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RBA政策据え置き~景気配慮型 

12月7日にオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia/以下RBA)は政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを4.75%に据え置いた。市場では、コンセンサスとして据え置きが固まっていた(Bloombergでは26人全員が据え置き予想)のでそれほど大きな反応を見せなかった。30日物の銀行間金利先物も僅かなレンジでの変動であったことから市場でも変更なしということで一致したのだろう。以下は30日物銀行間金利先物の日中の推移。


AUD Interbank 30day 20101207


外国為替市場でもヘッドラインが出た瞬間売り買いが交錯したものの、その後は落ち着いた動きとなっている。以下はAUDUSDの5分足チャート。


audusd id 20101206


声明文については以下の通りである(出所:RBA)。


At its meeting today, the Board decided to leave the cash rate unchanged at 4.75 per cent.

本日の会合において、委員会はキャッシュレートを4.75%に据え置くことを決めた。



Since the previous Board meeting, concerns about the creditworthiness of a number of European governments have again become the main focus of financial markets, with a marked rise in sovereign bond spreads for some euro-area countries and an increase in volatility. At the same time, recent data suggest that the Chinese and Indian economies have continued to grow strongly and price pressures, particularly for food, have picked up in China as well as a number of other economies in Asia. Modest growth is continuing in the United States.

前回の委員会以降、いくつかの欧州の政府の信用力に関することが再び金融市場の主要な焦点となってきている。それはいくつかのユーロ圏諸国の国債のスプレッドの拡大やボラティリティを増大させていることを伴っている。同時に、最近のデータでは、中国やインド経済は力強い経済が続いており、特に食料において価格プレッシャーが他のアジアの国々同様中国経済においても上向いている。米国においては緩慢な成長が続いている。



For Australia, the terms of trade are at their highest level since the early 1950s, and national income is growing strongly as a result. Recent information indicates that, as had been expected, private investment is beginning to pick up in response to high levels of commodity prices. In the household sector thus far, there continues to be a degree of caution in spending and borrowing, which has led to a noticeable increase in the saving rate. Asset values have generally been little changed over recent months and overall credit growth remains quite subdued, notwithstanding evidence of some greater willingness to lend.

オーストラリアにおいては、交易条件は 1950年代初頭の最も高いレベルに到達しており、国民所得はその結果力強く伸びている。最近の情報では、予測されていたことではあるが、民間投資はコモディティ価格の高いレベルに反応して上向き始めている。これまで家計セクターにおいては、支出と借入れに注意深くなり続けていたが、それは貯蓄率の顕著な増加を導いてきている。資産価格は直近数カ月に渡って僅かな変動であり、一部で大きな貸し出し意欲があったにも関わらず、全体の信用の伸びは抑制されてきた。



Employment growth has been very strong over the past year, though some leading indicators suggest a more moderate pace of expansion in the period ahead. After the significant decline last year, growth in wages has picked up somewhat, as had been expected. Some further increase is likely over the coming year.

いくつかの先行指標は前の期間よりもモデレートなペースになることを示しているが、雇用の伸びは通年にわたってとても力強い。賃金の伸びについては前年に大幅に減っていたあと、予想されていたとおり今年は幾分増加している。来年に渡ってもさらにいくらか伸びていくのだろう。



The exchange rate has risen significantly this year, reflecting the high level of commodity prices and the respective outlooks for monetary policy in Australia and the major countries. This will assist, at the margin, in containing pressure on inflation over the period ahead. Over the next few quarters, inflation is expected to be little changed, though it is likely to increase somewhat over the medium term if the economy grows as expected.

コモディティ価格の高騰やオーストラリアや他の主要国における金融政策のそれぞれの見通しを反映する形で、今年の為替レートは力強く上昇した。これは、期間前後においてマージンを含むインフレの圧力を封じ込めている。経済が予想通りに伸びていくのであれば中期的にやや上昇するであろうが、次の数四半期に渡ってインフレはそんなには変わらないと予想されている。



Following the Board's decision last month to lift the cash rate, and the subsequent increases by financial institutions, lending rates in the economy are now a little above average. The Board views this setting of monetary policy as appropriate for the economic outlook.

前月の委員会の利上げの決定に従って、その後金融機関も金利を上昇させたことから、経済における貸出金利はやや平均以上にある。委員会はこの金融政策が経済見通しにとって適当なものであるとみている。




まず、第2パラグラフにおいては現状の金融市場の不安定要因について述べている。前回の声明文が、


The global economy grew faster than trend over the year to mid 2010....
世界経済は2010年の半ばまでトレンドよりも速く成長してきた。




となっていたことから比べると、現状の金融市場については楽観できる状況ではないことを示唆している。当然のことながら金融市場が不安定になってしまえと、オーストラリアにとって経済変動要因として大きい通貨やコモディティなどのボラティリティを高め、経済見通しの不確実性を上昇させることになる。ステートメントの最初に欧州の金融不安について言及していることから金融市場への配慮するという姿勢を強調している格好だろう。一方でアジア経済は相変わらず力強い伸びを示している。このあたりは先進国と対照的であるが、オーストラリアにとって最大の貿易相手国である中国の動向にも経済が左右されるので、このあたりは状況を注視しているが、問題点としては特に食料などに価格上昇圧力が強まっており、インフレ懸念が強いことを取り上げている。中国に関しては今後利上げを含む金融引き締め政策を取っていくことになるのであろうから、その場合の自国への影響についても考慮していかなければならないのだろう。


第3パラグラフにおいてはオーストラリアの自国の経済についての概況を述べている。ハイレベルな交易条件とそれに伴う所得の伸び、あるいは民間投資の伸びなどについてはアップサイドなファクターとして捉えられている。一方で家計セクターにおいては消費と借入れについて注意深くなっていると指摘している。特に個人消費に関しては足元小売売上が予想外に下振れているなどしており、それほど消費が強いというものではないことを示している。以下のグラフはオーストラリアの小売売上高の推移(YoY/出所:Australian Bureau of Statistics)。


Australia GDP 20101207


また、7-9月期のGDPも前期比で0.2%となっており、設備投資の減速や住宅購入などが抑制されたことから2008年以来の低い伸び率に留まっている。以下はオーストラリアのGDP推移(出所:Australian Bureau of Statistics)。


Australia GDP 20101207


住宅に関しては今年の前半まで金利が低位であったことを背景に信用の拡大によりブームとなっていったが、RBAの金融引き締めにより住宅ローン金利が上昇してきたことから、ここ数カ月は住宅の購入意欲が低下している(但し、10月の住宅着工許可件数は9.3%増加)ということになるのだろう。現状でGDP寄与において0.1%押し下げている。また設備投資についても同様だろう。第4パラグラフにおいてはオーストラリア経済が今後減速することを示唆しているが、雇用の状況は改善しており、引き続き賃金も緩やかに上昇していくだろうということを見込んでいる。


第5パラグラフ以降はインフレと政策金利に関する記述であるが、為替レートが高止まりしていた(特に対ドルでパリティだった時期もある)ことから輸入物価が押し下げられ、その結果インフレを抑制してきたというところだろう。以下はAUDUSDの日足チャート。


audusd daily 20101206


今後のインフレ見通しに関しては、同国経済が金融引き締めの結果今後減速気味に推移していくことや為替レートの高止まりなどを背景にあまり変化がないものとみており、これが今回利上げを見送った主因となっている。7-9月のCPIも前年比2.8%の伸びとなっており、2-3%とする同国のインフレターゲットの範囲内に収まっていることから、先行きアップサイドリスクが高まってこなければ現状のインフレ及びその見通しから政策を変更するには至らず、現状の金融政策が"appropriate for the economic outlook"であるという結論になったのだろうと思われる。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: RBA  金利  金融政策  新興国  マーケット 
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