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FOMC Preview~緩和政策維持へ 

12月14日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、11月に決められた追加量的緩和政策(QE2)を維持していくものとみられる。すなわち、


・6000億ドル規模の長期国債の買い入れの実施
・月あたり750億ドルのペースで買い入れる
・買い入れ期間は2011年第2四半期末まで
・定期的に証券の買い入れペースや全体の資産買入プログラムの全体の規模について、経済指標などを照合しながら見直しを行い、調節する
・声明文に現在は「デュアル・マンデートにかなうよりも低いインフレ率」を強調することで暗にインフレターゲット的な政策を意識している


このようなことが決められている。この大枠についての変更は行われないものと思われる。FOMCで投票権を有するセントルイス連銀ブラード総裁によれば、前回の会合決定の要因を以下のように説明している(The U.S. Economic Situation and Recent Monetary Policy Developments参照)。


My view of the FOMC decision
I will give a five-part description of this decision:
1)There has been a disinflationary trend in 2010.
2)Japanese experience indicates that a near-zero nominal interest rate, mildly deflationary equilibrium exists and is difficult to escape.
3)Monetary policy should be directed to avoiding this outcome, but U.S. short-term interest rates are already approximately zero.
4)Asset purchases can substitute for ordinary monetary policy, and have had conventional financial market effects.
5)Maximum effects on the real economy take 6 to 12 months and can be difficult to disentangle, but should be conventional as well.

FOMC会合での政策決定に関する私の見方
1)2010年はディスインフレーション的な傾向が存在している。
2)日本の経験は、ゼロ近辺の名目金利はマイルドなデフレ均衡が存在しており、回避することは困難である。
3)金融政策はこの帰結を避ける必要があるが、米国の短期金利はすでにほぼゼロである。
4)資産購入は通常の金融政策に置き換えられ、金融市場への効果は伝統的なものとなるはずである。
5)実態経済への効果が最大に出るのは6-12カ月掛かり、政策を解除するのは困難であるが、伝統的な金融政策と同様(の効果)となるはずだ。



ディスインフレーション的な傾向というのは、例えばコアPCEデフレータについては、Fedのマンデート(責務)にかなう水準である2%からはかけ離れていることを問題視している。以下のグラフはPCEの推移である(出所:StLouisFed)。


PCE 20101214


このことから前回のFOMC声明文では現状のインフレの基調について"Although the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability, progress toward its objectives has been disappointingly slow."(価格の安定を背景に徐々に資源活用が高いレベルに戻ることを見込んでいるが、その目標に向けた進展は残念ながら遅い。)としてあるべきインフレトレンドに戻すための政策のアプローチと、それが達成されるまで金融緩和を継続する姿勢を取った。資産買い入れについて、ブラード総裁は、


Implementation via asset purchases
・Ordinary monetary policy would lower short-term nominal interest rates, but those rates are already near zero.
・Asset purchases of Treasury securities at longer maturities can substitute for ordinary monetary policy.
・This puts downward pressure on nominal interest rates further out the yield curve, along with upward pressure on expected inflation.
・Accordingly, the policy puts downward pressure on real interest rates.

伝統的な金融政策では短期の名目金利をより低くすることであるが、現状はすでにゼロに近い。長期国債による資産買い入れは伝統的な金融政策の代わりになる。これは、名目金利、さらにはイールドカーブを押し下げ、同時にインフレ期待を押し上げる。従って、この政策は実質金利を押し下げることになる。



としている。つまり、この資産購入の狙いは、長期国債を買い入れることから名目金利を押し下げてインフレ期待を高め、実質金利を押し下げて投資活動を活発にさせるということである。従ってまずは名目金利を押し下げることを主眼に債券を購入していくということに重点が置かれる。


そしてQE2が実施されたあとに、マーケットの反応についてこう総括している(実体経済への波及にはラグが存在することに留意)。


The effects of asset purchases in financial markets

・The policy change was largely priced into markets ahead of the November FOMC meeting.
・While asset purchases are sometimes viewed as unconventional, the financial market effects have been entirely conventional.
・In particular, real interest rates declined, inflation expectations rose, the dollar depreciated, and equity prices rose.
・These are the same financial market effects one might observe when the Fed eases monetary policy in ordinary times (that is, in an interest rate targeting environment).

・政策の変更はFOMC会合に先んじてマーケットに織り込まれた。
・資産購入は時に非伝統的であるとみられているが、金融市場への影響は完全に伝統的だ。
・とりわけ、実質金利は低下し、インフレ期待は上昇、ドルは下落し、株価は上昇した。
・これらは平時(すなわち金利操作の環境)に金融政策を緩和したときに同様な金融市場の反応が見られている



実質金利(名目金利-物価上昇率)の低下はジャクソンホールにおけるバーナンキ議長の講演を境に低下しているということになっておりひとまず成功との見方をしている。しかし、バーナンキ議長がFOMCの翌日にワシントン・ポストで語った金融政策の波及効果についてはやや達成できるかどうかについて疑問がもたれている。以下はワシントン・ポストの"What the Fed did and why: supporting the recovery and sustaining price stability"より。


This approach eased financial conditions in the past and, so far, looks to be effective again. Stock prices rose and long-term interest rates fell when investors began to anticipate the most recent action. Easier financial conditions will promote economic growth. For example, lower mortgage rates will make housing more affordable and allow more homeowners to refinance. Lower corporate bond rates will encourage investment. And higher stock prices will boost consumer wealth and help increase confidence, which can also spur spending. Increased spending will lead to higher incomes and profits that, in a virtuous circle, will further support economic expansion.

このアプローチは金融の状況を緩和させ、さらに効果が出そうである。投資家が最近のFedの行動を予測したとき、株価は上昇し、長期金利が低下した。緩和的な金融の環境は経済成長を促進するだろう。例えば、低いモーゲージ金利は手頃な価格で住宅を作ることが出来、借り換えをより促進させるだろう。低い社債利回りは投資に踏み切らせるだろう。そしてより高い株価は消費者の財産を高め、信頼感を高め、消費に拍車を掛けることが出来る。消費支出が増加すれば高い収入や利益をもたらし、好循環なうちに、経済の拡大をよりサポートするだろう。



この中で、確かに株価が上昇し、可処分所得が増加したことから消費が高まったということはいえるだろう。以下はS&P500の推移(出所:StLouisFed)。


SP500 20101214


しかし、金利は11月以降上昇の一途を示しており、それに伴い住宅ローン金利も上昇している。以下は米国債のイールドカーブ。


UST Yield Curve 20101214


30年固定モーゲージ金利の推移(出所:StLouisFed)


MORTGAGE30US 20101214


MBA住宅ローン申請指数(借り換え・新規購入)の推移(出所:Bloomberg)

新規購入

MBAPRCH 20101214


リファイナンス

MBAREFI 20101214


*新規購入の指数が上昇しているのは金利に先高観があり、駆け込み的な需要を喚起しているものと思われる。一方でリファイナンス指数は金利上昇にビビットに反応し低下。


従って、この金利上昇は住宅購入の需要を減退させる懸念があり、二番底懸念を強くしている住宅市場そのものにダメージを与えかねないほか、実質金利が名目金利の押し上げによって上昇してしまって投資活動を鈍くさせるリスクもはらんでいる。個人的には11月からの金利上昇はQE2への期待で形成された相場の反動であり、インフレ率のさらなる低下や、資金需要の低さに起因する銀行等の国債保有のニーズが高まることから将来的に金利も低下バイアスが掛かっていくものと思われるが、現状の金利上昇は当初のFedの思惑、すなわち名目金利の押し下げということに対してやや裏目に出ているといった感じもある。従って、現状の金利の情勢についてなんらかの懸念を表明するのか、逆にあるいはこの金利上昇がインフレ期待の高まりということから放置する姿勢をとるのかが、今回のFOMCにおいて見定めるポイントの一つであろうと思われる。声明文では金融市場についての情勢に触れられるかどうかであり、議事録においては現状の金利情勢に関する委員の見方というところになるし、政策的なインプリケーションとしては時間軸政策の強化(すなわち物価上昇率がデュアルマンデートにかなう水準に到達するまで現状の緩和政策を継続する、といったニュアンス)もしくはインフレターゲット的なアプローチが取られるかどうかだろう。


声明文における経済見通しに関しては先日発表されたベージュブックを考慮する限りにおいては、家計支出についてはやや上方修正する余地があり、商業用不動産投資に関して底打ちの見方を示す可能性もあり、ややポジティブな内容になることも想定されるものの、11月の失業率は9.8%に上昇しており、引き続き雇用に対してはネガティブな見方を行っていき、回復は緩慢であることを印象づけるものとなるだろう。そして今回もホーニグ委員が反対票を入れれば、投票権を有した1年間全て決定に反対したということになり、無論これはFOMC史上はじめてのことになる。



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カテゴリ: 市場視点

タグ: Fed  金融政策  FOMC  QE2  金利  株式  債券  マーケット 
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