸びとなっており、失業率は新規雇用以上に労働力人口の低下により下がっている。また、新規失業保険申請件数は高止まりしている。



雇用については失業率が労働力人口の低下、すなわち職探しを諦めた人の増加によって減少したということをネガティブに捉えている。このことは米国の雇用情勢において最も懸念すべきであるということを示唆している。


・内需


Businesses' investment in equipment and software should continue to grow at a healthy pace in the coming year, driven by rising demand for products and services, the continuing need to replace or update existing equipment, strong corporate balance sheets, and the low cost of financing, at least for those firms with access to public capital markets. Rising sales and increased business confidence should also lead firms to expand payrolls. However, investment in structures will likely remain weak. On the fiscal front, state and local governments continue to be under pressure; but with tax receipts showing signs of recovery, their spending should decline less rapidly than it has in the past few years. Federal fiscal stimulus seems set to continue to fade but likely not so quickly as to derail growth in coming quarters.

企業の投資活動は機器やソフトウェアについて来年も健全なペースで伸びていく。その理由は、製品やサービスの需要に駆り立てられていること、機器の入れ替えや更新が必要とされていること、強固な企業のバランスシートや、少なくとも公共の資本市場における低コストのファイナンスによるものである。売上高の伸びや企業信頼感の高まりは、企業を雇用の拡大に導くだろう。しかしながら、構造物への投資は依然として弱い傾向が続いている。財政面では、州や地方政府は圧迫され続けているが、税収は回復の兆候がみられる。過去数年間よりも財政支出は急速に減少している。連邦政府の財政出動は効果が落ちているようにみえるが、この先数四半期で腰折れするものではないようだ。


Although output growth should be stronger next year, resource slack and unemployment seem likely to decline only slowly. The prospect of high unemployment for a long period of time remains a central concern of policy. Not only does high unemployment, particularly long-term unemployment, impose heavy costs on the unemployed and their families and on society, but it also poses risks to the sustainability of the recovery itself through its effects on households' incomes and confidence.
生産の伸びは来年も力強いものになるが、資源のたるみや失業は緩慢な減少に留まるものとみられる。長期間にわたる高い失業率の見通しは政策の中心的な課題であり続ける。高い失業率、もしくは時に長期失業は、家族や社会に重い負担を課しているだけでなく、家計の所得や消費者信頼感に影響を及ぼすことで持続的な経済回復に対するリスクを引き起こす。




設備投資はかなり前向きであり、民間セクターの先行きはそれほど懸念してはいないが、やはり構造物、すなわち建設が弱いままだとしている。さらに地方財政は厳しく、不況下であるにもかかわらず財政支出が減少し、この部門で雇用が減少していることへの懸念を表明している。また、失業が米国経済において最大の問題であり、持続的な経済回復を阻害してしまうリスクに言及している。


・インフレ見通し

Maintaining price stability is also a central concern of policy. Recently, inflation has declined to a level that is slightly below that which FOMC participants view as most conducive to a healthy economy in the long run. With inflation expectations reasonably stable and the economy growing, inflation should remain near current readings for some time before rising slowly toward levels more consistent with the Committee's objectives. At this juncture, the risk of either an undesirable rise in inflation or of significant further disinflation seems low. Of course, the Federal Reserve will monitor price developments closely.
価格の安定の維持は政策の中心課題である。最近では、インフレは、経済を長期間にわたって健全に助けるものとして、FOMC参加者の見通しをわずかに下回るレベルに低下している。インフレ期待は経済成長に合理的に安定化させ、インフレは当面現在のレベルで推移していくだろう。この時点で、インフレ率の望ましくない上昇またはディスインフレへのリスクは低いようであり、Fedは緊密に物価の進展を監視していく。



インフレは抑制されている、ということは従来通りであるが、ディスインフレへの懸念は大きくないようだ。この点はやや意外感を持っている。


■緩和政策

Notwithstanding the fact that the policy rate is near its zero lower bound, the Federal Reserve retains a number of tools and strategies for providing additional stimulus. I will focus here on three that have been part of recent staff analyses and discussion at FOMC meetings: (1) conducting additional purchases of longer-term securities, (2) modifying the Committee's communication, and (3) reducing the interest paid on excess reserves. I will also comment on a fourth strategy, proposed by several economists--namely, that the FOMC increase its inflation goals.
事実、政策金利はゼロ近辺であるであるが、Fedは追加的な刺激策へのツールと戦略をいくつか用意している。FOMC会合でスタッフが分析し、討論した3つに焦点を当てたい。(1)長期債の追加的な買い入れ、(2)声明文の変更(時間軸政策の変更、(3)超過準備付利の引き下げである。4番目の戦略についてもコメントを入れるが、いくつかの経済学者から提案を受けたことだが、それはFOMCがインフレ目標を引き上げることだ。


A first option for providing additional monetary accommodation, if necessary, is to expand the Federal Reserve's holdings of longer-term securities.
最初のオプションは追加的な金融調節を提供するが、もし必要とならばFedが保有している長期債を拡大することである。



この中で注目なのはやはり長期債の追加的な買い入れであろう。そして、これについては、

I believe that additional purchases of longer-term securities, should the FOMC choose to undertake them, would be effective in further easing financial conditions

と述べており、FOMCで決められるのだが、他の金融緩和よりも遥かに効果的だとしている。おそらくは次回以降のFOMCで焦点となるテーマとなっていくだろう。この国債買い入れについては、もし、金融市場にストレスが掛かっているような場合には金融市場の緊張を緩和させるのに効果的なものだとしている。これについては2009年から行われた国債買い入れと似たようなイメージであり、マーケットの流動性が不足し、リスクプレミアムが異常に高いときに(when markets are less liquid and term premiums are unusually high)有効だとしている。従ってその効果についてはベースとなる米国債の金利を押し下げ、それが様々な金利に波及し、企業や消費者の資金調達意欲を高める効果を狙っているのだろう。


しかし、Fedによる一層の金利低下が実際、経済に刺激的な効果を上げているか、については個人的にやや疑問をもつ。確かに8月のFOMCで償還再投資政策が行われて以降、マネーストックM2は上昇している。以下のグラフはM2の推移(YoY/出所:StLouisFed)

M2(YoY)


この点からすれば信用創造が行われ、幾分償還再投資政策の効果が出ているようにも思われる。しかし、例えば8月25日エントリ「住宅市場と米国の金利低下~二番底懸念」で指摘したように、借り換えの需要だけを刺激し、新規のローン需要を喚起出来ていないのだとするならば、金利面のサポート(=償還再投資政策)だけでは米国の住宅市場を刺激するのに十分ではないことになる。言い換えればQEによって金利を低下させても、新規に住宅を購入する意欲が盛り上がるのかどうかについてはやや疑念を持たざるをえない。構造的に住宅市場の需給バランスが回復するか、あるいは個人所得が増加するか、といったところがキーとなる。同様として消費者信用もこの政策によって高まるのかどうか、ということについてもやや疑問を感じる。消費者信用の場合は家計のバランスシートが改善されない限りなかなか伸びようもない。但し、QE政策が信用市場の安定につながっているということはそのとおりだと思う。


他には、時間軸政策の変更や超過準備付利などを用意しているが、これについてはあまり効果は高くないとしている。この点については7月21日エントリ「QE2.0?~バーナンキ議長証言に注目」を参照していただきたい。あと、インフレ目標を引き上げること、については基本的に採用される見込みは薄いと思われる。時間軸政策ですでに低下している「政策の柔軟性」をより一層低下させることに繋がりかねず、いざという時(=外的ショック時)に手足を縛られるリスクが大きいため、導入には消極的ではないかとみられる。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ






関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  金融政策  金利  QE 
tb: 1   cm: 0

« BOJ Meeting~"Buy the Rumour Sell the Fact, But..."  |  定点観測:米住宅市場~7月新築住宅販売 »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/272-3cda0a72
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

-

管理人の承認後に表示されます


2010/08/28 22:10

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。