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FOMC Preview 

本日FOMCが行われ、結果は即日(日本時間9月22日午前3時15分)に発表される。前回のFOMCでは償還再投資(満期を迎えたMBS・エージェンシー債について償還金を米国債に再投資を行う)を実施することが決められ、Fedが保有する証券を現状の水準にキープし、バランスシートの再拡大は行われない方針がとられた。この政策により、これまで出口戦略を模索する姿勢から緩和を強める姿勢に移行したが、今回のFOMCでのポイントはさらに踏み込んだ緩和政策に移行するか否かといったところだろう。


バーナンキ議長は前回のFOMC後のジャクソンホールでの講演で、現在考えうる政策ツールについて、以下のように言及している。


(1) conducting additional purchases of longer-term securities, (2) modifying the Committee's communication, and (3) reducing the interest paid on excess reserves. I will also comment on a fourth strategy, proposed by several economists--namely, that the FOMC increase its inflation goals.
(1)長期債の追加的な買い入れ、(2)声明文の変更(時間軸政策の変更)、(3)超過準備付利の引き下げである。4番目の戦略については、いくつかの経済学者から提案を受けたことであるが、それはFOMCがインフレ目標を引き上げることである。



そのうち、(2)の時間軸政策の変更・強化というのは、市場に金利の先高期待を後退させ、長期金利まで低く誘導させるために、「異例な長期間(for an extended period)な低金利」を継続するための条件を強化することである。しかし、この政策ツールは、市場追認型の金融政策に陥るリスクがあり、政策の柔軟性を損なうおそれがあるとして一部メンバーから強い反対がある。(3)の超過準備付利の引き下げについては、現行0.25%から0%にするといった案が考えられている。これにより膨大な超過準備預金を市中に流し、貸出を増やす(すなわち実質的には資金供給)という効果が期待でき、さらにターム物など市中金利を押し下げる効果も期待できる。しかし、この政策にはバーナンキ議長が市場機能の低下という副作用を引き起こすとのことからあまり前向きではない。インフレ目標の引き上げについてもあまり積極的ではない。従って、Fedが保有している政策ツールのうち、最も採用される可能性が高いのが長期債の追加的な買い入れということになる。従って、今回以降(少なくともあと年内3回)の会合での焦点は、Fedによるバランスシート拡大の有無が焦点となっていくものと思われる


しかし、今回の会合においてはFedのバランスシートの再拡大(とともに中銀負債としてのマネタリーベースの拡大)は行われないと予想する。その理由として、バランスシートを再拡大させるだけの経済状況が悪化していないという点、そしてFed内部に慎重な意見が強く、メンバーの合意形成には至っていないのではないかという点があげられる。


現状がバランスシートを再拡大させるだけの経済状況であるか、という点では、8月から9月の経済指標をみるにおいてはそこまで減速感を強めていないという判断がなされるものとみられる。雇用統計においては失業率が上昇しているものの、民間雇用者数は依然として緩慢ではあるが増加基調にある。また、前週末に発表された8月のCPIでは住宅セクターの落ち込みは憂慮すべきではあるものの、コアCPIが前年比でマイナスになるといったデフレの状況に陥っていると判断するところまでには至っていない。デフレ懸念は存在するものの、現状はディスインフレというべき物価状況ではないかと思われる。従って、前回のFOMC議事録で示された、


Committee would need to consider steps it could take to provide additional policy stimulus if the outlook were to weaken appreciably further.
委員会は経済見通しがさらに著しく弱まった場合には景気刺激のための追加の政策が提供できるような措置を検討することが必要である



という状況には今の段階で陥っていないものと思われる。さらに、前回のFOMC議事録においては、償還再投資という政策そのものにも疑問が投げかけられている。例えば以下のような言及である。


a few thought that the economic effects of reinvesting principal from agency debt and MBS likely would be quite small
数人のメンバーはエージェンシー債やMBSから米国債への再投資について経済に与える影響は限定的であるとの考えを示した。



A few members worried that reinvesting principal from agency debt and MBS in Treasury securities could send an inappropriate signal to investors about the Committee's readiness to resume large-scale asset purchases.
数人のメンバーはエージェンシー債やMBSから米国債に再投資を行うことは、委員会が大規模な資産購入を開始する意向であるという誤解を投資家に送ってしまうことを懸念した。



Another member argued that reinvesting repayments of principal from agency debt and MBS, thereby postponing a reduction in the size of the Federal Reserve's balance sheet, was likely to complicate the eventual exit from the period of exceptionally accommodative monetary policy and could have adverse macroeconomic consequences in future years.
他のメンバーはエージェンシー債やMBSの再投資を行うことは、すなわちFedのバランスシートの規模の縮小を先延ばすとことでもあるが、非伝統的な金融政策の期間からの最終的な出口を複雑化してしまう可能性が高まり、今後数年に渡ってマクロ経済に有害な影響を及ぼすと主張した。



特に、償還再投資(=米国債の追加購入)については、実体経済に与える効果は限定的であるとしている意見がある。確かにこの政策の影響から市中金利(特に住宅ローンなどに影響を与える長期債)が一層低下しているものの、それによって住宅ローンの新規の融資が促進されているわけではない。以下はMBA住宅ローン・購入指数とリファイナンス指数(出所:MBA/Bloomberg)。


MBA Home Loan Index


結局リファイナンス需要だけが増加し、購入指数が低位のままになっていることは、この政策によって金利が低下したものの、実際の住宅購入需要には結びついてはいないということであり、金利低下が経済を刺激する効果は限定的であるとの見方を裏付けるものである。従って、上記のような意見からFedのバランスシートの拡大、すなわち米国債購入の枠を拡大させることについては慎重なメンバーとの間での見解の隔たりは大きく、今の段階では合意形成が取れてはおらず、また経済情勢も前回からさらに急激に悪化しているわけではないので、今回は現状の政策を据え置くものと思われる


さらに今回のFOMCにおける注目点は経済見通しのさらなる下方修正が行われるのか否かという点だろう。8月時点では、


the pace of recovery in output and employment has slowed in recent months
生産及び雇用の回復はここ数カ月で減速していることが示唆されている



としていたが、9月上旬に発表されたベージュブックでは前回時点よりもさらに減速感を強めているとの報告であったため、小幅ながらも米経済のアウトルックをさらに下方修正するものと思われる。特に、これまで米経済を主導してきた生産の動向について減速感を強めているとの見解を示し、住宅市場における再下方修正が行われる可能性もある。マーケットにおいては、今回のFOMCでの政策変更は行われないものと織り込んでいるが、経済見通しの変更から今後の方向性へのヒント、すなわちバランスシートの拡大が示唆された場合、金利・債券市場から次回の展開を織り込みに図っていくものと思われる。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  金融政策  FOMC  QE  ZIRP  金利 
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