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FOMC Preview~QE2 Will Be Decided 

11月2日から3日にかけてFOMCが開催される。この会合で恐らく事前からマーケットで材料となっていたQE2に関する取り決めが行われる。QE2に関しては、国債の買い入れが決められるものと思われるが、注目はその規模と年限ということになるだろう。まず、最初に個人的見解として、


・国債買い入れは500-1000億ドル
・年限は30年まで
・プライス・レベル・ターゲットの導入是非が論議される、声明文にはより強いトーンで物価がマンデートを下回っていることを容認できない趣旨の文章が盛り込まれる可能性


となるのではないかと思われる。


■QE2の経緯


それでは、そもそも何故QE2という論議になったかといえば、前回のFOMC議事録にもあるが、


Many participants noted that if economic growth remained too slow to make satisfactory progress toward reducing the unemployment rate or if inflation continued to come in below levels consistent with the FOMC's dual mandate, it would be appropriate to provide additional monetary policy accommodation.

多くの参加者はもし経済成長があまりにも緩慢なままでありそれにより失業率が低下せず、インフレ率がFOMCで考えられているデュアル・マンデートを下回るレベルで推移するのであれば、追加的な金融政策を提供すべきだろうとしている。


この意見が多くの参加者から出たことである。失業率は10%近いところで推移し、なかなか低下しないという状況や、物価水準、すなわちPCEコアデフレータの長期見通しである2%を大きく割りこんで推移していることが問題であり、デフレ懸念を払拭するために、追加の金融緩和を行ない物価水準を取り敢えずマンデートとしているところまで引き上げることが政策の目標であるということに言及している。そして、声明文では以下の文章を盛り込み、状況によっては追加的な金融緩和を行うことをコミットした。


The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and is prepared to provide additional accommodation if needed to support the economic recovery and to return inflation, over time, to levels consistent with its mandate.

委員会は経済見通しや金融の状況を監視し続け、経済の発展や価格の安定に必要な政策ツールを採用し、もし時間とともにその責務と一致するレベルにまで経済が回復することやインフレに回帰するためのサポートが必要であれば、追加的な金融調節の提供を準備している。


そのためにはどのような政策があるのか、ということについては、8月末のバーナンキ議長のジャクソンホールでの講演内容がそのヒントとなる。ここでは、Fedが有している金融緩和の政策ツールは4つ存在することを述べた。それは、1)米国債の買い入れ枠の拡大、2)時間軸政策の変更、3)超過準備付利及びFF金利の引き下げ、4)インフレ目標の引き上げである。この中でバーナンキ議長は1)の国債買い入れについて前向きな立場を表明し、市場ではこの政策を軸に織り込み始め、国債買い入れの規模及び年限に関する議論がなされてきた。


■国債買い入れ


そして、国債買い入れについては、各連銀総裁やFed高官などから積極的に支持する向きや慎重な意見を唱える向きなど相次いだ。スタンスは以下の通りだろう(敬称略)。


積極容認派:ダドリー、ロックハート、エバンス、ブラード
懐疑派:コチャラコタ、フィッシャー
反対派:ラッカー、プロッサー、ホーニグ


そして問題となるのは、未だ積極容認派と反対派との間で議論が詰め切れていない点だろう。積極容認派からすれば大規模な買い入れを行うべきであると主張しているわけであり、反対派からは買い入れは将来のインフレ懸念を強めてしまうことから容認できないという意見まである。従って、買い取り規模にしても反対派、もしくは慎重派との間で妥協を図らなければならず、大規模な買い入れではなく、漸進的な買い入れで決着するのではないかと思われる。


規模については、個人的には毎月500億-1000億ドル程度で期間は来年の前半あたりまでと考えている。会合で、慎重な意見を持つ委員との間で詰められない場合には市場予想を下回る500-750億ドル規模の買い入れに留まる可能性もあることは注意が必要だろう。あるいは、メンバー間で一定の合意をみた上で1000億ドル規模が見込まれる。一方で毎月1000億ドルを大きく超えるような買い入れについては、過度なインフレ期待を煽る懸念やFedバランスシートの肥大化が将来の出口戦略をますます難しくさせる可能性が大きくなることから、実現する可能性はそれほど大きくはないものとみられる。年限については国債買い入れの狙いが長期金利低下による景気刺激策であるとするならば、筋道論的には住宅ローンにまで波及する30年まで購入するべきだろうと思われる。勿論30年という年限は市場予想よりも遥かに長いのでマーケットインパクトも大きくなり、債券市場のボラティリティを高めるリスクが大きくなる。


■PT導入の論議


もう一つの議論はプライス・レベル・ターゲット(PT/物価水準目標)導入の是非であろう。Fedの問題意識としてインフレ率がマンデートよりも下回って推移していることは容認しがたく、その際のアプローチとしてPTが導入の論議がなされるのではないかとみられている。シカゴ連銀のエバンス総裁の講演では、米国経済が期待インフレの抑制によって長期間インフレ率がマンデート(物価上昇率2%)を下回っているのは不満であることを表明し、米国経済がリクイディティ・トラップ(流動性の罠)に陥っていることを指摘、それを克服するためにPT導入により物価水準を引き上げ、実質金利を押し下げていく必要があると述べた(10月28日エントリ「QE2失敗のリスク~Fedコミュニケーション戦略の危うさ 」参照)。


プライス・レベル・ターゲットとはインフレターゲットとは異なる。以下はPTとインフレターゲットの違い。


PT VS IT


インフレターゲットは毎年の望ましい物価上昇率は、例えば2%として上下1%のバンド内であれば許容という論議である。ところがPTの場合は望ましい物価水準を下回っていたら、一度プライス・パス(望ましい物価水準/マンデート)以上の物価目標を設定し、物価をもとのパスに乗るように設定する。例えば、2010年の物価レベルが100として、望ましい物価水準が2%とすると、2011年には102となるのが理想だが、実際に2010年のインフレ率が1%であれば2011年の物価レベルは101となる。さらに2012年についても望ましい物価上昇率が2%であり、理想の物価レベルは104となる。しかし、実際は2011年の物価レベルが101なので、これに2%のインフレターゲットを用いても2012年には103に留まることになる。従って、2012年に望ましい物価レベルである104にするには物価上昇率の目標をを3%に誘導する、という手法である(参照:Economist"Level worship Price-level targeting could make monetary policy more potent―or just more confusing ")。


これについては機動的な物価目標を定められるという意味においては有効なのかも知れないが、その期間のインフレ率の数値目標を高めに設定するのだから、市場においてインフレ期待を徒に煽ってしまう危険性がある。特に債券市場では長期金利を大きく押し上げてしまう可能性がある。先日も指摘したがこの議論が活発になって以降、米国の長期金利は上昇している。インフレ期待は物価に波及するよりも金利に作用するスピードが速いので、名目金利の上昇から実質金利が押し上げられ住宅市場など実体経済にダメージを与えてしまうリスクがある。そういう意味においてはインフレ期待を大きく煽る懸念がある政策を取るのは現時点において賛同が多く得られないものと思われる(投票権を有するメンバーではダドリー副委員長が積極的)。従って、今回のFOMCではPTが議論されることになるが、これが政策に反映される可能性はあまり高くない。しかし、声明文に前回よりも強いトーンで物価がマンデートを下回っていることを容認できない趣旨の文章が盛り込まれる可能性があり、この論議を行っていることをマーケットに織り込ませ、インフレ期待に働きかけることはあるのかも知れない。


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タグ: Fed  FOMC  金融政策  金利  QE2 
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