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FOMC~QE2スタート 

11月2-3日にFOMCが開催され、3日に声明文が公表された。要点からすれば2点。1)QE2の規模と期間、2)インフレターゲット(マンデートにかなう水準よりも低いインフレ)の強調である。


■QE2の規模と期間


QE2の規模は、「6000億ドルの追加の長期債保有」であり、買い入れ期間は「2011年の第2四半期まで、月に750億ドル」のペースで行うこととした。この総額については市場予想の5000億ドルよりも多いが、1兆ドル(毎月1400億ドル程度)といった途方も無いレベルではないので、ほぼ想定線というべきだろう。来年の第2四半期までという期間はかなり長い。市場では5000億ドルであるならば毎月1000億ドル購入する計算になるので買い入れ終了は2011年の第1四半期末と見込んでいたことになる。このことからこのQE2戦略は長期的に取り組むものとして受け止められている。そしてその結果6月末までに9000億ドル超の米国債を保有することになる。今後想定されるFedのバランスシートは大雑把に考えれば以下のような感じだろう(出所:ClevelandFed)。


FedBalanceSheet



買い入れ年限についてはNYFedのステートメントより、以下の割合で保有するとした。以下のグラフは買い入れ年限の割合(出所:NYFed)


Purchase Weight


またデュレーションは5-6年程度としている。さらに個別銘柄の保有上限である「35%ルール」を一時的に緩和している。買い入れ年限については10年以降の超長期ゾーンの買い入れの割合が少なくなっており、その点で3日の米国債市場では30年債が売られた。これについては住宅ローン金利の指標が30年債であるので、借り換えを促進させるためにもその点にもう少し配慮すればよかったのではないかと思われる。しかし、声明文で、


The Committee will regularly review the pace of its securities purchases and the overall size of the asset-purchase program in light of incoming information and will adjust the program as needed to best foster maximum employment and price stability.

委員会は定期的に証券の買い入れや全体の資産買入プログラムの全体のサイズについて、入手する情報に照合しながら見直しを行い、最大雇用と物価の安定のベストな促進に必要とされるようプログラムを調節していくだろう。


としていることから、米国債市場が一段とスティープ化すればデュレーションを長期化させる可能性もあり、超長期ゾーンのてこ入れを行う可能性も配慮しておかなければならないのだろう。


■マンデートにかなう水準への言及(インフレターゲット)


マンデートへの言及とは、物価がFOMCが物価の安定と認められるレベルを下回っているということであるが、今回の声明文では前回よりも強めのトーンで低いインフレについて言及している。Fedのマンデート(責務)とは「最大雇用と物価安定」であり、これをデュアル・マンデートという


今回(11/2-3)

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. Currently, the unemployment rate is elevated, and measures of underlying inflation are somewhat low, relative to levels that the Committee judges to be consistent, over the longer run, with its dual mandate. Although the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability, progress toward its objectives has been disappointingly slow.

定められたマンデートに一致するように、委員会は最大雇用と物価安定の促進をしようとしている。現在、失業率は上昇しており、潜在的なインフレの基調は委員会が長期にわたってデュアル・マンデートと一致すると判断したレベルに比べてやや低い。価格の安定を背景に徐々に資源活用が高いレベルに戻ることを見込んでいるが、その目標に向けた進展は残念ながら遅い。


前回(9/22)

Measures of underlying inflation are currently at levels somewhat below those the Committee judges most consistent, over the longer run, with its mandate to promote maximum employment and price stability. With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to remain subdued for some time before rising to levels the Committee considers consistent with its mandate.

長期的に、潜在的なインフレの基調はここのところFOMCが判断した、最大雇用と物価の安定を促進するという責務において最も一致したレベルをやや下回るものとなっている。実質的な資源のスラックがコスト圧力を抑制し続け、長期間のインフレ期待が安定しているため、FOMCがその責務にかなった水準に上昇するまでのしばらくの間、インフレは抑制され続けている。


「資源のスラック(substantial resource slack)~」という部分は削除しているが、インフレ率がマンデートにかなう水準(PCEコアデフレータで年率1.7-2%)をやや下回っており、その回復の進展は、資源活用の高まりに委ねられているが、そのペースは「残念ながら遅い(disappointingly slow)」としていることから、現在の物価に対してより不快感を示したということになる。この点では11月1日のエントリ「FOMC Preview~QE2 Will Be Decided」で指摘したように「声明文にはより強いトーンで物価がマンデートにかなう水準を下回っていることを容認できない趣旨の文章が盛り込まれ」たということになる。今後インフレ率がさらに低迷していくようであれば、プライス・レベル・ターゲット(物価水準ターゲット)の導入も検討されていくのだろう。その場合、例えば「物価上昇率が3%になるまで緩和策を続けていく」といった文言が組み込まれていく可能性がある。この政策は必要によって変えることが出来るので、2011年第2四半期が過ぎても状況が変わらかねれば国債買い入れの規模を増額させることもありうる


これにより期待インフレを高める政策を打ってきたといえるのだが、懸念すべきは、この政策により一時的な期待インフレの高まりを招くものの、その期待インフレ通りに物価が上昇しないことだろう。インフレ期待からインフレへの波及は圧倒的にマーケット(金利と商品・為替市場)が速く、物価に波及するには時間が掛かる。そのラグによって最悪の場合には期待インフレを煽りすぎて長期金利を上昇させ、住宅の取得需要をさらに弱めて住宅市場を低迷させ、最終的に資産デフレを招くこともある。あるいは期待インフレが商品市場や為替市場に波及してコストプッシュによる価格上昇を招くものの、最終価格には反映されずマージン低下による企業の利益の低下、さらにはコスト低減圧力から賃金抑制に作用する可能性がある。この点はホーニグ総裁が反対意見として表明した、


Mr. Hoenig also was concerned that this continued high level of monetary accommodation increased the risks of future financial imbalances and, over time, would cause an increase in long-term inflation expectations that could destabilize the economy.

ホーニグ委員は高いレベルの金融緩和は将来の金融のインバランスのリスクを増大させ、時間と共に、長期間において経済を不安定しかねないインフレ期待の増大を引き起こす。


という部分だろう。ベストはホームエクイティの回復であるが、現状住宅市場が供給過剰で推移している以上あまり大きな見込みは立てにくい。


さらに量的緩和の拡大によって貸出が増加する、もしくは信用創造機能が大きく回復するかといえばそれも疑問を持たざるをえない。せいぜい超過準備付利は0.25%なので、リザーブで運用させていく動きが活発化するのではないかと思われる。デフレトラップを抜け出すというのは容易な話ではない。FT Alphaville "Charts du jour -- QE2 edition"というエントリにもあるようにマネタリーベースをいくら増やしても銀行信用(Bank Credit)は増加ていないので、結局はQE2を実施しても貸出(Beyond (Inter) Banks)、そして企業部門や家計部門へ波及する可能性はほとんど見込めない(Japanization)ということなのだろう。



■金融市場の動向


FOMCを跨いだ各市場の動きは瞬間乱高下しつつもほぼ織り込み済みという値動きだったのだろう。ドルインデックスが下落したのが目立つ程度。


USD/JPY


USD/JPY


Dollar Index


Dollar Idx



S&P500


S&P500


30年債先物


ZB


結局30年債については買い入れが少ないとの懸念から失望売りを浴びたということになるのだろう。債券市場はデュレーション告知通りのイールドカーブといえばそれまでなのだが。以下は米国債のイールドカーブ。


UST Yield Curve


今後はやはり5日の雇用統計がトレンド形成のカタリストとなる可能性があるが、もう少しFedの政策に関しては時間をかけてその効果を見定める必要があるのだろうと思われる。



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タグ: Fed  金融政策  FOMC  QE2 
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