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QE2へ前進だが~FOMC議事録 

9月21日にFOMCが開催され、先日12日に議事録が公開された(全文はFedのサイト参照)。市場の焦点はQE2が11月の委員会で実施されるかどうかといったところだろう。まずは市場・金融情勢から。


■市場・金融情勢

Treasury yields declined as investors reportedly focused on the indication in the accompanying statement that principal payments from agency debt and MBS in the Federal Reserve's portfolio would be reinvested in longer-term Treasury securities and also on the characterization of the economic outlook, which was seen as somewhat more downbeat than expected.
償還再投資を実施したものの、債券市場は予想以上に経済のダウンビートを織り込みに図っている。



Yields on nominal Treasury coupon securities were volatile and ended the period somewhat lower, particularly for intermediate- and longer-term maturities. In addition to Federal Reserve communications and news about the economic outlook, market participants pointed to strong demand for long-duration assets by institutional investors and speculation about additional large-scale asset purchases by the Federal Reserve as factors contributing to the drop in longer-term yields.
普通債はボラタイルであり、中長期債に低下が目立っている。付け加えてFedのコミュニケーション及び経済見通しのニュースは、マーケット参加者が機関投資家による長期のデュレーションの強い需要を指摘し、Fedによる追加的に大規模な資産購入に関するスペキュレーションから長期金利の下落要因として貢献している。



Conditions in short-term funding markets continued to improve following the recent stresses related to concerns about financial stability in Europe
短期の調達市場の状況は欧州の金融安定化に関連した圧力緩和がフォローとなって改善している。



マーケット環境としてはFedのアナウンスメント効果がしっかり効いたものとして評価されている。債券市場は償還再投資が決まった8月のFOMC以降Fedが需給を下支えする期待で動いている。この時まではまだイールドカーブはフラットニングの様相であり、(あたりまえだが)10月に入ってからのスティープニングに転じて以降の認識には触れられてはいない。


Commercial real estate markets continued to face difficult financial conditions, although some further signs emerged that this sector might be stabilizing.
商業用不動産市場は難しいファイナンスの状況がつづいているが、部分的にさらなる安定化のサインが広がっている。



このあたりはアメリカの大きな負の部分であり、毎週の地銀の破綻の要因となっているが、ややここにきて改善の傾向が見え始めたという認識でよいのだろう。しかし、リーマンショックから2年が過ぎてもなおこの問題は米国の金融問題の大きな負の部分として意識されていくだろうし、全面的な解決に至るのかどうかは分からず、改善と判断されるまでにもなお年単位の時間が要するものとして捉えるべきなのだろう。


For households, record-low mortgage rates supported a relatively high level of refinancing activity, but many borrowers reportedly remained unable to refinance because of insufficient home equity or poor credit histories. Consumer credit declined in the second quarter and appeared to contract further in July
家計にとってこの低金利は高水準のリファイナンスをサポートしたが、多くの借り手は不十分なホームエクイティや貧しい信用履歴によってリファイナンスが出来ないままとなっている。コンシューマクレジットは第2四半期も減少し、7月もなお減り続けている。



住宅ローンなどのリファイナンスが活発になったというのは、償還再投資やFedの度重なるアナウンスメント効果によって金利が押し下げられたためである。それでもなお消費が拡大していかないのは、ホームエクイティの劣化の問題や消費者信用の現象が示すとおり、家計のバランスシート調整圧力がなお大きいことを示唆している。金融政策でいくら金利を下げようとしても家計のB/Sが健全にはならなければ立ち直りには程遠いことを示している。消費が拡大していくには、低金利のうちに住宅などの価格が上昇し、資産効果が出ることが望ましいものと思われるが、現状の住宅市場でそれがすぐに起こることは考えにくい。


■経済見通し


・総論


In their discussion of the economic situation and outlook, meeting participants generally agreed that the incoming data indicated that output and employment were increasing only slowly and at rates well below those recorded earlier in the year. Although participants considered it unlikely that the economy would reenter a recession, many expressed concern that output growth, and the associated progress in reducing the level of unemployment, could be slow for some time.
経済の状況や見通しの議論において、委員会の参加者は入手した生産や労働の拡大が非常に遅く、年前半よりもそのペースは落ちているといったデータに総じて同意した。参加者は再びリセッションに陥ると考えてはいないものの、多くは生産の拡大に懸念を表しており、失業率の減少への過程が長期間緩やかなものになるとしている。



・住宅


Participants noted that the housing sector, including residential construction and home sales, continued to be very weak. Despite efforts aimed at mitigation, fore-closures continued to add to the elevated supply of available homes, putting downward pressure on home prices and housing construction.
参加者は住宅建設や住宅販売を含む住宅セクターに言及し、非常に弱いままとなっている。緩和に向けた努力にもかかわらず、フォークロージャ(差し押さえ物件)の増加は利用可能な住宅の供給を押し上げており、住宅価格や住宅建設の下方プレッシャーとなっている。



・雇用


A number of participants noted that the current sluggish pace of employment growth was insufficient to reduce unemployment at a satisfactory pace. Several participants reported feedback from business contacts who were delaying hiring until the economic and regulatory outlook became more certain. Participants discussed the possible extent to which the unemployment rate was being boosted by structural factors such as mismatches between the skills of the workers who had lost their jobs and the skills needed in the sectors of the economy with vacancies
数人の参加者は現状の弱いペースの雇用の伸びは満足のいくペースにまで失業率を押し下げていないことを言及した。幾人かの参加者はビジネス会合などのフィードバックとして経済や規制がより確かなものになるまで雇用を遅らせていると指摘した。参加者は失業率が構造的な問題、すなわち職を失った労働者のスキルと経済の分野で求められるスキルとの間のミスマッチについて議論した。



デュアル・マンデート(最大雇用と物価安定)を負うFedにとって雇用の論議は避けられないが、雇用のミスマッチについては金融政策の会議で話し合われるべき筋のものであるのかどうかは定かではない。ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁が8月の講演で以下のようなことを述べている(Minneapolis Fed "Inside the FOMC"参照)。


What does this change in the relationship between job openings and unemployment connote? In a word, mismatch. Firms have jobs, but can’t find appropriate workers. The workers want to work, but can’t find appropriate jobs. There are many possible sources of mismatch―geography, skills, demography―and they are probably all at work. Whatever the source, though, it is hard to see how the Fed can do much to cure this problem.
業務のオペレーティングと失業の背景との間の関係で何が変わったのか?言い換えればミスマッチだ。企業は職を持つが、適切な労働者は見つからない。労働者は食を求めるが、適切な仕事が無い。これは地理(訳者註:例えば農業地帯と工業地帯など)、技術、人口統計などにミスマッチの可能性があり、それらは労働全体の問題だろう。そのような原因が何であれ、Fedがこのような問題を解決するのにどのようにしたらよいかを探し出すのは困難である。



このような言及であり、他の国ならば確実に金融当局ではなく労政の問題なのだが米国の場合はFedがその責務を(ある程度)負わなければならない。むしろ、最大雇用をマンデートしているがゆえ、仮に政策目標の軸足がインフレではなく雇用(景気浮揚)に置かれるような議論となった場合、このような問題から相当異論も噴出されるものと思われる。


・インフレ


Inflation had declined since the start of the recession, and most participants indicated that underlying inflation was at levels somewhat below those that they judged to be consistent with the Committee's dual mandate for maximum employment and price stability. Although prices of some commodities and imported goods had risen recently, many business contacts reported that they currently had little pricing power and that they anticipated limited, if any, increases in labor costs.
インフレはリセッションの開始以来減退しており、多くの参加者は潜在的なインフレは最大雇用と価格の安定という委員会のデュアル・マンデートを考慮して幾分低いレベルにあるように思われる。最近いくつかのコモディティ価格や輸入価格が上昇しているのだが、多くのビジネスの会合では、それらは価格圧力としては小さく、もし労働コストが増加しなければ、限定的であるとの予想だったとの報告があった。



この点についてもFedにとって悩ましい問題である。Fedは物価安定の目標としてコアPCIデフレータを採用しているが、これは消費者物価同様最終価格である。従って、投入価格が高くなったとしても生産段階で様々なコストに制約をかけることによって最終価格は抑制される。この間消費者のインフレ期待や労働コストが上昇しれば最終価格に転嫁することも出来なくもないが、現状においてはその両方の可能性は低い。以下はミシガン大学消費者信頼感のインフレ期待指数(5年)と非農業部門ユニットレーバーコストの推移である(出所:StLouisFed)。


Inflation


Unit labor cost


そして緩和策を行った結果、「マーケット」のインフレ期待が上昇し、BEI(ブレークイーブンインフレーション)の上昇にとどまればよいが、コモディティ価格が大きく上昇し、ドル安になって輸入価格が押し上げられた場合であっても、最終価格には転嫁されにくい構造が出来上がると企業部門では利益が目減りし、コスト削減圧力も大きく掛かることから賃金にも下方バイアスが掛かりやすくなる可能性もある。この場合、緩和策の副作用として大きく意識されるかもしれない。9月の時点ではその兆候は限定的で、議事録にもあるようにBEIも抑制されていたが、直近のマーケットの動向はそういった期待が増大しており、近い将来輸入物価やコモディティ価格などを通じて実体経済にもリフレクトされていく可能性がある。大局で考えると2000年代に入り、物価変動のボラティリティが大きくなってきており、それに応じて機動的な政策が求められるものと考えれば、今はホーニグ総裁だけが叫ぶ程度に留まっているが、いずれ緩和停止、出口政策論の声が大きくなることも考慮に入れなければならないかもしれない(その前に金融緩和による影響で引き起こされる価格上昇はデマンドプルによるものではないので、いずれ需要に従って調整していくだろうとは思うのだが、そのボラティリティも大きくなっていく可能性もある)。


■金融政策


積極派

Many participants noted that if economic growth remained too slow to make satisfactory progress toward reducing the unemployment rate or if inflation continued to come in below levels consistent with the FOMC's dual mandate, it would be appropriate to provide additional monetary policy accommodation.
多くの参加者はもし経済成長があまりにも緩慢なままでありそれにより失業率が低下せず、インフレがFOMCで考えられているデュアル・マンデートを下回るレベルで推移するのであれば、追加的な金融政策を提供すべきだろうとしている。



慎重派

However, others thought that additional accommodation would be warranted only if the outlook worsened and the odds of deflation increased materially
しかし、他の参加者は追加的な緩和策は見通しが悪化し、とりわけデフレ圧力が増加した場合にのみ保証されるのだろうと考えている。





・政策ツール

Meeting participants discussed several possible approaches to providing additional accommodation but focused primarily on further purchases of longer-term Treasury securities and on possible steps to affect inflation expectations.
会合の参加者は追加緩和策についていくつかの有効なアプローチについて議論したが、優先されるべきはさらなる長期国債の買い入れであり、インフレ期待に影響するポジティブなステップとなろう。



としたのだが、この手段についても異論はあり、

the economic benefits could be small in current circumstances
現在の状況では経済的なベネフィットは小さい



と考えている参加者もいれば、


With short-term nominal interest rates constrained by the zero bound, a decline in short-term inflation expectations increases short-term real interest rates (that is, the difference between nominal interest rates and expected inflation), thereby damping aggregate demand
短期の名目金利がゼロに張り付いていることで、短期間のインフレ期待は実質金利を押し上げてしまい、総需要を減退させてしまう。



という意見をいう参加者もいる。さらにはデュアル・マンデート達成のためにインフレ目標を引き上げてもいいのではないかという意見もある。このあたりは11月の会合で恐らく決定されるだろう何らかの追加緩和策について採用される政策ツールは必ずしも国債買い入れだけではないのかもしれないことには留意が必要である。


緩和政策が行われるかどうかについては、NY連銀ダドリー総裁(FOMCの副委員長)が公算が高いと述べている(Bloomberg「米ニューヨーク連銀のダドリー総裁:追加的緩和の公算大 」)ことから、11月の会合では何らかの決定がなされるのだと思われる。雇用統計でも明らかになったとおり、地方政府レベルではもはや財政政策がワークしておらず、景気浮揚のためにさらなる金融政策に依存しなければならないのも自明だろう。しかし、インフレ期待の状況が10月に入って変化していることなどを勘案すると緩和の規模は市場が期待しているほど大きくならない可能性があることは留意が必要だろう。今後Fedは一段とマーケットとの対話を図らなければならないことになるのだが、バーナンキ議長の発言や如何に


(多分、続く)


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カテゴリ: 市場視点

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